ひのえん!

Merle

文字の大きさ
上 下
19 / 32

4-1. 夏雨、友人宅で制服プレイする。 ~たくし上げ→立ちクンニ

しおりを挟む
 最後の授業が終わって間もなく、大晴が鞄に教科書やらを仕舞って帰り支度をしているところに伊東が声をかけてきた。

「マナ、今日家に来れるか?」
「おう。大丈夫だが」
「じゃあ、来てくれ。渡したいものがあるんだ」
「了解。じゃ、このまま寄っていくんでいいか?」
「あいよ」

 ちなみにテンパっていないときの伊東は、べつに拙者ござる言ったりしない。なので、大晴と並んで話していると、教室のどこからか「双子の漫才師かな」とか「アリスにいたよね、あんな双子キャラ」とか聞こえてくることもあったりなかったり。

「――あ」

 教室を出てすぐ、大晴はトークアプリに表示された新着トークに、声を漏らした。
 この前、夏雨として友達になった少女――別クラスの同級生、墨谷すみがや萌々めめからだった。

『授業終わった。今日はどう?』

 大晴はその場ですぐさま返信する。

『ごめん! 今日は用事が……!』

 猫が手を合わせて謝っているスタンプも添えて、女子感を醸したりなんかしちゃいつつ、だ。萌々はあくまでもの友人なので、オタク男子ではなく一般女子がしそうなトークを心掛けている大晴なのだった。

「トーク、誰から? 妹ちゃんか?」
「なんで当たり前のように、おまえ以外には家族しか登録相手がいないって決めつけるかな?」
「でも、違わないんだろ?」
「ちが――わ、ない。違わないな、うん」

 萌々とのことを説明するのは面倒だなとか、女子として仲良くなったのを話すのは気恥ずかしいなとか考えたら、大晴はなんとなく伊東に萌々のことを隠してしまった。
 咄嗟に雑な誤魔化し方をしただけだから、伊東は当然、聞き返してくる。

「……なん、その微妙な反応」
「見栄を張ろうと思ったけれど、虚しくなって止めたんだよ。言わせんなよ、馬鹿野郎」
「マナが勝手に言ったんじゃん」
「はいはい、そうですね。そんなことより、行こうぜ」
「ま、いいけど」

 伊東はそれ以上の追求をしないでくれた。良い奴である。
 ――と、ほっこりした大晴の手の中で、またもスマホがブルっと着信アラート。

「おぅ……」

 内容を確認して思わず溜め息が漏れたのは、トーク画面にぽいんっと表示されたのが、セルフスカート捲りで、黒地に白レースたっぷりのメイド服っぽい下着パンツを見せている自撮り画像だったからだ。

『せっかく可愛いの履いてきたのに。ざーんねん』

 そんなトークが続けて表示されたけれど、伊東の見ている前で返信する余裕はなかった。平静を装ってスマホをポケットに仕舞うのが精一杯の大晴だった。

「いいのか? べつに返信するくらいは待つが」
「いや、いいんだ。それより、ほらほら」

 背中をぐいぐいと押す大晴に、伊東は少し不思議そうにしたものの、とくに追求することもなく歩き出した。
 伊東の家は、大晴が使っている通学路の途中にあるマンションだ。そこそこ大きめのマンションで、そこに伊東本人と両親、姉の家族四人で暮らしている。大晴は子供の頃から何度も遊びに来ているので、玄関に上がってもとくに緊張するでなく靴を脱ぐ。

「お邪魔します」
「あ、いま誰もいないはずだから気にしなくていいぞ」
「そうか」
「うん。なので、飲み物は自分で冷蔵庫から出してくれ」
「はいよ」

 勝手知ったるなんとやらで、伊東が先に自室へ戻って着替えている間に、大晴はキッチンで二人分のコップと麦茶を用意してから、伊東の部屋へと向かう。

「おい、お茶だぞ」

 大晴の両手は麦茶を載せた盆を持つので塞がっていたので、閉まっている部屋の扉を爪先でとんとんと叩いて呼びかける。

「うむ、ご苦労」

 伊東が内側から扉を開ける。

「偉そう!」
「平伏せ、客人。ははは」
「へいへい……で、渡したいものって?」

 そんな小芝居をしつつ麦茶の盆を勉強机に置くと、大晴は早速自分で麦茶に口をつけながら、伊東に問いかけた。学校からの帰り道に聞こうとしたら、「それは後でのお楽しみ。でふふ」と、はぐらかされていたのだった。

「ちょっと待ってろ。いま持ってくる」

 伊東は麦茶を一口飲んでから、いそいそと部屋を出ていき、三分ほどで戻ってきた。

「ほい、これだ」
「……制服?」

 伊東が両手に抱えて持ってきたのは、長期保存用の真空パックに袋詰された女子用の制服だった。

「そ。姉貴が着ていたやつ。うちの納戸に仕舞ってあるのを思い出してな。たぶんサイズも問題ないと思う」
「そりゃどうも……って、え? くれるってこと? 大丈夫なのか?」

 この制服はおまえのじゃなくて姉のだろ、という疑念の目を向ける大晴に、伊東はすっと目を泳がせた。

「いやっ、おいおい。無断かよ!」
「いやいやいや。どうせ仕舞いっぱなしのものなんだし、べつに持っていってくれても全然いいんだけど……まあ、そこまで言うんだったら、いま着るだけでも、どうよ? いちおう、コンビニで下着類も買ってきてみてるし」
「用意がいいな! ……でも、いま着るだけなら……まぁ」
「だろ。んで、心置きなく写真撮って満足したら、また脱いで元通りに仕舞っておく。そんなら何も問題なかんべ?」
「……まあ、そうな」

 伊東の説明に、大晴も納得だった。

「そんじゃ、納得してもらったところで――拙者、十分ほど席を外しておくでござるぞ」

 伊東は麦茶のグラスをぐびりと干すと、よいしょっと椅子から腰を上げた。

「え、なんで? どこ行くんだ?」

 大晴は意味が分からず、伊東を見上げて問いかける。それに対して返されたのは、肩を竦めた呆れ顔だ。

「マナはいまから、その制服を着るんだろ。なら……着替える前にすること、あるだろ。他人ひとに見られていたらやり辛いことが、さ」
「あぁ……なるほど、理解だが……」

 つまり伊東は、一人にしてやるから大晴マナ自慰オナってオンナになりなされ、と言っているわけだ。それを理解した大晴は、少しばかり黙考する。
 友人の部屋で自慰するって誰得な羞恥プレイよ、という声と、女子制服を着た夏雨おれって滅茶めっちゃフォトジェニックじゃん、という声とが脳内でせめぎ合ったけれど、結果は後者が勝った。

「……分かった。じゃあ、呼ぶまで絶対に入ってくるなよ。中を覗くなよ」
「それ知ってる。そう言われて本当に覗かないと、意気地なし、って罵られて鶴に逃げられるやつだろ」
ちげぇよ! そういうとかネタとかじゃなしに、マジでやるなよ!」
「はいはい。入らないし覗かないし、ついでに耳を澄ませたりもしないでござるよ」
「絶対だかんな!」
「はいはいはい――あ、クラウドのやつ、使っていいからなぁ」

 伊東は飄々と笑いながら、部屋を出ていった。

「クラウド……この前のか」

 大晴は前回の女体化オナニーの後、伊東のオカズ保存用クラウドに招待されていたのだった。オンライン表示されないように設定すれば閲覧履歴が残ったりすることもないので、じつはもう何度か使わせてもらっていたりする大晴だ。
 いまも慣れた手付きでスマホをぽちぽち弄って、画面にクラウドを表示させる。呼ぶ出した動画は――まあ、この前と似たようなやつだった。

 十五分ほどした後で、部屋の戸が廊下からコンコンと叩かれる。

「マナ、もういいか?」
「いいぞ」

 と部屋の中から答えた声は、よく通る少女の声だったから、伊東は安心してノブを回した。

「……おっふぅ」

 自分の部屋に入った瞬間、伊東は湿っぽい吐息を漏らした。

「えっ、なんだ、その反応? どっかおかしいか?」

 目が合うなり溜め息を吐かれたは、戸惑いの顔で制服姿の自分自身を見下ろした。ちなみに夏服で、ブラウスにベージュのベスト、紺のプリーツスカートの薄手布地な三点セットだ。

「お、おかしいといえば、おかしいでござるな」
「どこが!?」
「臍が見えそう。あと、スカートが長い」
「それな!」

 夏雨自身も全力で同意だった。でも、夏雨にだって言い分はあるのだ。

「臍はもうこれ、仕方ないよ。胸の分、どうしてもシャツの長さが足りなくなるんだもん」
「まあ、臍チラはエロ可愛いので異存ないのでござるが、スカートは?」
「それがさぁ、俺だってもっと短く、せめて膝上にしたかったんだけど……長いんだよ、このスカート。おまえの姉貴さん、ド真面目さん?」

 実のところ、夏雨は伊東の姉とそこまで面識がなかったりする。何度か挨拶したことがある程度なのだ。

「いやぁ、わりと普通に膝出してたと……あっ、マナ氏、マナ氏。物の本によると、女子の制服スカートは上のほうをくるくる巻き取って短くしているらしいでござるぞ」
「あっ、なんかそれ知ってるかも!」
「ちょっとやってみるでござるよ」
「おうっ」

 夏雨は早速、ブラウスをインして穿いていたスカートの腰布に両手の親指を掛けて、ぐいぐいと内側に折り込んでいく。

「あ……これ、どんどんウェストがきつくなっていく……ごめん、ちょっといったんやり直し」

 折り込んだ布地を一度戻して、ウェストのサイズ調整ホックを緩い位置に留め直してから、改めてくるくると布地を巻き込んでいく。今度はホックを緩めて余裕を持たせている分、というよりという感じでやれた。

「どうだ、このくらいで」

 スカートの裾が膝上十センチ程度になったところで、夏雨はくるっとその場で一回転してスカートを翻させた。

「あ、ごめん。もっかいやって」

 伊東は真顔で言いながら、その場にどっかと腰を下ろして、目線をスカート裾に合わせる。「おまえなぁ」と苦笑しつつも、夏雨はリクエストに応えて、くるっと右回転、ついでにくるっと左回転して、舞い上がったスカート裾で伊東の鼻面を掠めてやった。
 伊東は瞬きもせず、真摯に告げる。

「もっと短くしないか?」
「……すけべ」
「でゅふうッ!!」

 夏雨が膝下ソックスと膝上スカートに挟まされた生脚なまあしにぞわわっと鳥肌を走らせながら罵ったら、伊東は苦しいのか嬉しいのか読み取れない表情で豚鳴きした。

「まあでも、短くするけどさ」
「するんかーいっ!」

 夏雨もつい反射で伊東を罵ったけれど、それでもやっぱり性根は大晴おとこなので、スカートは短ければ短いほどいいよね、と思っているのだ。
 というわけで、夏雨はスカートをさらにくるくる巻き上げていく。

「膝上二十センチってところか……わりと短いな」
「いやいや、まだまだ。あと十センチ、いけるでござろぉ!」

 実際に穿いている夏雨としては、思った以上にお尻がすーすーして、「えっ、これ見えてない? 普通に見えちゃわない?」という気がするのだけど、伊東は鼻の穴をぷくぷく広げて、もっともっとと要求してくる。

「マジかよ。っつか、もうこれエロとかじゃなくて痴女だろ。スカートじゃなくて腰巻きじゃん。外、絶対に歩けないやつじゃん」

 夏雨も夏雨で、文句をぶーぶー垂れながらも、しっかりとスカート裾を上げていって、膝上三十センチを目指す。もうここまで来ると、膝上というか股下五センチ未満の世界だ。気のせいでなく、確実に歩くだけで下着がチラ見えする領域だ。

「……いや、これ本気で無理。ノーガード感、半端ない。これが許さるんだったら、男はもうズボン穿かなくていいよってレベルでノーガードでしょ、これ」

 実際に穿いてみて理解する、マイクロミニなスカートのヤバさ。このレベルのミニスカにしている女子を登下校の最中、極々たまーに見かけることもあって、そういうときは「女子はみんな、あのくらいスカート短くしていればいいのに」と単純に思っていたけれど……ああ、うん。これは駄目だわ。女の子がこんな破廉恥な格好、しちゃいけません。

「俺は分かったぞ、伊東。女子は好きでスカートを短くしているんじゃない。根性見せるために短くしてるんだ」
「ギャルは根性、でござるか」
「それ!」

 夏雨は思わず伊東を指差して叫んじゃう。その勢いのまま、自分で下着丸出しだとしか感じられない股間に当たる空気の感触がもたらす天啓を、夏雨はつらつら語りまくる。

「あと、ギャルの下着が派手なのも、見せるためじゃない。見えちゃうからだ。変なものを見せてしまわないよう、気を使っているからなんだ! つまり、陰キャに優しいギャルは理論上、存在するのだよ!」
「なるほど、全く分から……いや、分かる!? あいつらが如何にも見せる用下着のくせに、見られると舌打ちするのは、積極的に見せたいと思って穿いているわけじゃないからなのでござるな!?」
「そうだ、そのとおりだ! その舌打ちだって、下着を見せてしまった恥ずかしさを誤魔化すための照れ隠しで、べつに伊東おまえに見られてムカついたからではなかったんだよッ!!」
「そうだったのかぁッ!!」

 歌舞伎みたいな表情まで作って吠えた伊東だが、次の瞬間にはと冷めた顔になって、

「まあ、普通に“見てんじゃねーよ。キメぇ、死ね”って言われたでござるがね。ははっ」
「……それも含めて照れ隠しだった可能性はまだ微レ存」
「じゃ、検証するでござるぞぅ」

 伊東は言うなり、申し訳無さそうに目を逸らしていた夏雨の短いスカートをぺろんと捲った。その瞬間、夏雨は反射で言っていた。

「わっ、キメぇ!」
「検証終了。微レ存すら無かったでござるな……ははっ」
「あ……なんか、悪い」

 伊東の乾いた笑いに、夏雨は居た堪れない顔をする。
 だが、夏雨が謝った途端、伊東は瞳をにちゃりと光らせた。

「ん? マナ氏、悪いと思っているんでござるか?」
「……なんでもはしないぞ」
「そんなこと言わないでござるよ。ただちょっと、自分でスカート捲くってパンツ見せて欲しいだけでござるからして」
「や、いま見ただろ」
「マナ氏。相手に見られるのと自分で見せるのとの違いが分からんとでも?」
「っ……分かる!」

 それはお好み焼きともんじゃ焼きくらい違うものだという見解に夏雨も全面同意だったから、夏雨は素直にスカートの裾をお辞儀するような手付きで摘むと、ゆっくりとたくし上げていった。ゆっくりになったのは伊東を焦らすためというよりも、さすがに内面男子と言えども密着距離から膝立ちでガン見されている中でのたくし上げ行為には羞恥心を覚えたからだった。

「伊東、おまえさ……さすがにちょっと鼻息荒すぎね? もうちょっと落ち着いたらどうよ?」
「無理にござる」
にべもない!」
「ここで目を逸らせるのは全年齢向けお色気漫画の鈍感系主人公だけだろ」
「くっ、言っていることがいちいち正しい!」

 伊東の言葉がとても理解できてしまうから、夏雨は鼻先十センチでのスカートたくし上げ観劇を許容せざるを得ない。恥ずかしいけれど、この恥ずかしささえ状況的に大正義なのだから仕方がないのだ。内股やお尻がしっとり汗ばんでくるけれど、堪えるのだ。だってそれが、スカートを自分でたくし上げてパンツを見せるときの正しい作法なのだから。

「おっふぉ! みっ、見えた! 見えた! 拙者にも見えるでござるぞぉ!」

 短くしていたスカート裾からは、すぐに下着が御目見得おめみえしてくる。

「白! 白でござる!」
「いや、おまえが買ってきたんだろ。コンビニでさ」
こまけぇことはいいんでござるぅ!」

 伊東自身がコンビニで買ってきた、色気も素っ気もない白の綿ショーツでも、美少女の程よくむっちりした太ももの付け根を包んでいるところを目の当たりにするのは、とてもとても――言葉にできないほどの感動だった。
 まして、その太ももがほんのり桜色に火照っていて、敢えて子供サイズのを買ってきた白下着は、中心部には薄っすらと縦筋が浮き出るくらいに食い込んでいるのだから、伊東が感動で呼吸が止まってしまうのも致し方ないことだった。

「――ひゅはッ!! 危ない、窒息死するところだったでござ……っふあぁ」

 自分が知らぬ間に息を止めてしまっていたと気づいた伊東は盛大に息を吸い込んだが、そこでまたしても、ぴたりと硬直してしまう。
 今度はなんだよ、と夏雨が問うより先に、伊東は呟いた。

「女子の香り……でひゅっ」

 最後のは、言葉を言い切らないうちに鼻から深く息を吸い込んだために出た、汚い鼻息だ。

「きっ……ッ!!」

 キモい、の一言が喉に詰まるほどの鳥肌が、夏雨の太ももから首筋までを這い上がる。でも――だけど、けれども――嫌悪とは違うゾクゾクが、下着の食い込む股間の割れ目にギュッとくるのを感じてしまった。

「あ……ヤバぁ、なるほどなぁ……これが、見られるって感覚かぁ……」

 スマホで自撮りしたときにも感じていたものだけど、実際に他人の目に晒されるという経験は、それを如実に実感させてくれた。
 承認欲求が満たされる――これは他の何物にも代えがたい快感だった。
 一度、視線を浴びることは快感なのだと脳が知覚してしまうと、ついさっきはキモいばかりだった伊東の目つきと鼻息が、好ましくて愛嬌のあるものに思えてくる……いや、急に変わり過ぎだろう。この脳内補正はさすがに脳味噌ビッチすぎん? ――と思うわないでもない夏雨だが、お腹の内からじわんじわんと広がってくる甘い熱は誤魔化せない。

「おい、伊東……あ、あんまり、嗅ぐな……馬鹿ぁ……」

 夏雨の口から溢れ出たのは、自分でびっくりするような弱々しくて縋るような声音だった。

「うひっ! まっ、マナ氏、その媚び媚び甘え口調はいまちょっとエッチ過ぎるのでご遠慮願うでござるよぉ!」
「あ、ぁ……待って、なんでこんな声、出ちゃうのさぁ……」

 萌々と一緒に自撮りしたときは、ここまで危ういテンションにならなかったと思う。そのときとの違いと言えば、一緒にいる相手が萌々ではなく伊東だということだが……それか? そのせいか? 見られるのが萌々おんな伊東おとこかというだけで、こんなにも心持ちが変わるのか!?
 ――夏雨は自分自身の内心に戸惑いながらも、だけどそれでも、お腹から血流に乗って指先や脳天にまで広がっていく熱さと痺れは刻々と圧を増していく。
 風邪をひいたように身体が熱くて、頭がふわふわする。

「あ……マナ氏、これ……濡れて……?」
「……ッ!?」

 伊東がぽろりと漏らした指摘で、夏雨も気づいた。自分が視線と鼻息だけで、おまんこ漏水させてしまったことに。

「すごい、父さんの言ったとおりだ。見られただけで濡れちゃう露出マゾは本当にいたんだ!」
「うぁ……ッ……♥」

 伊東のボケにツッコミを入れる余裕もないどころか、露出マゾ、の言葉ひとつで腰が抜けかけるような震えが走って、下着の股間部分クロッチをいっそう湿らせてしまう為体ていたらくだ。

「おぉ? なんか、パンツの染みがさらに広がったような……え、マジ? マナ、マジで露出マゾでござっ……ござ!?」
「うぅ、うっせ煩っせ! いちいち言うなし!」

 紅々と顔を火照らせて噛み付くように言い立てる夏雨だけど、残念、股間まんこは素直だった。

「マナ氏、しゅごひ……濡れっ濡れっ! 染みの広がりが止まらんでござるよぉ!」
「ああぁ……ッ♥ 言うな馬鹿ぁ……ッ♥」

 たくし上げたスカートの裾を握りしめている夏雨の両手は、じっとり汗ばんでいく。ただ立っているだけなのに息が上がっていく。着替えた直後は風通しが良すぎて寒気がしたほどなのに、いまはスカートの内側に熱気と湿気が籠もっていてサウナを穿いている気分だ。そして、そのサウナの熱源になっている下着の中身は、牡の不躾な視線を燃料にして、いまも現在進行系で熱くなっている最中だ。

「ふんふん……んふぉ! 汗臭いのに甘酸っぱくて癖になる! 牝臭! これが牝臭……ッ!!」
「キメぇ! キメぇ……キメぇ……のにぃ……ッ♥」

 伊東のキモい言動と鼻息が、キモいのにゾクゾクと粘りつくようにして背筋を這い上がって、頭の芯を蕩かせてくる。蕩けて汁になったものが背骨を逆に垂れ落ちて、下着の中をもうぐしょぐしょのどろどろだ。

「あっ……ぁ♥ なんで、こんな、気持ちいいんだぁ……ッ♥ うぅ……ッ♥」

 夏雨は腰が抜けそうになるのを堪える。すると自然に内股となって、両太ももと股間の隙間が形作る三角形デルタが強調される。

「あっ! これ好き! 拙者、この隙間、好き!」

 伊東は興奮で上擦った声を上げながら、ほんの数センチもない距離を一気に埋めて、夏雨の太ももと股間が作り出すに鼻先というか顔面を押し込んだ。

「ひゃわっ……ほあぁッ♥」

 夏雨が驚きの悲鳴は、快感でどろりと蕩けた嬌声に変わってしまう。
 ふごふごと盛大に鳴らされる団子っ鼻が、お汁のじっとり染みた布地クロッチに押し当てられて、そこをぐりぐりと抉ってくる。そして、ふごふご嗅いでくる。

「んごっ! おぉ……でゅふ! マナの牝臭、ふごっ! 採れたて南国フルーツ! ふごっんごっ!」
「あっ♥ あっあぁッ♥ 馬鹿っ……かっ、嗅ぐなぁ! 嗅ぎながら喋るなっ……あっふぁ♥ ふぁひゅッ♥ ひゅぐぅッ♥」

 抗議の声も、吃逆みたいな喘ぎになってしまう――というかそもそも、だ。夏雨は口でこそ、駄目だ止めろと言っているけれど、その両手はぎゅっと堪えるようにスカートの裾を握り締めているばかりで、伊東の頭を押しのけようともしていない。それはもう、積極的に伊東の下着越しクンニを受け入れていることに相違ないではないか!

「ちっ、違うぅッ♥ そんなことっ……おっ♥ おあぁッ♥」

 自分の脳裏を過ぎった思考を振り払おうとしても、伊東の鼻面で捏ねくられる下着越しの淫豆クリから甘い電気がびんびん弾けて、喉が喘ぎで詰まってしまう。
 夏雨がそうして抵抗らしい抵抗もせずに喘ぎ悶えているものだから、伊東もどんどん調子に乗っていく。

「ふごごっ、ぶひゅ! 堪らん……ふがっ、んごっ! んんぅッ!!」

 伊東は両手を夏雨の腰にまわして逃げられないように抱きつくと、下着の湿った部分に分厚い唇をぶちゅーっと吸い付かせると、じゅぶーっ、じゅぶーっ、と洗濯機が排水するときみたいな濁音を立てて、そこの湿り気を啜り上げ始めた。

「んっ! んんぅッ♥ んうぁ♥ あっ♥ んあッ♥ ぅんああッ♥♥」

 窄めた唇で啜るだけでなく、突き出した舌先でねぶり倒すことも忘れない。その口技クンニは愛撫というより、もっと衝動的で自分本意な、女陰まんこを味わうためだけの、童貞丸出しな自己満足オナニーだ。けれど、だというのに――

「おっ♥ ひゅあッ♥ あっ、はぁッ♥ あぁっ……んきっ♥ もぢっ♥ いっ、いいぃッ♥」

 夏雨の両手はとうとうスカートを手放したけれど、その自由になった両手がしたのは、伊東の髪をくしゃくしゃ掻き混ぜるように抱え込んで、自分の股間にもっと強く顔を埋めさせることだった。
 そして、限界に達する。

「……おっ♥ おっ、おはッ♥ はぁッ♥ イィ……っちゃ♥ イっちゃ……っはあぁッ♥ ひゅっうううぅッ♥♥」

 ビブラートをたっぷり利かせた鳴き声に喉を震わせ、夏雨はクリ絶頂した。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...