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水の王国メーリル 篇

別邸に囲われる男娼の歪んだ心と暴挙

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※R描写があります。




* * * * * * * * * *


人の出入りの少ないメーリル大公爵家の豪華な別邸。

其処そこには、外鍵そとかぎの掛けられた居室きょしつが存在し、メーリル大公爵当主らの欲情を受け止める為の愛玩物あいがんぶつとも云える「名も無き男娼だんしょう」が〈隷属れいぞくの契約〉のもとに、足枷あしかせをされた状態で飼われている。

貧しい生い立ちの男娼だんしょうには、此処ここでの贅沢ぜいたくな暮らしにさしたる不満もない。ーむしろ、男娼だんしょうとして囲われている事を至福しふくに思うほど、此処ここでのつとめとされる「夜伽よとぎ」がもたらす悦楽えつらくに溺れている。

一度でも淫欲いんよくとりことなりちれば、その欲情にはあらがえない。

いなあらがわない。




* * * * * * * * * *


メーリル大公爵家に囲われる男娼だんしょうには、夜伽よとぎの相手される当主らの一切いっさいの素性は知らされていない。尋ねる事すら許されない。

それでも夜伽よとぎの相手が、かなりの高位身分の持ち主である事は、漂う気品や優雅ゆうが物腰ものごし、そして常に尊大そんだいな態度で接する事から、貧しい生い立ちの男娼だんしょうの彼にも、ある程度は察しがつく。

おまけに与えられた湯殿ゆどの付きの豪華な居室きょしつに加え、そろえられている見事な調度品の数々からも容易よういうかがい知れる。

今宵こよいも欲情にうずく僕の身体からだいだいて欲しいー……あの雄々おおしい肉棒で僕の淫孔ここを激しく激しく貫いて欲しいー……嗚呼ああっ!」

思い出しては想像するだけで、男娼だんしょうたかぶる肉棒の先端からは、どろりとした白濁汁はくだくじるしたたり落ちる。軽く肉棒をしごけば、益々ますますふくれ上がる生々しい肉棒。

寝台に横たわる男娼だんしょうの手の動きがはやまる。そして淫孔いんこうには、必ず太い淫具いんぐをぬちゅりとし込み、恍惚こうこつと顔をゆるめる。

「あっ、あっ……良い、良いー……もっと、もっとー……!」

更にはやまる律動りつどう

「あっ、ああっ! いくいくいく……あっ、ああっー……」

自慰じいふけ男娼だんしょうの肉棒の先端からは、びゅるびゅると生温かな白濁汁はくだくじるほとばしる。

みずからの自慰じいで果てる男娼だんしょうは、「今宵こよいこそはー……」と心待ちにする。




* * * * * * * * * *


別邸での夜伽よとぎ

いつともなしに訪れる雄々おおしくも見目麗みめうるわしい貴公子らから、夜伽よとぎに召される事を心持ちにするほどに、もはや男娼だんしょう身体からだ淫欲いんよくへとちているのは明らか。

それこそ自分の身がおなごであれば、当主らの御子おこを「はらみたい!」との叶わない願望さえもうちに秘めている男娼だんしょうは、これまで一度として、その身に当主らの欲情の白濁汁はくだくじるを受け止めた事がない。

彼らは男娼だんしょう淫孔いんこうにも口内にもいっさい種をかない。


日々の夜伽よとぎでは、美貌びぼうの当主らは、二人がかりで男娼だんしょうを攻め立てる。

一人がたぎ肉杭にくくいで、男娼だんしょう後孔こうこうをずぶずぶと犯せば、もう一人は男娼だんしょうの口内へとふくれ上がる肉杭にくくいを突きし、幾度も抜きしを繰り返しては口淫こういんさせる。

ーただ、やはり欲情の白濁汁はくだくじる男娼だんしょうには与えず、当主ら同士で互いの口内や淫孔いんこうへと欲情の白濁汁はくだくじるを注ぎ込む。

少なからず、男娼だんしょうが不満をいだいている事は確か。

加えて最大の不満が、この数週間の間、当主らが男娼だんしょうの元を訪れる事がいっさい無くなったこと。


「どうしてー……! どうして来て下さらない! 僕の淫孔ここは犯されたいとこれ程にうずいているのにー……どうしてー……!」

発散出来ない欲情のたかぶりが、名も無き男娼だんしょう苛立いらだたせる。

気性激しく、手当たり次第に置かれている調度品を投げ付ければ、日々の世話をする侍女へと当たるも、ただ震えては黙々と片付ける侍女が余計にしゃくに触る。

文句の一つ立てない侍女。口が聞けないのだから当然までも、そのおどおどとおびえた様子が男娼だんしょう苛立いらだたせる。

そしてその矛先ほこさきが、まさに日に二度ほど手伝いに訪れる口の聞けない侍女へと向かう。

「何を見ているーーー!」

足枷あしかせまりながらも、居室きょしつ内であれば自由がきく長さの足枷あしかせくさり。思わず侍女の面前へと行けば人睨ひとにらみする男娼だんしょう。そして再び寝台へと戻る。

慌てて寝台を整える侍女に、男娼だんしょうが口を開く。

「ねぇ? 君は夜伽よとぎに訪れないあの方々の理由を知っている?」

一瞬だが瞳をらす侍女は、大なり小なり理由は知っていると自分から公言しているようなもの。

不敵な笑みを浮かべる男娼だんしょう

咄嗟とっさに恐ろしい行動に出る。

男娼だんしょうに罪悪感はない。



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