義妹ビッチと異世界召喚

Merle

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2章

30-2.姐さんのいない夜  シャーリー ★

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 あたいは咄嗟に、洞窟の中に身を隠した。

「……」

 自分の胸をぎゅっと押さえて、心臓がばくばく言うのをどうにか鎮める。その間、深呼吸を三回したけれど、アンとロイドがいたところから聞こえてくる湿った音に変化はない。

 ……大丈夫だ、気づかれてねぇ。

 いや、気づかれても別に問題はねぇんだけど、ただほら、気まずいことになるだろ?
 アンがゴブリンとヤっているところは何度も見ているっつうか一緒にヤられているんだけれども、ロイドとするのは、なんだか違う。
 ゴブリンとするのは完全に種付け目的のなわけで、見たり見られたりされてもあんまり気にならなくなっているんだけども、ロイドとするのは全く逆の快楽目的でしかないわけで、そういうのを見たり見られたりするのは、たぶんお互いに恥ずかしさで、しばらく声をかけられないことになると思う。

 ……ひょっとしたらアンはあっけらかんとしているかもしれないけれど、あたいは間違いなくそうなる。
 あっ、日迎えのお祭りでのことは別枠だ。あのときは姐さんの神懸かった舞いに感化されて、あたいもアンも熱に浮かされたみたいになっていた。つまり、素面ではなかった。みんなしてべろべろに酔っ払っていたようなものだから、あれはいいんだ。例外だ。
 ――とにかく、気づかれないで済ませたい。ひとまずはここで息を潜めておいて、機会を見計らって静かに寝床へ戻ろう。

「よし、そうしよう」

 あたいは口の中で呟くと、耳を澄ませた。機会を見計らうためにも、ちゃんと聞いていないといけないからな!

「んっ……ちゅ、ん、んぅ……っは……」

 アンの湿った吐息が風に乗って聞こえてくる。妊娠したと分かるまでは毎日のようにもっとはっきり聞いていたけれど、こうして耳を欹てたうえで聞いていると、妙にいやらしい音に聞こえてしまう。って、ロイドのをしゃぶっている音なんだから、いやらしくて当然なんだけど!

「あ、あぁ……アン、上手いな……」

 ……ロイドの声だ。
 少し掠れた、吐息混じりの色っぽい声。聞いた瞬間、鎮まっていた鼓動が跳ね上がる。

「んっ……っぷは……練習、いっぱいしましたから……ちゅ♥」

 アンの冗談めかした自慢に、ロイドは微笑み返したりしたんだろうか?

「ちゅっ、ん……ちゅ♥」

 唇を鳴らすような音がしているのは、きっとに口付けしているからだ。小さな口の奥まで咥えて、もごもごくちゅくちゅ言わせた後に、今度は焦らすような口付けをしていく――アンがよくやっていた連絡技だ。

「っ……うあっ……」

 ロイドの喘ぎが上擦る。

「わっ、跳ねた。ロイドさん、ここ……この括れのところ、好きなんですね……ん、んっ♥」
「うあっ、あっ……!」
「……ふふっ♥」

 たぶん、あれだろう。の一番張っているところ――カリ首だったか――のの部分を、アンが責めているんだろう。唇を鳴らす音がしないから、舌先で刮げるみたいにしているんだと思う。アンはあれもよくやっていた。「ここ、味が濃くてわりと……♥」なんて言っていたな。あたいもの味や匂いに慣れたもんだと思っているけど、アンは既にその先まで行っていると思う。
 姐さんが以前に、目隠ししての匂いだけで誰が誰だかを当てる遊びをしていたけれど、アンもそういうのをやり始めるんだろうか。そうしたら、あたいも姉として一緒にやらないといけねぇんかな。吐いたりはしないと思うけど、できれば見ているだけにしてぇなあ……。
 あ……でも、ロイドのだったら、鼻が馬鹿になるまで嗅いだり、味がしなくなるまで舐めたりするのも……まあ、どうしてもしてくれって言われたら、まあ……考えなくは……まあ……。

 ――じゅぼぼぼぉ!!

「っ……!?」

 静かな月夜に相応しくない水音で、あたいは我に返った。
 アンが再びを口に含んで、唾液と一緒に思いきり啜り上げたんだろう。

「はっ、っ……!」
「んんぅ……うっ、うぇ……!」

 ロイドが息を呑む声と、アンの嘔吐くような声とが重なって聞こえてくる。

「アン、無理に奥まで咥えなくても、いいぞ……うおっ!」
「んっ……ふへぇ♥ っ……んっ、んっ……んんぉ! へうぅ……っ♥」
「……っ!? おっ、ちょ! ちょっと……おっ!?」

 ……なるほどな。
 アンはロイドのものを喉の奥までしっかり咥え込んでいるようだ。しかも、ずぽずぽ響いてくる水音からして、首を前後に揺すって喉で亀頭を扱くというでロイドを鳴かせているようだ。アンがこの前、「アルカさんに色々教わっているんだ。お姉ちゃんも一緒に練習しようよ」と言って教えてくれた技の中に、そういうのがあった。
 あのときは、あたいも削った棒を使って試してみたけれど、喉の奥を押されて吐きそうになるのを我慢することができなかった。アンは「慣れだよ、慣れ。いっぱい練習すれば、すぐだって」と笑顔で言うけれど、いまのところ、あたいには荷が重すぎている。
 アンは「慣れてくると、吐きそうになるほど喉の奥までち○ぽがぱんぱんに詰まっているのが楽しくなってくるよ!」とも言っていたけれど、喉奥まででいっぱいにされて楽しめる日なんて、あたいに来るのだろうか……?

「あっ、それ……!」

 ロイドのくぐもった悲鳴。

「んぐぐ……ぐ、ぐぷっ♥」

 笑いなのか呻きなのか分からないアンの声。そして伴奏のように聞こえている、じゃぶじゃぶと水で手を洗うような音。
 ああ、きっとアンが喉の奥まで目一杯に咥え込んだの裏側に舌を絡めたり、喉が嘔吐くときの動きでを捏ねくったりしているんだろうな。

「んっ……!?」

 その小さな喘ぎ声は、驚くほど近くから聞こえてきた――というか、あたいの口から漏れた声だった。

「え……うぅわ、マジか……」

 気がつけば、あたいの股間は湿っていた。無意識のうちに内腿を摺り合わせて、その淡い刺激に肌を火照らせていた。そのことを自覚して、改めて思う――マジか……。
 アンとロイドがしているのを聞いているだけ――そう、見ているのでもなく、ただ聞いているだけで、あたいは欲情して濡らしちまってるってのか……マジか!

「は……ははっ……」

 なるほど、あたいはアンの姉だな。
 妹と二人並んで交尾されたり、二人で代わる代わるにロイドと致したりしたことはあるけれど、まさか妹の致している物音で欲情してしまうなんて……なんて……♥

「っ……ごめん……」

 何に対してか自分でもよく分からない謝罪が口を突く。手が勝手に、股間へと伸びていく。……いや、勝手に、じゃない。この手は、あたいの意思だ。
 いまの服装は太ももまでの貫頭衣ワンピースに、毛皮を外套のように羽織っている。あとは毛皮のスリッパだけだ。姐さんみたいに、下着なんて高尚なものは身につけていない。なので、貫頭衣の裾を巻くって進んだ指は、それ以上の抵抗を受けることなく、じくじくと熱くなっていたに達した。

「……っ、っ!!」

 指先がにちょんと触れた途端、小さな雷が背中に落ちた。もう少しで声を上げてしまうところだった。
 ……っていうか、指先でちょっと触っただけで、こんなにビリビリくるなんて……あたい、興奮しすぎかよ!?

「んっ、んぐっ……んんっ、んぅ……んっ、んっ♥」

 アンの口から漏れ聞こえてくる吐息というか喘ぎというか湿った音は、どんどん熱気を増していく。音の間隔が短くなっていき、それに併せてロイドの喘ぎも切羽詰まったものになっていく。

「うっ……あ……アン、んっ、っ……!」
「ん、んんっ♥ んっ……んっ、んむっ、んうぅ♥」

 ロイドの切なげな、懇願するような声と、水中で喋っているみたいなアンの声――声というか、しゃぶりたてて啜りたてる音。

「あ……ぁ……っは……あ、あたい、もぉ……お、んぅ……!」

 ロイドもアンも二人の世界に没頭している。吐息や水音だって、夜空によく響いている。あたいがちょっと声を出したって、気づきやしない。

「……っは、あぁ♥ くっ、くうぅ♥」

 あそこの豆……クリが、いい……♥
 あたいだって、たまには自分でクリを弄ることもあるけれど、こんなに気持ちよくなったことはない。皮が剥けて肉が剥き出しになっている――って感じで、なんか自分のクリじゃないみてぇだ……。
 こんなのを、いつもみたいに指で擦ったり転がしたりするなんて、ちょっと刺激が強すぎて無理だ――

「あっ! アン、んっ……もう……うっ、く……っ!」

 ロイドが裏声混じりに訴えるのを聞いた途端、あたいのお腹もときちまって、気づいたらクリをぎゅっと抓み潰していた。

「――ふああぁ♥ あっ、っ……こんなの、我慢できっかぁ……あぁ! んっ♥ んっ……ん、んうぅ♥」

 空いているほうの手で慌てて口を押さえたけれど、声を完全に抑えることはどうしたって無理だ。なら、クリを摘まんで、潰して、揉んでいるのを止めればいいって分かっているけど――頭じゃ分かっているんだけれど、首から下が分かってくれねぇ。

「んっ、っ……んぅ、うぅ、うっ♥ うぁ、あっあぁ♥」

 指が止まらない。を弄るのが止められない。痺れるくらいキツいのに、気持よくて堪んねぇ♥

「あっ、くっ……ううぅ……!」

 耳をくすぐるロイドの声の低い響きに、腹の奥からぞくぞく燃え立つ。

「んむぅ♥ んんっ、んぐっ、ぐっううぅ♥」

 アンの出してる獣みたいなに合わせて、あたいも自然と舌をうねらせている。勝手に溢れる涎は啜っても啜っても間に合わなくて、顎を伝って喉まで垂れていっちまう。でも、涎が喉を垂れていくの気持ちいいっ♥

「あっ……あっ! ……あ――ッ!!」

 ロイドが一際大きく吠えた。掠れた泣き声みたいな切ない響きが、耳の内側をぞわっと撫でて、そのまま背筋を転がり落ちていき、膨らみかけのお腹の芯にズゥンッと重たく響いて刺さった。
 その衝撃に突き飛ばされるようにして、指を鳴らすような手つきで豆を擦って弾いた瞬間、

「んんっ! んぐっ! んぐううぅ――ッ♥」

 口に当てていた手の指を噛み締めながら、あたいもイき果てた。

「……はっ……あぁ――、ん……あぁ……」

 気持よかった……自分てめぇでも恥ずかしくなるほど気持よかった。自分でクリを弄って、こんなに痺れるほどイったの初めてだ……。

「はあぁ……はっ、あぁ……」

 あ……息切れが二重に聞こえると思ったら、半分は風に乗って聞こえてくるロイドの呼吸音だった。

「アン……ごめん、喉の奥に出しちゃって……大丈夫か?」
「……んっ……っぷは! っんは……!」

 アンが、水に潜った後みたいな息継ぎの音をさせる。
 喉奥にの膨れた先っぽを押し込まれたまま射精されたんじゃ、そりゃそうなるわな。息を止めていないと、精液が変なところに流れ込んで噎せるんだよな、あれ。あたいは苦手だ。姐さんはぺろっと飲み干した直後、間髪入れずに二本目を喉まで咥えたりするけど、アンはまだそこまで咥え込むのをやり込んでない。

「ふぅ――はあぁー……大丈夫でした……けど、残念です」

 何度か深呼吸した後、アンは息を切らせながら言う。

「残念?」

 と聞き返したロイドに、アンが拗ねた声で答えた。

「だって喉に出されると味わえないんですよ、ザーメン」

 ……ザーメン? なんだ、それ?

「アン……おまえ、そんな言い方どこで覚え――って、聞くまでもなかったな」
「はい。アルカさんに教わりました。精液のことをザーメンって言うんですよね。そう言ったほうが、が出て良いんですよね?」
「……けして完全に間違っているわけではないが、絶対にその通りだと言うわけでもないからな」
「あっ、そういう感じのことも知ってます。教わりました」
「は?」
「賢者たいむ、ですよね。せいえ――ザーメンを出した後で急に難しいことを言い出したら、賢者たいむ、なんですよねっ」
「……うん。それは完全に正解……なんか、ごめん……」
「ふぇ? なんで謝ったんですか? わたし、変なこと言ってましたぁ!?」

 ……なに馬鹿なこと言い合ってんだから、あいつらは。
 せっかく最高に気持よくイききった余韻に浸っていたってのに、全部吹っ飛んじまったじゃねぇかよ。

「まったく……ふふっ……っと!」

 笑いそうになるのを堪えていたら、二人がこっちに戻ってきそうなことを言い始めたので、あたいも大急ぎでテントの寝床に戻った。
 毛皮を頭から引っ被って丸まったところで、テントの入り口がごそごそと音をさせて、アンが戻ってきたのを教えてくれる。

「……」

 アンがこちらの様子を窺っている気配。
 起きているって、ばれたのか……いや、ばれるはずがねぇ。あたいの寝たふりは完璧だ。

「お姉ちゃん」
「……」

 もう少しで、びくっと身震いしてしまうところだった。でも堪えた。大丈夫、バレねぇ。バレてねぇ。

「お姉ちゃん……覗くのはいいけど、次からはもっと声を抑えてね」
「――ッ!?」

 思わず全身をビクッと突っ張らせちまった。確実に起きているってバレたけれど、いまは姉として見せられる顔になってないので、引っ被った毛皮をそのままに、白々しい寝たふりを続けた。

「あ、そうだ」

 アンはあたいの隣で横になりながら、思い出したように言う。

「ロイドさんは気づいてなかったみたいだから安心してね」
「……」
「じゃ、おやすみ。お姉ちゃん」

 アンは言うだけ言って、すぐに寝息を立て始めた。ロイドのをしゃぶって、ストレス解消できたってわけだ。

 ……ってか、ロイドのやつ……派手にしゃぶっていたアンが気づくくらいバレバレだったあたいの気配に気がつかないほど、アンにしゃぶられるのは気持よかったってわけかい。べつにいいんだけど、なんだかムカつく。
 姐さんが帰ってきたら、あたいもの上手なしゃぶり方、教え直してもらおうかな……って、べつにロイドのをしゃぶるために教わるんじゃなくて、姉としてアンに負けないようにしておきたいってだけだからな。勘違いするんじゃねぇぞ、いいな!

 ……なんであたい、夜も遅くに眠りもしないで、自分で自分に文句を言っているんだか。ああ、早く寝よ寝よ。

 覗きがバレていたことをバラされたりで悶々としていたせいで眠れるか心配だったけれど、いざ目を瞑ると、深いクリ絶頂でイき疲れしていた身体はすんなりと眠りに落ちていった。

    ●    ●    ●

 翌朝になってからアンに言われて思いだしたことだけど、洞窟近くは毎晩、ゴブリンたちが持ちまわりで不寝番をやっているのだった。
 アンとロイドはそのことを覚えていながら、あんなことを致していたというわけだ。

「……え、お姉ちゃんは見られてドキドキするの楽しくないの?」

 二人で朝食を作りながら再発見したのは、あたいの妹が日に日に姐さんっぽくなっている、ってことだった。
 ……良いことだな、うん。
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