115 / 150
4章
57-2. 魔術と巫術と民間療法 ロイド
しおりを挟む
「危ない!」
俺は咄嗟に飛び出し、二人に覆い被さった。視界の端で神官とラヴィニエが手を突き出して魔術で火をどうにかしようとしているのが見えたけれど、それが成るのを待っていられなかったのだ。
一時は元に戻っていた身体能力が、最近になってまた少しずつ増強されてきていた。そのおかげで、俺は膨らんだ炎とアンたちの間に割って入ることができた。
俺は髪や衣服が燃えるのを覚悟して、歯を食い縛る。背中が熱い。でも、我慢だ。痛がるのは、アンとミソラをこの場から遠ざけてからだ――。
「……義兄さん、大丈夫みたいですよ」
「有瓜?」
どこか唖然とした声に、俺もその違和感に気がついた。
背中が熱い。確かに熱い。でも、服の背中が燃えているにしては、痛みがない。燃え広がっている感じもしない。まるで、ただ焚き火に当たっているだけのようだ。
どういうことだよ、と緊張しながらゆっくりと振り返ったら――唖然とした。
「う……兎?」
この辺にも兎はいる。でも、それは俺が元から知っている兎と寸分違わぬ普通の兎だ。こんな燃えている兎は見たことがない……って、兎じゃない?
「兎の形をした……火?」
膨れ上がった焚き火の炎が兎の形になって、振り返った俺を見つめていた。いや、宙に浮いているそれは立体の影絵と言うべきシルエットだけのものだったので、見つめてくるような目はないのだけど。
「し、信じられない……魔術の理を習い覚えているはずもない赤ん坊が、これほど精緻な火の操作を? なんという……なんという……!」
背後からラヴィニエの驚嘆が聞こえてくると、続けて有瓜の脳天気な声も聞こえてきた。
「んー……要するに、ミソラちゃんはとってもすごい魔術師さん、ってことです?」
「え、ええ……はい、そうです。ですが、凄いの一言で済むものではありません。火を膨張させた魔力の強大さ、生きているかのような兎を象ってみせた魔力操作の精巧さ――どちらも揃って凄いのは、凄いを通り越して凄く凄いのです!!」
「うん、ラヴィニエさんがとっても興奮しているのは伝わりました」
「ミソラが凄い魔術師……」
有瓜の苦笑に隠れて、アンの呟きが聞こえた。
目の前で耳を揺らしたり跳ねたりしている炎の兎から視線をずらして振り返ったら、アンの胸の中で得意満面にしているミソラと目が合った。
「ドヤ顔!」
驚いていると、今度はギリリという音が聞こえてきたので視線をずらすと、アンの隣に立つシャーリーの胸に抱かれているダイチが歯噛みしていた。
「どやぁ」と勝ち誇るミソラと、「ぐぬぬ」と歯噛みするダイチが横目で睨み合っていた。
「おまえら、仲良しか――」
俺が寸劇めいたことをしている二人に苦笑したそのとき、突き出されたダイチの右手がミソラの頬を叩いた。
「あぅ!」
「きゃあッ!!」
ミソラの悲鳴を掻き消して、アンの悲鳴が響く。ミソラが悲鳴を上げた瞬間、宙に浮かんでいた炎の兎が爆発的に膨れ上がったのだ。
位置的にアンとシャーリー、どちらも危ない。とくにアンは炎の目の前だ。
「アンちゃん!」
「アン!」
有瓜がアンたちを庇おうとしたけれど、俺のほうが早い。
アンとシャーリーを二人まとめて抱き寄せ、炎には背を向ける。その直後、いやほぼ同時に、俺の背中を熱気が襲った。
「ぐっ……!」
さっきとは比べものにならない熱さ、そして痛みだ。背中に無数の針を刺されたような痛みが、今度こそ本当に背中を焼かれたのだと教えてくれた。
「義兄さん!」
「それよりも火を! 燃え広がる前に消すんだ!」
「火なら大丈夫です。いま膨らんだので、そのまま弾けて消えました。どこにも燃え広がってません」
「そうか。そりゃあ良かっ……っ、うぅ……!」
有瓜の言葉に胸を撫で下ろした途端、背中の痛みが跳ね上がった。緊張が解けたためだろう。
「ロイドさん……」
「ロイド……」
俺に赤ん坊ごと姉妹揃って抱き締める形になったシャーリーとアンが、心配と感謝の綯い交ぜになった顔を向けてくる。アンの顔には、申し訳なさも濃い目に滲み出ていた。
「アン、怪我はないな?」
「は、はい。ミソラも平気です」
「シャーリーも?」
「あ……おう。あたいもダイチも平気だ……けど、ロイド。おまえが一番の被害者じゃないか!」
「は、はは……そうか? たぶん見た目ほど酷くはないぞ」
事実、針山になったような痛みを感じているのは背中の上半分、肩甲骨のあたり一帯だけだ。燃え広がっている感じもないし、たぶん水を掛けて軟膏を塗ったりすれば、そのうち治るだろう。
「義兄さん、軟膏はそこまで万能じゃないですよ」
確かに村から分けてもらった普通の軟膏だ。魔法の軟膏というわけじゃない。でも、俺の身体は最近富みに調子が良いので、きっとすぐ治るはずだ。だから、心配する必要はない。
「というわけだから、ちょっと水を浴びてくる――」
「馬鹿ですか。水瓶の水をぶっかけてあげますから、そこで安静にしてください。ほら、そっちじゃなくて、こっちです!」
河原へ行こうとしたら有瓜に手首を掴まれて、ゴブリンたちが敷いてくれたらしい毛皮の上にうつ伏せで寝かされた。痛さと苦しさで、さっぱり抵抗できなかった。抵抗できないまま、背中の焼け焦げた服を切り裂かれ、剥ぎ取られた。
水をかけられるのは予想の数倍、痛かった。覚悟を決めて奥歯を噛み締めていたのに、盛大に呻いてしまった。呻いてから、大丈夫だ、と言ったけれど、たぶん大丈夫には見えなかっただろう。
「ロイド、いま薬を塗ってやっからな」
「たぶん痛いですけど我慢してください」
シャーリーとアンが洞窟の奥から取ってきた軟膏を手に取り、俺の背中にぐしぐしと塗り込んできた……ってえぇッ!!
「おおぁったあぁッ!?」
水をかけられたときに負けないくらい、痛かった。水ぶっかけで消耗していたところにやられたら、叫ぶのを堪えられなかった。いや、叫ぶだけでなく背筋を鍛えるみたいに跳ねて、姉妹二人を振り払ってしまった。
「うわっ」
「きゃっ」
「あ……すまん……が、ちょっとこれ、思ったよりずっと……おぉ……!」
少しだけ塗られた軟膏が染みてきて、痛いのが終わらない。子供の頃、唐辛子を触った手でうっかり目を擦ってしまったときのことを思い出す。じくじくと熱くて痛いのがずっと続くやつだ。この軟膏、もしかして辛味成分入りか!? 火傷したときより、水を被ったときより、いまが一番痛いんじゃないか!?
「すまん、二人とも。でも、薬を塗るのは痛みが引くまで待ってくれ……」
「はい……あ」
申し訳なさそうに答えたアンが、ふいに変な声を出す。
なんだ、と思って首を左右に捻ったら、緑色の足が目に入ってきた。その色ですぐに、誰の足か分かった。
「ユタカ?」
「……」
ユタカは何も答えず、歩調を緩めもせずに俺の傍までやってくると、なぜか俺の腰に跨がった。
「え? ユタカ?」
いつもこの時間は木陰で森林浴しているのに、珍しいな……って、いや、いま背中が痛いので、そういう遊びは遠慮してもらいたいのだが!? ――呆気に取られてしまって、その思考を声にするのに間が空いてしまった。
そうやって無言で口を開け閉めする俺の背中に、ユタカがぺたんと抱きつき、身体を押しつけてきた。当然、火傷している箇所にもユタカの裸体が触れてくる。
「痛っ――……く、ない……? え……あれ……?」
反射的に痛いと叫びかけたのだけど、襲ってくると覚悟していた痛みがやってこない。いやむしろ、痛みが引いているような……?
「え……有瓜、これ、どうなって……」
「ユタカちゃんが背中をぺろぺろ舐め舐めしています」
「……うん?」
「ユタカちゃんが義兄さんの背中の火傷したところをぺろぺろ舐め舐めしています」
「……うん」
分からないけれど、分かった。
ユタカはアロエの仲間だったようだ。
俺は咄嗟に飛び出し、二人に覆い被さった。視界の端で神官とラヴィニエが手を突き出して魔術で火をどうにかしようとしているのが見えたけれど、それが成るのを待っていられなかったのだ。
一時は元に戻っていた身体能力が、最近になってまた少しずつ増強されてきていた。そのおかげで、俺は膨らんだ炎とアンたちの間に割って入ることができた。
俺は髪や衣服が燃えるのを覚悟して、歯を食い縛る。背中が熱い。でも、我慢だ。痛がるのは、アンとミソラをこの場から遠ざけてからだ――。
「……義兄さん、大丈夫みたいですよ」
「有瓜?」
どこか唖然とした声に、俺もその違和感に気がついた。
背中が熱い。確かに熱い。でも、服の背中が燃えているにしては、痛みがない。燃え広がっている感じもしない。まるで、ただ焚き火に当たっているだけのようだ。
どういうことだよ、と緊張しながらゆっくりと振り返ったら――唖然とした。
「う……兎?」
この辺にも兎はいる。でも、それは俺が元から知っている兎と寸分違わぬ普通の兎だ。こんな燃えている兎は見たことがない……って、兎じゃない?
「兎の形をした……火?」
膨れ上がった焚き火の炎が兎の形になって、振り返った俺を見つめていた。いや、宙に浮いているそれは立体の影絵と言うべきシルエットだけのものだったので、見つめてくるような目はないのだけど。
「し、信じられない……魔術の理を習い覚えているはずもない赤ん坊が、これほど精緻な火の操作を? なんという……なんという……!」
背後からラヴィニエの驚嘆が聞こえてくると、続けて有瓜の脳天気な声も聞こえてきた。
「んー……要するに、ミソラちゃんはとってもすごい魔術師さん、ってことです?」
「え、ええ……はい、そうです。ですが、凄いの一言で済むものではありません。火を膨張させた魔力の強大さ、生きているかのような兎を象ってみせた魔力操作の精巧さ――どちらも揃って凄いのは、凄いを通り越して凄く凄いのです!!」
「うん、ラヴィニエさんがとっても興奮しているのは伝わりました」
「ミソラが凄い魔術師……」
有瓜の苦笑に隠れて、アンの呟きが聞こえた。
目の前で耳を揺らしたり跳ねたりしている炎の兎から視線をずらして振り返ったら、アンの胸の中で得意満面にしているミソラと目が合った。
「ドヤ顔!」
驚いていると、今度はギリリという音が聞こえてきたので視線をずらすと、アンの隣に立つシャーリーの胸に抱かれているダイチが歯噛みしていた。
「どやぁ」と勝ち誇るミソラと、「ぐぬぬ」と歯噛みするダイチが横目で睨み合っていた。
「おまえら、仲良しか――」
俺が寸劇めいたことをしている二人に苦笑したそのとき、突き出されたダイチの右手がミソラの頬を叩いた。
「あぅ!」
「きゃあッ!!」
ミソラの悲鳴を掻き消して、アンの悲鳴が響く。ミソラが悲鳴を上げた瞬間、宙に浮かんでいた炎の兎が爆発的に膨れ上がったのだ。
位置的にアンとシャーリー、どちらも危ない。とくにアンは炎の目の前だ。
「アンちゃん!」
「アン!」
有瓜がアンたちを庇おうとしたけれど、俺のほうが早い。
アンとシャーリーを二人まとめて抱き寄せ、炎には背を向ける。その直後、いやほぼ同時に、俺の背中を熱気が襲った。
「ぐっ……!」
さっきとは比べものにならない熱さ、そして痛みだ。背中に無数の針を刺されたような痛みが、今度こそ本当に背中を焼かれたのだと教えてくれた。
「義兄さん!」
「それよりも火を! 燃え広がる前に消すんだ!」
「火なら大丈夫です。いま膨らんだので、そのまま弾けて消えました。どこにも燃え広がってません」
「そうか。そりゃあ良かっ……っ、うぅ……!」
有瓜の言葉に胸を撫で下ろした途端、背中の痛みが跳ね上がった。緊張が解けたためだろう。
「ロイドさん……」
「ロイド……」
俺に赤ん坊ごと姉妹揃って抱き締める形になったシャーリーとアンが、心配と感謝の綯い交ぜになった顔を向けてくる。アンの顔には、申し訳なさも濃い目に滲み出ていた。
「アン、怪我はないな?」
「は、はい。ミソラも平気です」
「シャーリーも?」
「あ……おう。あたいもダイチも平気だ……けど、ロイド。おまえが一番の被害者じゃないか!」
「は、はは……そうか? たぶん見た目ほど酷くはないぞ」
事実、針山になったような痛みを感じているのは背中の上半分、肩甲骨のあたり一帯だけだ。燃え広がっている感じもないし、たぶん水を掛けて軟膏を塗ったりすれば、そのうち治るだろう。
「義兄さん、軟膏はそこまで万能じゃないですよ」
確かに村から分けてもらった普通の軟膏だ。魔法の軟膏というわけじゃない。でも、俺の身体は最近富みに調子が良いので、きっとすぐ治るはずだ。だから、心配する必要はない。
「というわけだから、ちょっと水を浴びてくる――」
「馬鹿ですか。水瓶の水をぶっかけてあげますから、そこで安静にしてください。ほら、そっちじゃなくて、こっちです!」
河原へ行こうとしたら有瓜に手首を掴まれて、ゴブリンたちが敷いてくれたらしい毛皮の上にうつ伏せで寝かされた。痛さと苦しさで、さっぱり抵抗できなかった。抵抗できないまま、背中の焼け焦げた服を切り裂かれ、剥ぎ取られた。
水をかけられるのは予想の数倍、痛かった。覚悟を決めて奥歯を噛み締めていたのに、盛大に呻いてしまった。呻いてから、大丈夫だ、と言ったけれど、たぶん大丈夫には見えなかっただろう。
「ロイド、いま薬を塗ってやっからな」
「たぶん痛いですけど我慢してください」
シャーリーとアンが洞窟の奥から取ってきた軟膏を手に取り、俺の背中にぐしぐしと塗り込んできた……ってえぇッ!!
「おおぁったあぁッ!?」
水をかけられたときに負けないくらい、痛かった。水ぶっかけで消耗していたところにやられたら、叫ぶのを堪えられなかった。いや、叫ぶだけでなく背筋を鍛えるみたいに跳ねて、姉妹二人を振り払ってしまった。
「うわっ」
「きゃっ」
「あ……すまん……が、ちょっとこれ、思ったよりずっと……おぉ……!」
少しだけ塗られた軟膏が染みてきて、痛いのが終わらない。子供の頃、唐辛子を触った手でうっかり目を擦ってしまったときのことを思い出す。じくじくと熱くて痛いのがずっと続くやつだ。この軟膏、もしかして辛味成分入りか!? 火傷したときより、水を被ったときより、いまが一番痛いんじゃないか!?
「すまん、二人とも。でも、薬を塗るのは痛みが引くまで待ってくれ……」
「はい……あ」
申し訳なさそうに答えたアンが、ふいに変な声を出す。
なんだ、と思って首を左右に捻ったら、緑色の足が目に入ってきた。その色ですぐに、誰の足か分かった。
「ユタカ?」
「……」
ユタカは何も答えず、歩調を緩めもせずに俺の傍までやってくると、なぜか俺の腰に跨がった。
「え? ユタカ?」
いつもこの時間は木陰で森林浴しているのに、珍しいな……って、いや、いま背中が痛いので、そういう遊びは遠慮してもらいたいのだが!? ――呆気に取られてしまって、その思考を声にするのに間が空いてしまった。
そうやって無言で口を開け閉めする俺の背中に、ユタカがぺたんと抱きつき、身体を押しつけてきた。当然、火傷している箇所にもユタカの裸体が触れてくる。
「痛っ――……く、ない……? え……あれ……?」
反射的に痛いと叫びかけたのだけど、襲ってくると覚悟していた痛みがやってこない。いやむしろ、痛みが引いているような……?
「え……有瓜、これ、どうなって……」
「ユタカちゃんが背中をぺろぺろ舐め舐めしています」
「……うん?」
「ユタカちゃんが義兄さんの背中の火傷したところをぺろぺろ舐め舐めしています」
「……うん」
分からないけれど、分かった。
ユタカはアロエの仲間だったようだ。
0
お気に入りに追加
224
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる