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第二章 沼に足を取られた鳥は愛を知る
第4話
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「リナ?!大丈夫?!」
リナからは返事がない。目は開いているが虚ろな目をしている。一種のうつ病なんじゃないかと思われるくらい目が死んでいる感じが見受けられる。
「リナ?!リナ?!」
虚ろな目のリナを絵梨佳が必死で名前を呼ぶ。これが、麻薬を使った後に来る焦燥感なのだろう……。麻薬を使用したときは一時的な偽の快楽が得られるけど、その効果が切れるととてつもない焦燥感に襲われる。
「と……とりあえず、床だと風邪ひくからベッドで寝なよ……」
絵梨佳がリナにそう言葉を掛ける。
「……別にいいよ。風邪ひいても困らないし……」
リナが虚ろな目でそう言葉を綴る。
「ねぇ……絵梨佳……。あれ、私に少し分けてよ……」
リナが小刻みに震える手で絵梨佳の腕を掴みながら虚ろな目で懇願するようにそう言葉を綴る。
「で……でも……」
その問いに絵梨佳がどう返事をしていいか分からない。だが、昨日の夜、麻薬だと分かっていて使おうとしたリナを止めなかったのも事実だ。
(あたしのせい……だよね……?)
リコがああなったのも、リナが今こういった状況なのも、それを作り出したのは自分だという思いが駆け巡る。リコの時もリコが楽しくなりたいというからそれを使う事を止めなかった。
(あたしがあんなもの持っていなかったらリコは死なずに済んだし、リナもこんな事にはならなかったんだよね……?)
とてつもない後悔が絵梨佳の頭の中で駆け巡る。確かにリコの時はそれが麻薬だとは気付かなかった。でも、リナの時には分かっていてそれの使用を止めなかった。
(全部……あたしのせいだ……)
絵梨佳がどうすればいいのか考えるが、今さら何をしたって手遅れなことも分かっている。
――――なぜ、麻薬を絵梨佳に渡したのか……?
絵梨佳の中でその疑問が膨れだす。そして、ふらついているリナをベッドまで運び、横に寝かせた。この後、どうするべきか考えるがいい案が浮かばない。
(とりあえず、マサに連絡しよ……)
絵梨佳はそう思うと、マサに電話を掛けた。
「……じゃあ、どう捜査するか会議をしようかしらね♪」
冴子がそう言って、本山と杉原が担当している事件を自分たちも捜査する旨を伝えた。
「まぁ、無難にまずは聞き込みではないですかね?」
透がそう提案する。
「若い女性相手なら得意だぜ♪」
紅蓮が意気揚々にそう答える。
「ナンパするなよ?」
槙がすかさずそう突っ込む。
「するわけないだろ!!」
「いや、お前の事だから見た目がタイプだとあり得そうだ」
「女なら誰でもいいわけじゃねぇよ!!」
「ころころ女を変えるお前が言っても説得力ゼロだ」
槙の言葉に紅蓮は「フッ……」と鼻を鳴らすと、またもやどこから取り出したのか一輪のバラを掲げながら言葉を綴る。
「確かに女性は綺麗だ……。そして、このバラのように棘がある……。しかし、心の奥底ではきっと……いや絶対、俺のような男を求めている……。俺のように大らかで優しく逞しい男を……」
紅蓮がキラキラモードを発しながらどこか芝居がかった口調でうっとりとしながら言葉を綴る。
「「「アホか」」」
その紅蓮に奏以外の人たちが揃って声を出す。
「……ま、そんなことどうでもいいから、とりあえず聞き込みをしましょうか。多分、亡くなった女性と同じような事をしている人だったら何か知っている可能性があるわ。今回は二人一組ではなく、みんなで行動して頂戴。何か情報を掴んだらすぐに連絡すること。じゃあ、よろしくね♪」
「「「はい!!!」」」
冴子の言葉に奏たちが特殊捜査室を出ていく。亡くなった女性の顔写真と防犯カメラに写っていた女性の写真を透が代表で持ち、それを元に聞き込みを行うことになった。
「喉……乾いた……」
リナがそう言葉を綴り、絵梨佳に水を求める。絵梨佳は水を汲んできてリナに渡すとリナはその水を一気に飲み干した。そして、「足りない」と言って更に水を求める。何度も何度も水を求めてそのたびに絵梨佳が水を汲んでくる。
「リナ……飲み過ぎじゃない……?」
絵梨佳が心配してリナにそう問いかける。
「なんだか……凄く喉が渇く……」
これは麻薬を使用した後の症状だろうか……。小刻みに手が震えているようにも見える。リナの目はどこか焦点があってないような感じでぼんやりとしている。
「ごめんね……リナ……」
リナの様子を見て絵梨佳が小さく言葉を呟く。
でも、どうにもならない……。
これは自分の蒔いた種だ……。
絵梨佳はそう感じて自分を責め続ける。自分がとんでもないことをしてしまったんだという後悔の念が渦巻いていった。
「……さて、誰に聞き込みをする?」
奏たちが客引きでよく使われている場所近くに着き、紅蓮がそう声を上げる。
「まだ昼間だし、この時間では難しいものがあるかもしれないな」
透が辺りを見回しながらそう言葉を綴る。
「あれ?」
奏がある人物に目がいき声を上げる。
「どうした?」
奏が声を上げたので槙がその声に反応する。
「……ちょっと、行ってきます……」
奏がそう言って、みんなの傍を離れてある人物の元に駆けていく。
「またか……」
透がため息を吐いて、紅蓮たちと少し離れた場所から奏の様子を伺う。
「あの……、大丈夫ですか?」
「……え?」
奏の言葉にその人物がベンチに腰を掛けたまま、顔だけを上げた。
リナからは返事がない。目は開いているが虚ろな目をしている。一種のうつ病なんじゃないかと思われるくらい目が死んでいる感じが見受けられる。
「リナ?!リナ?!」
虚ろな目のリナを絵梨佳が必死で名前を呼ぶ。これが、麻薬を使った後に来る焦燥感なのだろう……。麻薬を使用したときは一時的な偽の快楽が得られるけど、その効果が切れるととてつもない焦燥感に襲われる。
「と……とりあえず、床だと風邪ひくからベッドで寝なよ……」
絵梨佳がリナにそう言葉を掛ける。
「……別にいいよ。風邪ひいても困らないし……」
リナが虚ろな目でそう言葉を綴る。
「ねぇ……絵梨佳……。あれ、私に少し分けてよ……」
リナが小刻みに震える手で絵梨佳の腕を掴みながら虚ろな目で懇願するようにそう言葉を綴る。
「で……でも……」
その問いに絵梨佳がどう返事をしていいか分からない。だが、昨日の夜、麻薬だと分かっていて使おうとしたリナを止めなかったのも事実だ。
(あたしのせい……だよね……?)
リコがああなったのも、リナが今こういった状況なのも、それを作り出したのは自分だという思いが駆け巡る。リコの時もリコが楽しくなりたいというからそれを使う事を止めなかった。
(あたしがあんなもの持っていなかったらリコは死なずに済んだし、リナもこんな事にはならなかったんだよね……?)
とてつもない後悔が絵梨佳の頭の中で駆け巡る。確かにリコの時はそれが麻薬だとは気付かなかった。でも、リナの時には分かっていてそれの使用を止めなかった。
(全部……あたしのせいだ……)
絵梨佳がどうすればいいのか考えるが、今さら何をしたって手遅れなことも分かっている。
――――なぜ、麻薬を絵梨佳に渡したのか……?
絵梨佳の中でその疑問が膨れだす。そして、ふらついているリナをベッドまで運び、横に寝かせた。この後、どうするべきか考えるがいい案が浮かばない。
(とりあえず、マサに連絡しよ……)
絵梨佳はそう思うと、マサに電話を掛けた。
「……じゃあ、どう捜査するか会議をしようかしらね♪」
冴子がそう言って、本山と杉原が担当している事件を自分たちも捜査する旨を伝えた。
「まぁ、無難にまずは聞き込みではないですかね?」
透がそう提案する。
「若い女性相手なら得意だぜ♪」
紅蓮が意気揚々にそう答える。
「ナンパするなよ?」
槙がすかさずそう突っ込む。
「するわけないだろ!!」
「いや、お前の事だから見た目がタイプだとあり得そうだ」
「女なら誰でもいいわけじゃねぇよ!!」
「ころころ女を変えるお前が言っても説得力ゼロだ」
槙の言葉に紅蓮は「フッ……」と鼻を鳴らすと、またもやどこから取り出したのか一輪のバラを掲げながら言葉を綴る。
「確かに女性は綺麗だ……。そして、このバラのように棘がある……。しかし、心の奥底ではきっと……いや絶対、俺のような男を求めている……。俺のように大らかで優しく逞しい男を……」
紅蓮がキラキラモードを発しながらどこか芝居がかった口調でうっとりとしながら言葉を綴る。
「「「アホか」」」
その紅蓮に奏以外の人たちが揃って声を出す。
「……ま、そんなことどうでもいいから、とりあえず聞き込みをしましょうか。多分、亡くなった女性と同じような事をしている人だったら何か知っている可能性があるわ。今回は二人一組ではなく、みんなで行動して頂戴。何か情報を掴んだらすぐに連絡すること。じゃあ、よろしくね♪」
「「「はい!!!」」」
冴子の言葉に奏たちが特殊捜査室を出ていく。亡くなった女性の顔写真と防犯カメラに写っていた女性の写真を透が代表で持ち、それを元に聞き込みを行うことになった。
「喉……乾いた……」
リナがそう言葉を綴り、絵梨佳に水を求める。絵梨佳は水を汲んできてリナに渡すとリナはその水を一気に飲み干した。そして、「足りない」と言って更に水を求める。何度も何度も水を求めてそのたびに絵梨佳が水を汲んでくる。
「リナ……飲み過ぎじゃない……?」
絵梨佳が心配してリナにそう問いかける。
「なんだか……凄く喉が渇く……」
これは麻薬を使用した後の症状だろうか……。小刻みに手が震えているようにも見える。リナの目はどこか焦点があってないような感じでぼんやりとしている。
「ごめんね……リナ……」
リナの様子を見て絵梨佳が小さく言葉を呟く。
でも、どうにもならない……。
これは自分の蒔いた種だ……。
絵梨佳はそう感じて自分を責め続ける。自分がとんでもないことをしてしまったんだという後悔の念が渦巻いていった。
「……さて、誰に聞き込みをする?」
奏たちが客引きでよく使われている場所近くに着き、紅蓮がそう声を上げる。
「まだ昼間だし、この時間では難しいものがあるかもしれないな」
透が辺りを見回しながらそう言葉を綴る。
「あれ?」
奏がある人物に目がいき声を上げる。
「どうした?」
奏が声を上げたので槙がその声に反応する。
「……ちょっと、行ってきます……」
奏がそう言って、みんなの傍を離れてある人物の元に駆けていく。
「またか……」
透がため息を吐いて、紅蓮たちと少し離れた場所から奏の様子を伺う。
「あの……、大丈夫ですか?」
「……え?」
奏の言葉にその人物がベンチに腰を掛けたまま、顔だけを上げた。
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