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海の王国編
秘匿の王国とただのアリーヤ
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※序章の為、かなり短めの回となります。
* * * * * * * * * *
愛する者ディランに連れられ、彼の国である海の王国メーリンへと去った王妃アリーヤ。
愛するディランと共にあることこそが、王妃アリーヤの幸せというなら、そこに後悔などがあるはずもなく、今のアリーヤはきっと至福に包まれている。
ディランの統べる王国は、四方を穏やかな海に囲まれた中に存在し、まさしく海の秘境とも。
陸にアメジスト王国やクラウン王国のように二つの大国や様々な小国が存在するように、実は海上にも小さいながらも王国メーリンが存在する。
外界からは遮断されるように王国自体を強力な結界で覆われた其の国は、陸の人々が知ることのない秘匿の王国。当然ながら王妃アリーヤも其の王国の存在すら知らない。ましてや、ディランが何者なのかさえも知らない。だが、そのような事は瑣末なこと。
だだ、愛する人と共に居られる今があるなら、ディランがディランであるなら、それこそが王妃アリーヤには真実であり喜びと云える。
* * * * * * * * * *
今はディランの豪華な寝所に匿われ、柔らかな敷布に包まれながら安穏の眠りに就いている王妃アリーヤ。寝台の傍らには、ディランが椅子へと腰掛け、王妃アリーヤの寝顔を嬉しそうに見つめている。
図らずもディランにより、自身の死を偽装された王妃アリーヤの今は、もはやクラウン王国の王妃でもなければ、アメジスト王国の王女ですらない。
今ではただのアリーヤ。
ディランを愛する一人の娘。
これまで辛い人生を送って来た不遇の王妃アリーヤだからこそ、あとはひたすら幸せになるのみ。
約束された至福の未来が待つ。
まさしく、それは疑いようのない事実。
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愛する者ディランに連れられ、彼の国である海の王国メーリンへと去った王妃アリーヤ。
愛するディランと共にあることこそが、王妃アリーヤの幸せというなら、そこに後悔などがあるはずもなく、今のアリーヤはきっと至福に包まれている。
ディランの統べる王国は、四方を穏やかな海に囲まれた中に存在し、まさしく海の秘境とも。
陸にアメジスト王国やクラウン王国のように二つの大国や様々な小国が存在するように、実は海上にも小さいながらも王国メーリンが存在する。
外界からは遮断されるように王国自体を強力な結界で覆われた其の国は、陸の人々が知ることのない秘匿の王国。当然ながら王妃アリーヤも其の王国の存在すら知らない。ましてや、ディランが何者なのかさえも知らない。だが、そのような事は瑣末なこと。
だだ、愛する人と共に居られる今があるなら、ディランがディランであるなら、それこそが王妃アリーヤには真実であり喜びと云える。
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今はディランの豪華な寝所に匿われ、柔らかな敷布に包まれながら安穏の眠りに就いている王妃アリーヤ。寝台の傍らには、ディランが椅子へと腰掛け、王妃アリーヤの寝顔を嬉しそうに見つめている。
図らずもディランにより、自身の死を偽装された王妃アリーヤの今は、もはやクラウン王国の王妃でもなければ、アメジスト王国の王女ですらない。
今ではただのアリーヤ。
ディランを愛する一人の娘。
これまで辛い人生を送って来た不遇の王妃アリーヤだからこそ、あとはひたすら幸せになるのみ。
約束された至福の未来が待つ。
まさしく、それは疑いようのない事実。
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