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第三章 愛を欲しがった悲しみの鳥
第11話
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「……この車じゃないか?」
奏たちが捜索を開始すると、海から割と近いところに設置されていた防犯カメラを見つけた。その防犯カメラを見せてもらい、映像を確認すると濃い青色の車を見つけることが出来た。ただ、映像の中の車が目撃された車かどうかは情報が少なすぎるので判別が出来ない。
「とりあえず、今日の捜査はここまでだな。また明日捜索しよう」
透の言葉で今日の捜査は終了となり、署に戻ると冴子に今日の事を報告してそれぞれ帰路に着くことになった。
「透、今日ちょっといいか?」
署の最寄りの駅まで奏と透と紅蓮がいつものように歩いて帰り、奏が電車に乗ったのを見届けると、透に紅蓮がグラスを傾けるような仕草を見せて、そう声を掛ける。
「……分かったよ」
紅蓮の誘いに透が渋々応じる。
そして、駅を出るとバーに向かって歩きだした。
「ただいまー」
「あっ!おかえり、祐樹!」
仕事が終わって返ってきた祐樹に美玖が駆け寄る。
「はい、これ。美玖の好きないつもの洋菓子屋さんでチョコプリン買ってきたよ」
祐樹がそう言いながらプリンが入った紙袋を美玖に手渡す。
「わーい!ありがとう、祐樹。食後に食べようね!」
美玖が紙袋の中に入っているチョコレートプリンを眺めながら嬉しそうに言葉を綴る。
「……どうしたの?」
賑やかな声が聞こえて、茉理が美玖たちのところにやってくる。
「祐樹がモロコスのチョコプリンを買ってきてくれたの!食後に食べようね!」
美玖が茉理にその紙袋を見せながら笑顔で言葉を綴る。
「茉理ちゃんの分もあるから、よかったらどうぞ」
祐樹が穏やかな口調で微笑みながらそう言葉を綴る。
「あ……ありがとうございます……」
茉理が少し戸惑いながらお礼を言う。
「夕飯は祐樹の好きなビーフシチューだよ!」
「おっ!いいね!」
「今日は時間があったからパンも作ったんだ!ビーフシチューに合わせたかったからロールパンにしたよ」
「もしかしてあの塩麴が入ったロールパン?」
「うん!そうだよ!」
「じゃあ、今日のビーフシチューは更に美味しくなりそうだね」
美玖の言葉に祐樹が嬉しそうに声を発しながら二人で楽しそうに会話をする。
その様子を見て茉理の中でぐるぐると黒い感情が回る。
(……見せ付けないでよ。そんな幸せそうな顔……)
茉理の中で憎しみが溢れてくる。
それは、はらわたが煮えくり返そうなほどの嫉妬だった。
「……で?何か話か?」
バーに到着して、それぞれ注文が終わり、飲み物が運ばれてくると、透がそう話を切り出す。
「俺……、今回の事件、グダグダになっているか?」
紅蓮が顔を手で覆いながらそう言葉を発する。
「はっきりいって身に入ってないな。仕事だぞ?」
透がやんわり言わずに厳しい口調で言う。
「分かってる……分かってるさ……。でも……でも……」
紅蓮がさめざめと涙を流すような仕草でそう言葉を綴る。
「気になって仕方ないんだよぉ~……」
「何がだ?」
紅蓮の言葉に透がはてなマークを浮かべる。
「奏ちゃんの夜の方だよ!!」
紅蓮が力説して答える。
「……は?」
紅蓮の言葉に透が面食らった顔で素っ頓狂な声を出す。
「だ~か~らっ!奏ちゃんが夜のそういう時にどう乱れるのかが気になるんだよぉ~!!」
「……アホか?」
紅蓮の言葉に透が冷ややかな目つきでそう言葉を発する。
「紅蓮……、そんなくだらないことのために俺を飲みに誘ったのか?」
透が半分怒りモードで顔を般若のようにしながら言葉を綴る。目は怒りのせいか怪しく光っている風にも見える。場合によっては銃で紅蓮を撃ち殺しそうな程の殺気が溢れているようにも見えた。
「わ~!!すまん!!透!!俺にとっては切実な問題なんだ!!」
「ほぅ……」
紅蓮の言葉に透が更に空気が凍りそうなほどの冷気を放ち、紅蓮を見下す。
「そのさ……、仕事中にそんなこと考えちゃいけないって分かっているんだけどさ……。なんかそのことが頭から離れなくてさ……。それで、どうしたらそういうことを考えずに済むかを聞きたかったんだ……」
紅蓮が悲痛の表情でそう言葉を綴る。
「……仕事は仕事なんだから、任務中は捜査に集中しろ。分かっているだろ?俺たちの仕事はミスを許されない。ちょっとしたミスや油断が命取りになる可能性だって十分ある。この仕事は死と隣り合わせだ。自分のミスが場合によっては仲間も死に追いやる可能性もあるんだぞ?」
透が真剣な表情で言葉を綴る。
「……あぁ、そうだな……」
透の話を聞いて紅蓮が申し訳ないという感じで言葉を発する。
「……ところでさ、透。お前は奏ちゃんのことどう思う?」
「は?」
真剣な表情で言う紅蓮に透がまた素っ頓狂な声を出す。
「いや、恋愛とかじゃなくてさ……、一緒に捜査してきて透の得意の考察で奏ちゃんがどう見えるかってことなんだ」
「どういうことだ?」
紅蓮の真剣な表情で遊びでその事を聞いているわけじゃないのが分かり、透も真面目な顔になり、紅蓮に問う。
「なんか、奏ちゃんってさ……」
紅蓮がそう言って気になっていることを話した。
奏たちが捜索を開始すると、海から割と近いところに設置されていた防犯カメラを見つけた。その防犯カメラを見せてもらい、映像を確認すると濃い青色の車を見つけることが出来た。ただ、映像の中の車が目撃された車かどうかは情報が少なすぎるので判別が出来ない。
「とりあえず、今日の捜査はここまでだな。また明日捜索しよう」
透の言葉で今日の捜査は終了となり、署に戻ると冴子に今日の事を報告してそれぞれ帰路に着くことになった。
「透、今日ちょっといいか?」
署の最寄りの駅まで奏と透と紅蓮がいつものように歩いて帰り、奏が電車に乗ったのを見届けると、透に紅蓮がグラスを傾けるような仕草を見せて、そう声を掛ける。
「……分かったよ」
紅蓮の誘いに透が渋々応じる。
そして、駅を出るとバーに向かって歩きだした。
「ただいまー」
「あっ!おかえり、祐樹!」
仕事が終わって返ってきた祐樹に美玖が駆け寄る。
「はい、これ。美玖の好きないつもの洋菓子屋さんでチョコプリン買ってきたよ」
祐樹がそう言いながらプリンが入った紙袋を美玖に手渡す。
「わーい!ありがとう、祐樹。食後に食べようね!」
美玖が紙袋の中に入っているチョコレートプリンを眺めながら嬉しそうに言葉を綴る。
「……どうしたの?」
賑やかな声が聞こえて、茉理が美玖たちのところにやってくる。
「祐樹がモロコスのチョコプリンを買ってきてくれたの!食後に食べようね!」
美玖が茉理にその紙袋を見せながら笑顔で言葉を綴る。
「茉理ちゃんの分もあるから、よかったらどうぞ」
祐樹が穏やかな口調で微笑みながらそう言葉を綴る。
「あ……ありがとうございます……」
茉理が少し戸惑いながらお礼を言う。
「夕飯は祐樹の好きなビーフシチューだよ!」
「おっ!いいね!」
「今日は時間があったからパンも作ったんだ!ビーフシチューに合わせたかったからロールパンにしたよ」
「もしかしてあの塩麴が入ったロールパン?」
「うん!そうだよ!」
「じゃあ、今日のビーフシチューは更に美味しくなりそうだね」
美玖の言葉に祐樹が嬉しそうに声を発しながら二人で楽しそうに会話をする。
その様子を見て茉理の中でぐるぐると黒い感情が回る。
(……見せ付けないでよ。そんな幸せそうな顔……)
茉理の中で憎しみが溢れてくる。
それは、はらわたが煮えくり返そうなほどの嫉妬だった。
「……で?何か話か?」
バーに到着して、それぞれ注文が終わり、飲み物が運ばれてくると、透がそう話を切り出す。
「俺……、今回の事件、グダグダになっているか?」
紅蓮が顔を手で覆いながらそう言葉を発する。
「はっきりいって身に入ってないな。仕事だぞ?」
透がやんわり言わずに厳しい口調で言う。
「分かってる……分かってるさ……。でも……でも……」
紅蓮がさめざめと涙を流すような仕草でそう言葉を綴る。
「気になって仕方ないんだよぉ~……」
「何がだ?」
紅蓮の言葉に透がはてなマークを浮かべる。
「奏ちゃんの夜の方だよ!!」
紅蓮が力説して答える。
「……は?」
紅蓮の言葉に透が面食らった顔で素っ頓狂な声を出す。
「だ~か~らっ!奏ちゃんが夜のそういう時にどう乱れるのかが気になるんだよぉ~!!」
「……アホか?」
紅蓮の言葉に透が冷ややかな目つきでそう言葉を発する。
「紅蓮……、そんなくだらないことのために俺を飲みに誘ったのか?」
透が半分怒りモードで顔を般若のようにしながら言葉を綴る。目は怒りのせいか怪しく光っている風にも見える。場合によっては銃で紅蓮を撃ち殺しそうな程の殺気が溢れているようにも見えた。
「わ~!!すまん!!透!!俺にとっては切実な問題なんだ!!」
「ほぅ……」
紅蓮の言葉に透が更に空気が凍りそうなほどの冷気を放ち、紅蓮を見下す。
「そのさ……、仕事中にそんなこと考えちゃいけないって分かっているんだけどさ……。なんかそのことが頭から離れなくてさ……。それで、どうしたらそういうことを考えずに済むかを聞きたかったんだ……」
紅蓮が悲痛の表情でそう言葉を綴る。
「……仕事は仕事なんだから、任務中は捜査に集中しろ。分かっているだろ?俺たちの仕事はミスを許されない。ちょっとしたミスや油断が命取りになる可能性だって十分ある。この仕事は死と隣り合わせだ。自分のミスが場合によっては仲間も死に追いやる可能性もあるんだぞ?」
透が真剣な表情で言葉を綴る。
「……あぁ、そうだな……」
透の話を聞いて紅蓮が申し訳ないという感じで言葉を発する。
「……ところでさ、透。お前は奏ちゃんのことどう思う?」
「は?」
真剣な表情で言う紅蓮に透がまた素っ頓狂な声を出す。
「いや、恋愛とかじゃなくてさ……、一緒に捜査してきて透の得意の考察で奏ちゃんがどう見えるかってことなんだ」
「どういうことだ?」
紅蓮の真剣な表情で遊びでその事を聞いているわけじゃないのが分かり、透も真面目な顔になり、紅蓮に問う。
「なんか、奏ちゃんってさ……」
紅蓮がそう言って気になっていることを話した。
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