ファクト ~真実~

華ノ月

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最終章 愛されていた鳥

第3話

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『僕は女神と結ばれるためにある事を計画中!女神の住んでいる場所を特定して女神を犯す予定でいるのさ!でも、大丈夫!女神は優しいから絶対に許してくれる。そして、笑顔で僕との子供を身籠ってくれて、僕は女神と暮らすんだよ!準備は万全だ!』

 投稿にはそう書かれていて、奏はその投稿を読んでガタガタと震えている。

 狂気の沙汰とも取れる内容にその場にいる透たちも何も言葉が出ない。

 更に前の投稿も確認すると、『女神のハンカチゲット!』とか『女神の喫茶店で使ったストローを手に入れた!』と言った内容の投稿がされていた。

「なに……これ……」

 奏がその投稿を読んで身体を震わせながらそう声を出す。

「大丈夫か?」

 透が奏にそう声を掛ける。その言葉に奏はなんとか頷き返す。

「……で、奏ちゃんをストーカーしていた男が殺されたのよね?」

「あぁ、そうだ」

 冴子の言葉に本山がそう答える。

「ということは、犯人は奏の事を大切に思う人物……」

 透がそう言葉を綴る。

「ちなみに確認だけど、広斗君は今どこにいるの?」

「一週間前からマレーシアの方に行っています……。それは間違いありません……。空港までお見送りに行きましたから……」

 冴子の言葉に奏がそう答える。

「お友達でこのような事をしそうな人は?」

「絵美ちゃんも孝君もゆっちゃんもそういう事はしないです……」

 冴子の更なる問いかけに、奏がそう言葉を綴る。

「でも、絶対とは言い切れないな。もしかしたら……と言う可能性もある」

 槙がそう淡々と言葉を綴る。

「そんな……」

 その言葉に奏が小さく声を上げる。

「水無月、最近何か気になること、思い当たる事はないか?」

 本山がそう問いかける。

「最近……ですか?特には……あっ……!」

 奏がそこまで言いかけてある事を思い出し、声を出した。



 ――――カタカタカタカタ……。


 男が部屋でパソコンを打っている。小説投稿サイトのメッセージ欄に何かを書き込む。


 ――――カタカタカタカタ……カタカタカタカタ……。


 手際よくキーボードを打ち、書き込んでいく。


 ――――カタン……。


「ふぅ……」

 書き終わったのか、男は送信ボタンを押すと、小さく息を吐く。そして、煙草を取り出し空中に向って煙を吐き出す。その後、例のサイトを開き、そのサイトに他にも危険な人物がいないかを確認するが、特に怪しい投稿が無いのでそのサイトを閉じる。

「腹減ったな……」

 男はそう小さく呟くと、サングラスをかけて部屋から出て行った。



「……視線?」

 奏の言葉に冴子がそう聞き返す。

「はい……。ここの所視線を感じる時はありました。それに、昨日は特に強い視線を感じたのでが、辺りを見回しても誰もいないので気のせいだろうって思っていたのです……。そして、いつもの帰り道に通る事件現場となった田んぼ道は歩きました……」

 奏がまだ恐怖感が抜けないのか少し青ざめた顔でそう言葉を綴る。

「ちなみに来るときはどうやって来ているの?」

 冴子がそう問いかける。確かに電車で帰っていたら行きも電車になるはずだから、その道を通るはずである。事件の事を知っていてもおかしくない。しかし、来た時は特に表情もいつも通りで特に何かあった感じはない。

「その……、来るときは丁度良い時間にバスがあるのでバスで来ているのです。帰りが電車なのは帰りの時間にバスの本数がぐっと減っているのでバス停でかなりの時間を待つことになるのですよ……。それだと電車で帰った方が早いので電車で帰っているのです……」

 奏がそう説明する。

「そうなのね……。でも、念のためしばらく帰りもバスで帰った方が良さそうね……。ストーカーをしていた小川がいなくなったとはいえ、念には念を入れた方がいいわ……」

「はい……」

 冴子の言葉に奏が素直に応じる。

「ところで、その友達たちにコンタクトは取れるか?」

 本山がそう口を開く。

「え?」

 その言葉に奏が声を出す。

「一応、犯人ではないかどうかの確認を取るためだ」

「え……絵美ちゃんたちはそんなことする人じゃ……」

 本山の言葉に奏がそう反論しようとする。

「奏、無実を証明するためだ」

 槙がそう言葉を綴る。

「……分かりました。連絡してみます」

 奏はそう言うと、絵美、孝、由紀子にメッセージを送った。



「……ちょっと、休むか」

 男がそう言って喫茶店に入っていく。ウエイトレスにコーヒーを注文して運ばれてくるのを待つ。

(……いい天気だな。あの時と一緒だ……)

 男が窓から外を眺めながらそう心で呟く。

 しばらく外を眺めていると、ウエイトレスがコーヒーを運んできた。男はそのコーヒーを飲み見ながらひと時を過ごす。

 その時だった。


 ――――チリーン……。


 店のベルが響き、誰かが入ってくる。男は何気にドアの方向に顔を向けた。

「!!」

 入っていた二人組に男は目を見開いた。

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