【R-18】一夜の奇跡は仮面舞踏会から

ゆきむらさり

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本編

皇家と王家の和やかな歓談

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※少し短めです。




* * * * * * * * * *


皇帝アレクシスが統べるルーカニア帝国の皇都は、皇帝夫妻の婚儀を祝う人々のおかげで、今だにお祭り騒ぎ。

いつの時代でも明るい話題は、人々の心をなごませる。




* * * * * * * * * *


壮大な皇城。

そうしたお祝いに湧く最中さなか

皇城の貴賓室では、祝いに駆け付けたブレイディ王国の国王レナルドと王妃アラナが、皇帝アレクシスと皇后セレーナの歓待を受け、此方こちらも終始なごやかな時間ときを過ごしている。

貴賓室の長椅子には、美しいアラナ母娘おやこが横並びに座り、仲睦まじい様子が微笑ましい。

「お母様……セレーナはお母様に再びお逢い出来て幸せです。よくご無事で……! 神のご加護に感謝致します。お母様……セレーナは変わらずお母様が大好きです」

満開の花のように美しい笑みを浮かべ、王妃アラナの胸へと抱き付く皇后セレーナ。その腕は背中へと回され、離れようとはしない。まるで、幼子おさなごが母を恋しがり甘えるようにも見える。

互いに安息を得た母娘おやこの穏やかな時間ときは、見守る皇帝アレクシスと国王レナルドの心もなごませる。

「可愛い可愛いの私のセレーナ……いつの間にかこれ程の美姫に育ち、母は嬉しいわ。貴女あなたは私の誇りよ、愛するセレーナ。大切な私の娘セレーナ……誰よりも深く深く貴女あなたを愛しているわ」

甘える皇后セレーナをぎゅっと抱き締め返す王妃アラナ。その王妃アラナを見つめる夫君ともする国王レナルド。

「アラナの一番は私のはずだが……」

思わず零す国王レナルド。

王妃アラナを愛してやまないせいで、王妃アラナを情愛し、意外にも心が狭いのか、常に己れを一番に想って欲しいところが垣間見える国王レナルド。

いとしい王妃アラナは

美しいアラナ母娘おやこを見守る国王レナルドは、己れの愛する妃の言葉には敏感。その様子の国王レナルドに、思わず苦笑する皇帝アレクシスも「セレーナこそ私の宝!」と存外に嫉妬深い。

要は、互いに己れの美しい伴侶が「いとおしくて仕方がない」両陛下がいる。

「可愛い私のセレーナ、貴女あなたこそ今日こんにちまで無事で良かった! 本当に良かったわ、私のセレーナ……!」

互いに抱き締め合い、涙ぐむ王妃アラナ母娘おやこ

やはり母娘おやこの情は、永き時を離れていたとしても変わる事はなく、引き離されていたからこそ、余計に互いを求め会う。

「美しい母娘おやこ愛ですね、レナルド陛下……」

「ああっ、まさにな。愛するアラナの喜ぶ顔をこうして見ることができ、まさに貴殿には感謝しかない。アラナの喜びは私の喜びでもある。それにセレーナもアラナに似て美しい。さすがは私の義娘むすめだ!」

「当然ですよ、レナルド陛下。私のセレーナは誰よりも美しい。おまけに慈悲深く、心根さえも素晴らしいともする后です。その母ともするアラナ妃が美しいのは当然のことです」

「それを云うなら、私のアラナも誰よりも心根の美しいおなごだ」

互いに酒盃を煽りながら、両陛下共に己れのいとしい伴侶を褒め讃えては一歩も引かず。

こうして穏やかな時を過ごす両皇家と王家。

その後は豪華な晩餐を終え、互いの美しい伴侶きさきを伴い、甘く秘めやかな夜を迎える。



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