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第五章 羽を失った鳥は猛獣をエサにする
第4話
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「いらっしゃいませ~♪あら、初めてのお客様ですね」
透と紅蓮を見て着物姿のママがそう声を上げる。
紅蓮の提案でフェリチタに行くことになり、紅蓮と透が忍び込むことになった。奏と槙は店の外で待機することになり、外で連絡が来るのを待つ。
「……上手く聞くことが出来ますかね?」
外で待機している奏がそう声を出す。
「大丈夫だろ。特に紅蓮は女の心を鷲掴みにするのが得意だ」
槙がどこか呆れ気味でそう言葉を綴る。褒めているのか馬鹿にしているのかどうとっていいか分からなくて奏が言葉を紡げない。
「まぁ、透もいるしな。下手に女に手を出すことは無いだろ」
槙の言葉に奏が「やっぱり馬鹿にしているのかな?」と心でそう呟く。
「とりあえず、連絡があるまで待機だ。……それにしても今日は冷えるな。何か温かな飲み物を自販機で買ってくるよ」
槙がそう言って近くの自販機で飲み物を買い、奏にも渡す。
「ありがとうございます……。あの、お金……」
奏がそう言って鞄から財布を出そうとする。
「いいよ、これくらい」
槙がそう言葉を発する。
「あ、そうだ。この前奏に教えて貰ったサイトにアクセスして奏の書いた小説を読んでみたよ。なんか、あれだな。ミステリーでもあるけど、ヒューマンドラマっぽい感じだな」
「読んでくれたのですか?ありがとうございます。どの話ですか?」
槙の言葉に奏が嬉しそうにそう尋ねる。
「確か、『雪は溶けて、春が来る』だったかな?なんか学童を舞台に事件が起こる話だ。短編だったけど、話の流れはスピーディだし、最後は良かったなって思った。確かにそれ故にそういう事が起こる可能性はあるよなって感じたよ」
「……そうですね。理解が得られないとなるとそういうことは起こりかねません……。私の作品はどの作品も何かしらのメッセージが込められています。なので、沢山の人に読んでもらってそういうことをしたらそうなるんだよ……と言うのを伝えたいです……」
「奏らしいな……」
奏の言葉に槙がそう言葉を綴る。
「まぁ、また気が向いたら他の作品も読んでみるよ」
「はい。よろしくお願いします」
槙の言葉に奏が笑顔でそう言葉を綴った。
「……あははっ!眞子ちゃんはポジティブ思考なんだね!」
紅蓮と透の席に来た眞子の明るさに紅蓮が笑いながらそう言葉を綴る。
「その明るさは確かにいろんな人を笑顔にするかもしれないな」
透も眞子の明るさにそう言葉を綴る。
「ありがとうごさいまーす!まぁ、私はそれが唯一の取り柄なんで♪」
二人の言葉に眞子が笑顔でそう言葉を綴る。
「いや!その明るさは人と関わる上で重要になってくると思うよ!やっぱり明るい人って周りの人を笑顔にするって言うしさ!!」
紅蓮が焼酎の水割りを飲みながらそう言葉を綴る。
「そう言ってくれると嬉しいです!あっ!良かったらお代わり作りますよ!」
眞子が透のグラスが空な事に気付いてそう声を掛ける。透は「どうも」と言って水割りのお代わりを作ってもらう。
「そう言えば、こういうところのお店の女の子同士って仲は良いの?」
「うーん……。そうですねぇ……?まぁ、仲が良い人もいるし、あまり会わない人もいるし……。まっ!それぞれですね!」
透の言葉に眞子はしばらく考えた後、そう言葉を綴る。
その時だった。
――――チリーン……。
店のドアが開き、一人の客が入ってくる。
「あら、いらっしゃい、西田様」
ママが店に来た客にそう声を掛ける。
「やぁ、ママ。麗美ちゃんはいるかな?」
「はいはい♪席に呼びますね」
ママがそう言って西田を席に案内すると、「しばらくお待ちください」と言って、他の客を相手にしている麗美を呼びに行く。
「こんばんは、西田さん」
しばらくして西田の席に麗美が笑顔でやってくる。
そして、いつものように高いボトルを注文して麗美に作ってもらう。
「……ねぇ、なんでメッセージの返信くれなかったの?」
西田が麗美の耳元で小さく声を掛ける。
「……ごめんなさい、ちょっと忙しかったので……」
麗美が申し訳なさそうに困った笑顔でそう答える。
「ねぇ……、今日ならいいでしょ?」
「今日はラストまでいなきゃいけないから……」
西田の言葉に麗美がそう言葉を返すと、西田は舌打ちをして、麗美が作ったロックを不機嫌そうに飲み始めた。
「……へぇ、じゃあ、合わないと衝突しちゃうこともあるんだ……」
紅蓮が店に勤める女の子たちの間で「そりが合わない子はどうするんだ?」というようなことを聞いたら、眞子からそういう話を聞く。
「えぇ……。やっぱり夜の世界ってその子の売り上げが左右するし、時には客を取られた取ってないで喧嘩になる事もありますよ?その子が人気あるかどうかで収入も変わってきますからね。だから、客を獲得するためにえげつないことをする子も中に入るんじゃないですかね?」
「……例えばどんな?」
眞子の話に紅蓮がそう問いかける。
「まぁ、多いのが枕営業ですね。寝ることでその客を確保するみたいな……」
「なるほどな……」
眞子の話に透がそう言葉を発する。
枕営業とは、言ってしまえば客と夜の行為をすることだ。しかし、ホステスは基本そう言った行為は違反になる。しかし、客を確保するために、そういう事を選ぶ女も少なからずいるのも現状だ。
「……まぁ、ここは一切そういうことは禁止ってなっていますが、やっている人もいるとは思いますよ?」
「でも、それってストレスにもならないかな?客を確保するために好きでもない男と寝る訳だろ?」
眞子の話に紅蓮がそう異論を唱える。
「……まぁ、普段から夜のこういった店に来る人って、そういう事も視野に入れている人もいますからね。だから、お客さんによっては平気で身体を触る人もいますよ?なんで、ストレス発散のためにホストクラブに行く子も多いのが現状ですね」
「……そういえば、ニュースで見たけど、ホストが一人殺されたって……」
透が思い出したようなふりをしてそう言葉を発する。
「みたいですねー。なんか、同じクラブの別のホストが殺したって言う話ですよね?」
眞子が「やだやだ」と言いながら、紅蓮のグラスにお代わりを作り、「どうぞ」と言って手渡す。
「ちなみに眞子ちゃんは仲の良い女の子はいるの?」
「仲が良いというか、慕っている人はいますよ!」
紅蓮の質問に眞子が笑顔で答える。
「へぇ、なんて子なの?」
「真奈美さんって言う人なんですけど、とても面倒見が良くてお姉さんって感じの人なんですよ!時々、真奈美さんが私の部屋に来てご飯を作ってくれることもあるんですよ!他にもですね……」
眞子がそう言って真奈美の事を楽しそうに話していった。
「ねぇ、麗美ちゃん、せっかくだしさ、今夜とか……」
西田が諦められないのか、酔いが回ってきた事をいいことに麗美に詰め寄りながらそう耳元で囁く。
「だから、今日はラストまでだから……」
「じゃあさ……、ラストまでいるからその後で……それならいいでしょ?」
西田が「今日こそは!」と考えているのか諦めずに何度もしつこく誘う。
「……その時間はもう疲れているから」
麗美が何とか断れないかと理由を考える。
「ちょっと、来てよ」
西田が席を立ち、麗美にそう言葉を投げかける。
「あっ!ママ、ちょっと外の空気を吸いながらタバコを吸いたいからちょっと麗美ちゃん借りるね!」
店のカウンターにいるママに西田がそう声を掛ける。ママは「分かったわ」と言うジェスチャーをしたので、西田が麗美を外に連れていく。
「火、くれ」
外に出ると西田がそう麗美に声を掛ける。麗美は言われた通りにライターを付けて西田のタバコに火を付ける。
「お前、俺と寝る気はないって言うのか?俺がどれだけ金をつぎ込んでいるだと思っているんだ?それくらいのサービスは構わないだろ?!」
西田が怒鳴るように麗美にそう声を発する。
「……あ、店から誰か出てきましたね」
外で待機している奏がそう声を出す。しばらくそのやり取りを見ているが、男が女に怒鳴っているような声が聞こえる。
「なんか様子がおかしくないか?」
槙が二人を見てそう声を出す。
そして、二人に気付かれないようにそっと二人の会話が聞こえる所まで移動する。すると、声の音量は小さいが会話が聞こえるまでになる。
「……どうなんだよ?!どれだけお前に金を貢献していると思っているんだよ?!」
「そ……それは店の規則でお断りしているので……」
西田の言葉に麗美がそう言葉を綴る。
「それはおかしいな?そういうことをおまえはしていると他の客から聞いているんだが?」
西田がにやりと笑いながらそう言葉を綴る。
「そ……それは何かの間違いじゃ……」
麗美が必死に断るための言葉を綴る。
「……お前、俺が六十過ぎのジジィだからそういう事は出来ないとか言うんじゃないだろうな?!」
西田が顔を赤くしながらそう言葉を吐く。
「いえ……、そういうわけでは……」
「弾むからさ……だから……」
西田がそう言って自分の唇を麗美の唇に近づけようとする。
「何をしているのですか?」
透と紅蓮を見て着物姿のママがそう声を上げる。
紅蓮の提案でフェリチタに行くことになり、紅蓮と透が忍び込むことになった。奏と槙は店の外で待機することになり、外で連絡が来るのを待つ。
「……上手く聞くことが出来ますかね?」
外で待機している奏がそう声を出す。
「大丈夫だろ。特に紅蓮は女の心を鷲掴みにするのが得意だ」
槙がどこか呆れ気味でそう言葉を綴る。褒めているのか馬鹿にしているのかどうとっていいか分からなくて奏が言葉を紡げない。
「まぁ、透もいるしな。下手に女に手を出すことは無いだろ」
槙の言葉に奏が「やっぱり馬鹿にしているのかな?」と心でそう呟く。
「とりあえず、連絡があるまで待機だ。……それにしても今日は冷えるな。何か温かな飲み物を自販機で買ってくるよ」
槙がそう言って近くの自販機で飲み物を買い、奏にも渡す。
「ありがとうございます……。あの、お金……」
奏がそう言って鞄から財布を出そうとする。
「いいよ、これくらい」
槙がそう言葉を発する。
「あ、そうだ。この前奏に教えて貰ったサイトにアクセスして奏の書いた小説を読んでみたよ。なんか、あれだな。ミステリーでもあるけど、ヒューマンドラマっぽい感じだな」
「読んでくれたのですか?ありがとうございます。どの話ですか?」
槙の言葉に奏が嬉しそうにそう尋ねる。
「確か、『雪は溶けて、春が来る』だったかな?なんか学童を舞台に事件が起こる話だ。短編だったけど、話の流れはスピーディだし、最後は良かったなって思った。確かにそれ故にそういう事が起こる可能性はあるよなって感じたよ」
「……そうですね。理解が得られないとなるとそういうことは起こりかねません……。私の作品はどの作品も何かしらのメッセージが込められています。なので、沢山の人に読んでもらってそういうことをしたらそうなるんだよ……と言うのを伝えたいです……」
「奏らしいな……」
奏の言葉に槙がそう言葉を綴る。
「まぁ、また気が向いたら他の作品も読んでみるよ」
「はい。よろしくお願いします」
槙の言葉に奏が笑顔でそう言葉を綴った。
「……あははっ!眞子ちゃんはポジティブ思考なんだね!」
紅蓮と透の席に来た眞子の明るさに紅蓮が笑いながらそう言葉を綴る。
「その明るさは確かにいろんな人を笑顔にするかもしれないな」
透も眞子の明るさにそう言葉を綴る。
「ありがとうごさいまーす!まぁ、私はそれが唯一の取り柄なんで♪」
二人の言葉に眞子が笑顔でそう言葉を綴る。
「いや!その明るさは人と関わる上で重要になってくると思うよ!やっぱり明るい人って周りの人を笑顔にするって言うしさ!!」
紅蓮が焼酎の水割りを飲みながらそう言葉を綴る。
「そう言ってくれると嬉しいです!あっ!良かったらお代わり作りますよ!」
眞子が透のグラスが空な事に気付いてそう声を掛ける。透は「どうも」と言って水割りのお代わりを作ってもらう。
「そう言えば、こういうところのお店の女の子同士って仲は良いの?」
「うーん……。そうですねぇ……?まぁ、仲が良い人もいるし、あまり会わない人もいるし……。まっ!それぞれですね!」
透の言葉に眞子はしばらく考えた後、そう言葉を綴る。
その時だった。
――――チリーン……。
店のドアが開き、一人の客が入ってくる。
「あら、いらっしゃい、西田様」
ママが店に来た客にそう声を掛ける。
「やぁ、ママ。麗美ちゃんはいるかな?」
「はいはい♪席に呼びますね」
ママがそう言って西田を席に案内すると、「しばらくお待ちください」と言って、他の客を相手にしている麗美を呼びに行く。
「こんばんは、西田さん」
しばらくして西田の席に麗美が笑顔でやってくる。
そして、いつものように高いボトルを注文して麗美に作ってもらう。
「……ねぇ、なんでメッセージの返信くれなかったの?」
西田が麗美の耳元で小さく声を掛ける。
「……ごめんなさい、ちょっと忙しかったので……」
麗美が申し訳なさそうに困った笑顔でそう答える。
「ねぇ……、今日ならいいでしょ?」
「今日はラストまでいなきゃいけないから……」
西田の言葉に麗美がそう言葉を返すと、西田は舌打ちをして、麗美が作ったロックを不機嫌そうに飲み始めた。
「……へぇ、じゃあ、合わないと衝突しちゃうこともあるんだ……」
紅蓮が店に勤める女の子たちの間で「そりが合わない子はどうするんだ?」というようなことを聞いたら、眞子からそういう話を聞く。
「えぇ……。やっぱり夜の世界ってその子の売り上げが左右するし、時には客を取られた取ってないで喧嘩になる事もありますよ?その子が人気あるかどうかで収入も変わってきますからね。だから、客を獲得するためにえげつないことをする子も中に入るんじゃないですかね?」
「……例えばどんな?」
眞子の話に紅蓮がそう問いかける。
「まぁ、多いのが枕営業ですね。寝ることでその客を確保するみたいな……」
「なるほどな……」
眞子の話に透がそう言葉を発する。
枕営業とは、言ってしまえば客と夜の行為をすることだ。しかし、ホステスは基本そう言った行為は違反になる。しかし、客を確保するために、そういう事を選ぶ女も少なからずいるのも現状だ。
「……まぁ、ここは一切そういうことは禁止ってなっていますが、やっている人もいるとは思いますよ?」
「でも、それってストレスにもならないかな?客を確保するために好きでもない男と寝る訳だろ?」
眞子の話に紅蓮がそう異論を唱える。
「……まぁ、普段から夜のこういった店に来る人って、そういう事も視野に入れている人もいますからね。だから、お客さんによっては平気で身体を触る人もいますよ?なんで、ストレス発散のためにホストクラブに行く子も多いのが現状ですね」
「……そういえば、ニュースで見たけど、ホストが一人殺されたって……」
透が思い出したようなふりをしてそう言葉を発する。
「みたいですねー。なんか、同じクラブの別のホストが殺したって言う話ですよね?」
眞子が「やだやだ」と言いながら、紅蓮のグラスにお代わりを作り、「どうぞ」と言って手渡す。
「ちなみに眞子ちゃんは仲の良い女の子はいるの?」
「仲が良いというか、慕っている人はいますよ!」
紅蓮の質問に眞子が笑顔で答える。
「へぇ、なんて子なの?」
「真奈美さんって言う人なんですけど、とても面倒見が良くてお姉さんって感じの人なんですよ!時々、真奈美さんが私の部屋に来てご飯を作ってくれることもあるんですよ!他にもですね……」
眞子がそう言って真奈美の事を楽しそうに話していった。
「ねぇ、麗美ちゃん、せっかくだしさ、今夜とか……」
西田が諦められないのか、酔いが回ってきた事をいいことに麗美に詰め寄りながらそう耳元で囁く。
「だから、今日はラストまでだから……」
「じゃあさ……、ラストまでいるからその後で……それならいいでしょ?」
西田が「今日こそは!」と考えているのか諦めずに何度もしつこく誘う。
「……その時間はもう疲れているから」
麗美が何とか断れないかと理由を考える。
「ちょっと、来てよ」
西田が席を立ち、麗美にそう言葉を投げかける。
「あっ!ママ、ちょっと外の空気を吸いながらタバコを吸いたいからちょっと麗美ちゃん借りるね!」
店のカウンターにいるママに西田がそう声を掛ける。ママは「分かったわ」と言うジェスチャーをしたので、西田が麗美を外に連れていく。
「火、くれ」
外に出ると西田がそう麗美に声を掛ける。麗美は言われた通りにライターを付けて西田のタバコに火を付ける。
「お前、俺と寝る気はないって言うのか?俺がどれだけ金をつぎ込んでいるだと思っているんだ?それくらいのサービスは構わないだろ?!」
西田が怒鳴るように麗美にそう声を発する。
「……あ、店から誰か出てきましたね」
外で待機している奏がそう声を出す。しばらくそのやり取りを見ているが、男が女に怒鳴っているような声が聞こえる。
「なんか様子がおかしくないか?」
槙が二人を見てそう声を出す。
そして、二人に気付かれないようにそっと二人の会話が聞こえる所まで移動する。すると、声の音量は小さいが会話が聞こえるまでになる。
「……どうなんだよ?!どれだけお前に金を貢献していると思っているんだよ?!」
「そ……それは店の規則でお断りしているので……」
西田の言葉に麗美がそう言葉を綴る。
「それはおかしいな?そういうことをおまえはしていると他の客から聞いているんだが?」
西田がにやりと笑いながらそう言葉を綴る。
「そ……それは何かの間違いじゃ……」
麗美が必死に断るための言葉を綴る。
「……お前、俺が六十過ぎのジジィだからそういう事は出来ないとか言うんじゃないだろうな?!」
西田が顔を赤くしながらそう言葉を吐く。
「いえ……、そういうわけでは……」
「弾むからさ……だから……」
西田がそう言って自分の唇を麗美の唇に近づけようとする。
「何をしているのですか?」
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