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3-4. 大晴、友人の前で射精TSする。
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大晴と伊東の小太り非モテ男子二人がきゃっきゃと笑い合っているのを尻目に、小晴はのっそり立ち上がる。
「じゃ、あたしは戻りまー」
「おう、お疲れ」
「どっ、どもでした」
男子二人は軽く挨拶して、小晴を見送った。
さて、部屋に残った二人の男子は、会話が途切れたまま、なんとなく黙る。
なぜか? ――小晴が確実にこの部屋から離れて、ここでの会話が他の誰にも聞かれていないことを確認するための時間が必要だったからだ。
「……さっきはノリで流したけどさ、女になれるって……どこまで?」
先に口を開いたのは、伊東だ。その質問内容は「どういうことだ?」でも「どうして?」でもなかったが、大晴にはその意図が問題なく理解できた。
「無論、細部まで」
「もっと具体的に」
「せ……性器、とか」
その言葉を面と向かって告げるのは、さすがに羞恥心を覚えるようで、大晴は少し言い淀んだ。だが、伊東はずいっと膝を詰めてくる。
「マナ、おまえ……つまり、見たのか。触ったのか。確認したのか」
性器まで間違いなく女体化したのだと確認したわけだなっ、と鼻息も荒く迫ってくる友人に、大晴は羞恥心から来る粘っこい汗をこめかみに伝わせながら、小さく頷いた。
「まあ、ほら。自分の身体のことだし、何か問題あったら不味いだろ。だから、整備というか点検というか……なっ、なんだよ。いいじゃん、俺の身体だし! 伊東だってやるだろ、女になったらさ。やるだろぉ!?」
「やる! 間違いなくやる!」
恥ずかしさと後ろめたさから言い訳がましくなった大晴の演説に、伊東はいっそう熱い語調で言い切った。大晴を見つめる瞳には、一点の曇りもなかった。
「伊東……おまえに言って良かった」
ただ女体化しただけで何も悪いことはしていないし、迷惑もかけていない――そう言い切れるのに、余人には言えない秘密を抱えているというだけで、ずっと胸の内に澱がこびり付いているようだった。
誰かに知られて気味悪がられたり、嫌悪や非難をされたりしたらどうしよう……なるべく考えないようにしていたそんな不安が、たった数秒の会話で綺麗さっぱり拭い取られた。拭ってくれた友人に、柄にもなく泣きそうになった。
でも、続けられた伊東の言葉に、その涙は一瞬で引っ込んだ。
「だから、俺にもやらせてくれ!」
「……うん?」
やらせてくれとは何を? ――と首を傾げる大晴に、伊東はさらに詰め寄ってくる。鬼気迫った形相を近づけてくるのは、控えめに言ってセクハラだった。
「俺もおまえが女子になったか確認したい。おまえだけ狡い、おまえだけ俺にもやらせろくださいッ!!」
息継ぎと句読点を忘れた愁嘆に、大晴は意味を理解するまでに二呼吸ほどかかってしまった。
「……え、それ、つまり……俺とヤりたいってことだぞ!?」
「そうですが?」
「いや、しれっと返すな。怖い怖い!」
まっすぐな瞳で応じられて、大晴はテンパる。脂汗で額がテカる。それなのに、伊東は打って変わって冷静に言ってくるのだ。
「マナ、おまえにこの前見せたフィギュアがあるな」
「ん……あれか。あったな」
とあるソシャゲの人気キャラで、お胸の大きな美少女だ。服装はぎりぎり健全オン・ザ・ラインだが、なぜか下着の陰影が作り込まれてあった逸品であった。
「俺が、あれで毎晩ヌイていると言ったら、どう思う?」
「……已む無し、かと」
見ても分からないくらいだけど、指で優しく触ってみると胸の先っぽが僅かに尖っているのが感じられるという、画竜点睛を描ききっていた傑作であった。
「だが、あれを作ったのは男だ」
件のフィギュアの素晴らしさを思い出していた大晴に、伊東が冷水を浴びせた。
「はぁ!? そんなの関係ねぇし!」
「そういうことだ!」
思わず声を荒げて言い返した大晴に、伊東も吠えた。
「フィギュアだけじゃない。エロ漫画もエロ同人もエロくないゲームの女キャラも全部全部、描いたり作ったりしたのはだいたい九割、男だ。男の、男による創作物だ。だが、それでヌクのをおかしいと言うか? 言わないだろ。むしろ、正しいと言うね! 男は男の創作物でヌクべきだ、ってね!」
握り締めた拳を、見えない机に何度も叩きつけるみたいにして、伊東は熱弁を振るう。その言葉に百パーセント同意したわけではなかったけれど、言わんとするところは大晴にも理解できた。そして納得もいった――いったけれど、驚愕もした。
「伊東、おまえ……マジで、中の人が俺だと理解した上で……俺と、ヤれるというのか……!」
「応よ!」
「……」
「あ、おい。ちょ、無言で離れるなよ」
「離れるよ!」
「勘違いするなよ、マナ。俺はおまえに興味があるんじゃない。女体化したおまえの身体に興味があるだけなんだ」
「最低だな、身体だけかよ」
「じゃあ、おまえの心に興味津々が良かったか……あっ、だから離れるな!」
「離れるよッ!!」
「ああっ! もういいから、とにかく女に戻って!」
「男が元じゃい!」
「戻ってくださぁい! お願いお願いお願ああぁいッ!!」
とうとう土下座まで始める伊東。それも、ただ額を床に擦り付けるやつでなく、両手万歳で正座してから床に頭突きをするというハードなタイプの土下座だ。土下座ヘドバンだ。
「近所迷惑だから止めい!」
「じゃあお願い聞いてくれるよねぇッ!?」
「それもうお願いじゃねぇ。脅迫だろうが!」
「お願いお願ぁい!」
「ああっ……分かった、分かったから!」
「いぃやったあぁッ!!」
このウザくて暑苦しい絵面に、大晴は音を上げた。泥仕合を制した伊東は、土下座からのブリッジで両拳を天に突き上げて、ゴールを決めたサッカー選手かムエタイ選手みたいに勝利を神に感謝している。オーバーアクションの勝利ポーズをずんぐりボディでやられると、相変わらずウザい。
――と思っていたら、ぴたっと黙った。そして、感情を押し殺した冷静な顔で言う。
「それではマナ君。女に戻ってくだされ」
「おう……あ、じゃあ、俺ちょっとトイレに――」
「待つでござる」
「おい、なんで腕を掴む……まさか、ここで変身しろとか言わないよな?」
「そのまさかでござるが?」
「おまっ――言ったろ、イかないと変われないって」
「言ってたでござるな」
「え、分かってて言ってんの? 分かってて、俺に、ここでイけと――射精しろと?」
「だって、女子に変わるところ見たいでござる。変身バンクは毎回飛ばさずチェックしてるでござるからして」
「ござるござる煩ぇわ!」
「じゃあ早く変身してくれたら黙りますぅ!」
「マジか……マジで……こいつ、マジか……」
この場で変身しろ、そのために射精でも自慰でも何でもいいから早くしろ――と、頑として譲らない伊東に、大晴は慄くばかりだ。友人の変態度を見誤っていた。学校でキモオタとレッテルを貼られるのも已む無しの変態だとは思っていたけれど、まさか自分の前で自慰してみせろと言ってくるほどの変態だとは思っていなかった。
……べつに断固拒否してもいい場面だっただろう。だが、このときの大晴は、女体化の秘密をすんなりと受け入れてもらえた嬉しさで、少しだけ伊東に絆されていた。
「あぁ、くそっ……しょうがないな……」
苦虫を噛み潰したような顔ながらも、それは間違いなく、肯定の言葉だった。
「ありがとうでございます!」
「でも、背中向きだからな! 回り込むなよ!」
「……分かったでござる」
「なんで一瞬、間があった!? あと、ござる付けんな!」
「分かった、分かった。マジ分かったから」
「……やっぱ駄目だ。それだけじゃ足りないから、ヘッドホン貸すから、それで何か大音量で聞いてろ」
「ふむ、シコってるときの喘ぎ声を聞かないでください、と」
「それから目隠し――」
「それは拒否でござる。見えなかったら、ここでしてもらう意味ないでござるからして」
「じゃあ、無駄口禁止だ。ござる付けてても付けてなくても、一切喋んな」
「了解する前に一言いいか?」
「なんだ?」
「オカズ、どうすんの? 俺のスマホでクラウド保存のマイコレクション、観るか? 昨日買った音声付きCG集、使えるぞ」
「……じゃあ、それで」
「あいよ」
べつに普段からオカズの融通をしているわけではないけれど、大晴の好みは伊東にばっちり把握されているのだ。その逆もまた然り、だが。
――というわけで、準備が整った。
ヘッドホンはひとつしかないので、借りたスマホで動画データを視聴する大晴が着用することになり、伊東の耳栓代わりには、音量を大きめにしたテレビからアニメを流しておくことにした。
「じゃあ……」
「……」
ぎこちなく開始を告げて背中を向ける大晴に、伊東は無反応だ。再放送中の子供向けアニメの音で、大晴の声は聞こえなかったみたいだ――演技でなければ、だが。
どっちか確かめるのに手間取るのも馬鹿らしい気がして、大晴はそれ以上考えないことにした。なんでこうなったのか、十分前の自分がいまいち信じられないけれど、とにかくさっさとやって終わらせることのした。これは思考放棄ではない、心を無にしたのだ――なんて無意味な言い訳を自分にしながら。
「あ……」
確かに好みだ、これ――と、伊東セレクトの音声付きCG集(つまり、音声付き紙芝居動画)を再生させてすぐ、タイトル画面で予感する。その予感は動画が進むにつれて確信へと変わっていき、始める前までの緊張や気恥ずかしさはどこへやら……気がつけば、大晴の右手はスウェットズボンの中から愚息を引っ張り出していた。
「んっ……ん……ッ」
押し殺した声を、閉じた唇の隙間から漏らして、右手を上下に動かす大晴。背後から見てもあまり派手な動きだと思われないようにすると畢竟、肩や肘ではなく手首を利かせた扱き方になる。寿司を握るような手付きだ。
「っ……っ、っ……っふ……」
ほとんど手首しか使わない窮屈な自慰は、大晴のちん扱きレパートリーに新たな一ページを書き加えていく。
手の中で酢飯を転がして形を整えるように、亀頭だけを重点的に撫で転がしていく扱き方だ。命名、小手返しだ。
「おっ……ふぅ、うぅ……ッ」
テレビから流れる魔法少女アニメの音量は十分に大きく、ヘッドホンから流しているエロ同人の音声もそれに見合うだけの大音量になっている。だから、少しくらいの喘ぎ声が漏れてしまっても問題ないし仕方ない――と自分に言い訳しながら、大晴は文字通りの意味で新手法の自慰に没頭していく。
スマホの画面では、肉感的な美少女があられもない姿で喘いでいる。極上のレアに仕上げたローストビーフの断面みたいな、肉汁の艶めくパールピンクの彩色も大晴好みだ。そして何よりも、そんな美少女が実は秘密のTS魔法少女(幼馴染の彼女持ち)だけど、うっかり友人の男子にその秘密がバレてしまって「秘密にしててほしかったら分かるよな、ぐへへ」という導入から、「俺、男なのに……おまえのこと信じてたのに!」と心は反発しながらも身体は正直だな、というテンプレ展開になっていくのが、いまの大晴にはドンピシャだった。
というか、伊東にそういう意図があってこの動画を勧めてきたのかどうかが気になって、振り返って背後の伊東に問い質したい気持ちでいっぱいの大晴だが、返ってくる返事を想像すると怖くてできない。それに、そんな緊張する頭とは裏腹に、肉棒はガチガチに興奮していた。
――だって、感情移入できまくりじゃん! 没入感ヤバいじゃん!
画面の中では魔法少女が、ただ友人男子にエッチな躾をされるためだけにTS変身してしまって、屈辱で泣き濡れた瞳になっているのに、なぜか股間の割れ目も泣き濡れてしまう……というシーンに入っている。
――あぁ、ヤバい。ヤヴァい。そんなヤヴァいこと強要されたら……強要されてるって言い訳を貰っちゃったら、そりゃそうだよね。そうなるよね。なっちゃうよね! マジクソ分かるまん!
頭の中がどんどん、動画中のヒロインで侵食されていく。ヒロインのされていることが、自分にされているように思えてくる。
――あれ、これ合ってる? 普通、逆じゃね? ヒロインを苛める竿役のほうに感情移入するべきじゃ……あっ、そっちにも感情移入してる!?
動画内で深夜の全裸公園お散歩プレイで立ちバックされているヒロインの声と台詞と画像に目と耳を奪われながら、大晴の脳はその二つの感覚器から入ってくる情報を、する側とされる側のどちらとしても受け取っていた。
まんまと調教されている自分自身に失望しながらも快楽に呑まれるヒロインとして、友人男子の巨根に牝穴を犯されてアンアン咽び鳴く悔しさと気持ちよさをぱこぱこ叩き込まれながら、この前まで男友達だった相手の身体に牝の悦びを刻み込んで、今や夜の公園で全裸肉便器としてずこずこ犯す全能感を貪っている――。
ヒロインと友人男子、双方の感覚が大晴の脳内で同時に再生されて、左脳と右脳でASMRなのだった。
「……あっ、っ! だっ、っ……ん……ん!」
思わず甘えた喘ぎ声を上げそうになったのだけは寸でのところで我慢しながら、大晴は鍵の掛かった丸いドアノブをガチャガチャ抉じ開けようとするような熱い亀頭責めで、背中を丸めながらぐわっと肩を怒らせていき――
「っ、っんう! ……っ、んん――ッ!!」
歯を食いしばった歌舞伎の見得切りみたいな表情と仕草で唸って、射精した。
どびゅっと溢れた精液が、亀頭を包む手の平に当たり、亀頭にも垂れ落ちてくるのを感じながら……大晴は一瞬の立ち眩みを挟んで、女に変身していた。
大晴一人のときもさんざん変身して遊び倒したからか、もう呪文を唱えることも考えることも特別に必要だということもなしに、大晴は射精と絶頂させするならば、男女の間を自由自在に行き交うことができるようになっていたのだ。
「ふっ……んぁ……」
射精の余韻と脱力感は、身体が女に変わっても残っているようで、大晴は肩を大きく上下させて、悩ましげな吐息を零す……と、その途端、アニメを観ていたはずの伊東が叫んだ。
「あっ……あいやーッ!?」
「なんで中国語……っつか、なんでこっち見てんッ!?」
こっち見るなよ、と言っていたのに――伊東はいつからそうしていたのか、胡座を掻いた下半身はテレビに向かっているけれど、腰から上はヨガでもするように背後へ捻られていて、両目はがっつり、大晴のことをガン見していた。
「ごっごごめめッ! けど、でもさっ、いきなりフアァなんて声を出されたら、頭じゃなくて身体が振り向いちゃうってばよぉ!」
「なんで声が聞こえてんだよって言ってんの!」
声が聞こえてしまわないようにアニメを大音量で見させていたというのに、なんの意味もなかったじゃねぇか! と、大晴は顔を真赤にして喚く。
これには伊東も、肩を竦めて苦笑いだ。
「いやぁ、男の耳って、どんな雑音の中からでも女子の声を聞き分けるもんなのでござるなぁ。拙者、大発見でござる。ハハッ」
「ハハッ、じゃねぇし……はぁ」
くだらない台詞を応酬させているうちに、夏雨も落ち着いてきた。なので、最後にこれ見よがしな溜め息を吐いて、区切りをつけた。
「いいよ、もう。伊東に悪気があったわけじゃないっぽいし」
「勿論でござる」
「ござるは止めい」
「あ、うん」
「で……どうよ?」
夏雨になった大晴は友人に向き直ると大きく腕を広げて胸を張り、挑発的に笑いかけた。
色気もへったくれもない鼠色一色のスウェット上下だったが、それにも関わらず主張してくる体型の女性的な丸みと括れが、伊東を――非モテ系オタク童貞男子を、真正面からブッ飛ばした。
「げふぅ!」
いちいち本当にブッ飛ばされる演技までして、床に倒れる伊東。
「そういうところがウザがられるんだよ……」
「分かっていても止められぬ。それが男子と言うものぜよ」
「土佐藩かっ」
「どっちかと言うと薩摩?」
「デブなら誰でも西郷どんって、違うからな」
「金玉もデカかったらしいな、西郷どん」
「知らねえよ。って、何の話だよ。そうじゃなく――ほら、おまえのお望み通りに、もういっぺん女になってやったわけですが、感想とか感謝とか、なんかないんかよっ」
夏雨はもう一度乳房を張って、アホなことを言い合っているうちに座り直した友人を睥睨する。軽く顎を上げて、見下す感じの睨み方だ。
「ふむ……」
対する伊東は、イケメンだったら決まっていただろう真面目な顔になって夏雨を見つめると、おもむろに口を開いて、
「おっぱい、何カップ?」
「そうじゃねぇだろ」
夏雨、思わずツッコミを入れざるを得ない。
「そうじゃねぇだろ、伊東よ。なあ、まず感謝の言葉だよなぁ?」
「マナ、俺のためにオナってくれてありがとう!」
「そうだけど、そうじゃなぁい!」
「で、おっぱい何カップ?」
「おまえ……はぁ……」
「G? H?」
「Iだよ」
「アイ!?」
鸚鵡返しに叫んで、いっそうじろじろ、夏雨の胸を容赦なく凝視する伊東。
「うおぉ……デカいとは思ったけど、まさか、まさかのG越えぇ……!」
ぐびりっと鳴る、伊東の喉仏。
これがもし一般女子だったら、自分の胸に発情顔を向けてくる非モテ顔に対して嫌悪と悲鳴、もしくは罵声か舌打ちを浴びせているところだが、この女子は中身が同じ非モテ顔のオタ野郎というパチもん女子だ。だから、一般女子なら絶対に言わないことを言った。
「伊東……触りたいか?」
「ふうぅひゅッ!?」
もう感嘆詞でもない奇声を上げた伊東は、その奇声に相応しい奇顔で夏雨の顔を――やっと胸ではなく顔を見た。
「じゃ、あたしは戻りまー」
「おう、お疲れ」
「どっ、どもでした」
男子二人は軽く挨拶して、小晴を見送った。
さて、部屋に残った二人の男子は、会話が途切れたまま、なんとなく黙る。
なぜか? ――小晴が確実にこの部屋から離れて、ここでの会話が他の誰にも聞かれていないことを確認するための時間が必要だったからだ。
「……さっきはノリで流したけどさ、女になれるって……どこまで?」
先に口を開いたのは、伊東だ。その質問内容は「どういうことだ?」でも「どうして?」でもなかったが、大晴にはその意図が問題なく理解できた。
「無論、細部まで」
「もっと具体的に」
「せ……性器、とか」
その言葉を面と向かって告げるのは、さすがに羞恥心を覚えるようで、大晴は少し言い淀んだ。だが、伊東はずいっと膝を詰めてくる。
「マナ、おまえ……つまり、見たのか。触ったのか。確認したのか」
性器まで間違いなく女体化したのだと確認したわけだなっ、と鼻息も荒く迫ってくる友人に、大晴は羞恥心から来る粘っこい汗をこめかみに伝わせながら、小さく頷いた。
「まあ、ほら。自分の身体のことだし、何か問題あったら不味いだろ。だから、整備というか点検というか……なっ、なんだよ。いいじゃん、俺の身体だし! 伊東だってやるだろ、女になったらさ。やるだろぉ!?」
「やる! 間違いなくやる!」
恥ずかしさと後ろめたさから言い訳がましくなった大晴の演説に、伊東はいっそう熱い語調で言い切った。大晴を見つめる瞳には、一点の曇りもなかった。
「伊東……おまえに言って良かった」
ただ女体化しただけで何も悪いことはしていないし、迷惑もかけていない――そう言い切れるのに、余人には言えない秘密を抱えているというだけで、ずっと胸の内に澱がこびり付いているようだった。
誰かに知られて気味悪がられたり、嫌悪や非難をされたりしたらどうしよう……なるべく考えないようにしていたそんな不安が、たった数秒の会話で綺麗さっぱり拭い取られた。拭ってくれた友人に、柄にもなく泣きそうになった。
でも、続けられた伊東の言葉に、その涙は一瞬で引っ込んだ。
「だから、俺にもやらせてくれ!」
「……うん?」
やらせてくれとは何を? ――と首を傾げる大晴に、伊東はさらに詰め寄ってくる。鬼気迫った形相を近づけてくるのは、控えめに言ってセクハラだった。
「俺もおまえが女子になったか確認したい。おまえだけ狡い、おまえだけ俺にもやらせろくださいッ!!」
息継ぎと句読点を忘れた愁嘆に、大晴は意味を理解するまでに二呼吸ほどかかってしまった。
「……え、それ、つまり……俺とヤりたいってことだぞ!?」
「そうですが?」
「いや、しれっと返すな。怖い怖い!」
まっすぐな瞳で応じられて、大晴はテンパる。脂汗で額がテカる。それなのに、伊東は打って変わって冷静に言ってくるのだ。
「マナ、おまえにこの前見せたフィギュアがあるな」
「ん……あれか。あったな」
とあるソシャゲの人気キャラで、お胸の大きな美少女だ。服装はぎりぎり健全オン・ザ・ラインだが、なぜか下着の陰影が作り込まれてあった逸品であった。
「俺が、あれで毎晩ヌイていると言ったら、どう思う?」
「……已む無し、かと」
見ても分からないくらいだけど、指で優しく触ってみると胸の先っぽが僅かに尖っているのが感じられるという、画竜点睛を描ききっていた傑作であった。
「だが、あれを作ったのは男だ」
件のフィギュアの素晴らしさを思い出していた大晴に、伊東が冷水を浴びせた。
「はぁ!? そんなの関係ねぇし!」
「そういうことだ!」
思わず声を荒げて言い返した大晴に、伊東も吠えた。
「フィギュアだけじゃない。エロ漫画もエロ同人もエロくないゲームの女キャラも全部全部、描いたり作ったりしたのはだいたい九割、男だ。男の、男による創作物だ。だが、それでヌクのをおかしいと言うか? 言わないだろ。むしろ、正しいと言うね! 男は男の創作物でヌクべきだ、ってね!」
握り締めた拳を、見えない机に何度も叩きつけるみたいにして、伊東は熱弁を振るう。その言葉に百パーセント同意したわけではなかったけれど、言わんとするところは大晴にも理解できた。そして納得もいった――いったけれど、驚愕もした。
「伊東、おまえ……マジで、中の人が俺だと理解した上で……俺と、ヤれるというのか……!」
「応よ!」
「……」
「あ、おい。ちょ、無言で離れるなよ」
「離れるよ!」
「勘違いするなよ、マナ。俺はおまえに興味があるんじゃない。女体化したおまえの身体に興味があるだけなんだ」
「最低だな、身体だけかよ」
「じゃあ、おまえの心に興味津々が良かったか……あっ、だから離れるな!」
「離れるよッ!!」
「ああっ! もういいから、とにかく女に戻って!」
「男が元じゃい!」
「戻ってくださぁい! お願いお願いお願ああぁいッ!!」
とうとう土下座まで始める伊東。それも、ただ額を床に擦り付けるやつでなく、両手万歳で正座してから床に頭突きをするというハードなタイプの土下座だ。土下座ヘドバンだ。
「近所迷惑だから止めい!」
「じゃあお願い聞いてくれるよねぇッ!?」
「それもうお願いじゃねぇ。脅迫だろうが!」
「お願いお願ぁい!」
「ああっ……分かった、分かったから!」
「いぃやったあぁッ!!」
このウザくて暑苦しい絵面に、大晴は音を上げた。泥仕合を制した伊東は、土下座からのブリッジで両拳を天に突き上げて、ゴールを決めたサッカー選手かムエタイ選手みたいに勝利を神に感謝している。オーバーアクションの勝利ポーズをずんぐりボディでやられると、相変わらずウザい。
――と思っていたら、ぴたっと黙った。そして、感情を押し殺した冷静な顔で言う。
「それではマナ君。女に戻ってくだされ」
「おう……あ、じゃあ、俺ちょっとトイレに――」
「待つでござる」
「おい、なんで腕を掴む……まさか、ここで変身しろとか言わないよな?」
「そのまさかでござるが?」
「おまっ――言ったろ、イかないと変われないって」
「言ってたでござるな」
「え、分かってて言ってんの? 分かってて、俺に、ここでイけと――射精しろと?」
「だって、女子に変わるところ見たいでござる。変身バンクは毎回飛ばさずチェックしてるでござるからして」
「ござるござる煩ぇわ!」
「じゃあ早く変身してくれたら黙りますぅ!」
「マジか……マジで……こいつ、マジか……」
この場で変身しろ、そのために射精でも自慰でも何でもいいから早くしろ――と、頑として譲らない伊東に、大晴は慄くばかりだ。友人の変態度を見誤っていた。学校でキモオタとレッテルを貼られるのも已む無しの変態だとは思っていたけれど、まさか自分の前で自慰してみせろと言ってくるほどの変態だとは思っていなかった。
……べつに断固拒否してもいい場面だっただろう。だが、このときの大晴は、女体化の秘密をすんなりと受け入れてもらえた嬉しさで、少しだけ伊東に絆されていた。
「あぁ、くそっ……しょうがないな……」
苦虫を噛み潰したような顔ながらも、それは間違いなく、肯定の言葉だった。
「ありがとうでございます!」
「でも、背中向きだからな! 回り込むなよ!」
「……分かったでござる」
「なんで一瞬、間があった!? あと、ござる付けんな!」
「分かった、分かった。マジ分かったから」
「……やっぱ駄目だ。それだけじゃ足りないから、ヘッドホン貸すから、それで何か大音量で聞いてろ」
「ふむ、シコってるときの喘ぎ声を聞かないでください、と」
「それから目隠し――」
「それは拒否でござる。見えなかったら、ここでしてもらう意味ないでござるからして」
「じゃあ、無駄口禁止だ。ござる付けてても付けてなくても、一切喋んな」
「了解する前に一言いいか?」
「なんだ?」
「オカズ、どうすんの? 俺のスマホでクラウド保存のマイコレクション、観るか? 昨日買った音声付きCG集、使えるぞ」
「……じゃあ、それで」
「あいよ」
べつに普段からオカズの融通をしているわけではないけれど、大晴の好みは伊東にばっちり把握されているのだ。その逆もまた然り、だが。
――というわけで、準備が整った。
ヘッドホンはひとつしかないので、借りたスマホで動画データを視聴する大晴が着用することになり、伊東の耳栓代わりには、音量を大きめにしたテレビからアニメを流しておくことにした。
「じゃあ……」
「……」
ぎこちなく開始を告げて背中を向ける大晴に、伊東は無反応だ。再放送中の子供向けアニメの音で、大晴の声は聞こえなかったみたいだ――演技でなければ、だが。
どっちか確かめるのに手間取るのも馬鹿らしい気がして、大晴はそれ以上考えないことにした。なんでこうなったのか、十分前の自分がいまいち信じられないけれど、とにかくさっさとやって終わらせることのした。これは思考放棄ではない、心を無にしたのだ――なんて無意味な言い訳を自分にしながら。
「あ……」
確かに好みだ、これ――と、伊東セレクトの音声付きCG集(つまり、音声付き紙芝居動画)を再生させてすぐ、タイトル画面で予感する。その予感は動画が進むにつれて確信へと変わっていき、始める前までの緊張や気恥ずかしさはどこへやら……気がつけば、大晴の右手はスウェットズボンの中から愚息を引っ張り出していた。
「んっ……ん……ッ」
押し殺した声を、閉じた唇の隙間から漏らして、右手を上下に動かす大晴。背後から見てもあまり派手な動きだと思われないようにすると畢竟、肩や肘ではなく手首を利かせた扱き方になる。寿司を握るような手付きだ。
「っ……っ、っ……っふ……」
ほとんど手首しか使わない窮屈な自慰は、大晴のちん扱きレパートリーに新たな一ページを書き加えていく。
手の中で酢飯を転がして形を整えるように、亀頭だけを重点的に撫で転がしていく扱き方だ。命名、小手返しだ。
「おっ……ふぅ、うぅ……ッ」
テレビから流れる魔法少女アニメの音量は十分に大きく、ヘッドホンから流しているエロ同人の音声もそれに見合うだけの大音量になっている。だから、少しくらいの喘ぎ声が漏れてしまっても問題ないし仕方ない――と自分に言い訳しながら、大晴は文字通りの意味で新手法の自慰に没頭していく。
スマホの画面では、肉感的な美少女があられもない姿で喘いでいる。極上のレアに仕上げたローストビーフの断面みたいな、肉汁の艶めくパールピンクの彩色も大晴好みだ。そして何よりも、そんな美少女が実は秘密のTS魔法少女(幼馴染の彼女持ち)だけど、うっかり友人の男子にその秘密がバレてしまって「秘密にしててほしかったら分かるよな、ぐへへ」という導入から、「俺、男なのに……おまえのこと信じてたのに!」と心は反発しながらも身体は正直だな、というテンプレ展開になっていくのが、いまの大晴にはドンピシャだった。
というか、伊東にそういう意図があってこの動画を勧めてきたのかどうかが気になって、振り返って背後の伊東に問い質したい気持ちでいっぱいの大晴だが、返ってくる返事を想像すると怖くてできない。それに、そんな緊張する頭とは裏腹に、肉棒はガチガチに興奮していた。
――だって、感情移入できまくりじゃん! 没入感ヤバいじゃん!
画面の中では魔法少女が、ただ友人男子にエッチな躾をされるためだけにTS変身してしまって、屈辱で泣き濡れた瞳になっているのに、なぜか股間の割れ目も泣き濡れてしまう……というシーンに入っている。
――あぁ、ヤバい。ヤヴァい。そんなヤヴァいこと強要されたら……強要されてるって言い訳を貰っちゃったら、そりゃそうだよね。そうなるよね。なっちゃうよね! マジクソ分かるまん!
頭の中がどんどん、動画中のヒロインで侵食されていく。ヒロインのされていることが、自分にされているように思えてくる。
――あれ、これ合ってる? 普通、逆じゃね? ヒロインを苛める竿役のほうに感情移入するべきじゃ……あっ、そっちにも感情移入してる!?
動画内で深夜の全裸公園お散歩プレイで立ちバックされているヒロインの声と台詞と画像に目と耳を奪われながら、大晴の脳はその二つの感覚器から入ってくる情報を、する側とされる側のどちらとしても受け取っていた。
まんまと調教されている自分自身に失望しながらも快楽に呑まれるヒロインとして、友人男子の巨根に牝穴を犯されてアンアン咽び鳴く悔しさと気持ちよさをぱこぱこ叩き込まれながら、この前まで男友達だった相手の身体に牝の悦びを刻み込んで、今や夜の公園で全裸肉便器としてずこずこ犯す全能感を貪っている――。
ヒロインと友人男子、双方の感覚が大晴の脳内で同時に再生されて、左脳と右脳でASMRなのだった。
「……あっ、っ! だっ、っ……ん……ん!」
思わず甘えた喘ぎ声を上げそうになったのだけは寸でのところで我慢しながら、大晴は鍵の掛かった丸いドアノブをガチャガチャ抉じ開けようとするような熱い亀頭責めで、背中を丸めながらぐわっと肩を怒らせていき――
「っ、っんう! ……っ、んん――ッ!!」
歯を食いしばった歌舞伎の見得切りみたいな表情と仕草で唸って、射精した。
どびゅっと溢れた精液が、亀頭を包む手の平に当たり、亀頭にも垂れ落ちてくるのを感じながら……大晴は一瞬の立ち眩みを挟んで、女に変身していた。
大晴一人のときもさんざん変身して遊び倒したからか、もう呪文を唱えることも考えることも特別に必要だということもなしに、大晴は射精と絶頂させするならば、男女の間を自由自在に行き交うことができるようになっていたのだ。
「ふっ……んぁ……」
射精の余韻と脱力感は、身体が女に変わっても残っているようで、大晴は肩を大きく上下させて、悩ましげな吐息を零す……と、その途端、アニメを観ていたはずの伊東が叫んだ。
「あっ……あいやーッ!?」
「なんで中国語……っつか、なんでこっち見てんッ!?」
こっち見るなよ、と言っていたのに――伊東はいつからそうしていたのか、胡座を掻いた下半身はテレビに向かっているけれど、腰から上はヨガでもするように背後へ捻られていて、両目はがっつり、大晴のことをガン見していた。
「ごっごごめめッ! けど、でもさっ、いきなりフアァなんて声を出されたら、頭じゃなくて身体が振り向いちゃうってばよぉ!」
「なんで声が聞こえてんだよって言ってんの!」
声が聞こえてしまわないようにアニメを大音量で見させていたというのに、なんの意味もなかったじゃねぇか! と、大晴は顔を真赤にして喚く。
これには伊東も、肩を竦めて苦笑いだ。
「いやぁ、男の耳って、どんな雑音の中からでも女子の声を聞き分けるもんなのでござるなぁ。拙者、大発見でござる。ハハッ」
「ハハッ、じゃねぇし……はぁ」
くだらない台詞を応酬させているうちに、夏雨も落ち着いてきた。なので、最後にこれ見よがしな溜め息を吐いて、区切りをつけた。
「いいよ、もう。伊東に悪気があったわけじゃないっぽいし」
「勿論でござる」
「ござるは止めい」
「あ、うん」
「で……どうよ?」
夏雨になった大晴は友人に向き直ると大きく腕を広げて胸を張り、挑発的に笑いかけた。
色気もへったくれもない鼠色一色のスウェット上下だったが、それにも関わらず主張してくる体型の女性的な丸みと括れが、伊東を――非モテ系オタク童貞男子を、真正面からブッ飛ばした。
「げふぅ!」
いちいち本当にブッ飛ばされる演技までして、床に倒れる伊東。
「そういうところがウザがられるんだよ……」
「分かっていても止められぬ。それが男子と言うものぜよ」
「土佐藩かっ」
「どっちかと言うと薩摩?」
「デブなら誰でも西郷どんって、違うからな」
「金玉もデカかったらしいな、西郷どん」
「知らねえよ。って、何の話だよ。そうじゃなく――ほら、おまえのお望み通りに、もういっぺん女になってやったわけですが、感想とか感謝とか、なんかないんかよっ」
夏雨はもう一度乳房を張って、アホなことを言い合っているうちに座り直した友人を睥睨する。軽く顎を上げて、見下す感じの睨み方だ。
「ふむ……」
対する伊東は、イケメンだったら決まっていただろう真面目な顔になって夏雨を見つめると、おもむろに口を開いて、
「おっぱい、何カップ?」
「そうじゃねぇだろ」
夏雨、思わずツッコミを入れざるを得ない。
「そうじゃねぇだろ、伊東よ。なあ、まず感謝の言葉だよなぁ?」
「マナ、俺のためにオナってくれてありがとう!」
「そうだけど、そうじゃなぁい!」
「で、おっぱい何カップ?」
「おまえ……はぁ……」
「G? H?」
「Iだよ」
「アイ!?」
鸚鵡返しに叫んで、いっそうじろじろ、夏雨の胸を容赦なく凝視する伊東。
「うおぉ……デカいとは思ったけど、まさか、まさかのG越えぇ……!」
ぐびりっと鳴る、伊東の喉仏。
これがもし一般女子だったら、自分の胸に発情顔を向けてくる非モテ顔に対して嫌悪と悲鳴、もしくは罵声か舌打ちを浴びせているところだが、この女子は中身が同じ非モテ顔のオタ野郎というパチもん女子だ。だから、一般女子なら絶対に言わないことを言った。
「伊東……触りたいか?」
「ふうぅひゅッ!?」
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