94 / 140
第五章 羽を失った鳥は猛獣をエサにする
第15話
しおりを挟む
「わ……私じゃ……」
取調室で本山の言葉に麗美が震えながら「自分じゃない」と否定する。
「じゃあ、このやり取りはどういう事だ?」
本山がそう言って槙が解析して見つけた下井とのやり取りのメッセージのコピーを見せる。
「……っ!!」
麗美がそれを見て驚く。
「……この日、この時間に何処にいたんだ?」
本山が麗美が下井に送った殺害現場となったホテルでのやり取りのメッセージを指で差しながらそう声を発する。
「そ……その時間は……買い物に……」
麗美が歯切れ悪くそう言葉を綴る。
「……ほう、何処の店で買い物を?その店の名前は?」
「えっと……その……」
本山の言葉に麗美が更に歯切れが悪くなる。
「……これだけ証拠が出ているんだ。いい加減認めたらどうだ?」
本山が威嚇するような鋭い目でそう言葉を発する。その言葉に麗美が黙り込む。
「……今度は黙秘か?」
本山の言葉に麗美が体をびくつかせる。
「ホテルの部屋から指紋も検出された。洗面所のところだ。もし、無実だと言うならあんたの指紋を採取させてくれないか?もし、それで指紋が一致しなければ解放するしかないからな」
本山が切り札とでも言うような言葉を発する。
「……うっ……うぅ……」
急に麗美が大粒の涙を溜めて泣き出した。
「……落ちるかな?」
特殊捜査室で本山からの報告を待っている奏たちに紅蓮がそう口を開く。
「多分落ちると思うわよ♪本山さん、結構そういうの得意だし♪」
冴子が軽い口調でそう言葉を綴る。
「でも、例のホテルの部屋から麗美の指紋は検出されていないんですよね?」
透はその事が気になるのかそう言葉を発する。
「大丈夫よ♪本山さんなら必ず落とすわ♪」
冴子が愉快そうに声を出す。
「でも、なんで下井さんを殺したのでしょうかね?」
奏が不思議そうにそう言葉を綴る。
「さあな……。それは本人に直接聞かないと分からないけどな」
槙が興味のない感じでそう淡々と言葉を綴る。
「まっ!本山さんからの連絡を待ちましょう♪」
冴子がそう締めくくり、奏たちは自分たちの捜査室で待機しながら本山の連絡を待った。
「……今度は泣き落としか?」
本山が呆れ気味にため息を吐きながらそう言葉を吐く。
「……なんで下井を殺したんだ?」
静かな口調で本山が言う。
「透さんと……」
「え?」
麗美の口からできた名前に本山が声を出す。
「下井さんさえいなくなれば透さんと一緒になれると思って……」
「……は?」
麗美の口から出てきた突拍子のない言葉に本山が間の抜けた声を出す。
「透って……まさか、最近客で来ている透の事か……?」
本山の言葉に麗美が泣きながら頷く。
「……お前、その人が何者か知っているのか?」
「会社に勤めているってことくらいしか……」
本山の言葉に麗美がそう答える。
「……あんたの好きなその透は仕事の関連であの店に行っただけだぞ?」
本山の言葉に麗美が「どういうこと?」と言う顔をする。
「あいつは、会社員ではなく警察官だ」
「……え?」
本山の言葉に麗美が呆気を取られる表情を見せる。
「警察……官……?」
「あぁ、そうだ。捜査のためにあの店に行っていただけだ」
「う……そ……」
本山の言葉に麗美の顔が蒼白になっていく。
「……あんた、下井がいなくなれば透と一緒になれると思って下井を殺害したのか?」
「だって……だって……」
麗美が何かを言おうとするが声が震えて何も言えない。
「……まぁいい。で、毒はどうやって手に入れたんだ?」
本山が呆れ果てたように次の事情聴取を行う。
「……下井さんに作ってもらいました……」
「何の目的で下井に作らせたんだ?」
本山が低い声でそう言葉を発する。
「そ……それは……」
取調室で本山の言葉に麗美が震えながら「自分じゃない」と否定する。
「じゃあ、このやり取りはどういう事だ?」
本山がそう言って槙が解析して見つけた下井とのやり取りのメッセージのコピーを見せる。
「……っ!!」
麗美がそれを見て驚く。
「……この日、この時間に何処にいたんだ?」
本山が麗美が下井に送った殺害現場となったホテルでのやり取りのメッセージを指で差しながらそう声を発する。
「そ……その時間は……買い物に……」
麗美が歯切れ悪くそう言葉を綴る。
「……ほう、何処の店で買い物を?その店の名前は?」
「えっと……その……」
本山の言葉に麗美が更に歯切れが悪くなる。
「……これだけ証拠が出ているんだ。いい加減認めたらどうだ?」
本山が威嚇するような鋭い目でそう言葉を発する。その言葉に麗美が黙り込む。
「……今度は黙秘か?」
本山の言葉に麗美が体をびくつかせる。
「ホテルの部屋から指紋も検出された。洗面所のところだ。もし、無実だと言うならあんたの指紋を採取させてくれないか?もし、それで指紋が一致しなければ解放するしかないからな」
本山が切り札とでも言うような言葉を発する。
「……うっ……うぅ……」
急に麗美が大粒の涙を溜めて泣き出した。
「……落ちるかな?」
特殊捜査室で本山からの報告を待っている奏たちに紅蓮がそう口を開く。
「多分落ちると思うわよ♪本山さん、結構そういうの得意だし♪」
冴子が軽い口調でそう言葉を綴る。
「でも、例のホテルの部屋から麗美の指紋は検出されていないんですよね?」
透はその事が気になるのかそう言葉を発する。
「大丈夫よ♪本山さんなら必ず落とすわ♪」
冴子が愉快そうに声を出す。
「でも、なんで下井さんを殺したのでしょうかね?」
奏が不思議そうにそう言葉を綴る。
「さあな……。それは本人に直接聞かないと分からないけどな」
槙が興味のない感じでそう淡々と言葉を綴る。
「まっ!本山さんからの連絡を待ちましょう♪」
冴子がそう締めくくり、奏たちは自分たちの捜査室で待機しながら本山の連絡を待った。
「……今度は泣き落としか?」
本山が呆れ気味にため息を吐きながらそう言葉を吐く。
「……なんで下井を殺したんだ?」
静かな口調で本山が言う。
「透さんと……」
「え?」
麗美の口からできた名前に本山が声を出す。
「下井さんさえいなくなれば透さんと一緒になれると思って……」
「……は?」
麗美の口から出てきた突拍子のない言葉に本山が間の抜けた声を出す。
「透って……まさか、最近客で来ている透の事か……?」
本山の言葉に麗美が泣きながら頷く。
「……お前、その人が何者か知っているのか?」
「会社に勤めているってことくらいしか……」
本山の言葉に麗美がそう答える。
「……あんたの好きなその透は仕事の関連であの店に行っただけだぞ?」
本山の言葉に麗美が「どういうこと?」と言う顔をする。
「あいつは、会社員ではなく警察官だ」
「……え?」
本山の言葉に麗美が呆気を取られる表情を見せる。
「警察……官……?」
「あぁ、そうだ。捜査のためにあの店に行っていただけだ」
「う……そ……」
本山の言葉に麗美の顔が蒼白になっていく。
「……あんた、下井がいなくなれば透と一緒になれると思って下井を殺害したのか?」
「だって……だって……」
麗美が何かを言おうとするが声が震えて何も言えない。
「……まぁいい。で、毒はどうやって手に入れたんだ?」
本山が呆れ果てたように次の事情聴取を行う。
「……下井さんに作ってもらいました……」
「何の目的で下井に作らせたんだ?」
本山が低い声でそう言葉を発する。
「そ……それは……」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
リモート刑事 笹本翔
雨垂 一滴
ミステリー
『リモート刑事 笹本翔』は、過去のトラウマと戦う一人の刑事が、リモート捜査で事件を解決していく、刑事ドラマです。
主人公の笹本翔は、かつて警察組織の中でトップクラスの捜査官でしたが、ある事件で仲間を失い、自身も重傷を負ったことで、外出恐怖症(アゴラフォビア)に陥り、現場に出ることができなくなってしまいます。
それでも、彼の卓越した分析力と冷静な判断力は衰えず、リモートで捜査指示を出しながら、次々と難事件を解決していきます。
物語の鍵を握るのは、翔の若き相棒・竹内優斗。熱血漢で行動力に満ちた優斗と、過去の傷を抱えながらも冷静に捜査を指揮する翔。二人の対照的なキャラクターが織りなすバディストーリーです。
翔は果たして過去のトラウマを克服し、再び現場に立つことができるのか?
翔と優斗が数々の難事件に挑戦します!
パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
蠍の舌─アル・ギーラ─
希彗まゆ
ミステリー
……三十九。三十八、三十七
結珂の通う高校で、人が殺された。
もしかしたら、自分の大事な友だちが関わっているかもしれない。
調べていくうちに、やがて結珂は哀しい真実を知ることになる──。
双子の因縁の物語。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる