義妹ビッチと異世界召喚

Merle

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4章

59-4. 小さな器 ロイド ★

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 最初からを使うことまで見越していたためか、ラヴィニエの股間周りは陰毛が綺麗に処理されていた。短く刈り込まれた金色の茂みが下腹のほうにちょこんと添えられているだけだ。菊の花みたいな尻穴の周りはつるりとしている。たぶん、アンあたりに剃ってもらったのだろう。
 ラヴィニエの臀部は、はっきり言ってデカい。そして厚い。そりゃ、騎士というからには乗馬もするのだろうから、尻の皮も厚ぼったく張っていくのだろう。
 そのデカい尻が、秘所に刺さった俺の指一本の動きに合わせて、くねんくねんと∞を描く。

「ん、ひぁ……! じゅ、しゃ……っ、さ、まぁ……あっ、あぁ、あっ……!」

 安産型のどっしりした尻に比べると小さく見える肛門がグーとパーを繰り返すように、結んで開いてしている。そして、俺の指をぎっちりと締めつけている膣口はさらに小さく感じる。というより、秘所全体が造作的に慎ましやかだ。
 大陰唇の盛りが浅くて、小陰唇も小さい。色味も桜を思わせる淡いピンクで、見るからに新品という秘所だ。ああいや、処女膜はなかったから新中古か……って、これは言ったら殴られるか。
 ともかく、ほとんど経験のなさそうな膣が、俺の指一本を必死に咥え込んでいる。小さくて狭い膣だけど、稽古上がりの肉棒をたっぷり嗅いだことでよく濡れていて、痛みは感じていないように思われる。

「っ……くっ、は……っ……ああぁッ!? っ、そっ、それっ……そこっ、あぁ! ……あっあぁッ♥」

 触診しているつもりで指を泳がせると、ラヴィニエの大きな尻が電動器具のように震えて、電子音のような裏声が上がる。痛みはないようだけど、まだ快感よりも戸惑いが強いようだ。

「……ああ、そうか。こっちでの快感が分かっていなかったから、一辺倒になっていたんだな」
「ふあっ、あ……? 従者様、それは……っはあぁッ!?」
「つまりさ、ラヴィニエは知るべきなんだよ。自分で勝手に気持ち良くなるんじゃなくて、相手に気持ち良くしてもらえるんだってことを――こんなふうに、さ」
「ああぁ!? やっ、ひぃ!? こっ、こわ――ああぁ! あっ、あ……っはんんぅッ♥」

 俺は中指に添えて薬指もラヴィニエの膣に差し込むと、揃えた指二本の関節を曲げて腹側の膣壁を圧す。同時に同じ手の親指も曲げて、秘所の上側にある小さな秘芽クリを圧迫した。影絵の狐を作る指の形だ。曲げた三本の指で抓むようにして、秘芽とその裏Gスポットを指圧したのだ。指圧して、ぐいぐいと震わせるように力を込めたのだ。

「ああぁ! っあ! あ、ぁ、あッ♥ いっ、いやぁ! これ、こっ、壊れっ……あ、ぁ、あ、あッ!!」
「壊れるわけないだろ――いや、そうだな、うん。ラヴィニエ、いっぺん壊れちゃえ」
「ひいいぃ――……ひいぃッ!?」

 内側と外側の敏感なところ二点同時責めに、ラヴィニエは存在感のある臀部を激しく跳ねまわらせる。だけど、俺は空いている左手を彼女の腰にまわして、さらには身体ごと覆い被さるようにしてを押さえつけた上で、いっそう強くて速い指使いでラヴィニエの秘部を攻め立てる。

「ぅうあぁあ! あっ……あ、あひぃ……いっ、い、いいいぃっはああぁ――ッ♥♥」

 四つん這いのラヴィニエは月に向かって遠吠えするように背筋を大きく反らすと、意味を為さない悲鳴を高らかに張り上げ、ぐっしょり濡れた膣肉をいっそう締めつけ――澄んだ透明な体液を噴き出しながら絶頂した。

「あ……っ、あぁ! あっ、っ……! あぁ……ッ!」

 短い喘ぎを繰り返すたび、豊かな尻が小さく弾む。秘豆を指圧している俺の親指に、ぶしゅっ、ぶしゃっ、と潮吹き汁がかかって、手首のほうまで滴っていく。

「あっ、ぅ……も、申し訳、ございません……こ、この歳で粗相など……!」

 ラヴィニエは四つん這いで尻を上げたまま、枕にした両腕に顔を埋める。

「粗相? ……ああ、潮吹きを知らないのか」
「潮……?」
「いま、おまえが漏らしたものだよ。いまのは尿じゃない。愛液に近いもの……だったかな。とにかく、尿とは全く違うものだ」
「そうなのですか……」

 ラヴィニエは首を大きく捻って俺のほうに振り返ると、安堵の顔を見せてくれた。でも、続けて述べた言葉は余計だったと思う。

「私はてっきり、従者様は女性に粗相させて悦に入る趣味があるのかと……ああいえ、以前に従者様が私を竜様の御許まで案内してくださったとき、まるで漏らすことを期待しているかのように私の股間を凝視しておられましたので」
「……ごめんなさい」

 何でもないことのように微苦笑するラヴィニエに、俺は言い訳の言葉もなかった。女は男の視線に気がついているというけれど、あれは本当だったか……って、いかん。このままだと、せっかく握ったこの場の主導権が持っていかれてしまう!
 俺は少々強引に会話の軌道修正を図った。

「とっ、とにかく、初めて潮吹き絶頂したわけだ。どうだった!?」

 言ってから、セックス中に「どうだった?」と聞くのはNG、というネットの情報を思い出して、やってしまった……と悲鳴を上げたくなった。

「……粗相してしまったかと思って、とても恥ずかしかったですね」

 ラヴィニエは真面目に答えてくれた。内心ではドン引きしているかもしれないけれど。

「いや、粗相ではないから。潮吹きは……そう! 気持ちいいと吹いてしまうものだから、粗相したほうが正しいんだ。いや、粗相じゃないけど!」
「あ、はい……そうですか」

 つい早口で捲し立ててしまったら、内心を推し量るまでもなくドン引きしていると分かる冷めた表情で、さっと前を向かれてしまった。
 い、いかん。このままだと主導権どころの話ではなく、行為自体が終わりになってしまう! ……こうなったら小細工も小手先も無しだ。力押しでいってやれ!
 俺はもう余計なことを口にせず、膣に入れっぱなしだった指二本を今一度、鉤の形に曲げた。

「んぅあッ!? あっ、っ、従者さ……っはぅんんッ♥」
「あ、舌を噛むなよ」
「ひっ、っ、いっ、いま、いまああぁッ!!」

 いまイったばかりなのに、と言いたいのだろう。でも、そんな言葉を聞かされてもヤることは変わらないので、指使いを緩めたりはしない。揃えて鉤にした右手の中指と薬指が、膣内でも他のところとは微妙に手触りが違うを、指先を消しゴムのように使ってごしごしと擦り立てる。

「あっ、あぁ……っはぁ! あっ、ひんんっ……っ、くぁ、あぁ! あっ、あ、あ、あああぁ――ッ♥♥」

 ラヴィニエは艶やかな嬌声を張り上げながら、中で高速振動する俺の指を止めようとするみたいに穴を収縮させて、ぎちぎちと締めつけてくる。でも、そうして締めつけてくる動きは、自分から俺の指に膣壁を押しつけてくる動きに他ならない。

「っ、っふ、ぅんんッ!? んっ、っ……あぁッ♥ あっ、あぁッ♥ またっ、っ、ぁ、ぁあああッ♥♥」

 暴れ馬みたいに跳ねようとする尻を、腰にまわした左腕と、覆い被せた胸板とで押さえつけて、狭苦しい膣内を一気に擦り倒した数秒後――ラヴィニエは一際甲高い嬌声ひめいを上げて仰け反りながら二度目の潮吹きを成功させた。

「あ……ひっ……あぁ……♥」
「ふぅ……俺も上手くなったもんだな」

 ラヴィニエの中に指を差し入れたまま、小刻みな震えを繰り返しているラヴィニエの尻と背中を見下ろし、俺は独り言ちる。
 俺だって、伊達にシャーリーとアンの相手をしてきたわけじゃない。二人に色々と試させてもらって、ネットでしか知らなかったことを実践的な技術として身につけているのだ。どこをどれくらいの強さでどう刺激すればいいのか、ちゃんと分かっているのだ。童貞とは違うのだよ、童貞とは!
 ……いやまあ実際のところは、一度目の潮吹きをしたときの感覚が残っていたから、二度目は身体がすんなりと潮吹きを受け容れてしまっただけだろう。一度覚えてしまうと二度目からはハードルが低くなるという、犯罪や自転車の乗り方に通じる法則だ。

「しかし、おまえは犬っぽいと思っていたけれど、まさか潮吹きおもらしの素質まであるとはな……」
「お漏らし!?」

 俺の呟きに、ぐったりしていたラヴィニエは弾かれたように顔を上げて、こちらに振り向いた。

「従者様、これはおしっ……粗相とは違うと――!」
「ん? ……ああ、それは一度目の話だ。二度目からはだんだんと尿が混ざってきて、最後には本当にただのお漏らしになっちまうんだよ。潮吹きって、そういうものなんだ」

 面白そうなので、俺はラヴィニエの勘違いを助長してみることにした。

「そっ、そんな……あ、でも、ということでしたら、二度目ならまだ粗相ではありませんよね?」

 ラヴィニエは引き攣った笑顔で救いを求めるように聞いてきたから、俺も笑顔を浮かべて力強く頷いてやった。

「ああ、大丈夫だ。二度目なら、ほとんど汗みたいものだ」
「よかった……なら――はんううぅッ!?」

 俺が膣内の指二本を曲げて、軽い凸凹でこぼこを感じるGスポットの膣壁を素早く擦り圧してやった途端、ラヴィニエは浮かべかけた安堵の顔を投げ捨てて、脳天から抜けるような裏声で嘶いた。
 ああ、最近は犬っぽく見えていたけれど、馬っぽくもあるな――と思いながら親指も陰核に宛がって、内外から抓んで磨り潰すように責めてやっていたら、ラヴィニエはまた高らかに鳴きながら、ぶしゅ、びゅ、びゅる、と調子の悪いスプリンクラーみたいに潮を吹き散らした。

「……うぁ……ぃ、やだ、またぁ……お、お漏らしっ、っ……!」
「ああ、そうだな。大分、おしっこみたいな色になっているぞ。このままだと、あと二回も吹いたら、もう完全におしっこだな」
「そんな!? やっ、お止めください! こっ、こんなこと、どっどうして……!」
「そりゃ、俺はだからな」
「あ――」

 ラヴィニエが少し前に言った言葉をそのまま引用してやったら、彼女はびくっと膣まで縮こまらせて息を呑んだ。その様子に、自然と勝ち誇った笑みが零れてしまう。俺は思っていたより、根に持つタイプだったのかもしれない。
 そのとき、ラヴィニエが前を向いたままボソッと漏らした言葉が、はっきり聞こえた。

「……器が小さい」
「んなッ!?」
「あ、申し訳御座いません。独り言のつもりでしたが、聞こえてしまいましたか」

 全然焦った様子のない口振りが、いっそう嫌みったらしい。

「聞かせるつもりで言ったんじゃないのか?」
「いいえ、滅相もない。聞かせたら御身のお心を傷つけてしまうかと愚考して、お耳に入りませんよう小声で独語したのですが、従者様の耳はおのれへの誹謗をけして聞き逃さない驢馬の如き耳をしておいでにあらせられるので御座いますね」

 というのは聞き慣れない言いまわしだったけれど、婉曲表現で小馬鹿にされているのはよく分かった。

「そうか、そうか。ラヴィニエ、おまえがそういうつもりなら、俺も容赦しないわ」
「そういうところが小さいとっおおぉッ!?」

 なおも余計なことを言って失笑しようとしたラヴィニエのGスポットを、もう一切の手加減なしで掻きたくってやった。といっても、力任せにガリガリとやったわけではない。指先が強力ローターになったつもりで、ざらりとした膣壁に指の腹を力一杯押しつけて、十六連射に挑むつもりで高速振動させたのだ。
 普段、中指と薬指をこんなふうに使うことはないから、もう少しで攣るかと思った。でも、そうなる前にラヴィニエの秘所のほうが根を上げた。

「おっ、っひぅあ! あっ、っ……んぅううぁッ♥ ふぅああッ♥ いっ、ひぃ……まっ、待っ……あぁっはああぁ――ッ♥♥」

 ラヴィニエの秘所は膣内を一瞬ぶわっと拡げたかと思った直後、ぎゅうっと握り締めるみたいに俺の指を圧迫してきながら、びゅっ、びちゃっ、と撒き散らすようにして四度目の潮吹きを決めた。

「あぁ、四度目だな。うわっ、すごいおしっこ臭いな。色もほとんど黄色だし、これもうお漏らしだ。粗相しちゃってるよ、ラヴィニエ」
「うっ、うぅ……! 小さい……器が……っ、ううぅ……!」
「まだ言うか――じゃあいいや、ここで止めてやろうと思ったけれど、最後、五回目もイっちゃおうか」
「えっ……あ、うぅ! そういうところが、器が小さいと――っひいッ!?」
「はいはい、小さい小さい。小さいから絶対、漏らさせる」

 俺は狐にした手の中指、薬指と親指の三本をくっつけ合わせるつもりで力を込めて、クリを押し潰しながらクリ裏の肉襞かべを擦り破るつもりで指を痙攣させる。

「いっ、やっあぁ……止めぇ……っひううぅッ!! うっ、ううぅ……っくうぅんんんッ♥♥」

 ラヴィニエは歯軋りするみたいな嬌声を上げながら肉厚の尻を振って汗を飛ばすと、俺の指を吐き出すみたいに膣を収縮させ――その勢いのまま、身体に残った水分を振り絞るようにして、じょばっ、じょばっと五回目の潮吹きをやり遂げた。

「ん……あんまり出ないな。潮吹きも精液みたいに打ち止めがあるのか……いや、それは尿だって同じか」

 体内の水分がなくなれば出ない。じつに当然のことだ。そんなことを考えて苦笑していると――

「あ、まだ水分あったみたいだな」
「うぁ……ぁ、うぅ……ッ……」

 五度の潮吹きと絶頂で疲弊したラヴィニエの秘所は薄笑いする俺へと見せつけるかのように、山吹色した白糸の滝を、ちょろろろ、と垂れ流したのだった。

「本当に粗相しちゃったな。ああ、恥ずかしい恥ずかしい」

 俺はにやにや笑って揶揄しながら、自分の中に眠っていた嗜虐性に驚いてしまう。俺って、こういう性癖もあったのか……。
 ――とか、由無し事に思いを馳せていたら、ラヴィニエが顔を伏せたまま泣き出してしまった。

「ふっ、ぐ……うくっ、うぅ……!」
「あ……悪い、すまん。苛めすぎた。つい楽しくて……あっ、いや、とにかく悪かった、ごめん!」

 剥き出しの尻を震わせて啜り泣くラヴィニエに、一瞬で頭が冷えた。そうと自覚するくらい、俺の頭の中身は快感の熱で浮ついていたらしい。

「ラヴィニエ、悪かった。謝るから、泣き止んでくれ」

 周りではゴブリンたちが勝手に乱取りや組み打ちを始めている。
 あいらはラヴィニエが悲鳴じみた声で喘いでも碌々気にしていなかったくせに、腕枕に顔を伏せて啜り泣くのにはしっかり気づいて、どんな面白いことがあったのか――と好奇の目を向けたり、憶測を語り合ったりしている。
 見られているのは最初からだったけれど、向けられている視線の意味がさっきまでとは違う。性行為が日常風景と化しているために、エロいことをしているのを見たり見られたりするのには慣れたけれど、好奇や非難の視線は痛い。普通に痛い。

「まっ、待て。おまえら、俺が悪いわけじゃ……あれ?」

 いや、本当にべつに悪くなくないか?
 だって最初にいきなりズボンを下ろしに来たのはラヴィニエのほうだし、自分から尻を向けてきたのもラヴィニエだし、挑発してきたのもラヴィニエだ。俺はその挑発に乗ってやっただけだ。ほら、俺は全然悪くない。どちらか一方が悪者なのだとしたら、それはラヴィニエのほうだ。

「……うん。だよな」

 俺は自分で自分に頷くと、まだ蹲った格好で啜り泣きに身を震わせていたラヴィニエの尻をむんずと掴んだ。

「んあッ!? あっ……従者様……?」

 びくっと首だけで振り返ったラヴィニエの腫れて赤らんだ瞳と目が合う。だから、俺は朗らかに嗤って頷いてやった。

「もう止めないから、泣いてていいぞ。俺も勝手に犯らせてもらうから」
「え、ぇ……っひぅあッ!?」

 ラヴィニエは泣き腫らした目を丸くした直後、その目をいっそう見開かせて声を上げた。俺が、抜いた指の代わりに肉棒を秘所へと突っ込んだからだ。

「あっ、あぁ! じゅ、しゃ、さまっ……あっ、あっ、っ……!」

 軽く腰を前後させただけで、ラヴィニエの膣は奥からぐちゃぐちゃと卑猥な音を立てて汁気を溢れさせてくる。五回の潮吹きに至るまでの愛撫で、愛液のほうも奥に相当溜まっていたようだ。そこへ異物を押し込まれたことで、溜まっていたのが隙間から一気に溢れ出でてきているのだった。

「やっ、んぁ! あっ、あっ! あっ! あ……んあぁッ♥」
「ん、んっ……すごいな、ラヴィニエ。どんだけ濡らしてたんだよ? というか、掻き出してやってるそばから溢れ出してきてるんだけど?」
「しっ、知らないっ……!」
「そうか。なら、知るまでちゃんと調べないと、なっ!」
「――んああぁッ♥」

 剥き出しの尻を撫でた両手で、括れているが筋肉質な腰を抱えると、それまでのゆっくり馴染ませるようだった腰使いを速めていく。
 俺の股間がラヴィニエの尻に当たって、ぱんっ、ぱんっ、と乾いた音を立てる。同時に聞こえてくる、にちゅっにちゅっという粘ついた水音は、濡れそぼった膣動と肉棒が擦れ合っている音だ。
 粘膜接触の快感に、さっきまで感じていた苛つきも溶けてなくなる。というか、俺は何に苛立っていたんだっけ? ……思い出せないけれど、いいか。気持ちいいし。そんなことより、いまは腰使いに集中だ。

「んっ、んっ……!」
「あっ、あ、あっ! あっ、んぁ♥ あ、あぁッ♥」

 俺が腰を使うのに合わせて、ラヴィニエの尻がぶるんっと波打つ。鞣し革みたいな手触りでも、尻は尻だ。後背位で腰を叩きつければ、こうして汗ばみながら、ぶるんぶるん震える。

「……普通にえろいな」
「ふっ、普通ってな――あっ、んぅあッ♥」

 思わず漏らした感想にラヴィニエが文句を言いたげに振り返ろうとしたけれど、ちょうど引いた腰を打ちつけるタイミングだったものだから、ラヴィニエは文句の途中で喉を晒して喘ぐことになった。

「ははっ」

 それが可笑しくて笑った俺に、ラヴィニエは尚も文句を言いたげな素振りを見せたけれど、尻に一発平手を落としてやったら、ひゃっと短い悲鳴を上げた。

「っ……なぜ、尻を……! 私の尻は、そんなに叩きたくなりますか……!?」
「なんだ、前にも叩かれたことがあるのか?」
「あっ……んんっんッ♥」
「今更黙るな。言え、ほら……ほらっ」

 ぱっこぱっこと腰を使いながら合間に平手打ちを挟んでいくと、ラヴィニエはすぐに懺悔した。

「あっ、あぁ! えっ、っ……エミリオさまにも叩かれましっ、ひゃう! いっ、言ったんですから叩くの止めっ、へぅッ♥ んぅんんん――ッ♥」

 ゆっくり気味に引いた腰を勢いよく叩きつけたのと同時に平手も落としてやったら、ラヴィニエは大きな尻を誇示するみたいに一瞬激しく痙攣させて、ぐったりと突っ伏した。
 同時に、俺のを無理やり気味に咥え込ませていた膣が靴紐を締めたみたいにギュッと狭まって、俺のものを排出しようとする。

「ぐっ、むっ……ラヴィニエ、いまイったのか?」
「い……ぇ? ……なっ!? いっ、イってない! 叩かれてイくなど、そんなはずありませんッ!!」

 少しぼんやりしていたラヴィニエは、俺の言葉を理解するや、顔を上げて必死に否定してきた。どうでもいいが、で伝わるのか。きっと有瓜がそのあたりの隠語、卑語を教えていたのだろう。

「いや、イっただろ。これだけ強く締めつけてきておいて隠せるわけないだろ」

 馬鹿だな、と溜め息を吐いた俺を、ラヴィニエは肩越しに睨みつけてくる。

「うっ、嘘です!」
「嘘じゃねぇよ。というか、嘘吐きはおまえだろ。どう見てもイってるのに、イってないと言い張っているんだからな」
「うっ……そっ、それは……!」
「ああ、言い淀んだな。これもう誤魔化せないだろ。はい、嘘確定」

 わざとらしく溜め息を吐いて、馬鹿にするのを隠さない目で見下ろしてやると、ラヴィニエは羞恥と怒りとで真っ赤に顔を染め、何か言い返してこようとする。

「じゅ――ふぉあぁッ!?」

 そのタイミングで、平手の痕がほんのり残る臀部を、指が食い込むくらい強く掴んでやったら、ラヴィニエは噎せるようにして面白い喘ぎ声を聞かせてくれた。

「ははっ、いいな。その喘ぎ声。馬の嘶きみたいで似合ってるぞ」
「ひっ、ん……っく……な、ぜ……こ、んなっ……!」
「なぜ、こんなことするのか……と言いたいのか?」

 俺が尻を抓ったり叩いたりしながら、少し考えてから答えた。

「強いて言うなら、格付けかな」
「格付け……?」
「おまえは俺のことを、セックスさせてやるから言うことを聞くんだろ、と上から目線で馬鹿にしてきた。だから俺は、セックスされて泣かされるのがどっちなのかを――つまり、どっちが上なのかを教えてやることにした。だから、をしているんだよ。分かったな?」
「分かりましぇッ!?」

 スナップを利かせた平手打ちで尻をぴしゃんと鳴かせて、分かりません、と最後まで言わせなかった。

「っ、うぅ……従者様、見下げました……! このよう、にゃあッ!? あっ、んっ! んぁッ♥」
「いま見下げているのは俺のほうだけどな」
「うっ、っ、器の小さい、ひとっ……おっ、おぉ!? おっ、んっ……くうぅ……ッ♥」

 やらやら好き放題に言ってくれるラヴィニエを、腰を強めに使って黙らせる。肉棒の先に吸い付いてくる奥側の肉襞を肉傘カリで掻き分け、押し退け、絡めて刮げ取る。そうするとラヴィニエは喘ぐことしかできなくなるし、俺は気持ちいいしで一石二鳥だ。

「んっ、んっ……いいか、ラヴィニエ」

 俺は腰を捻るように使って膣肉を捏ねくりまわしながら、ラヴィニエに向かって精々偉そうに語りかける。もちろん、ときどき尻への平手打ちや抓るのも混ぜて、刺激に慣れさせないようにしながらだ。

「ラヴィニエ、おまえには確かに色々教えてもらっているし、頼りにもしている。けどな、なんか――ムカつくんだ、おまえの態度? 言い方? よく分からないけど、そういうのが」
「む、むか……? き、気に入らない、とっ……い、いうことです、か? よく分からない、のに……ッ!?」

 ラヴィニエの声が気色ばむ。さすがに許容できなかったのか、今更ながら身を翻して俺を押し退けようとするけれど、遅すぎだ。
 慣れない絶頂と潮吹きとで疲れ切った身体では、俺を押し退けることはできない。俺だって一年間、ゴブリンたちに混ざって鍛えてきたのだ。それにここ最近、また妙な力が戻ってきてる。普段ならいざ知らず、いまのラヴィニエを背後から組み敷いて腰を振りたくるくらい、わけないことだった。

「分かる分からないの話じゃ……ああ、いや、そうか。分かったよ。俺が、何に、ムカついたの、かっ……!」

 俺は角度を付けた腰使いで、指でさんざん絶頂の味を覚えさせてやった陰核裏の襞Gスポットを裏筋で削るようにしながら言葉を叩きつける。

「ラヴィニエは――おまえはっ、アンに言われて、俺に日本こきょうへ帰る方法なんて探すな、と、言いに来た……それがムカつくんだっ、っ……んんッ!!」
「そ、っんな、ことで……あぁ! あっ……まさか、アン殿に、もっ、おぁッ♥ ぅあッ♥」
「アンは、おまえとは、違う……ッ!」
「どっ、っ、どこがっ、あぁ♥ 違っ、ああぁ! あっ、あぁッ♥」
「自分で分かんない、やつにっ! 言っても分かんないっ、よッ!」

 腰を大きく振ってラヴィニエの臀部をバチンバチンと打ち鳴らさせて、肉棒を浅いところGスポットから一番奥Pスポットまで刮げるように往復させる。
 苛立ちの理由は分かったけれど、一気に分かりすぎて、かえって喉に支えてしまう。言葉にして吐き出したくとも吐き出せなくて、その分いっそう腰の使い方が荒くなる。
 肉棒で襞を擦って気持ち良くなるためでも、させるためでもない。ただ恥骨で臀部を叩いて音を鳴らす、尻を打楽器に見立てて揶揄するための腰使い。そのついでに亀頭の先で膣奥を勢いよく抉って、否応なく染み出る膣分泌液をカリで掻き出し、じゅくじゅくと泡立たせながら飛び散らせる――。
 苛々と官能ムラムラが血流の中で溶け合って、身体中を何十周も循環する。苛立ちと快感が同義になる。苛つく女を犯している事実に興奮する。剣の稽古で自分おれを好き放題に打ちのめしてくる女のデカ尻を打ちのめしてやっている光景が眼下に広がっているという支配感、全能感に脳が蕩ける。

「んっ……、……ッ! ふっ……! ん――……ッ!」

 言葉を出す余力さえ、もう惜しい。全身はおろか、頭の芯の芯まで肉棒かいかん一色に染め上げられている。苛立ちも何もかもが、性器を使って快感を貪るための火種にしかならない。腹の奥、股間の付け根が熱くて堪らない。脳味噌がそこに移ったみたいに何も考えられない。

「んんっ……! んっ、っ! ……ッ! ふっ、っ……ッ! ……ッ!」
「あっ、あぁ! あっ、んぁッ♥ んあっ、っ、あぁッ!!」

 熱気で霞がかった視界の中、ラヴィニエの尻が震えを速く細かく激しくしていく。俺がその速度と強さで腰を打ちつけているからだ。

「むっ、くっ……くぁッ! あっ、っ……んッ!」

 筋肉を締めて堰き止めている股間にマグマのようなものが溜まって圧力を強めている。その圧力に堪えるため、俺は股間にいっそう力を込める。

「んぉあ、ぁ……あッ!? 従者、さまっ、まさかっ、っ、んぅああッ♥」

 股間を力ませたことで肉棒が限界を超えて勃起したのを、ラヴィニエも感じ取ったらしい。それが射精間近を示す兆候だと分かるのは、戦士ゴブリンどもの肉棒をさんざん顔面マッサージしてきた経験が活きたようだ。まあ、だからなんだって話だが。

「なっ、中はっ、あ、おぁッ♥ あ、あッ♥ んあッ♥ んあっん、んんぅうあぁ――ッ♥♥」

 ラヴィニエは逃げようとするように四つん這い、というか蹲っている体勢の手足をばたつかせたのと同時に、膣穴をぎりりっと巾着を締めるように狭めて痙攣させた。それが止めとなって、俺も肉棒をどくんっと大きく脈動させた。

 ――どっ、どどっ、どどっどっどどッ!!
 そんな擬音が、脈打つ肉棒から背筋を上り、耳小骨を通さずに頭蓋骨へと響く。
 溢れ出ていく解放感。夜尿もらしたのような背徳感と官能、昂揚。背筋を走る震えと、崩れそうになる両膝。

「うっは――ッ……あ、あぁ――……ふ、うぅ……」

 息切れしているにも関わらず込み上げる溜め息。肉棒が脈打つたびに放たれていく体温。熱の放出と倦怠感とが俺の全身を冷ましてくれる。
 放熱の反動で震える身体は、股間に移っていた思考の中心を再び頭部まで、顫動させながら押し上げていく。

「ふ――……ぅ……」

 放心した気持ちが戻ってくるのに、深呼吸が三度も必要だった。

「……、――……あぁ……すごく……」

 気持ち良かった。かつてないほどに――。
 いや、などと言っても俺の経験人数は赤毛姉妹の二人しかないのだけど。

「じゅう、しゃ……さま……」

 ラヴィニエの声は喘ぎすぎて半分嗄れている。腫れと火照りで鮮やかな鬼灯色に染まった桃尻も、ぜえぜえはあはあ、と息を切らしている。

「ええと……ラヴィニエ、お疲れ」

 何を言っていいのか思いつかなかったので、彼女の尻をぺちんと叩いて労った。
 ラヴィニエはぐったりと俯いている。首筋のところで二房に分れて落ちる金髪セミロングから覗く肌も熟れたように火照り、艶やかに汗ばんでいる。

「……終わったのですか? 気づきませんでした、小さくて」
「あ、そういう嫌味を言えるくらいは元気か」
「嫌味だったらどれだけ良かっああぁッ♥」
「勿論、分かって言ったんだよな。そんなこと言ったら、こうされるって」
「あっあふぁッ♥ あひっ、ひっんぁッ♥」

 ラヴィニエの腰を右腕で抱えるようにして、伸ばした指の腹で秘芽クリを磨り潰してやると、ラヴィニエは媚びた牝犬のように高く鳴く。
 さらには牝馬のように分厚い尻が俺の腕を撥ね除けようとするけれど、それはまだ挿入されたままの肉棒に再戦を要求する刺激しかならない。

「ひあっ、っ……ん、んぅ!? なっ、ぜ……また硬く……ッ!?」
「んっ……そりゃ、こんないやらしい腰使いされたら、硬くもなる……って、の!」
「ひはぁッ!? ……っんあッ♥ あっ、あ、ぁあッ♥」

 腰を大きく強く使って、膣内で再勃起した肉棒を亀頭の際まで引き抜き、ズンッと膣奥に当たるまで打ち込む。張り出したカリで掻き出した膣肉を、奥へと押し込む感じだ。

「あっ、あぁッ♥ いっ、いまっ、ま、まっだッ♥ あっ、あっ、んぅあぁッ♥」

 俺の腰使いに合わせて、ラヴィニエは背筋を反らし、尻を跳ね上げて嘶く。それを上から力で押さえつけて、バチッバチッと腰で打ち据え、ガリッガリッと肉棒で膣肉を削り、混ぜる。
 一発抜いた後なのに、欲望が全く治まっていない。むしろ一回すっきりしたことで、単に肉欲を発散しているのではなく征服しているのだという実感が脳を焼く。

「ラヴィニエッ! ……ッ! う、っく……ッ!」

 空になったばかりの薬室に銃弾が再装填される。引き金に指がかかり、撃鉄が叩きつけられるまでの秒読みが始まる。三段撃ちもかくやの装填速度だ。

「いっ……く、ぞ……! ラヴィニエ……ッ……ん、ん……んッ!!」
「だ、だめっ! 駄目ですっ外にっひいいぃ――ッ♥♥」

 言葉だけでなく、膣を奥から手前へとうねらせながら狭めながらことで肉棒を吐き出そうとする。俺はその動きに逆らわずに肉棒を引き抜きながら射精した。
 ぶるんっ、どびゅ――ッ!!
 秘所から飛び出した肉棒が勢いよく跳ねながら白濁をぶちまける。二発目のくせに勢いよく飛んだ白濁はラヴィニエの背中を通り越して放物線を描き、汗で重たげになった金髪にべちゃっと着弾した。

「――……はあっ……はぁ……ッ……」

 この呼吸音がどちらのものか分からない。でも頭蓋の内側で鳴っているみたいに耳障りだから、たぶん俺のだろう。ラヴィニエの呼吸が聞こえてこないのは、俺の呼吸が煩すぎるからか。

「はっ……ぁ……ラヴィニエ、分かったか……」

 酸欠で頭がまわっていないみたいだ。もしも頭がまわっているなら、こんなこと言っちゃいない。俺はラヴィニエに分かってもらえるとは思っていないし、それ以前に分かってほしいなんて思っちゃいないのだから。
 胸と肩を大きく張っては荒い息を吐く。それを何度か繰り返しているうちに、だんだんと頭もはっきりしてくる。そして、否応なく落ち込んでいく。

「……じゃあ、水浴びしてくるから」

 そんな断りを入れる意味なんてない。
 ぐったりと突っ伏したままのラヴィニエも、返事をしない。
 ゴブリンたちはもう俺たちに興味をなくしていて、思い思いに稽古をしている。

「……じゃあ」

 最後にもう一度口を開いたものの、結局つまらないことしか言えぬまま、俺は物言わぬ豊かな尻から逃げたのだった。

 ●

 要するにラヴィニエは強いってことだ。俺やアンとは違って。
 それまでの生活をラヴィニエと、俺とアン。
 俺は、もしも一年前のあの日――有瓜と偶々一緒になった下校中に、有瓜のストーカーに勘違いされたあの日に戻ることができたなら、何と言われようとも有瓜を引き留めて二人で家に籠もって過ごすだろう。
 アンだってきっと同じだ。山賊に掠われた日の朝に戻ることができたら、絶対に家から出ないだろう。そうすることで有瓜や俺たちに出会う可能性が永遠になくなると教えられても、躊躇なく引き籠もるだろう。
 俺もそうする。
 今のそれなりに楽しい生活が全てなかったことになると分かっていても、取り立てて面白いことのない平凡な学校生活を捨てることなんて絶対にしない。ありえないと断言できる。本人に聞いたわけではないけれど、アンも同じだと確信している。

 だけど、ラヴィニエは違う。
 ラヴィニエは、もしも騎士団を出奔した日に戻ったとしても、きっと同じように飛び出してくる。そして、いまの暮らしにくるだろう。
 だって、ラヴェニエは騎士としての自分を捨てるのではない。捨ててきて、そして今、新しい自分に満足しているのだから。
 だから、ラヴィニエには分からない。平凡な学生という身分を捨てたくなかった俺の気持ちを。ただの村人で構わなかったアンの気持ちを。
 もっと歯に衣着せずに言ってしまえば、俺とアンは現状を第一に考える小人物なのだ。俺はという現状に回帰したくて、アンはという現状から二度も捨てられたくないのだ。そしてお互い、なんとなくだが互いの精神性が分かり合えてしまっている。だから、俺は日本へ帰る方法を探そうとするのをアンに引き留められると共感を覚えてしまって決意が鈍るのだが、俺たちとは意識の違うラヴィニエにそうされると癇に障るのだ。

「って、愚痴だよ愚痴。それに詭弁、言い訳……はぁ」

 川の流れに頭の先まで沈みながら考えを巡らせても、脳裏に浮かんでくるのは俺自身の無様さ、惨めさ、憐れさ――そんなものばかりなのだった。
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