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天上の華界 篇

散らされる清らかな女神と烈情の最高神

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兄神華王あにがみかおう以外は、訪れる者がいない御殿ごてんの最奥にある美しい〈奥宮おくみや〉は、妹神いもうとがみの為だけに建てられている。

誰も訪れる者がいないのは、故意こいにそうされているとも。

最高神華王かおうが在する御殿ごてん内の〈奥宮おくみや〉は、妹神いもうとがみ彩華さいかが知らないだけで「禁域きんいき」とされ、すでに暗黙のうちに周知には知れ渡っている。

そこが住まいとされる妹神いもうとがみ彩華さいかの寝所に訪れる事が許されているのは、兄神華王あにがみかおう側仕そばつかえの花精かせいのみ。

よいも深まれば、側仕そばつかえさえも引き払った〈奥宮おくみや〉の寝所には、彩華さいかただ一人が残され、静かな夜を過ごす。

ーだが、今はー……。


ともされた燭台しょくだいほのかな明かりが、二つの影を映し出す。

寝台をおおう薄いれ幕の中では、妹神いもうとがみ彩華さいかが裸体にさらされ、兄神華王あにがみかおうに組み敷かれている。

「……兄神あにがみ様……どうしてー……こんな……」

震える声で告げる妹神いもうとがみ彩華さいか。その首筋へと口付ける兄神華王あにがみかおう

「ーどうして? それこそ愚問ぐもんだ。われいとしい彩華さいかー……」

「……あっ!」

その刹那せつな妹神いもうとがみ彩華さいかの首筋には痛みが走る。そこに残されるのはあか花弁はなびら

そして首筋から胸元へと唇を這わせて行く兄神華王あにがみかおうは、愛する妹神いもうとがみ彩華さいかなめらかな柔肌やわはだへと幾つものあか花弁はなびらを散らして行く。

「おまえはわれのものだー……生まれいでた時より、ずっとわれだけのはなー……そしてー」

兄神華王あにがみかおうは、この上なく美しい笑みをたたえる。

「……あっ、ああっ……! あに、が……み、さま……」

妹神いもうとがみ彩華さいかの美しい裸体が強張こわばる。

それもそのはず。

兄神華王あにがみかおうのすらりとした指が、妹神いもうとがみ彩華さいか無垢むくつぼみへとし込まれ、そのまま内壁ないへきこするように穿うがたれる。

「あっあっ……ああっ……やぁ、兄神あにがみ様ー……熱い……熱いのー……はっ、あぁ……!」

ふふっ……たのしげに笑みをこぼ兄神華王あにがみかおうは、おのれの指に塗られた媚薬びやくごと無垢むくつぼみを犯す。

妹神いもうとがみ彩華さいかのそこは、かつて味わったことのないうずきを感じ、幾度も指で穿うがたれれば、もはや意思とは関係なしに、かぐわしい香りと共に、おのこを惑わす甘いみつをとろりとろりとあふれさす。

「……いやっ、あっ、あっ、ああっー……兄神あにがみ様ー……いやぁ、何がー……」

下腹部が熱を持ち、何かがあふれだす感覚に身悶みもだえる妹神いもうとがみ彩華さいか

「ふふっ……良い子だ、彩華さいかー……もはやあらがうな。おまえの全てはわれのものー……おまえの美しい身体からだは、何人なんびとたりとも触れさせはしない」

兄神あにがみ、様ー……どう、してー……いけません……この様な、こと……」

「何がいけない? 此処ここではわれこそがおきてー……それにおまえはわれの為に生まれたはな……われだけがでるべきはな……ふふっ、彩華さいか、おまえがいけないのだよー……おまえをいとおしむわれを裏切り、他の男神おがみしたいなどと言うとはー……われを苦しめて楽しいかー……彩華さいか?」

目の前にいるのは、いつもの優しい兄神華王あにがみかおうではなく、ただの悋気りんきに湧く男神おがみ

それ程に兄神華王あにがみかおうに想われていた事に、妹神いもうとがみ彩華さいかは思いもよらない。その一方で、みずからも兄神あにがみ恋情れんじょういだいていたのも確かな事実。

ーしかし、今この時は喜びよりも恐ろしさがまさる。

いつもとは明らかに違う様相ようそう兄神華王あにがみかおう。その狂気じみた欲情混じる相貌そうぼうが、清らかな妹神いもうとがみ彩華さいかおののかせるは充分。

「……そんなっ! まさか、その様な事はー……兄神あにがみ様を苦しめるだなどとー……兄神あにがみ様こそ華妃かひ様とー……うっ、うぅっー」

突如とつじょ奪われるように塞がれる唇。

いで、そのまま強引に舌を差し込まれ、ぬちゅぬちゅと口内を蹂躙じゅうりんされれば、妹神いもうとがみ彩華さいか無垢むくつぼみからは、さらなる甘いみつがどろりとしたたる。そしていまし込まれる兄神華王あにがみかおうの指へと絡み付く。

「……嗚呼ああっ、彩華さいかー……これ程にわれを感じてくれているとは、おまえはまことに愛らしいー……ふふっ、その無垢むくはなを散らすのもわれの役目ー……ああっ、どれほどにおまえをけがしたいと思っていた事かー……」

ゆがんだ微笑ほほえみを向ける兄神華王あにがみかおう

(……これが、これが本当に兄神あにがみ様なの……?)

この状況が理解出来ないでいる妹神いもうとがみ彩華さいか鼓動こどうが、しきりに早鐘はやがねを打つ所為せいで、豊かな乳房ちぶさ隆起りゅうきする。

「ふふっ、われの真心をもてあそ彩華さいかはいけない子だー……仕置しおきの為にも、この身体からだにはわからせないといけない。おまえがいったいであるかをー……」

「……兄神あにがみ様……?」

美しい黒曜こくようの髪を敷布しきふ一面に広げさせ、光彩こうさいの瞳には美しい涙をあふれさせる妹神いもうとがみ彩華さいか

最高神華王かおうと同じ容貌ようぼうの美しい女神彩華さいか

いとおしむべき美しいはな

いとしい彩華さいか、今からおまえを奪うー……おまえはわれのものだー……われは決しておまえを手放しはしないー……」

云うが早いかー。

躊躇ためらいなく、一気に妹神いもうとがみ彩華さいか無垢むくつぼみを散らす兄神華王あにがみかおうに容赦はない。

「あっ、あっ……あっー……きゃぁああああっ……!」

みちみちとはらの中をかれる様な痛みに、絶叫を上げる妹神いもうとがみ彩華さいか

最早もはや妹神いもうとがみ彩華さいかまたの間には、兄神華王あにがみかおうの荒ぶる男根おとこねが、しかと打ち込まれている。

あとは、ただちるのみ。

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