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スライム肉体改造もの
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●スライム肉体改造もの 1/6 スライムが恩返しに来た。
エーコ、24歳、会社員女性。彼氏いない歴24年、いわゆる喪女。見た目はお察し。
そんな私の下に、とある休日の朝、少年が訪ねてきた。
宅配便かと思って開けた玄関先に立っていたのは、高校の水泳部男子かな、といった感じのイケメン細マッチョで、もっさい&野暮ったい喪女の私とは何の接点もないタイプの男子だった。思わず凝視しちゃったけれど、マジで全く初対面だ。こんなタイプど真ん中のイケメン細マッチョDKとか、いっぺん見たら忘れるわけがないので。
「この身体では初めまして、お姉さん。僕は先日助けていただいたスライムです。恩返しに来ました」
数日前の晩、嫌々ながら参加した会社の飲み会で、どうせ割り勘なら元を取らねばやってらんね、と飲み過ぎた結果、帰路の途中の道端で吐いてしまったことがあった。
なんかそのゲロが、たまたまそこで干からびる寸前だったスライムを救ったらしい。
一命を取り留めたスライムはその後、適当な男性の身体に入り込んで脳と肉体を改造し、いま私の目の前でニコニコ楽しそうにこの話を語ってくれているイケメン細マッチョに作り変えたのだそうだ。
「大丈夫、同意の上だから」
このイケメン細マッチョDKくん、なんと元々は、もっさりぽっちゃり大仏顔の大学生だった。自撮り画像を見せられても信じられなかったのだけど、目の前で実際に顔が変わるところまで見せられたからには信じざるを得なかった。
ぶよん、ぐにゃっ、ぐにゅん……と肉が波打ちながらCGのモーフィングみたいに人相が変わる光景は、ちょっとしたホラーだった。というか、肉だけでなく骨格まで変わっている気がする。
そんなホラーを見せつけられたからには、いくら好みド真ん中の見た目をしていても嬉しい気持ちなんて起きなかったのだけど……冷や汗を掻いて固まっている隙に迫られてベロチューされたら、一気にどうでも良くなってしまった。
たぶん、舌と一緒にスライム片を押し込まれたせいだけど、無害なのでどうでもいい。
見た目だけでもイケメン年下男子と自宅アパートの玄関でする濃厚セックスは、日頃の疲ればぶっとぶほどの多幸感ドバドバだった。
最初はイケメンくんに玄関扉へ壁ドンされながら、部屋着の上から胸をがしがしに揉みしだかれて、そんな乱暴極まる愛撫なのに年下イケメン補正なのか、まんこキモいほどドチャ濡れしちゃって、背中を玄関扉にズリズリ擦り付けられながらの立位対面交尾をかまされて、あっあっと発情期の雌猫まんまな善がり声を張り上げて中イきさせられてしまった。
彼はしっかり陰茎まで改造してもらっていたようで、ネットでしか見たことのないデカ亀頭の長太ガン反りちんぽだった。
しかも、私の穴に挿入た後で、こちらの反応を窺いながらリアルタイムにちんぽの反り具合や竿の肉付き具合を微調整してくるというチートまでやってきたのだから、私が「とりあえずビール」のノリで即イきをブッかましたところから立て続けの三連絶頂をブッ決めた挙げ句に、人生初の潮吹き、さらに約二十年振りの失禁まで、流れるようにコンボしてしまった。
当然のように全身ホカホカの汗だくで、大風邪をひいたときのような激しい脱水症状に見舞われた私は、玄関先で何度目かの絶頂をしたのと同時に失神してしまうのだけど、ハッと目が覚めたらベッドに寝かされていた。
「ごめんなさい、やりすぎてしまいました」
ベッド脇には魔改造イケメンDKくんが控えていて、目を覚ました私に申し訳なさそうな顔で謝ってきた。
恩返ししたいスライムの意思と、素体となった童貞DDの爆発した性欲とが相俟った結果、私のことを一切考慮しない鬼イかせ祭りになったのだそうだ。
「でも、大丈夫。いま、脳をアジャストしたから、これからはちゃんと、お姉さんの様子を確認しながら、ギリギリ気絶しないラインをキープして気持ち良くさせるように出来ますので」
そんなチキンレースをお願いした覚えはないのだけど、
「大丈夫、任せてください」
イケメン笑顔で迫られたら、あっさり流されざるを得なかった。
今度はベッドの上で、正常位から側位を経て後背位へと、流れるようなハメっぱなし体位変更セックスを食らわされた。体位が変わるたびに、いちいち膣内の違ったところを違った感じでゴリゴリ掻きたくられることになるのは、それまでの快感で蕩けて眠るように失神しそうになっていた脳を、新しい快感で無理やり叩き起こされるようなものだった。頭の中身を真綿で作ったハンマーで乱打されるような新感覚だった。
いっそ殺してくれ、ってくらいの快感だった。カリ高鬼反りバリ硬ちんぽに、まんこの襞の至る所を、気絶できそうで出来ないギリギリのねちっこさで執拗にゴシゴシ、ゴリゴリ掻きたくられる絶頂地獄だった。
……というか、アジャストされたのって、私の脳のほう?
ベロチューされた途端に忌避感が綺麗サッパリぶっ飛んだ時点で薄々察してはいたけれど、明らかに私、何かされてるわ。まあ、別にいいけれど。
●スライム肉体改造もの 2/6 スライムが仲間を呼んだ
今日も今日とて、魔改造イケメン細マッチョ水泳部DK風DDくんに襲われて、本当に今日こそイき死んじゃなかろうか、という交尾に耽っていたら、追加の年下イケメンが来た。
「こんにちは。リーさんのチャット友達です。ミィくんと呼んでください」
今更ながら、細マッチョ(略)の名前はリーさんでした。
そして、新手の年下イケメンのミィくんは、女装が似合う系DCくんだった。スカートを穿いてたら美少女にしか見えない系の美少年だ。
そんなミィくんもまた、リーさんに誘われて、自分からスライムの欠片を受け入れたらしい。
「世の中、自分と折り合い付けられるひとばかりじゃないんです」
……だそうだ。
ミィくんは笑顔でさらっと言っていたけど、ちょっとツッコめなかったよ。
それはそれとして、CG加工済みじゃないと存在しないレベルの、ちんこが付いてるだけの美少女くん、大好物です。大歓迎です。美味しいです。
見た目は華奢な女の子そのもの(おっぱいは無いけど)なのに、股間のブツはしっかりエグエグでした。リーさんほどの巨根ではないけれど、カリ高・鬼反り・バリ硬の三拍子揃った美少女ちんこは、当に女泣かせ特化型ちんこでした。実体験トークです。泣くまでイかされましたとも。いえ正確には、泣いてもイかされ続けました、ですがっ。
というかスライムさん、分裂して増えるタイプのスライムだったのね。女戦士を苗床にするタイプかと思ってたから、ちょっぴり意外だったかも。
「ところで、尻穴に興味ありですか?」
ミィくんとの顔合わせエッチが終わったところで、リーさんが私に尋ねてくる。
「それは、きみたち二人のプロレスを見せてくるってことかな?」
聞き返した私に、リーさんは苦笑。
「いえ、そうではなく……まあ、いいや。とりあえず一回、やってみましょう」
というわけで、私は細マッチョDKと美少女DCに前後から挟まれて二穴サンドイッチファックされた。
美少女フェイスをガチ恋距離で、ときどきチュッチュしながらガン見しつつの、背後から適度に筋肉質な胸板を背中にギュッと密着されつつの、前から後から二人でシーソー、息を揃えてぎっこんばったん漕ぐみたいに、まんことアナルを互い違いにずっこんばっこん犯された。
私のお尻の穴がこんなに緩かったなんて驚きだったけれど、たぶんこれも、前にキスされたときに飲み込まされたスライム片のせいだろう。あと、全然汚いことにならなかったのも、経口摂取したスライムくんが腸内にまで根を張って、栄養分を吸収した後の腸内内容物を食べちゃっているからなのだろう。よく分からないけど。
だった、かりにスライムがうんこ食べていたのだとしても、質量保存の法則ってあるよね? 食べたって質量、消えないよね? スライムって異次元と繋がっているの?
……考えると怖いので、まあいっかぁ、で受け入れるようにしている。というかたぶん、受け入れるように脳味噌を弄られちゃってる。
恩返しのためなら何をしてもいいと思っているあたり、スライムは人間じゃないんだなって。
――まっ、イケメンにサンドイッチされる二穴エッチ最高だったので、どうでもいいが!
●スライム肉体改造もの 3/6 スライムがイケメンをスカウトした。
リーさん、ミィくんと一緒に、休日の朝から健全デートした。
タイプの違う年下イケメンを両手に花で侍らせて雑踏を練り歩くの、ちょー優越感だった。これは癖になる。
途中、カフェでトイレに行ったついでに少し隠れて、案の定、駄弁っていたイケメン二人がイケてる女子どもに逆ナンされているところへ「ごめん、待ったぁ?」とぶりっ子しながら戻っていって、「俺たち、こいつのオトコなんで」とイケメン二人に左右から腰を抱っこされつつ、「きゃっ❤」と恥じらい笑いするという少女漫画ムーブをする夢も叶えられたので、ワンチャン死んでもいいかもレベルで最高だった。
最高すぎて、今日は本当に健全デートで終わるつもりだったのに、昼下がりのラブホにしけ込んで、しっぽりぬっぽり3Pしようかーということになったのだけど……
「あっ」
ラブホに向かう道中で、野生のイケメンを発見した。
私の左右に侍っている魔改造イケメンと違って、おそらく生まれついての天然イケメンなので、見た目と実年齢にそれほど差はないだろうから、たぶん年頃は二十歳そこそこ。つまり、私とタメくらいだ。
非実在性の年下イケメンもいいけれど、リアル感のあるタメ年イケメンからしか得られない栄養素も確かに在るのだ。または、高級飯が続くとファーストフードのポティトが食べたくなる感覚、とも言う。
……って、野生の天然イケメンをポテト扱いするなんて、私も随分と驕った人間になっちまったもんだ。反省、反省。
「ちょっと待ってて」
リーさんが急に走り出す。いま見送った天然イケメンを追いかけて、曲がり角の向こうに消えていく。
えっ、嫉妬? 私がデート中に他のオトコをチラ見しちゃったからって、追いかけてまで殴打すっていうの? スライムくんさぁ、ちょっと重すぎない!?
……と思ったら、リーさんと天然イケメンが仲良く連れ立って戻ってきた。二人とも笑顔で、仲良く肩を並べて歩いてくる。
え、なに……どいうこと?
「キスしたら分かってくれました」
「あぁ、そういう……」
なるほど、理解。
私がされたのと同じ感じで、スライム片を口移しされて、さっくり洗脳らされちゃったわけですか。
まあでも、それも交渉技術のひとつということで、無粋を言うのは止しにして、ありがたくテイクアウトさせていただきましょう。
――というわけで、道で拾った天然イケメン会社員(わりと良いところにお勤めでした)を混じえての4Pで過ごす休日の昼下がりは、有給を取った日に飲む酒よりも甘美で背徳的でした。
細マッチョDKちんぽに女の子座りで騎乗位挿入して腰振りしながら、両手に花ならぬ茎を握って、指をくにくに絡めたり、すりすり這わせたりする手コキをしながら、右のちんぽにチュッ❤ 左のちんぽにもチュっ❤と左右交互に亀頭へキスして、ちろちろ舐めては、ちゅぽちゅぽ甘しゃぶりして……という贅沢な前戯を賞味した後は、本番の三穴同時姦を腹一杯になるまで食い倒れした。
実際、子宮も胃袋もたぽんたぽんになって、恥ずかしい話だけど……ベッドから降りようとした弾みで、口と肛門と膣口からクリーム色の白濁を、ぶりゅりゅりゅーっと逆噴射してしまったし。
「ははっ。本当に嘔吐するのが好きなひとですね」
リーさんだけでなく、ミィくんも、名も知らぬイケメンリーマンも全く同時のタイミングで笑い出した。ちょっぴりホラーだった。
でも一頻り笑った後で、三人がかりでザーゲロ塗れの私を抱えて、シャワーからバスタオルから肌ケアまでやってくれた。されるがままのお姫様気分、控えめに言って最高だった。これからはエッチ後に毎回、このお姫様ごっこをやってもらおう。
ラブホから出たら、天然イケメンさんは野に返した。
リーさんとミィくんは元々ぼっちだったから問題なかったけれど、彼は天然物のイケメン一軍なので普通に交友関係が広いほうだったから、我が家に入り浸らせたら間違いなく彼の友人連中から不審に思われていただろう。残念だけど仕方のない判断だった。
もっとも、スライム片は入ったままだし、洗脳もそのままにしてあるので「連絡いただいたら最優先で駆けつけます!」と彼自身が爽やか笑顔で言ってくれている。
でも、彼に連絡するのは、しばらく先になるかもしれない。
だって、今回のことで私は分かってしまった。
そこらのイケメンをおやつ感覚で摘み食いバイキングしてもいいんじゃん、と❤
●スライム肉体改造もの 4/6 スライムとウォーク。
イケメン狩り。または、イケメン椀子蕎麦。
街角人間観察で目を付けたイケメンに近づき、隙を突いてリーさんにキスしてもらって、口移しでスライム混入させる。それで説得は完了。快く逆ナンに応じてくれたイケメンたちと色んなところでセックス祭した。
べつにイケメンじゃなくてもスライムに魔改造させればいいのだけど、それをするには、それなりに大量のスライムと、そこそこの時間がかかるし、その時間中に抵抗されると上手くいかないので、改造される側の同意が必要不可欠になるので、安易に出来ることではないのだそうだ。
その点、脳にちょろっと入って思考をチョイチョイするだけならば、微量の欠片だけでいいし、時間も同意も要らないで可能だという。
そういうわけで、改造しなくとも最初から舐めまわせるレベルの顔面をしたイケメンを選んで洗脳――もとい説得しているというわけだった。
あるときはスポーツジムで、汗ばむ三角筋や大腿四頭筋を剥き出しにしたマッチョメンズを誘惑して、がに股騎乗位スクワットをレクチャーしてもらいながら両手持ちしたボトルから子種汁を経口補給させてもらった。
またあるときは陽キャ御用達のナイトプールにお邪魔して、茶髪金髪ピンクにグリーン、パープルその他色々カラフルヘアの美男美女どもが半裸でキャッキャ水遊びしている中で、適当に選んだイケメンと、プールに浮かべた大きなドーナツ型浮き輪の穴に二人で嵌って背面座位でどんぶらこした。
陽キャ金髪イケメンに背後からおっぱいモミモミされながらだったし、どこからどう見ても「これ完全に入ってるよね」状態だった。普通だったら動画が即流出ものだったところだけど、事前にその場の全員にスライム片をお裾分けして洗脳してもらっていたので問題一切ナッシングだった。
ナンパ待ちビキニギャルの飲み物にこっそりスライム片を混ぜたり、ウォータープルーフコスメで完全武装されたギャルの顔にうっかり誤射したふりでスライム粒入りプール水をぶっかけたり、リーさんがナンパからディープキスまで何秒でいけるか挑戦していくのを鑑賞したりするのは、そういうゲームみたいで楽しかった。
あ、リーくんにはギャルナンパを担当してもらって、男たちのほうは水着女装したミィくんにナンパ→ベロチューRTAしてもらいました。おっぱい盛ったりしていないのに、最後まで男バレしませんでした。ぺたんこでも顔が美少女なら問題ないのか、男って……。
そうそう、リーさんの通う大学の運動部更衣室にも潜入してみた。もちろん、男性側の更衣室だ。高校の男子運動部とも迷ったのだけど、ちょっと日和ってしまった。
それにしても、男性の運動部更衣室からしか接種できない栄養がある。ジムで遊んだときも思ったけれど、私ってば男性の汗の匂いが大好きなのかも。深呼吸するだけで脳が蕩ける。あ、男性用のサウナも今度、入ってみよう。
スポーツ男子の筋肉は、ジム通いの筋トレ従事者ともまた微妙に違った良さがある。トレーニーの筋肉が焼き肉だとしたら、アスリートの肉体はしゃぶしゃぶだ。つまり、どっちも美味しい。焼き肉としゃぶしゃぶを一日置きに交互に食べたい。
そういった意味で言うと、街角イケメン食べ歩き散歩は、学校帰りにコンビニスイーツ買い食いしていた日々を思い出す。郷愁の味だ。街角イケメンちんぽは秋の心の味がする、って言うと詩的で良いと思う。
焼き肉もしゃぶしゃぶも好きだけど、毎日食べたいと思うのはコンビニスイーツなのだ。
というわけで結局、気がつけば街角イケメンを食べているのが今日この頃のトレンドだった。
そんなある日のこと……。
「きゃあッ!!」
見た目イケメンDK&DCを連れて本日のおやつを探していたら、女の子の悲鳴が聞こえてきた。反射的にそちらを見たら、それなりに人通りのある往来のど真ん中で、尻餅をついた量産ファッションの女子が、見るからにホストな男性を見上げていた。
●スライム肉体改造もの 5/6 スライムの雌が仲間になった。
私もファッションには疎いほうだけど、尻餅をついている女子の服装はそれでも「あ、これが量産型ってやつね」と秒で判断できるほどに量産型だった。
あ、ウケ狙いでやっているのかも?
「なんで……?」
そんな量産ちゃんが、見るからにホストな金髪のスーツ男を見上げて、不思議そうに問いかけている。周りには、私たちを含めて、そこそこの通行人が足を止めているのだけど、ホスト男以外はまるで眼中に入っていないらしい。
一方のホストくん(たぶん、オラオラ系)はその逆に、周りの目が気になって仕方がないようだ。視線を周りに走らせて、チッと舌打ちしている。
「見てんじゃねえよ」
「あ、待って!」
量産ちゃんが手を伸ばして追いすがろうとするけれど、ホストくんは大股の早足で立ち去っていってしまった。
「あ……ああぁ……」
残された量産ちゃんが、がくっと項垂れて嗚咽している。
そこへあからさまにスマホを向ける観衆がわりといて、なんかムカついたので、リーさんとミィくんにお願いしてみたら、スマホを掲げていた人々が一斉に回れ右して、この場から立ち去っていった。
風に乗るほどの超微粒スライム群を散布して、この場にいた者全員の鼻や口から入って脳内へと潜り込ませ、良心や恐怖心といったものを刺激したのだそうだ。彼らは良心の呵責だとか、これで量産ちゃんが自殺でもしたら自分らも特定されてネット私刑されるかもしれない――という恐怖だとかに襲われて逃げていったのだということだった。
認識の変化や思考の植え付けに比べて、最初から存在している感覚や感情を増幅させることはずっと簡単かつ速やかにできるのだという。よく分からないけれど、実際にそうなったので良しとする。
「この女性も処置する?」
リーさんが量産ちゃんを目顔で指して訊いてきたけれど、私は首を横に振った。それから、地べたに座って項垂れていた量産ちゃんに声をかけたら、あっさりと付いてきてくれた。量産ちゃんの目はずっとイケメン二人の顔しか見ていなかったから、私の声なんて耳に入っていなかった可能性もあるけれど。
そして現在、適当に入ったラブホの室内で、私と量産ちゃんは競うようにカラオケ熱唱している。
最近のラブホにカラオケとかゲームとか、普通に遊べるグッズが取り揃えられているのは知っていたけれど、実際に使ったのはこれが初めてだ。いや、手マンカラオケで90点以上取るまで止めれま点、とかやったけれど、普通に歌うだけのカラオケをしているのは本当に初めてだ。
私はアニソンしか歌わないし、量産ちゃんは演歌した歌わない。男二人は終始、タンバリンとマラカス担当だ。
二人、喉が枯れてからも、備え付けの冷蔵庫にダース単位で用意されていたストロングさんをガバガバ空けて喉を湿らせながら歌い倒した。
最後は定番の〆曲を合唱で熱唱して往生した。ラブホカラオケはベッドに倒れ込めるのが最高だと思う。
イイ感じに精根尽き果てたら、種の保存を求める生存本能がムラムラしてきたので、盛り上げ担当に徹してくれた気遣いイケメン二人を手招きし、二人がかりで服を脱がせてもらう。
私が全裸になったら、次は量産ちゃんの番だ。
「ま、ま……で……!」
量産ちゃんが慌てている。喉がガラガラで言葉になっていないけれど、たぶん、待って、と言いたいのだろう。
でも、イケメン二人は待たない。私以外の言葉に従う謂れがないので。
「ぎゃ……あぎ……ぎ、ぇ……」
死に際の虫の羽音みたい音を喉から絞り出しながら、それでも顔はイケメンにガチ恋距離で見つめられながらボディタッチされる興奮で桃色に火照っていて、結局、呻く以外の抵抗をすることなく、さくさくと脱がされていく量産ちゃんでした。
あ、脱いじゃったらもう量産ちゃんではないか。じゃあ、ナニちゃんだろ……と思って、今更ながらにまじまじ観察してみる。
……特徴がない。
化粧もよくある自然風だし、胸はBからCくらい。下腹はビキニがギリギリ許される程度のちょいむにであり、腰の括れは寸胴で、お尻はもっちり存在感。太ももは言うに及ばず、総じてAVだったら「逆に素人感があって玄人好み」くらいに評されることも有耶無耶というところ――
「――あ、これ私だ」
思わず、声が出た。
量産ですら無くなってなお平均値を逸脱することのない彼女は、私だった。何の脈絡もない偶然でスライムに出会うことのないままだった私だ。
そう思ったら、彼女にキスしていた。
私の頭の中に入っているのだろうスライム片を、彼女にも贈呈したかったのだ。
「それじゃ容量が足りないよ。君に入ってるのは少ないから」
リーさんとミィくんが私の肩を叩くと、私に代わって、代わり番こで彼女にキスをした。唇同士をぶっちゅりと重ね合わせて、ねじ込んだ舌がぐちゅぐちゅ畝るのが頬や喉のもごつきから見て取れるくらいの濃厚なべろちゅーだ。
むちゅ、ぶちゅ、ぐぶぶっ……❤
激しい粘着質な水音をさせる口内セックスだ。
タイプの違うイケメン二人の舌で口内がでろでろに蕩けるまで犯されて、彼女の顔はもう真っ赤だ。汗が湯気になって立ち上っていて、まるで赤い蝋燭に火が灯っているかのようだ。
そして、蝋燭がどろっと溶けるように、彼女の顔がどろっと波打った。でも、それは本当に瞬きをひとつする間のことだったし、起きた変化もほんの些細なものに過ぎなかった。
ただちょっと、顔面中の目鼻や頬骨といった各部位のサイズと配置を、適切な比率かつ左右対称のものになるよう調整した――たったそれだけだ。
「見てごらん」
リーさんが彼女の両肩に手をおいて、姿見を見させる。この部屋は、ベッド近くの壁が一部、鏡張りになっているのだ。
「え……うそ……」
自分の姿を見て、絶句する彼女。でも、ややあってから呟かれたのは、隠しきれない喜びで彩られていた。
人間の顔なんて、バランスを整えるというたったそれだけのことで大きく印象が変わるものなのだ。結局、人が人の顔をイケメンかどうか判断する基準は、整っているか、なのだ。
整っていれば、点が三つあるだけでも顔に見える。イケメンかブサメンかの判断も、その延長線上でしかないのだ。
――というわけで、最小限の肉体改造で美少女ナイズされた量産ちゃん、改め、アイちゃんです。機械的にシンメトリを取られた顔は、AIイラストっぽいなーと思ったので、この命名ですた。
「えぇっ❤ それって、二次元美少女クラスの美少女ってことですかぁ❤」
アイちゃん本人もこんな感じで満更でもないご様子だったので、まあ良しである。
ちなみに、ついでなので顔だけでなく身体のほうも調整して、イイ感じの体型にした。腹と太ももとお尻のお肉をお胸に集めたら、カップサイズが目算で二回りはアップしていました。
「ねっ、これパイズリできる!? 手を使う」
アイちゃん的に、パイズリできるかどうかは重要なことだったぽい。
「できるかどうか、僕たちで試してみたら?」
「それよ!」
アイちゃんはミィくんの提案に即答で乗っかって、ミィくんを押し倒しながら、膨らみたてのたぷたぷ巨乳でショタちんぽをみっちり挟んで、「おほーッ❤ ちんぽ完全包み込めてるーッ❤」と大喜びしていた。
そこへリーさんも「俺のはそう簡単に挟めませんよ」と慇懃無礼に勃起ちんぽをずいっと差し出して、アイちゃんが「望むところよぅ❤」と返す刀で、細マッチョちんぽにおっぱいで強襲し、「おっ、際どい……けど、んしょ……よっしぃ! 完全パイズリ完成勝利ぃッ❤」と、もう一回大喜びする。なんかよく分からないテンションになっているのはきっと、顔面と体型の調整ついでに脳味噌もチョイチョイされたからかも。まあ、問題ないよね。
というか、三人だけでわちゃわちゃ楽しんでいるのを見ているだけなんて勿体ないので、私も参戦するぞ!
まーぜーてー、と甘えた声で呼びかけながら飛びかかって、ちんぽ二本を二人で交互にシェアして交尾した。マショタちんぽに代わり番こで跨って騎乗位エッチし、腰をぐいぐい振りたくった後は、マッチョちんぽに代わる代わるで股を割られて、後背位エッチで腰をぱこぱこ打ち付けられて、絶頂って射精させて、絶頂かされ射精されてしまくった。
「あっ、あっ❤ イケメンダブルフェラぁ❤ イケメンサンドイッチぃッ❤ しゅごいっ、しゅごいっ、しゅごおぉッ❤」
アイちゃんは姿見を見て大興奮だ。イケメン二人と組んず解れつしている自分が最高すぎで、見ているだけで小刻みにイっている様子だった。たぶんアイちゃん、自撮りに目覚めたね。
よぉし、私も負けないぞぉ!
……のテンションで3Pの渦中に飛び込んで、アイちゃんから奪うようにベロチューした。
「あっ、だめぇ!」
掌中のちんぽを握り締めるアイちゃん。べつに奪いませんとも。私はしょっちゅう、もぐもぐぺろぺろしてますし。ま、そんなこと言っても、いざイケメンちんぽを目の前にしたら集中しちゃうわけですが。
「わたしの! どっちのちんぽも、わたしの!」
アイちゃんも負けじと、両手にちんぽを一本ずつ握って独占しようとしてくるので、二人で競うようにして、こっちのちんぽに両側から唇ちゅっちゅと吸い付いては、あっちのちんぽにも両方から舌をぺろぺろ絡めにいく。
そうして最後は、女二人でちゅっちゅぺろぺろディープなキスを交わしながら、男二人にそれぞれ背後からパンパンズコズコ腰を使われ、アンアンおふおふ喘ぎまくった。
男二人はちんぽが全然萎えないし、こっちはこっちで、どっちがいっそう可愛くチン媚びできるか競う相手がいることでシナジーし合って、燃え尽きるどころか燃えに燃え上がった結果、最終的にはアイちゃんと二人、シーツに出来た白濁のプールに突っ伏す姿は、バケツで溺れる萎れた花火のようだった。
「あ、最後に一枚撮っておこうか」
「そうだね」
リーさんとミィくんが、うつ伏せでぶっ倒れている私とアイちゃんのお尻を左右から挟んで、クラシックなピースサインで自撮りした。
笑顔でピースの細マッチョDKとショタDCに挟まれる、まんこからザーメンでろでろの女子尻が二つ――。
これもまあ、らしくってさ、イイんでないかしら。なんて❤
●スライム肉体改造もの 6/6 ライフリメーカーズ
ガタンゴトンと揺れる電車で、会社員らしいスーツ姿の青年がガタンゴトンと揺られている。揺られているのに吊り革を掴んでいないのは、掴めないほど混んでいるからだ。
その、まだ二十代前半だろう青年が不意に、ビクッと緊張した。どこか疲れたような表情を貼り付けていた顔が、焦燥に染まる。黒目が右往左往したけれど、それも時間にすれば数秒のことで――結局、がくりと、諦めたように伏せられた。
いや、ようにではなく、本当に諦めたのだ。
そして電車が速度を落とし、停車する。ドアが開いて、乗車率百パーセントのうち数名だけがホームへと出ていく。青年も、つんのめるような姿勢で乗客の壁を掻き分け、電車を降りた。
「全然、抵抗しないのね」
青年の手を引いて歩いていた女子学生が、ホームの端で彼の手を解放し、くるっと振り向いて相手を見上げる。
「や……うん、まあ、逃げる度胸がないっていうか……逃げたところで……みたいな?」
青年は自由になった右手で耳の後ろを掻いて苦笑した。
女子生徒――青年に痴漢されていた女子生徒は、青年を見つめたまま首を傾げる。
「でも、このまま駅員さんに引き渡されたら、逃げる先がなくなると思うんだけど。職場とか、家庭とか」
「そしたら社畜を辞める踏ん切りがつくし、一人暮らしだし、まあ……元から、なくなって困るものがなかったなぁっていうね」
苦笑が止まらない青年を、女子生徒もじっと見上げたまま。
だけど、少女の右手が制服スカートのポケットに潜って、スマホを取り出してくる。
「えっと……?」
青年は少し困った顔だ。
彼女に痴漢してしまったことを認めて観念しているというのに、逃げるならどうぞ、と言わんばかりに放置されている。
これじゃ、せっかく潔く観念したのに、逃げ出したい気持ちが湧いてきてしまうぞ……と、足踏みしたくなる気持ちを堪えて直立している青年の前で、女子生徒はスマホに指を滑らせ、どこかにメッセージを送っているようだ。
返事はすぐにあったようで、スマホを見ていた女子生徒の顔が、にまぁっと妖しく微笑む。
「行くなら行っていいですよ」
スマホを仕舞った女子生徒は、くるっと踵を返して青年に背中を向けながらそう言うと、
「でも、ついてくるなら、死ぬ以外に逃げる場所のない人生、変えられるかもね」
背中を向けて歩き出しながら、そう言葉を続けた。
「え……」
青年は豆鉄砲を食った鳩のように目を丸くしたが、それも呼吸ひとつ分の間だけ。
「……待って!」
すぐにホームを蹴りつけ、女生徒を追いかけた。
●
駅からほど近いラブホテル。
その一室で、青年は狂喜の顔で、ベッド上で四つん這いになった女子生徒の腰を抱えて、後背位で犯していた。
二人とも全裸で、部屋の床には二人のスーツと制服が脱ぎ散らかされている。
はっ、はっ……! ふっ、ふっ……! あっ、あっ❤
激しい運動で荒がる息遣いと、掠れた嬌声、そして裸体から立ち昇る汗の蒸気が、室内に渦巻いている。だが、それらの吐息も声も熱気も、ほとんどが青年一人の身体から発されているものだ。
女子生徒のほうが喘いでいないわけではなく、青年のほうがおかしいくらいに激しく悶え善がりながら腰を振っているのだ。そして、尋常でない量の汗を掻き、その汗がたちまち湯気になるほど異常な高体温になっているのだった。
日射病なんか目ではないほどの発熱と発汗で、普通だったらカラカラに干乾びた雑巾のようになっていないとおかしい青年の身体は、けれどもその逆に、いまにもはち切れんばかりに実った果実のように、瑞々しく膨れ上がっていた。
膨れ上がると言っても、筋肉で、だ。
見るからにインドア趣味で座り仕事が板についていた細身の青年は、いまやジム通いが日課のマッチョマンに変貌していた。
ただ全裸の女子を相手に腰を振っているだけで、まだご休憩タイムも終わっていない程度の時間で、そこまで肉体改造されていた。
「改造完了までのタイムがまた縮んでる……こういうのにも、慣れってあるんだねぇ」
痴漢されていた少女ことアイちゃんと、彼女が連れてきた青年のエッチを、私はソファに座って眺めている。ソファは三人掛けで、両隣にはリーさんとミィくんも座っている。
映画鑑賞のような体なのに、手にしているのがポップコーンではなく飲み物なのは、部屋中が痴漢お兄さんの汗でミストサウナ状態になっているからだ。非常に蒸し暑いからだ。
「今度からは同伴無しでもいいよね?」
私は隣の二人にそう言ってみる。
「そうだね。軽度の肉体改造なら、彼女の少ない切片でも問題なくやれる程度に最適化されたようだし」
「同伴するんじゃなくて、問題が起きたら呼んでもらうようにしよう」
二人も暑いのは嫌みたいで、二つ返事で了承してくれた。
私たち四人は現在、かつての自分たちみたいな人を見つけては、スライム利用による肉体改造を施すという行為を繰り返している。
それで稼いでいるわけではないし、義務や使命でやっているわけでもない。強いて理由を挙げるのなら、なんとなく、だ。
道に空き缶が落ちていて、近くに空き缶用のゴミ箱があり、大した労力もなく捨てられるのなら、拾って捨てるくらいのことはするでしょう? ヒョロガリくんを細マッチョくんに改造する程度のことなら、その程度の感覚でやれることなのだ。
こんな私たちの行為は、気がつけば、ちょっとした都市伝説になっていた。
曰く――この街には、しょぼくれた人間を生まれ変わらせてくれる不思議な存在がいる。
そいつに会うことができれば、ブサイクだろうがチビガリだろうがデブの汗かきアトピー持ちだろうが、理想の身体に生まれ変わらせてくれる。そして、身体が生まれ変われば、自然と心も生まれ変わって、人生が楽しくなる。
実際、自分の知人は自他ともに認めるブサイクだったのが、ある日突然、元の面影が残っているのにイケメンに見えてくる顔に変わっていた。見た目が変わると周囲の反応も変わってきて、それに感化された本人の言動までどんどんイケメンになっていってるんだ――。
……みたいな話が、SNSでちょいちょい見つけられた。
思いっきり身に覚えがある話が密かに広まっていく中で、私たちには中二病じみた渾名が付けられていた。
「私たち、ライフリメーカーだって。生まれ変わらせ屋、でもいいと思うんだけどね。というか……一人じゃないんだから、ズを付けてもらわないと、だよね」
私がそう提案したのを、二人は独り言を言っただけだと思ったらしく、何も答えてくれなかった。
でも、問題ない。
私たちは結局、単一の生物なのだから。
欠片や塊に分裂しても、意識を同期させて自己同一性を保ち続けられるスライムが、無数のお面を被って別人ごっこをしているだけなのだから。
今日もまた青年が一人、私たちの一人になった。
街ひとつを私たち一人にするまで、あとどれくらい、かかるかな?
エーコ、24歳、会社員女性。彼氏いない歴24年、いわゆる喪女。見た目はお察し。
そんな私の下に、とある休日の朝、少年が訪ねてきた。
宅配便かと思って開けた玄関先に立っていたのは、高校の水泳部男子かな、といった感じのイケメン細マッチョで、もっさい&野暮ったい喪女の私とは何の接点もないタイプの男子だった。思わず凝視しちゃったけれど、マジで全く初対面だ。こんなタイプど真ん中のイケメン細マッチョDKとか、いっぺん見たら忘れるわけがないので。
「この身体では初めまして、お姉さん。僕は先日助けていただいたスライムです。恩返しに来ました」
数日前の晩、嫌々ながら参加した会社の飲み会で、どうせ割り勘なら元を取らねばやってらんね、と飲み過ぎた結果、帰路の途中の道端で吐いてしまったことがあった。
なんかそのゲロが、たまたまそこで干からびる寸前だったスライムを救ったらしい。
一命を取り留めたスライムはその後、適当な男性の身体に入り込んで脳と肉体を改造し、いま私の目の前でニコニコ楽しそうにこの話を語ってくれているイケメン細マッチョに作り変えたのだそうだ。
「大丈夫、同意の上だから」
このイケメン細マッチョDKくん、なんと元々は、もっさりぽっちゃり大仏顔の大学生だった。自撮り画像を見せられても信じられなかったのだけど、目の前で実際に顔が変わるところまで見せられたからには信じざるを得なかった。
ぶよん、ぐにゃっ、ぐにゅん……と肉が波打ちながらCGのモーフィングみたいに人相が変わる光景は、ちょっとしたホラーだった。というか、肉だけでなく骨格まで変わっている気がする。
そんなホラーを見せつけられたからには、いくら好みド真ん中の見た目をしていても嬉しい気持ちなんて起きなかったのだけど……冷や汗を掻いて固まっている隙に迫られてベロチューされたら、一気にどうでも良くなってしまった。
たぶん、舌と一緒にスライム片を押し込まれたせいだけど、無害なのでどうでもいい。
見た目だけでもイケメン年下男子と自宅アパートの玄関でする濃厚セックスは、日頃の疲ればぶっとぶほどの多幸感ドバドバだった。
最初はイケメンくんに玄関扉へ壁ドンされながら、部屋着の上から胸をがしがしに揉みしだかれて、そんな乱暴極まる愛撫なのに年下イケメン補正なのか、まんこキモいほどドチャ濡れしちゃって、背中を玄関扉にズリズリ擦り付けられながらの立位対面交尾をかまされて、あっあっと発情期の雌猫まんまな善がり声を張り上げて中イきさせられてしまった。
彼はしっかり陰茎まで改造してもらっていたようで、ネットでしか見たことのないデカ亀頭の長太ガン反りちんぽだった。
しかも、私の穴に挿入た後で、こちらの反応を窺いながらリアルタイムにちんぽの反り具合や竿の肉付き具合を微調整してくるというチートまでやってきたのだから、私が「とりあえずビール」のノリで即イきをブッかましたところから立て続けの三連絶頂をブッ決めた挙げ句に、人生初の潮吹き、さらに約二十年振りの失禁まで、流れるようにコンボしてしまった。
当然のように全身ホカホカの汗だくで、大風邪をひいたときのような激しい脱水症状に見舞われた私は、玄関先で何度目かの絶頂をしたのと同時に失神してしまうのだけど、ハッと目が覚めたらベッドに寝かされていた。
「ごめんなさい、やりすぎてしまいました」
ベッド脇には魔改造イケメンDKくんが控えていて、目を覚ました私に申し訳なさそうな顔で謝ってきた。
恩返ししたいスライムの意思と、素体となった童貞DDの爆発した性欲とが相俟った結果、私のことを一切考慮しない鬼イかせ祭りになったのだそうだ。
「でも、大丈夫。いま、脳をアジャストしたから、これからはちゃんと、お姉さんの様子を確認しながら、ギリギリ気絶しないラインをキープして気持ち良くさせるように出来ますので」
そんなチキンレースをお願いした覚えはないのだけど、
「大丈夫、任せてください」
イケメン笑顔で迫られたら、あっさり流されざるを得なかった。
今度はベッドの上で、正常位から側位を経て後背位へと、流れるようなハメっぱなし体位変更セックスを食らわされた。体位が変わるたびに、いちいち膣内の違ったところを違った感じでゴリゴリ掻きたくられることになるのは、それまでの快感で蕩けて眠るように失神しそうになっていた脳を、新しい快感で無理やり叩き起こされるようなものだった。頭の中身を真綿で作ったハンマーで乱打されるような新感覚だった。
いっそ殺してくれ、ってくらいの快感だった。カリ高鬼反りバリ硬ちんぽに、まんこの襞の至る所を、気絶できそうで出来ないギリギリのねちっこさで執拗にゴシゴシ、ゴリゴリ掻きたくられる絶頂地獄だった。
……というか、アジャストされたのって、私の脳のほう?
ベロチューされた途端に忌避感が綺麗サッパリぶっ飛んだ時点で薄々察してはいたけれど、明らかに私、何かされてるわ。まあ、別にいいけれど。
●スライム肉体改造もの 2/6 スライムが仲間を呼んだ
今日も今日とて、魔改造イケメン細マッチョ水泳部DK風DDくんに襲われて、本当に今日こそイき死んじゃなかろうか、という交尾に耽っていたら、追加の年下イケメンが来た。
「こんにちは。リーさんのチャット友達です。ミィくんと呼んでください」
今更ながら、細マッチョ(略)の名前はリーさんでした。
そして、新手の年下イケメンのミィくんは、女装が似合う系DCくんだった。スカートを穿いてたら美少女にしか見えない系の美少年だ。
そんなミィくんもまた、リーさんに誘われて、自分からスライムの欠片を受け入れたらしい。
「世の中、自分と折り合い付けられるひとばかりじゃないんです」
……だそうだ。
ミィくんは笑顔でさらっと言っていたけど、ちょっとツッコめなかったよ。
それはそれとして、CG加工済みじゃないと存在しないレベルの、ちんこが付いてるだけの美少女くん、大好物です。大歓迎です。美味しいです。
見た目は華奢な女の子そのもの(おっぱいは無いけど)なのに、股間のブツはしっかりエグエグでした。リーさんほどの巨根ではないけれど、カリ高・鬼反り・バリ硬の三拍子揃った美少女ちんこは、当に女泣かせ特化型ちんこでした。実体験トークです。泣くまでイかされましたとも。いえ正確には、泣いてもイかされ続けました、ですがっ。
というかスライムさん、分裂して増えるタイプのスライムだったのね。女戦士を苗床にするタイプかと思ってたから、ちょっぴり意外だったかも。
「ところで、尻穴に興味ありですか?」
ミィくんとの顔合わせエッチが終わったところで、リーさんが私に尋ねてくる。
「それは、きみたち二人のプロレスを見せてくるってことかな?」
聞き返した私に、リーさんは苦笑。
「いえ、そうではなく……まあ、いいや。とりあえず一回、やってみましょう」
というわけで、私は細マッチョDKと美少女DCに前後から挟まれて二穴サンドイッチファックされた。
美少女フェイスをガチ恋距離で、ときどきチュッチュしながらガン見しつつの、背後から適度に筋肉質な胸板を背中にギュッと密着されつつの、前から後から二人でシーソー、息を揃えてぎっこんばったん漕ぐみたいに、まんことアナルを互い違いにずっこんばっこん犯された。
私のお尻の穴がこんなに緩かったなんて驚きだったけれど、たぶんこれも、前にキスされたときに飲み込まされたスライム片のせいだろう。あと、全然汚いことにならなかったのも、経口摂取したスライムくんが腸内にまで根を張って、栄養分を吸収した後の腸内内容物を食べちゃっているからなのだろう。よく分からないけど。
だった、かりにスライムがうんこ食べていたのだとしても、質量保存の法則ってあるよね? 食べたって質量、消えないよね? スライムって異次元と繋がっているの?
……考えると怖いので、まあいっかぁ、で受け入れるようにしている。というかたぶん、受け入れるように脳味噌を弄られちゃってる。
恩返しのためなら何をしてもいいと思っているあたり、スライムは人間じゃないんだなって。
――まっ、イケメンにサンドイッチされる二穴エッチ最高だったので、どうでもいいが!
●スライム肉体改造もの 3/6 スライムがイケメンをスカウトした。
リーさん、ミィくんと一緒に、休日の朝から健全デートした。
タイプの違う年下イケメンを両手に花で侍らせて雑踏を練り歩くの、ちょー優越感だった。これは癖になる。
途中、カフェでトイレに行ったついでに少し隠れて、案の定、駄弁っていたイケメン二人がイケてる女子どもに逆ナンされているところへ「ごめん、待ったぁ?」とぶりっ子しながら戻っていって、「俺たち、こいつのオトコなんで」とイケメン二人に左右から腰を抱っこされつつ、「きゃっ❤」と恥じらい笑いするという少女漫画ムーブをする夢も叶えられたので、ワンチャン死んでもいいかもレベルで最高だった。
最高すぎて、今日は本当に健全デートで終わるつもりだったのに、昼下がりのラブホにしけ込んで、しっぽりぬっぽり3Pしようかーということになったのだけど……
「あっ」
ラブホに向かう道中で、野生のイケメンを発見した。
私の左右に侍っている魔改造イケメンと違って、おそらく生まれついての天然イケメンなので、見た目と実年齢にそれほど差はないだろうから、たぶん年頃は二十歳そこそこ。つまり、私とタメくらいだ。
非実在性の年下イケメンもいいけれど、リアル感のあるタメ年イケメンからしか得られない栄養素も確かに在るのだ。または、高級飯が続くとファーストフードのポティトが食べたくなる感覚、とも言う。
……って、野生の天然イケメンをポテト扱いするなんて、私も随分と驕った人間になっちまったもんだ。反省、反省。
「ちょっと待ってて」
リーさんが急に走り出す。いま見送った天然イケメンを追いかけて、曲がり角の向こうに消えていく。
えっ、嫉妬? 私がデート中に他のオトコをチラ見しちゃったからって、追いかけてまで殴打すっていうの? スライムくんさぁ、ちょっと重すぎない!?
……と思ったら、リーさんと天然イケメンが仲良く連れ立って戻ってきた。二人とも笑顔で、仲良く肩を並べて歩いてくる。
え、なに……どいうこと?
「キスしたら分かってくれました」
「あぁ、そういう……」
なるほど、理解。
私がされたのと同じ感じで、スライム片を口移しされて、さっくり洗脳らされちゃったわけですか。
まあでも、それも交渉技術のひとつということで、無粋を言うのは止しにして、ありがたくテイクアウトさせていただきましょう。
――というわけで、道で拾った天然イケメン会社員(わりと良いところにお勤めでした)を混じえての4Pで過ごす休日の昼下がりは、有給を取った日に飲む酒よりも甘美で背徳的でした。
細マッチョDKちんぽに女の子座りで騎乗位挿入して腰振りしながら、両手に花ならぬ茎を握って、指をくにくに絡めたり、すりすり這わせたりする手コキをしながら、右のちんぽにチュッ❤ 左のちんぽにもチュっ❤と左右交互に亀頭へキスして、ちろちろ舐めては、ちゅぽちゅぽ甘しゃぶりして……という贅沢な前戯を賞味した後は、本番の三穴同時姦を腹一杯になるまで食い倒れした。
実際、子宮も胃袋もたぽんたぽんになって、恥ずかしい話だけど……ベッドから降りようとした弾みで、口と肛門と膣口からクリーム色の白濁を、ぶりゅりゅりゅーっと逆噴射してしまったし。
「ははっ。本当に嘔吐するのが好きなひとですね」
リーさんだけでなく、ミィくんも、名も知らぬイケメンリーマンも全く同時のタイミングで笑い出した。ちょっぴりホラーだった。
でも一頻り笑った後で、三人がかりでザーゲロ塗れの私を抱えて、シャワーからバスタオルから肌ケアまでやってくれた。されるがままのお姫様気分、控えめに言って最高だった。これからはエッチ後に毎回、このお姫様ごっこをやってもらおう。
ラブホから出たら、天然イケメンさんは野に返した。
リーさんとミィくんは元々ぼっちだったから問題なかったけれど、彼は天然物のイケメン一軍なので普通に交友関係が広いほうだったから、我が家に入り浸らせたら間違いなく彼の友人連中から不審に思われていただろう。残念だけど仕方のない判断だった。
もっとも、スライム片は入ったままだし、洗脳もそのままにしてあるので「連絡いただいたら最優先で駆けつけます!」と彼自身が爽やか笑顔で言ってくれている。
でも、彼に連絡するのは、しばらく先になるかもしれない。
だって、今回のことで私は分かってしまった。
そこらのイケメンをおやつ感覚で摘み食いバイキングしてもいいんじゃん、と❤
●スライム肉体改造もの 4/6 スライムとウォーク。
イケメン狩り。または、イケメン椀子蕎麦。
街角人間観察で目を付けたイケメンに近づき、隙を突いてリーさんにキスしてもらって、口移しでスライム混入させる。それで説得は完了。快く逆ナンに応じてくれたイケメンたちと色んなところでセックス祭した。
べつにイケメンじゃなくてもスライムに魔改造させればいいのだけど、それをするには、それなりに大量のスライムと、そこそこの時間がかかるし、その時間中に抵抗されると上手くいかないので、改造される側の同意が必要不可欠になるので、安易に出来ることではないのだそうだ。
その点、脳にちょろっと入って思考をチョイチョイするだけならば、微量の欠片だけでいいし、時間も同意も要らないで可能だという。
そういうわけで、改造しなくとも最初から舐めまわせるレベルの顔面をしたイケメンを選んで洗脳――もとい説得しているというわけだった。
あるときはスポーツジムで、汗ばむ三角筋や大腿四頭筋を剥き出しにしたマッチョメンズを誘惑して、がに股騎乗位スクワットをレクチャーしてもらいながら両手持ちしたボトルから子種汁を経口補給させてもらった。
またあるときは陽キャ御用達のナイトプールにお邪魔して、茶髪金髪ピンクにグリーン、パープルその他色々カラフルヘアの美男美女どもが半裸でキャッキャ水遊びしている中で、適当に選んだイケメンと、プールに浮かべた大きなドーナツ型浮き輪の穴に二人で嵌って背面座位でどんぶらこした。
陽キャ金髪イケメンに背後からおっぱいモミモミされながらだったし、どこからどう見ても「これ完全に入ってるよね」状態だった。普通だったら動画が即流出ものだったところだけど、事前にその場の全員にスライム片をお裾分けして洗脳してもらっていたので問題一切ナッシングだった。
ナンパ待ちビキニギャルの飲み物にこっそりスライム片を混ぜたり、ウォータープルーフコスメで完全武装されたギャルの顔にうっかり誤射したふりでスライム粒入りプール水をぶっかけたり、リーさんがナンパからディープキスまで何秒でいけるか挑戦していくのを鑑賞したりするのは、そういうゲームみたいで楽しかった。
あ、リーくんにはギャルナンパを担当してもらって、男たちのほうは水着女装したミィくんにナンパ→ベロチューRTAしてもらいました。おっぱい盛ったりしていないのに、最後まで男バレしませんでした。ぺたんこでも顔が美少女なら問題ないのか、男って……。
そうそう、リーさんの通う大学の運動部更衣室にも潜入してみた。もちろん、男性側の更衣室だ。高校の男子運動部とも迷ったのだけど、ちょっと日和ってしまった。
それにしても、男性の運動部更衣室からしか接種できない栄養がある。ジムで遊んだときも思ったけれど、私ってば男性の汗の匂いが大好きなのかも。深呼吸するだけで脳が蕩ける。あ、男性用のサウナも今度、入ってみよう。
スポーツ男子の筋肉は、ジム通いの筋トレ従事者ともまた微妙に違った良さがある。トレーニーの筋肉が焼き肉だとしたら、アスリートの肉体はしゃぶしゃぶだ。つまり、どっちも美味しい。焼き肉としゃぶしゃぶを一日置きに交互に食べたい。
そういった意味で言うと、街角イケメン食べ歩き散歩は、学校帰りにコンビニスイーツ買い食いしていた日々を思い出す。郷愁の味だ。街角イケメンちんぽは秋の心の味がする、って言うと詩的で良いと思う。
焼き肉もしゃぶしゃぶも好きだけど、毎日食べたいと思うのはコンビニスイーツなのだ。
というわけで結局、気がつけば街角イケメンを食べているのが今日この頃のトレンドだった。
そんなある日のこと……。
「きゃあッ!!」
見た目イケメンDK&DCを連れて本日のおやつを探していたら、女の子の悲鳴が聞こえてきた。反射的にそちらを見たら、それなりに人通りのある往来のど真ん中で、尻餅をついた量産ファッションの女子が、見るからにホストな男性を見上げていた。
●スライム肉体改造もの 5/6 スライムの雌が仲間になった。
私もファッションには疎いほうだけど、尻餅をついている女子の服装はそれでも「あ、これが量産型ってやつね」と秒で判断できるほどに量産型だった。
あ、ウケ狙いでやっているのかも?
「なんで……?」
そんな量産ちゃんが、見るからにホストな金髪のスーツ男を見上げて、不思議そうに問いかけている。周りには、私たちを含めて、そこそこの通行人が足を止めているのだけど、ホスト男以外はまるで眼中に入っていないらしい。
一方のホストくん(たぶん、オラオラ系)はその逆に、周りの目が気になって仕方がないようだ。視線を周りに走らせて、チッと舌打ちしている。
「見てんじゃねえよ」
「あ、待って!」
量産ちゃんが手を伸ばして追いすがろうとするけれど、ホストくんは大股の早足で立ち去っていってしまった。
「あ……ああぁ……」
残された量産ちゃんが、がくっと項垂れて嗚咽している。
そこへあからさまにスマホを向ける観衆がわりといて、なんかムカついたので、リーさんとミィくんにお願いしてみたら、スマホを掲げていた人々が一斉に回れ右して、この場から立ち去っていった。
風に乗るほどの超微粒スライム群を散布して、この場にいた者全員の鼻や口から入って脳内へと潜り込ませ、良心や恐怖心といったものを刺激したのだそうだ。彼らは良心の呵責だとか、これで量産ちゃんが自殺でもしたら自分らも特定されてネット私刑されるかもしれない――という恐怖だとかに襲われて逃げていったのだということだった。
認識の変化や思考の植え付けに比べて、最初から存在している感覚や感情を増幅させることはずっと簡単かつ速やかにできるのだという。よく分からないけれど、実際にそうなったので良しとする。
「この女性も処置する?」
リーさんが量産ちゃんを目顔で指して訊いてきたけれど、私は首を横に振った。それから、地べたに座って項垂れていた量産ちゃんに声をかけたら、あっさりと付いてきてくれた。量産ちゃんの目はずっとイケメン二人の顔しか見ていなかったから、私の声なんて耳に入っていなかった可能性もあるけれど。
そして現在、適当に入ったラブホの室内で、私と量産ちゃんは競うようにカラオケ熱唱している。
最近のラブホにカラオケとかゲームとか、普通に遊べるグッズが取り揃えられているのは知っていたけれど、実際に使ったのはこれが初めてだ。いや、手マンカラオケで90点以上取るまで止めれま点、とかやったけれど、普通に歌うだけのカラオケをしているのは本当に初めてだ。
私はアニソンしか歌わないし、量産ちゃんは演歌した歌わない。男二人は終始、タンバリンとマラカス担当だ。
二人、喉が枯れてからも、備え付けの冷蔵庫にダース単位で用意されていたストロングさんをガバガバ空けて喉を湿らせながら歌い倒した。
最後は定番の〆曲を合唱で熱唱して往生した。ラブホカラオケはベッドに倒れ込めるのが最高だと思う。
イイ感じに精根尽き果てたら、種の保存を求める生存本能がムラムラしてきたので、盛り上げ担当に徹してくれた気遣いイケメン二人を手招きし、二人がかりで服を脱がせてもらう。
私が全裸になったら、次は量産ちゃんの番だ。
「ま、ま……で……!」
量産ちゃんが慌てている。喉がガラガラで言葉になっていないけれど、たぶん、待って、と言いたいのだろう。
でも、イケメン二人は待たない。私以外の言葉に従う謂れがないので。
「ぎゃ……あぎ……ぎ、ぇ……」
死に際の虫の羽音みたい音を喉から絞り出しながら、それでも顔はイケメンにガチ恋距離で見つめられながらボディタッチされる興奮で桃色に火照っていて、結局、呻く以外の抵抗をすることなく、さくさくと脱がされていく量産ちゃんでした。
あ、脱いじゃったらもう量産ちゃんではないか。じゃあ、ナニちゃんだろ……と思って、今更ながらにまじまじ観察してみる。
……特徴がない。
化粧もよくある自然風だし、胸はBからCくらい。下腹はビキニがギリギリ許される程度のちょいむにであり、腰の括れは寸胴で、お尻はもっちり存在感。太ももは言うに及ばず、総じてAVだったら「逆に素人感があって玄人好み」くらいに評されることも有耶無耶というところ――
「――あ、これ私だ」
思わず、声が出た。
量産ですら無くなってなお平均値を逸脱することのない彼女は、私だった。何の脈絡もない偶然でスライムに出会うことのないままだった私だ。
そう思ったら、彼女にキスしていた。
私の頭の中に入っているのだろうスライム片を、彼女にも贈呈したかったのだ。
「それじゃ容量が足りないよ。君に入ってるのは少ないから」
リーさんとミィくんが私の肩を叩くと、私に代わって、代わり番こで彼女にキスをした。唇同士をぶっちゅりと重ね合わせて、ねじ込んだ舌がぐちゅぐちゅ畝るのが頬や喉のもごつきから見て取れるくらいの濃厚なべろちゅーだ。
むちゅ、ぶちゅ、ぐぶぶっ……❤
激しい粘着質な水音をさせる口内セックスだ。
タイプの違うイケメン二人の舌で口内がでろでろに蕩けるまで犯されて、彼女の顔はもう真っ赤だ。汗が湯気になって立ち上っていて、まるで赤い蝋燭に火が灯っているかのようだ。
そして、蝋燭がどろっと溶けるように、彼女の顔がどろっと波打った。でも、それは本当に瞬きをひとつする間のことだったし、起きた変化もほんの些細なものに過ぎなかった。
ただちょっと、顔面中の目鼻や頬骨といった各部位のサイズと配置を、適切な比率かつ左右対称のものになるよう調整した――たったそれだけだ。
「見てごらん」
リーさんが彼女の両肩に手をおいて、姿見を見させる。この部屋は、ベッド近くの壁が一部、鏡張りになっているのだ。
「え……うそ……」
自分の姿を見て、絶句する彼女。でも、ややあってから呟かれたのは、隠しきれない喜びで彩られていた。
人間の顔なんて、バランスを整えるというたったそれだけのことで大きく印象が変わるものなのだ。結局、人が人の顔をイケメンかどうか判断する基準は、整っているか、なのだ。
整っていれば、点が三つあるだけでも顔に見える。イケメンかブサメンかの判断も、その延長線上でしかないのだ。
――というわけで、最小限の肉体改造で美少女ナイズされた量産ちゃん、改め、アイちゃんです。機械的にシンメトリを取られた顔は、AIイラストっぽいなーと思ったので、この命名ですた。
「えぇっ❤ それって、二次元美少女クラスの美少女ってことですかぁ❤」
アイちゃん本人もこんな感じで満更でもないご様子だったので、まあ良しである。
ちなみに、ついでなので顔だけでなく身体のほうも調整して、イイ感じの体型にした。腹と太ももとお尻のお肉をお胸に集めたら、カップサイズが目算で二回りはアップしていました。
「ねっ、これパイズリできる!? 手を使う」
アイちゃん的に、パイズリできるかどうかは重要なことだったぽい。
「できるかどうか、僕たちで試してみたら?」
「それよ!」
アイちゃんはミィくんの提案に即答で乗っかって、ミィくんを押し倒しながら、膨らみたてのたぷたぷ巨乳でショタちんぽをみっちり挟んで、「おほーッ❤ ちんぽ完全包み込めてるーッ❤」と大喜びしていた。
そこへリーさんも「俺のはそう簡単に挟めませんよ」と慇懃無礼に勃起ちんぽをずいっと差し出して、アイちゃんが「望むところよぅ❤」と返す刀で、細マッチョちんぽにおっぱいで強襲し、「おっ、際どい……けど、んしょ……よっしぃ! 完全パイズリ完成勝利ぃッ❤」と、もう一回大喜びする。なんかよく分からないテンションになっているのはきっと、顔面と体型の調整ついでに脳味噌もチョイチョイされたからかも。まあ、問題ないよね。
というか、三人だけでわちゃわちゃ楽しんでいるのを見ているだけなんて勿体ないので、私も参戦するぞ!
まーぜーてー、と甘えた声で呼びかけながら飛びかかって、ちんぽ二本を二人で交互にシェアして交尾した。マショタちんぽに代わり番こで跨って騎乗位エッチし、腰をぐいぐい振りたくった後は、マッチョちんぽに代わる代わるで股を割られて、後背位エッチで腰をぱこぱこ打ち付けられて、絶頂って射精させて、絶頂かされ射精されてしまくった。
「あっ、あっ❤ イケメンダブルフェラぁ❤ イケメンサンドイッチぃッ❤ しゅごいっ、しゅごいっ、しゅごおぉッ❤」
アイちゃんは姿見を見て大興奮だ。イケメン二人と組んず解れつしている自分が最高すぎで、見ているだけで小刻みにイっている様子だった。たぶんアイちゃん、自撮りに目覚めたね。
よぉし、私も負けないぞぉ!
……のテンションで3Pの渦中に飛び込んで、アイちゃんから奪うようにベロチューした。
「あっ、だめぇ!」
掌中のちんぽを握り締めるアイちゃん。べつに奪いませんとも。私はしょっちゅう、もぐもぐぺろぺろしてますし。ま、そんなこと言っても、いざイケメンちんぽを目の前にしたら集中しちゃうわけですが。
「わたしの! どっちのちんぽも、わたしの!」
アイちゃんも負けじと、両手にちんぽを一本ずつ握って独占しようとしてくるので、二人で競うようにして、こっちのちんぽに両側から唇ちゅっちゅと吸い付いては、あっちのちんぽにも両方から舌をぺろぺろ絡めにいく。
そうして最後は、女二人でちゅっちゅぺろぺろディープなキスを交わしながら、男二人にそれぞれ背後からパンパンズコズコ腰を使われ、アンアンおふおふ喘ぎまくった。
男二人はちんぽが全然萎えないし、こっちはこっちで、どっちがいっそう可愛くチン媚びできるか競う相手がいることでシナジーし合って、燃え尽きるどころか燃えに燃え上がった結果、最終的にはアイちゃんと二人、シーツに出来た白濁のプールに突っ伏す姿は、バケツで溺れる萎れた花火のようだった。
「あ、最後に一枚撮っておこうか」
「そうだね」
リーさんとミィくんが、うつ伏せでぶっ倒れている私とアイちゃんのお尻を左右から挟んで、クラシックなピースサインで自撮りした。
笑顔でピースの細マッチョDKとショタDCに挟まれる、まんこからザーメンでろでろの女子尻が二つ――。
これもまあ、らしくってさ、イイんでないかしら。なんて❤
●スライム肉体改造もの 6/6 ライフリメーカーズ
ガタンゴトンと揺れる電車で、会社員らしいスーツ姿の青年がガタンゴトンと揺られている。揺られているのに吊り革を掴んでいないのは、掴めないほど混んでいるからだ。
その、まだ二十代前半だろう青年が不意に、ビクッと緊張した。どこか疲れたような表情を貼り付けていた顔が、焦燥に染まる。黒目が右往左往したけれど、それも時間にすれば数秒のことで――結局、がくりと、諦めたように伏せられた。
いや、ようにではなく、本当に諦めたのだ。
そして電車が速度を落とし、停車する。ドアが開いて、乗車率百パーセントのうち数名だけがホームへと出ていく。青年も、つんのめるような姿勢で乗客の壁を掻き分け、電車を降りた。
「全然、抵抗しないのね」
青年の手を引いて歩いていた女子学生が、ホームの端で彼の手を解放し、くるっと振り向いて相手を見上げる。
「や……うん、まあ、逃げる度胸がないっていうか……逃げたところで……みたいな?」
青年は自由になった右手で耳の後ろを掻いて苦笑した。
女子生徒――青年に痴漢されていた女子生徒は、青年を見つめたまま首を傾げる。
「でも、このまま駅員さんに引き渡されたら、逃げる先がなくなると思うんだけど。職場とか、家庭とか」
「そしたら社畜を辞める踏ん切りがつくし、一人暮らしだし、まあ……元から、なくなって困るものがなかったなぁっていうね」
苦笑が止まらない青年を、女子生徒もじっと見上げたまま。
だけど、少女の右手が制服スカートのポケットに潜って、スマホを取り出してくる。
「えっと……?」
青年は少し困った顔だ。
彼女に痴漢してしまったことを認めて観念しているというのに、逃げるならどうぞ、と言わんばかりに放置されている。
これじゃ、せっかく潔く観念したのに、逃げ出したい気持ちが湧いてきてしまうぞ……と、足踏みしたくなる気持ちを堪えて直立している青年の前で、女子生徒はスマホに指を滑らせ、どこかにメッセージを送っているようだ。
返事はすぐにあったようで、スマホを見ていた女子生徒の顔が、にまぁっと妖しく微笑む。
「行くなら行っていいですよ」
スマホを仕舞った女子生徒は、くるっと踵を返して青年に背中を向けながらそう言うと、
「でも、ついてくるなら、死ぬ以外に逃げる場所のない人生、変えられるかもね」
背中を向けて歩き出しながら、そう言葉を続けた。
「え……」
青年は豆鉄砲を食った鳩のように目を丸くしたが、それも呼吸ひとつ分の間だけ。
「……待って!」
すぐにホームを蹴りつけ、女生徒を追いかけた。
●
駅からほど近いラブホテル。
その一室で、青年は狂喜の顔で、ベッド上で四つん這いになった女子生徒の腰を抱えて、後背位で犯していた。
二人とも全裸で、部屋の床には二人のスーツと制服が脱ぎ散らかされている。
はっ、はっ……! ふっ、ふっ……! あっ、あっ❤
激しい運動で荒がる息遣いと、掠れた嬌声、そして裸体から立ち昇る汗の蒸気が、室内に渦巻いている。だが、それらの吐息も声も熱気も、ほとんどが青年一人の身体から発されているものだ。
女子生徒のほうが喘いでいないわけではなく、青年のほうがおかしいくらいに激しく悶え善がりながら腰を振っているのだ。そして、尋常でない量の汗を掻き、その汗がたちまち湯気になるほど異常な高体温になっているのだった。
日射病なんか目ではないほどの発熱と発汗で、普通だったらカラカラに干乾びた雑巾のようになっていないとおかしい青年の身体は、けれどもその逆に、いまにもはち切れんばかりに実った果実のように、瑞々しく膨れ上がっていた。
膨れ上がると言っても、筋肉で、だ。
見るからにインドア趣味で座り仕事が板についていた細身の青年は、いまやジム通いが日課のマッチョマンに変貌していた。
ただ全裸の女子を相手に腰を振っているだけで、まだご休憩タイムも終わっていない程度の時間で、そこまで肉体改造されていた。
「改造完了までのタイムがまた縮んでる……こういうのにも、慣れってあるんだねぇ」
痴漢されていた少女ことアイちゃんと、彼女が連れてきた青年のエッチを、私はソファに座って眺めている。ソファは三人掛けで、両隣にはリーさんとミィくんも座っている。
映画鑑賞のような体なのに、手にしているのがポップコーンではなく飲み物なのは、部屋中が痴漢お兄さんの汗でミストサウナ状態になっているからだ。非常に蒸し暑いからだ。
「今度からは同伴無しでもいいよね?」
私は隣の二人にそう言ってみる。
「そうだね。軽度の肉体改造なら、彼女の少ない切片でも問題なくやれる程度に最適化されたようだし」
「同伴するんじゃなくて、問題が起きたら呼んでもらうようにしよう」
二人も暑いのは嫌みたいで、二つ返事で了承してくれた。
私たち四人は現在、かつての自分たちみたいな人を見つけては、スライム利用による肉体改造を施すという行為を繰り返している。
それで稼いでいるわけではないし、義務や使命でやっているわけでもない。強いて理由を挙げるのなら、なんとなく、だ。
道に空き缶が落ちていて、近くに空き缶用のゴミ箱があり、大した労力もなく捨てられるのなら、拾って捨てるくらいのことはするでしょう? ヒョロガリくんを細マッチョくんに改造する程度のことなら、その程度の感覚でやれることなのだ。
こんな私たちの行為は、気がつけば、ちょっとした都市伝説になっていた。
曰く――この街には、しょぼくれた人間を生まれ変わらせてくれる不思議な存在がいる。
そいつに会うことができれば、ブサイクだろうがチビガリだろうがデブの汗かきアトピー持ちだろうが、理想の身体に生まれ変わらせてくれる。そして、身体が生まれ変われば、自然と心も生まれ変わって、人生が楽しくなる。
実際、自分の知人は自他ともに認めるブサイクだったのが、ある日突然、元の面影が残っているのにイケメンに見えてくる顔に変わっていた。見た目が変わると周囲の反応も変わってきて、それに感化された本人の言動までどんどんイケメンになっていってるんだ――。
……みたいな話が、SNSでちょいちょい見つけられた。
思いっきり身に覚えがある話が密かに広まっていく中で、私たちには中二病じみた渾名が付けられていた。
「私たち、ライフリメーカーだって。生まれ変わらせ屋、でもいいと思うんだけどね。というか……一人じゃないんだから、ズを付けてもらわないと、だよね」
私がそう提案したのを、二人は独り言を言っただけだと思ったらしく、何も答えてくれなかった。
でも、問題ない。
私たちは結局、単一の生物なのだから。
欠片や塊に分裂しても、意識を同期させて自己同一性を保ち続けられるスライムが、無数のお面を被って別人ごっこをしているだけなのだから。
今日もまた青年が一人、私たちの一人になった。
街ひとつを私たち一人にするまで、あとどれくらい、かかるかな?
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