ひのえん!

Merle

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2-4. 小晴、クラスメイト男子は手コキで初射精させた後、兄を呼び込む。

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「竜馬くん、そんなに緊張しないでー」
「あっ……ま、真夏雨、耳元で囁くのは――ッ」
「おぅー、竜馬くん耳よわよわかー……ふっ♥」
「ふあぁッ!?」

 小晴はいま、ベッドに崩した胡坐で座っている竜馬のことを背中から抱きしめていた。竜馬の腰にまわした両手は彼の股間へと伸び、彼の背中には胸をぎゅうと押し付け、彼の耳朶に口付けながら耳孔に吐息を吹き込んでいた。
 ちょうど春休み最後の晩に、小晴が大晴を襲って手コキで射精させたときと同じ体勢だ。
 ただし、大晴にしたときは体格差が大きすぎて、小晴は兄の背中に顔を埋めることしかできなかったけれど、体格に差のない竜馬が相手なら、彼の腰に両手をまわすのと同時に、彼の耳朶を唇で吸うことも楽勝だった。

「んっ、くぅあ……ッ……真夏雨、あぁ……」
「んー、なぁにー? あ、今更こんなこと良くないよーとか言っても聞かないからねー」
「違うっ、そうじゃなくっ……うぅ……! ちっ、っ……ちん、んんっ……!」
「んー……あっ、ちんちん?」
「そ、そう! そこがさっきからっ、あ、あっ……熱い、おかしいっ……変っ、んぁ……ッ!」
じゃなくてでしょー?」
「うああぁッ!!」
「ってか、あたしが触る前からフル勃起してたよね? ……最初はまだ半勃起かと思ってたけど、これでフル勃起なんだね。まー、お兄のと同い年のとを比べちゃ悪いよね」

 小晴は苦笑交じりに竜馬のちんぽを撫で摩る。
 最初から熱さだけはチーズが融けそうなほど熱々だったために、まだ半勃起だとは思っても撫でる程度の弱い刺激で様子見から入ったのだけど、結果的にそれが良かった。もし、しっかり起たせようと思って強めに扱いていたら、竜馬は何ひとつ自覚できないうちに射精し果ててしまっていたことだろう。

「うあぅ……男の子の、股間の……うわぁ……」

 竜馬の指でクリ絶頂させられてグロッキーしていた茉莉花だったが、いまは竜馬と対面する位置でぺたんとシーツに座り込んで、小晴の手指で弄ばれる竜馬の股間――性器ちんぽ興味津々キラキラの目で見下ろしている。

「おちんちん、って言うんだよ……ね?」
「うん、そーそー。他にも、ちんこ、ちんぽ、おちんぽ……あーでも、このお可愛いサイズ感だと、ちんことかちんちんくらいがお似合いかにゃー」
「へぇ、サイズで名前が変わるんだ。出世魚みたいだね!」
「出世魚! あははっ、確かにそうかも!」

 知的好奇心のままに語る茉莉花と、けらけら笑いながらちんこを嬲る小晴。そうやって前後から言葉と刺激で辱められる竜馬は、興奮と羞恥の二つの意味で顔が真っ赤だ。

「お、おまえたちっ……僕の、ち、ちん……んっ、ん……ッ!」
「ちんちん?」
「そうだ! そこをからかうな!」
「えー、からかってないよー。可愛がってるんだよー?」
「っ……やっぱり、からかって――っひいぃうぁッ!!」
「からかってないよー。可愛がっているんだよー♥」

 小晴はラジオ体操の背伸びをするみたいに元気よくフル勃起した竜馬のお子様ちんぽを、フル勃起しても亀頭の下半分をすっぽり隠すくらいに余っている包皮かわの上から、ぐにりぐにりと指圧していく。

「あっ! あっ! あぁっ……ッ! ……くうぅッ!!」

 カリ裏の段差を包皮の裏地で擦るような指使いに、竜馬は着ているシャツの裾を両手でくしゃくしゃに握りしめ、きゅっと丸めた両足の爪先でシーツを引っ掻かいて煩悶する。そうやって初体験の快楽に抗うのが精一杯で、反論も反撃もできようはずがなかった。

「あ……竜馬くん、またお漏らし?」
「ん? あー、違うよ、マリちゃん。これはね、先走り汁とか我慢汁とかってゆーの。ほら、納豆の糸みたいにねちょねちょしてるでしょ」
「わっ、本当だ……じゃあ、おしっこじゃないんだ?」
「うんうん。ってかねー、男子ってちんちんおっきくなってるときはおしっこ出ないんだってー」
「ええっ、便利そう!」
「あははっ、だよねー」
「っ、くっ……だ、からっ……からかう、なぁ……あっ、あっ! ぅうぁああッ!!」

 小晴の指使いは終始一貫してフェザータッチだったけれど、それでも初物ちんぽには刺激が勝ち過ぎた。
 小晴がついつい調子に乗って、左手の指数本で肉竿の裏側に浮いた太い筋を上下にくすぐりながら、右手の親指から中指までの三本指でそれぞれ皮越しのカリと裏筋、剥き出しの鈴口を摘まんでの三点同時マッサージをしてしまったが最後――竜馬は大きく胸を張るように仰け反って、小振りちんぽを盛大に跳ねさせた。

 どびゅーっ♥ じゅびびゅびゅーっ♥♥
 ……そんな濁音が聞こえてきそうな激しさで迸った射精汁は、手コキちんぽを正面から食い入るように見下ろしていた茉莉花の顔面を強かに撃ち抜いた。

「ひゅああぁッ!?」

 反射的に目を閉じて仰け反った茉莉花は、バランスを崩して横倒しになる。辛うじてベッドから転がり落ちることはなかったけれど、すっかり慌てふためいてしまっていた。手の甲で顔をごしごし擦りながら喚く。

「ひゃっ、あぅあ!? にゃっ、にゃにこれ!? おしっこ!? 富士田くんが、おしっこ、わたしに……びゃーって! びゃーってッ!!」
「ち、違う……僕は漏らしてなんて……やっ、でも違う、違うのに……ッ」

 竜馬も竜馬で、男性器から尿以外のものが排泄されたという未知の事象に顔を青くしていた。排泄された瞬間は信じられないほど気持ち良かったけれど、その快感を素直に受け止めるには、「クラスメイトの女子の顔におしっこ(?)をかけてしまった」という事実は重すぎだった。

「二人とも落ち着いて。いまのはおしっこじゃないよ、精液だよ。せーえき」
「せーえきって何だ!?」

 苦笑する小晴に、竜馬が素早く問い返した。茉莉花にかけてしまったものが尿でないのなら何でもいい。尿でないと言ってくれ! ――竜馬の顔はそう言っていた。

「精液って言うのは、男子が気持ち良くなるとおちんちんからビューって出しちゃう液のこと。ってゆーか、見れば分かるじゃん。ほら、おしっこと全然違う。ねばねばー」

 小晴は竜馬の背中を抱きすくめる体勢のまま茉莉花のほうへと右手を伸ばす。彼女の顔を中指でひと撫でして、そこにこびり付いていた精液を掬い取ると、その中指と親指をくっつけてから離して、にちゃぁっと粘つく糸を引かせてみせた。

「え……ああ、確かに違う。なんだか糊みたいだ。尿じゃない。全然違う……うん、全然違う!」

 尿じゃないと納得できて、竜馬はとっても嬉しげだ。

「竜馬くーん。そんなことより、これでマリちゃんのお顔を拭いてあげてー」
「あ、うん」

 竜馬は小晴が手渡したティッシュとウェットティッシュを使って、茉莉花の顔と手の甲を拭き清めていく。その過程で改めて、それが尿とは本当に全く違うものなのだなと理解できて、いっそう安堵した。

「大丈夫だ、山本。これは間違いなく尿じゃない。たぶん唾……いや、汗みたいなものだ。だからこれは、汗ばんだ手で顔を触ったくらいのことで、大した問題じゃない。大丈夫、大したことじゃないから!」
「う、うん……」

 いつになく早口で必死な竜馬に、ようやっと瞑っていた目を開けることができた茉莉花は、ベッドに横臥したままでこくこく頷いた――が、ふいに鼻をひくつかせると眉間を険しくさせた。

「っ……変な匂い……これ、せーえきの匂い……?」
「えっ……ん!」

 反射的に顔射汁を拭ったティッシュを自分の鼻先に持っていった竜馬も、茉莉花と似たような顰めっ面になった。

「つんとした、青臭い、草っぽい……あ、あと雨の後っぽくもあるか? とにかく――」

 竜馬が言葉を続けようとしたところに、茉莉花のぼそりと零した呟きが重なった。

「……変だけど、けっこう好きな匂いかも」
「とにかく臭いな――ええぇッ!?」

 自分と真逆の感想が出てきたことに、竜馬は驚愕に見開いたまなこで茉莉花を凝視した。一方で、茉莉花のほうも困惑顔で竜馬を見ている。

「え、えっ?」
「山本、好きって……本気で?」
「あ、えと……あうぅ……ッ」
「同じに匂いに対する真逆の反応……男女の差なのか? だとすると、真夏雨もこの匂いが好きって思うのか?」

 竜馬が小晴を見つめると、その視線に気づいた小晴は朗らかに微笑み、頷いた。

「んなわけないじゃん♥」
「ないのか!」
「まー、あたしもわりと好きなほうだけどー」
「あるじゃないか!」
「だからー、あたしとマリちゃんのほうがたぶん少数派だからーって話。女子はみんな精液の匂いが好きってことないから勘違いするなよーって話ぃ」
「ああ、そういうことか……うん、分かった」

 竜馬は神妙な面持ちで頷いた。

「なら、よしっ」

 小晴は笑って頷き返した。
 そこへ茉莉花がおずおずと、でもしっかりと小晴に呼びかける。

「ねぇ、小晴ちゃん」
「なにー?」
「あのね、わたしもやってみたい」
「え?」
「おちんちん弄るの、わたしもやってみたい」
「……おぅ」

 いつもはわりと引っ込み思案なところのある茉莉花が珍しく、やる気に満ちた眼差しをしていた。頬は上気し、鼻息はふんふん荒ぶっていた。

「マリちゃんが凄いやる気だ……まー、あたしは全然オッケーなんだけどね」
「ちょっと待て、真夏雨。勝手にオーケーするな!」
「富士田くん……駄目?」
「うっ……」

 座ったまま、正面からずいっと膝で詰め寄ってお願いをする茉莉花。女子にこれほど近づかれて平静でいられるほど、竜馬は子供ではない。微妙にふわっと香ってきた精液臭がなければもっと良かっただろうけれど、それでも竜馬の心臓は早鐘ドキドキだ。

「や、山本……ッ」
「……おぉ! おっきしたー」

 竜馬の背中に抱きついて腰に両手をまわしていた小晴は、排尿以外の初仕事を終えてぐったりと垂れ下がっていたちんぽが超高速で再勃起したのを、それを撫でている両手で感じて、楽しげに笑う。

「っ、おい、真夏雨っ……あ、んまり、触るな……!」
「そ、そうだよ、小晴ちゃん。わたしにやらせて――」

 小晴の手から逃れようとして身動ぎする竜馬と、そんな彼を引き渡せとばかりに彼の手を取って引っ張る茉莉花。
 そのとき、部屋の扉の向こうから階段を上ってくる足音が聞こえてきた。

「え……」
「……!」

 茉莉花と竜馬は冷水を浴びせられたように息を呑んだが、小晴だけは悪戯っぽく笑って声を上げた。

「お兄、お帰りー。鞄置いたら、ちょっと来てー」
「ん――おう」

 部屋の前を通り過ぎようとしていた人物は扉越しに返事をすると、そのまま去っていった。

「小晴ちゃん!?」

 茉莉花が小声で小晴を詰問する。竜馬は無言で、剥ぎ取られたパンツとズボンに手を伸ばそうとする。

「【動くなー】」

 目的語のない単語ひとつのでも、焦っている二人を止めるのには十分だった。二人は大声で叱られた犬のように、びくっと身を竦ませる。

「だいじょーぶ、慌てないで。お兄はそういうの大丈夫だからー」
「大丈夫って何がだよ……」
「わっ、わたしのパンツ、どこ……ッ!?」

 下着のほうに手を伸ばして体勢で固まっている竜馬と、自分の下着がどこに落ちたのかも分からなくて涙目になっている茉莉花。
 二人の金縛りは十秒ほどで解けたけれど、それだけの時間があれば、学校から帰ってきた大晴ひろはるが自室に鞄を置いて戻ってくるのには十分だった。
 とんとん、とノック。

「どうぞー」

 小晴の返事に、レバー型ドアノブがガチャリと下がってドアが開く。

「お兄、お帰りー」
「おう、ただいま。あ、友達が来て……た……の、か……」

 小晴の部屋に入ってきた制服姿の大晴は、言葉の途中で絶句した。
 そりゃあまあ、妹に呼ばれて妹の部屋に行ってみたら、妹の友達らしき男女がベッドの上で下半身丸出しにしていたのだ。絶句するのが当然だろう。無論、友達の兄らしき青年に凝視された竜馬と茉莉花も無言だ。
 三対の視線が救いを求めて交錯する中、小晴だけがあっけらかんだ。

「お兄。竜馬くんとマリちゃんだよ。あ、マリちゃんは知ってるっけ?」
「……名前だけな」

 妹に話しかけられたことで、大晴はどうにか我に返った。この一週間ほどで、突飛な事態に耐性が付いていたおかげだった。なお、小晴に紹介された二人はまだ固まっているままだ。

「そかそか。じゃー次、お兄ね。二人に自己紹介して」
「あ、それじゃ……真夏雨大晴です。小晴の兄です。ええと、よろしく?」
「お兄、なんで疑問形よぅ」
「いやだって、そういう雰囲気じゃないだろ。というかこれ、どういう雰囲気だよ」
「えっちな雰囲気だよ。見て分かんでしょー」
「いや分かんねぇ――あ、いや、うん。分かるわ」

 部屋に籠った三人分の汗と二人分の愛液臭と一人分の精液臭は、扉を一回開け閉めしたくらいでは薄れないほど淫猥ふしだらだった。

「分かんないのは、なんで小晴おまえが俺を呼んだのか、なんだが?」
「それはねー、お兄を教材にしようと思ったからー♥」
「……意味が分かるように言ってくれ」
「んー、分かんないかにゃー。ほら、あたしが竜馬くんのおちんぽ撫でころムニムニしてるでしょ。でも、マリちゃんはお手々が空いてるままでしょー?」
「え……つまり、おまえ、つまり……俺に、おまえの友達の女の子に、俺のを触らせろと……?」
「そー♥」
「マジか!」

 大晴は、ありないだろ馬鹿! という顔で叫びながらも、股間は正直だった。

「あーれれー? お兄のちんぽは大喜びしてるんですけどー?」

 小晴に指摘されるまでもなく、制服スラックスの股間は張り詰めていた。というか、この部屋に入って、鼻から息を吸い込んで、竜馬と茉莉花のあられもない姿を見た時点で既に、勃起が布地を押し上げていた。

「あ……あのっ……!」

 ずっと固まっていた茉莉花が急に声を上げた。視線の向きは大晴で、妹の口から何度か名前を聞いたことがある程度の初対面年下女子に話しかけられたと理解した大晴は、気持ち悪い感じに顔を引き攣らせてうろたえる。

「ひゅっ……う、うぁ、あ、あー……う、うん?」
「あ、あの……えっと、お兄さん?」

 話しかけたほうの茉莉花も緊張している様子で、舌のまわりが覚束ない。

「あ、う、うん。呼び方はそれでも、何でも……うん」
「じゃあ、えっと、お兄さん。えっと……お兄さんのおちんぽ、触ってみたいです……!」
「えぇ……」

 大晴はちらっと小晴に目をやる。妹がをして茉莉花に言わせたのではないか、と思ったからだ。でも小晴は、茉莉花の言葉で普通に驚いていた。

「おーぅ……マリちゃんが積極的! ってゆーか、竜馬ちんでも良いんだよ?」
「あ……えっと、お兄さんのほうで……」
「え、なんで……あっ、そか。お兄ちんのほうがおっきそーだから!」
「うん。大きいほうが分かりやすいかな、って」
「にゃるほどー」

 ふむふむ、と頷いた小晴は、にやっと悪戯猫のように笑う。

「ね、マリちゃん。“茉莉花、おっきーおちんぽがいい♥”って言ってみてー。あ、可愛くね。あと、お兄に向けてね」
「え……うん。え、えっと……茉莉花、おっきー、お、おちん……ぽが、いい……です」
「ぐぅあ――ッ!!」

 上目遣いで、たどたどしく告げられた瞬間、胸を押さえて蹲る大晴。そこへ嬉々として問いかける小晴。

「お兄、どう? あたしにお小遣い上げたくなった?」
「……なった!」
「あははっ♥」

 親指を立てた兄に、笑う小晴。そして戸惑う茉莉花と、憮然としている竜馬。

「え、えっ……?」
「……なんで僕は、馬鹿にされた気がしているんだ?」

 なんとも意味不明な状況の中、大晴はちょっとだけ真面目な顔を作って小晴に問う。

「小晴。まさかとは思うけど、二人に無理やりやらせているんじゃないだろうな?」
「ないない。なんなら、こうしよっか。竜馬くん、マリちゃん、二人とも【嫌なら帰ってもいいし、いつでも止めていいからね】。……ほら、これでどー?」
「ならば良し!」

 大晴はスラックスと下着をまとめて脱ぎ捨てた。なお、靴下は部屋で脱いできていた。
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