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5章
71-3. 晩夏の日々 シャーリー
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アンと一緒に赤ん坊二人をお昼寝させていたら、自分も一緒に寝こけちまった。
はっと目が覚めて起き上がったら、なぜか全裸のラヴィニエさんが一緒に昼寝していた。
「って、臭!」
ラヴィニエさんは全身、よく見るとベトベトしたものに覆われている。それが何かは、ラヴィニエさんの普段の生活を見知っているので、すぐに分かった。
「……せめて、ヤッたら身体を洗ってから来てくれねぇかな」
ラヴィニエさんはとくに顔や体へ精液を浴びせかけられるのが好きだ。おかげで、体力の限界を迎えるまでゴブリンたちとヤッた後のラヴィニエさんは、そりゃもう臭い。風上に立たれたら、寝ていても目が覚めちまうぞってくらいにザーメン臭いことになっている。
本人はそのままでも全然気にならないみたいで、身体中をザーメンでべっとべとに汚したまま寝ちまうことも、たまにあるのだ。
「本当にこのひと、騎士だったのかよ?」
いまのラヴィニエさんは、ザーメン臭をぷんぷんに纏わりつかせて気持ちよさそうに涎を垂らしながら熟睡している全裸女だ。それ以外の何者にも見えない。
「でも、剣を振ってるときは格好いいんだよなぁ」
河原でゴブリンたちに稽古をつけているときのラヴィニエさんは「ラヴィニエの姐御!」なのに……いつも、だいたい稽古の途中で「剣をなくしたときの戦い方も鍛えましょう」と言い出すあたりからおかしくなって、気がつくと服を脱ぎ捨ててゴブリンたちに四方から揉みくちゃにされて媚びた鳴き声を上げる全裸女になっているのだ。
このひと、どうしてこうなったのか……。
「……でも寝顔、幸せそうなんだよなぁ」
乾いた精液でガビガビの顔なのに、どうして洗い流しもせずに寝られるんだか。
「まあ、いいか」
ラヴィニエさんは自分の好きな匂いに包まれて昼寝してもいいくらい働いているんだし、起こすのは悪いだろう。それよりも、そろそろ夕飯の支度を始めるとするか。
「……おっし!」
あたいはひとつ気合を入れて立ち上がると、竈のあるほうへと向かった。
ロイドは男のくせに料理が趣味だし、ゴブリンの中にも板前なんて呼ばれている料理上手なやつがいるけれど、この二人が毎日料理しているわけじゃない。板前は板前なんて呼ばれているけれど、他のゴブリンと一緒に河原で剣の稽古を受けている日もあるし、ロイドも細々とした雑用で駆けずり回っていることが多い。今日だって、話し合いだか取り引きだかで村のほうまで行っている。
ロイドのやつはここで二番目に偉いはずなのに、使い走りみたいなことを一番やっている。村の連中と話をしたり取り引きするのにはゴブリンよりも俺のほうがいいだろう、だとか言って。そういう理由なら、あたいやアンに頼めばいいだろうに。
「おまえたちは子守りって大変な仕事があるだろ」
ロイドはそう言って取り合わなかったけれど、あたいたち姉妹が村に近づかなくてもいいようにしてくれたんだろうってことくらい、あたいにだって分かっている。
あたいとアンは村を飛び出してきた身だ。山賊に捕まって酷い目に遭わされたアンは、村で暮せばそういうことをされた娘って目で見られることになる。それならいっそ、ここで暮らせばいい――と、あたいとアンをまとめて引き取ってくれたのがロイドと姐さんだ。
ここで暮らすことになってすぐの頃は、緊張も後悔もあった。あたいとアンの仕事が、ゴブリンたちと身体を重ねることだと分かった上で引き取られたのだし、覚悟だってしていた。……でも、当時にあたいは男を知らなかったんだ。怖いに決まっているじゃないか。
妹にだけ辛い思いはさせない。アンが感じた辛さなら、あたいもそれを感じないのは公平じゃない。それじゃ姉妹でいられない。
――なぁんてふうに思い詰めていたんだろう、当時にあたいはさ。
実際にそうなった今となっては、思い出すたびに変な笑いが込み上げてきてしまう“若かりし頃の恥ずかしい思い出”ってやつだ。……ロイドとも色々あったしな。
まあともかく、最初は「我慢すればいい」と思っていたゴブリンたちとのアレも、早々に気持ち良さを覚えてしまって、あとはまあ……男と女ってのはゴブリンも人間も関係なしに、そういうものなんだろうな。
隠すもののない姿になって重なり合えば、相手が自分をどう思っているのかが身体全部に伝わってくる。ゴブリンたちはあたいらを抱くとき、いつだって気遣ってくれる。姐さんが一番で二番は存在しないってのも伝わってくるけど、その上で最大限、あたいらを優しく抱いてくれるんだ。そうされると身体から余計な力が抜けて、あいつらがくれる気持ち良さが素直に入ってくるようになるんだ。
「……いや、飯を作りながら考えるこっちゃねぇよな」
あたいは汲み置きの水で芋を洗いながら、軽く頭を振って苦笑した。
うちのご飯は基本的に朝昼夕の三食だ。村では朝と夕の二食だったから、最初の頃は贅沢すぎるだろうと思っていたのに、いまじゃすっかり一日三食で慣れちまった。
でも、食べる回数が増えたということは、作る回数が増えたってことでもあるのだ。そして、ここで暮らすゴブリンたちの人数は十人じゃきかないし、どいつもこいつも大食らいだ。忍者どもだって、小柄なくせしてよく食べやがる。
だから結局、作る手間との兼ね合いで、昼飯はだいたい朝食の残り物を温め直すくらいが精々だったりする。ついでに言うと、朝食はよっぽど早起きしないと手の込んだものは作れないので、とにかく量を作る感じになる。
というわけで、手の込んだものを作るなら夕飯になるわけなんだが……まっ、そういうのはロイドと板前が暇なときに任せるや。今日は手隙があたいだけだし、洗った芋を蒸すだけでいいやな。
大工ゴブリンの大きい方と小さい方どっちだったかが作った特大の、三段重ねの蒸籠を用意して、一番下の段に水を張り、二段目と三段目は洗っただけの芋と、小麦粉を水で練って千切って団子にしたので満杯にする。そうしたら後は、その蒸籠を竈にぶち込み、灰に埋めていた熾火を掘り起こして竈が温まるようにしてやれば、日暮れまでには蒸し上がっている。塩なり香草の粉末なりは、食べるひとが好みでかけろ。
……と言うと手抜き料理もいいところのように思われるかもしれないけれど、実際は作る量が山程なので、けっこうな重労働だ。ロイドや板前だったら、ここからさらにスープなりソースなりと手間をかけていくんだろうけど、あたいにはここまでが精一杯。いちおう、子守りをしながらでもあるし。
あたいの赤ちゃんダイチと、アンの赤ちゃんミソラ。どちらも額にぴょこっと生えた角がお茶目な、可愛い赤ちゃんだ。アンと一緒に木陰で三人並んで寝ている姿を見ていると、それだけで胸が一杯になる(もう一人、全身ベトベトの全裸女が寝ているけれど、それは見ないことにした)。
「おまえら、いっぱい食べて大きくなれよ」
この子らが元気に食べる姿を想像すると、料理の疲れも吹っ飛んでいく。
竈のほうは熾火ならしばらく放っておいても平気だろうし、あたいはアンたちのところに戻った。寝顔をもっと近くから眺めたかったから。毎日見ているんだけど、全然飽きない。
「ほっぺた、ぷにぷにか」
寝ているダイチのほっぺは、そっと押し付けたあたいの人差し指を柔らかく押し返してくる。炭を塗したような浅黒い肌の色は、最初に見たときは病気なのかと心配にもなったけれど、そんなことがないと分かってみれば、強そうで良い色じゃないか。
「んぅ……」
ダイチの眉がひくひくしたので、あたいはそっと指を遠ざけてやる。すると、ダイチは寝顔のままで小さな手を伸ばしてきて、あたいの指をきゅっと握ってきた。
「お、なんだ。ダイチはお母ちゃんと一緒にいたいのか。そっかそっか」
あたいはダイチが起きないようにひそひそ声で笑いかけると、その隣に横向きで寝そべった。
握られたままの人差し指から、ダイチの体温と、ぷにぷにの手触りが伝わってくる。柔らかくて、すべすべの、きれいな手だ。あたいの手はガサガサに罅割れていて、こんなきれいな手に触ったら傷つけてしまうんじゃないか――とか思っていたかもしれない。
ここで暮らすようになるまでは、父ちゃんの形見の弓で狩人の真似事をしていたから、柄を握る左手には胼胝が、弦を引く右手には擦り傷の痕がいくつもある(形見には革手袋もあったのだけど、ボロくてすぐに破れた)。
――おっと。あるじゃなくて、あっただ。
緑色の少女みたいな植物(なのか?)のユタカから採れる樹液(汗や涎と思うよりは、樹液と思いたい)を、獣脂を一日がかりで煮込んで採った油の塊と合わせて練った「ハンドクリーム」を使うようになったら、あたいの手は生まれたときに戻ったみたいに、柔らかですべすべになっていた。
だから、ダイチのぷにぷにお手々をどれだけにぎにぎもみもみしても問題ないのだ。
にぎにぎもみもみ。
にぎにぎにぎにぎ、もみもみもみもみ。
「あぁ……うちの子、可愛い……この世で一番可愛いぞぉ……!」
「お姉ちゃん……」
「ひゃッ⁉」
夢中になってにぎにぎもみもみしていたら、いつの間にか目を開けていたアンに呆れた顔を向けられていた。
「い、いや……いいだろ、べつに」
「いいよ、べつに。でも、ひとつだけ言わせて」
気恥ずかしさで火照った顔を冷ますように横を向いたあたいに、アンはくすっと微笑んで言った。
「一番はうちのミソラだから」
それからしばらく、どっちの子が一番かを言い合ったけど、最後まで答えは出なかった。
はっと目が覚めて起き上がったら、なぜか全裸のラヴィニエさんが一緒に昼寝していた。
「って、臭!」
ラヴィニエさんは全身、よく見るとベトベトしたものに覆われている。それが何かは、ラヴィニエさんの普段の生活を見知っているので、すぐに分かった。
「……せめて、ヤッたら身体を洗ってから来てくれねぇかな」
ラヴィニエさんはとくに顔や体へ精液を浴びせかけられるのが好きだ。おかげで、体力の限界を迎えるまでゴブリンたちとヤッた後のラヴィニエさんは、そりゃもう臭い。風上に立たれたら、寝ていても目が覚めちまうぞってくらいにザーメン臭いことになっている。
本人はそのままでも全然気にならないみたいで、身体中をザーメンでべっとべとに汚したまま寝ちまうことも、たまにあるのだ。
「本当にこのひと、騎士だったのかよ?」
いまのラヴィニエさんは、ザーメン臭をぷんぷんに纏わりつかせて気持ちよさそうに涎を垂らしながら熟睡している全裸女だ。それ以外の何者にも見えない。
「でも、剣を振ってるときは格好いいんだよなぁ」
河原でゴブリンたちに稽古をつけているときのラヴィニエさんは「ラヴィニエの姐御!」なのに……いつも、だいたい稽古の途中で「剣をなくしたときの戦い方も鍛えましょう」と言い出すあたりからおかしくなって、気がつくと服を脱ぎ捨ててゴブリンたちに四方から揉みくちゃにされて媚びた鳴き声を上げる全裸女になっているのだ。
このひと、どうしてこうなったのか……。
「……でも寝顔、幸せそうなんだよなぁ」
乾いた精液でガビガビの顔なのに、どうして洗い流しもせずに寝られるんだか。
「まあ、いいか」
ラヴィニエさんは自分の好きな匂いに包まれて昼寝してもいいくらい働いているんだし、起こすのは悪いだろう。それよりも、そろそろ夕飯の支度を始めるとするか。
「……おっし!」
あたいはひとつ気合を入れて立ち上がると、竈のあるほうへと向かった。
ロイドは男のくせに料理が趣味だし、ゴブリンの中にも板前なんて呼ばれている料理上手なやつがいるけれど、この二人が毎日料理しているわけじゃない。板前は板前なんて呼ばれているけれど、他のゴブリンと一緒に河原で剣の稽古を受けている日もあるし、ロイドも細々とした雑用で駆けずり回っていることが多い。今日だって、話し合いだか取り引きだかで村のほうまで行っている。
ロイドのやつはここで二番目に偉いはずなのに、使い走りみたいなことを一番やっている。村の連中と話をしたり取り引きするのにはゴブリンよりも俺のほうがいいだろう、だとか言って。そういう理由なら、あたいやアンに頼めばいいだろうに。
「おまえたちは子守りって大変な仕事があるだろ」
ロイドはそう言って取り合わなかったけれど、あたいたち姉妹が村に近づかなくてもいいようにしてくれたんだろうってことくらい、あたいにだって分かっている。
あたいとアンは村を飛び出してきた身だ。山賊に捕まって酷い目に遭わされたアンは、村で暮せばそういうことをされた娘って目で見られることになる。それならいっそ、ここで暮らせばいい――と、あたいとアンをまとめて引き取ってくれたのがロイドと姐さんだ。
ここで暮らすことになってすぐの頃は、緊張も後悔もあった。あたいとアンの仕事が、ゴブリンたちと身体を重ねることだと分かった上で引き取られたのだし、覚悟だってしていた。……でも、当時にあたいは男を知らなかったんだ。怖いに決まっているじゃないか。
妹にだけ辛い思いはさせない。アンが感じた辛さなら、あたいもそれを感じないのは公平じゃない。それじゃ姉妹でいられない。
――なぁんてふうに思い詰めていたんだろう、当時にあたいはさ。
実際にそうなった今となっては、思い出すたびに変な笑いが込み上げてきてしまう“若かりし頃の恥ずかしい思い出”ってやつだ。……ロイドとも色々あったしな。
まあともかく、最初は「我慢すればいい」と思っていたゴブリンたちとのアレも、早々に気持ち良さを覚えてしまって、あとはまあ……男と女ってのはゴブリンも人間も関係なしに、そういうものなんだろうな。
隠すもののない姿になって重なり合えば、相手が自分をどう思っているのかが身体全部に伝わってくる。ゴブリンたちはあたいらを抱くとき、いつだって気遣ってくれる。姐さんが一番で二番は存在しないってのも伝わってくるけど、その上で最大限、あたいらを優しく抱いてくれるんだ。そうされると身体から余計な力が抜けて、あいつらがくれる気持ち良さが素直に入ってくるようになるんだ。
「……いや、飯を作りながら考えるこっちゃねぇよな」
あたいは汲み置きの水で芋を洗いながら、軽く頭を振って苦笑した。
うちのご飯は基本的に朝昼夕の三食だ。村では朝と夕の二食だったから、最初の頃は贅沢すぎるだろうと思っていたのに、いまじゃすっかり一日三食で慣れちまった。
でも、食べる回数が増えたということは、作る回数が増えたってことでもあるのだ。そして、ここで暮らすゴブリンたちの人数は十人じゃきかないし、どいつもこいつも大食らいだ。忍者どもだって、小柄なくせしてよく食べやがる。
だから結局、作る手間との兼ね合いで、昼飯はだいたい朝食の残り物を温め直すくらいが精々だったりする。ついでに言うと、朝食はよっぽど早起きしないと手の込んだものは作れないので、とにかく量を作る感じになる。
というわけで、手の込んだものを作るなら夕飯になるわけなんだが……まっ、そういうのはロイドと板前が暇なときに任せるや。今日は手隙があたいだけだし、洗った芋を蒸すだけでいいやな。
大工ゴブリンの大きい方と小さい方どっちだったかが作った特大の、三段重ねの蒸籠を用意して、一番下の段に水を張り、二段目と三段目は洗っただけの芋と、小麦粉を水で練って千切って団子にしたので満杯にする。そうしたら後は、その蒸籠を竈にぶち込み、灰に埋めていた熾火を掘り起こして竈が温まるようにしてやれば、日暮れまでには蒸し上がっている。塩なり香草の粉末なりは、食べるひとが好みでかけろ。
……と言うと手抜き料理もいいところのように思われるかもしれないけれど、実際は作る量が山程なので、けっこうな重労働だ。ロイドや板前だったら、ここからさらにスープなりソースなりと手間をかけていくんだろうけど、あたいにはここまでが精一杯。いちおう、子守りをしながらでもあるし。
あたいの赤ちゃんダイチと、アンの赤ちゃんミソラ。どちらも額にぴょこっと生えた角がお茶目な、可愛い赤ちゃんだ。アンと一緒に木陰で三人並んで寝ている姿を見ていると、それだけで胸が一杯になる(もう一人、全身ベトベトの全裸女が寝ているけれど、それは見ないことにした)。
「おまえら、いっぱい食べて大きくなれよ」
この子らが元気に食べる姿を想像すると、料理の疲れも吹っ飛んでいく。
竈のほうは熾火ならしばらく放っておいても平気だろうし、あたいはアンたちのところに戻った。寝顔をもっと近くから眺めたかったから。毎日見ているんだけど、全然飽きない。
「ほっぺた、ぷにぷにか」
寝ているダイチのほっぺは、そっと押し付けたあたいの人差し指を柔らかく押し返してくる。炭を塗したような浅黒い肌の色は、最初に見たときは病気なのかと心配にもなったけれど、そんなことがないと分かってみれば、強そうで良い色じゃないか。
「んぅ……」
ダイチの眉がひくひくしたので、あたいはそっと指を遠ざけてやる。すると、ダイチは寝顔のままで小さな手を伸ばしてきて、あたいの指をきゅっと握ってきた。
「お、なんだ。ダイチはお母ちゃんと一緒にいたいのか。そっかそっか」
あたいはダイチが起きないようにひそひそ声で笑いかけると、その隣に横向きで寝そべった。
握られたままの人差し指から、ダイチの体温と、ぷにぷにの手触りが伝わってくる。柔らかくて、すべすべの、きれいな手だ。あたいの手はガサガサに罅割れていて、こんなきれいな手に触ったら傷つけてしまうんじゃないか――とか思っていたかもしれない。
ここで暮らすようになるまでは、父ちゃんの形見の弓で狩人の真似事をしていたから、柄を握る左手には胼胝が、弦を引く右手には擦り傷の痕がいくつもある(形見には革手袋もあったのだけど、ボロくてすぐに破れた)。
――おっと。あるじゃなくて、あっただ。
緑色の少女みたいな植物(なのか?)のユタカから採れる樹液(汗や涎と思うよりは、樹液と思いたい)を、獣脂を一日がかりで煮込んで採った油の塊と合わせて練った「ハンドクリーム」を使うようになったら、あたいの手は生まれたときに戻ったみたいに、柔らかですべすべになっていた。
だから、ダイチのぷにぷにお手々をどれだけにぎにぎもみもみしても問題ないのだ。
にぎにぎもみもみ。
にぎにぎにぎにぎ、もみもみもみもみ。
「あぁ……うちの子、可愛い……この世で一番可愛いぞぉ……!」
「お姉ちゃん……」
「ひゃッ⁉」
夢中になってにぎにぎもみもみしていたら、いつの間にか目を開けていたアンに呆れた顔を向けられていた。
「い、いや……いいだろ、べつに」
「いいよ、べつに。でも、ひとつだけ言わせて」
気恥ずかしさで火照った顔を冷ますように横を向いたあたいに、アンはくすっと微笑んで言った。
「一番はうちのミソラだから」
それからしばらく、どっちの子が一番かを言い合ったけど、最後まで答えは出なかった。
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