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1章
18-2. シャンプー アルカ
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「しゃんぷー……?」
聞き慣れない単語に首を傾げているシャーリーさんの隣で、アンちゃんも同じようにきょとんとしています。二人のボサボサ髪を見れば、それも納得の反応です。
あ、今更になりますけど、二人の髪の話です。
シャーリーさんの髪は赤みがかった茶色で、赤茶色といった感じです。長さは肩をすっかり隠すくらいで、それを紐でひとつに縛って尻尾にしています。
アンちゃんの髪はシャーリーさんのよりもうちょっと明るくて赤味が強いです。そして、肩にかからないショートヘアです。
どちらの髪も、ナイフでばりばり切ったみたいな適当さで、さらにまともに洗ったことがあるのかも疑わしいほど、べったりばさばさしています。脂汚れが酷いです。
……と言っているわたしの黒髪も、じつは似たようなものだったりします。胸を隠すくらいの黒髪ロングなのですが、こっちに来てからは手入れがいまいちで、鋏があったら切りたいくらいにバサついちゃってました。
一度、石鹸石で洗ってみたこともありました。確かに髪の汚れは取れたのですが、バサバサ感がより酷いことになっちゃったため、以来ほとんど洗髪していないのでした。
「義兄さん、シャンプーが欲しいです!」
そう言って無い物ねだりしたことも一度や二度ではありません。いくらねだったところで、無いものが降ってくることはありませんでしたけど。
でも、そのときに義兄さんとこんな話をしたことがあるのでした。
「材料があれば、手作りできると思うんだけどな」
「材料はなんです!?」
すかさず聞き返した当時のわたしに、義兄さんは記憶を掘り返すように首を捻りながら言ったものでした。
「そうだな、たしか……植物油、蜂蜜、ハーブ、苛性ソーダあたりがあれば作れるんじゃないか?」
「……仮性ソーダって何です? 真性ソーダもあるんです?」
「そのカセイじゃないよ……ってまあ、俺もよく苛性ソーダが何なのか、知らないんだけどな」
「なんですか、それ。駄目じゃないですか。シャンプー作れないじゃないですかぁ……」
期待させるだけとか酷いです、と唇を尖らせたわたしに、義兄さんはふと思い出したように眉を上げました。
「そういや、こういうのもシャンプーに使えるって記事を見たことあったな」
「えー、どんなのですか?」
「ええとだな――」
……という経緯で聞いた代用シャンプーの主原料が小麦粉だったのでした。蜂蜜はトッピングです。
「さてさて、シャンプー作りです。ちゃちゃっと始めて、ちゃちゃっと完成させましょう!」
わたしが握り拳を突き上げて宣言すると、姉妹二人も戸惑い気味に「おお……?」と続いてくれました。
まあ、シャンプー作りといっても大したものではありません。小麦粉を十倍の水で溶いて、もったりするまで煮るだけです。
わたしたちはこれまで桶を持っていなかったので、洞窟前には汲み置きの水なんて気の利いたものはありません。なので、わたしとアンちゃん、シャーリーさんは鍋と小麦粉入りの叺(藁で編んだ袋のことを叺というのだそうです)だとかを持ち、火付け役の神官ゴブさんを連れて河原へ行きました。
河原にはしばらく前に使った竈がそのまま残っていましたし、薪にする小枝もそのときの残りがまとめて放置してありましたから、後は大して苦労することもなく、水溶き小麦粉を煮始めるまでいきました。
ガスコンロみたいにつまみを捻るだけで火加減できるわけではないので、煮すぎないように注意する必要はありましたけど、とくに問題はありませんでした。
濁った色の水だったものは、とろみのある透明っぽいお湯になりました。これを火から下ろして、冷めてきたところで生蜂蜜を少し混ぜれば完成です。
「これがシャンプーってやつなんすか? これで髪を洗うんすか……?」
シャーリーさんが鍋の中身を覗き込みながら、眉根を寄せています。
「水っぽいお粥ですよね、これ」
と、アンちゃんも困惑の様子です。
「うん……義兄さんに聞いたのだと、これでいいはずなんですけど……」
じつはわたしも困り顔なのでした。
そもそもの話、使った小麦粉がわたしの思っていた小麦粉と違うのです。小麦粉の色が白ではなく、小麦色なのです。いえ、冗談ではなく!
精米(麦だから精麦?)の度合いが日本で流通していたものより低いのか、それとも麦の品種が全然違うのか、あるいはそもそもこれは麦のようなものであって、麦ではないのかもしれません。
とにかく、叺からざざーっと出てきたのは、白くてさらさらした粉ではなく、茶色い粒々なのでした。
「アンちゃん。これ、小麦粉です?」
「え? はい、そうですけど……何か変でした?」
「ううん。確認したかっただけです」
アンちゃんの反応を見るに、この茶色い粒々は村で普通に食べられている小麦粉で間違いないようです。「こいつら小麦粉を見たことないようだぞ」と思われて、籾殻を押しつけられたわけではなさそうでした。
――というわけで、作り始めたときから乳白色のさらさらもったりした小麦粉シャンプーができるとは思っていませんでしたし、茶色の粒々お粥シャンプーでもかえって髪の汚れを取りやすくなっているかもしれませんし!
「よしっ、せっかく作ったんだし、シャンプーしてみますかっ」
これがわたしの知っている小麦粉にしろ、そうではないにしろ、食べても安全という点は変わりないわけですから、これでシャンプーしても頭がヒリヒリすることはないはずです。
わたしは鍋に手を入れて、人肌に冷ました茶色のもったり粒々スープを手の平に掬い取りました。
「あっ、待ってくださいっす!」
シャーリーさんが急に声を上げました。
その「~っす」という下っ端口調はずっと続くのでしょうか、という疑問をひとまず飲み込み、聞き返します。
「なんです?」
「粥を頭から引っ被るなんて馬鹿な真似、姐さんにやらせるわけにはいかねぇっす。あたいにやってください!」
シャーリーさんはそう言って、頭をずいっと差し出してきました。
最初から失敗すると決めてかかっているような言い草ですけど、実験台に立候補してくれるというのなら断る理由はありません。
「分かりました。ではではシャーリーさん、目に入らないように気をつけていてくださいねぇ」
「はっ……はいっす!」
……というわけで、シャーリーさんには地面が剥き出しになっているところで四つんばいになってもらって、俯いている頭にどろどろーっと薄い麦粥もとい小麦粉シャンプーを浴びてもらいました。
「ひゃっ……うぅ、気持ち悪ぃ……」
シャーリーさんの赤茶けたセミロングに、小麦色のどろどろ汁がぼたぼたっと広がっていきます。それを頭皮に馴染ませるように、両手の指でゆっくりと揉み込んでいきます。
「おおぅ、なんともバリバリの髪ですこと……」
思わず唸ってしまうほど、シャーリーさんの髪はべったりばりばりでした。
「これでも二十日に一回は櫛で削ってるんすけど」
「二十日って……しかも櫛を入れるだけって……というか、梳くんじゃなくて削るですか……」
うわぁ、と溜め息を吐きながらも、とにかく両手の指をぎゅっぎゅっと使って、ふけが脂で固まったべとべとのものを指の腹で少しずつ剥がしては頭皮マッサージをしていきます。
「あ……これ、けっこう気持ちいいっす……」
「分かりますよ。他人にシャンプーしてもらうのって気持ちいいですよね」
シャーリーさんの寛いだ声に、わたしも同意です。
身体を洗ってあげるよ、という男のひとは多いのですけど、髪を洗ってあげるよ、という男のひとって、そんなにいないんですよね。わたし、身体を洗ってもらうのも好きですけど、髪を洗ってもらうほうがもっと好きだったりするのですが。
もっとも、こちらから「身体よりも髪を洗ってほしいな」とお願いしてやってもらう場合、大抵は気持よくないことになります。台所やお風呂場の水垢を落とすんじゃないのですから、頭皮は力強くガシガシやればいいってもんじゃないんですってば!
――そのあたりの常識を分かってもらうのが面倒なので、自分から「きみの髪を洗わせて欲しい」と言ってくるくらいの洗髪フェチさんにしか髪を洗わせないようにしていたものです。
一度だけ、
「もっと優しく、ち○ぽ扱くように洗ってください!」
と言ったら、とても上手に洗ってくれたひとがいました。刺激に弱い早漏ち○ぽのひとでした。そのひとの顔は覚えていないのに、このエピソードだけはいまでも覚えています。
……って、どうでもよすぎるくらい、どうでもいいですね。話を戻しましょう。
わたしは懐かしいエピソードを思い出しながら両手を動かし、頭皮の汚れを落としていきます。途中で何度か、アンちゃんに、村で貰ってきた桶で水を汲んできてもらって、その水で濯いではもう一度シャンプーをかけて洗い直して……を何回も繰り返しました。一回や二回では脂のべたべた感が全然落ちませんでしたが、三回目くらいからだんだんと指の通りが良くなってきて、五回目を洗い終えたときには、ひとまずこれでいいか、と思えるくらいには綺麗に洗えました。
もちろん、頭皮だけではなく髪のほうもです。油汚れで毛先までべったり貼り付いて束になっていたところに、小麦粉と蜂蜜をじっくり擦り込んでいって、一本一本解けるまで汚れを掃除しました。なお、ずっと四つん這いは苦しかったようで、途中から普通に座って俯く姿勢になっていました。
「ふはぁ……」
シャーリーさんの気持ちよさげな吐息が聞こえます。
わたしもだんだん無口になって、無心で洗いました。
アンちゃんも黙ったまま、なんだか嬉しそうにこっちを眺めています。
とっても心地好い一時でした。
聞き慣れない単語に首を傾げているシャーリーさんの隣で、アンちゃんも同じようにきょとんとしています。二人のボサボサ髪を見れば、それも納得の反応です。
あ、今更になりますけど、二人の髪の話です。
シャーリーさんの髪は赤みがかった茶色で、赤茶色といった感じです。長さは肩をすっかり隠すくらいで、それを紐でひとつに縛って尻尾にしています。
アンちゃんの髪はシャーリーさんのよりもうちょっと明るくて赤味が強いです。そして、肩にかからないショートヘアです。
どちらの髪も、ナイフでばりばり切ったみたいな適当さで、さらにまともに洗ったことがあるのかも疑わしいほど、べったりばさばさしています。脂汚れが酷いです。
……と言っているわたしの黒髪も、じつは似たようなものだったりします。胸を隠すくらいの黒髪ロングなのですが、こっちに来てからは手入れがいまいちで、鋏があったら切りたいくらいにバサついちゃってました。
一度、石鹸石で洗ってみたこともありました。確かに髪の汚れは取れたのですが、バサバサ感がより酷いことになっちゃったため、以来ほとんど洗髪していないのでした。
「義兄さん、シャンプーが欲しいです!」
そう言って無い物ねだりしたことも一度や二度ではありません。いくらねだったところで、無いものが降ってくることはありませんでしたけど。
でも、そのときに義兄さんとこんな話をしたことがあるのでした。
「材料があれば、手作りできると思うんだけどな」
「材料はなんです!?」
すかさず聞き返した当時のわたしに、義兄さんは記憶を掘り返すように首を捻りながら言ったものでした。
「そうだな、たしか……植物油、蜂蜜、ハーブ、苛性ソーダあたりがあれば作れるんじゃないか?」
「……仮性ソーダって何です? 真性ソーダもあるんです?」
「そのカセイじゃないよ……ってまあ、俺もよく苛性ソーダが何なのか、知らないんだけどな」
「なんですか、それ。駄目じゃないですか。シャンプー作れないじゃないですかぁ……」
期待させるだけとか酷いです、と唇を尖らせたわたしに、義兄さんはふと思い出したように眉を上げました。
「そういや、こういうのもシャンプーに使えるって記事を見たことあったな」
「えー、どんなのですか?」
「ええとだな――」
……という経緯で聞いた代用シャンプーの主原料が小麦粉だったのでした。蜂蜜はトッピングです。
「さてさて、シャンプー作りです。ちゃちゃっと始めて、ちゃちゃっと完成させましょう!」
わたしが握り拳を突き上げて宣言すると、姉妹二人も戸惑い気味に「おお……?」と続いてくれました。
まあ、シャンプー作りといっても大したものではありません。小麦粉を十倍の水で溶いて、もったりするまで煮るだけです。
わたしたちはこれまで桶を持っていなかったので、洞窟前には汲み置きの水なんて気の利いたものはありません。なので、わたしとアンちゃん、シャーリーさんは鍋と小麦粉入りの叺(藁で編んだ袋のことを叺というのだそうです)だとかを持ち、火付け役の神官ゴブさんを連れて河原へ行きました。
河原にはしばらく前に使った竈がそのまま残っていましたし、薪にする小枝もそのときの残りがまとめて放置してありましたから、後は大して苦労することもなく、水溶き小麦粉を煮始めるまでいきました。
ガスコンロみたいにつまみを捻るだけで火加減できるわけではないので、煮すぎないように注意する必要はありましたけど、とくに問題はありませんでした。
濁った色の水だったものは、とろみのある透明っぽいお湯になりました。これを火から下ろして、冷めてきたところで生蜂蜜を少し混ぜれば完成です。
「これがシャンプーってやつなんすか? これで髪を洗うんすか……?」
シャーリーさんが鍋の中身を覗き込みながら、眉根を寄せています。
「水っぽいお粥ですよね、これ」
と、アンちゃんも困惑の様子です。
「うん……義兄さんに聞いたのだと、これでいいはずなんですけど……」
じつはわたしも困り顔なのでした。
そもそもの話、使った小麦粉がわたしの思っていた小麦粉と違うのです。小麦粉の色が白ではなく、小麦色なのです。いえ、冗談ではなく!
精米(麦だから精麦?)の度合いが日本で流通していたものより低いのか、それとも麦の品種が全然違うのか、あるいはそもそもこれは麦のようなものであって、麦ではないのかもしれません。
とにかく、叺からざざーっと出てきたのは、白くてさらさらした粉ではなく、茶色い粒々なのでした。
「アンちゃん。これ、小麦粉です?」
「え? はい、そうですけど……何か変でした?」
「ううん。確認したかっただけです」
アンちゃんの反応を見るに、この茶色い粒々は村で普通に食べられている小麦粉で間違いないようです。「こいつら小麦粉を見たことないようだぞ」と思われて、籾殻を押しつけられたわけではなさそうでした。
――というわけで、作り始めたときから乳白色のさらさらもったりした小麦粉シャンプーができるとは思っていませんでしたし、茶色の粒々お粥シャンプーでもかえって髪の汚れを取りやすくなっているかもしれませんし!
「よしっ、せっかく作ったんだし、シャンプーしてみますかっ」
これがわたしの知っている小麦粉にしろ、そうではないにしろ、食べても安全という点は変わりないわけですから、これでシャンプーしても頭がヒリヒリすることはないはずです。
わたしは鍋に手を入れて、人肌に冷ました茶色のもったり粒々スープを手の平に掬い取りました。
「あっ、待ってくださいっす!」
シャーリーさんが急に声を上げました。
その「~っす」という下っ端口調はずっと続くのでしょうか、という疑問をひとまず飲み込み、聞き返します。
「なんです?」
「粥を頭から引っ被るなんて馬鹿な真似、姐さんにやらせるわけにはいかねぇっす。あたいにやってください!」
シャーリーさんはそう言って、頭をずいっと差し出してきました。
最初から失敗すると決めてかかっているような言い草ですけど、実験台に立候補してくれるというのなら断る理由はありません。
「分かりました。ではではシャーリーさん、目に入らないように気をつけていてくださいねぇ」
「はっ……はいっす!」
……というわけで、シャーリーさんには地面が剥き出しになっているところで四つんばいになってもらって、俯いている頭にどろどろーっと薄い麦粥もとい小麦粉シャンプーを浴びてもらいました。
「ひゃっ……うぅ、気持ち悪ぃ……」
シャーリーさんの赤茶けたセミロングに、小麦色のどろどろ汁がぼたぼたっと広がっていきます。それを頭皮に馴染ませるように、両手の指でゆっくりと揉み込んでいきます。
「おおぅ、なんともバリバリの髪ですこと……」
思わず唸ってしまうほど、シャーリーさんの髪はべったりばりばりでした。
「これでも二十日に一回は櫛で削ってるんすけど」
「二十日って……しかも櫛を入れるだけって……というか、梳くんじゃなくて削るですか……」
うわぁ、と溜め息を吐きながらも、とにかく両手の指をぎゅっぎゅっと使って、ふけが脂で固まったべとべとのものを指の腹で少しずつ剥がしては頭皮マッサージをしていきます。
「あ……これ、けっこう気持ちいいっす……」
「分かりますよ。他人にシャンプーしてもらうのって気持ちいいですよね」
シャーリーさんの寛いだ声に、わたしも同意です。
身体を洗ってあげるよ、という男のひとは多いのですけど、髪を洗ってあげるよ、という男のひとって、そんなにいないんですよね。わたし、身体を洗ってもらうのも好きですけど、髪を洗ってもらうほうがもっと好きだったりするのですが。
もっとも、こちらから「身体よりも髪を洗ってほしいな」とお願いしてやってもらう場合、大抵は気持よくないことになります。台所やお風呂場の水垢を落とすんじゃないのですから、頭皮は力強くガシガシやればいいってもんじゃないんですってば!
――そのあたりの常識を分かってもらうのが面倒なので、自分から「きみの髪を洗わせて欲しい」と言ってくるくらいの洗髪フェチさんにしか髪を洗わせないようにしていたものです。
一度だけ、
「もっと優しく、ち○ぽ扱くように洗ってください!」
と言ったら、とても上手に洗ってくれたひとがいました。刺激に弱い早漏ち○ぽのひとでした。そのひとの顔は覚えていないのに、このエピソードだけはいまでも覚えています。
……って、どうでもよすぎるくらい、どうでもいいですね。話を戻しましょう。
わたしは懐かしいエピソードを思い出しながら両手を動かし、頭皮の汚れを落としていきます。途中で何度か、アンちゃんに、村で貰ってきた桶で水を汲んできてもらって、その水で濯いではもう一度シャンプーをかけて洗い直して……を何回も繰り返しました。一回や二回では脂のべたべた感が全然落ちませんでしたが、三回目くらいからだんだんと指の通りが良くなってきて、五回目を洗い終えたときには、ひとまずこれでいいか、と思えるくらいには綺麗に洗えました。
もちろん、頭皮だけではなく髪のほうもです。油汚れで毛先までべったり貼り付いて束になっていたところに、小麦粉と蜂蜜をじっくり擦り込んでいって、一本一本解けるまで汚れを掃除しました。なお、ずっと四つん這いは苦しかったようで、途中から普通に座って俯く姿勢になっていました。
「ふはぁ……」
シャーリーさんの気持ちよさげな吐息が聞こえます。
わたしもだんだん無口になって、無心で洗いました。
アンちゃんも黙ったまま、なんだか嬉しそうにこっちを眺めています。
とっても心地好い一時でした。
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