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紡ぎ編
2.好くウイスキー
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「ん~~~~っまい!!」
フォークとナイフを手に持ったロイが目を閉じて幸せにじんわりと浸る。
「ほんとに美味いな……」
息を漏らし、感慨深く呟くレウと視線を合わせて頷く。
アミューズやマリネなどは「冷蔵庫積んでんのか」「なんで他の列車でもやらないんだ」「最近は庶民向けの列車でもあるよ。今の軍部ってそんなに予算削減されてるんだね」といった話がされた。
だが、澄んだコンソメのスープを一口飲んだエディスが笑顔になり、「美味しい」と言うと給仕していたウェイトレスの足取りが軽やかになった。
一体なにが起こっているのかと首を捻っていると、パンとサフランやシナモン、胡椒なんかの香辛料と煮込まれた牡蠣が出てきたので思わず彼女の顔を見るとにこりと微笑まれた。
普段神殿で粗食ばかり出されているロイが「こんな豪華な食事、初めてだ」と涙を流しかねない様子で言ったので意識が削がれる。
「……これ、コース料理じゃないのか」
「やっぱりそうだよな」
格式や食事マナーに気を払わなければいけない状況だが、ウェイトレスの視線から考えるになんとか全員及第点以上は取れているのだろう。
レモンウイスキーを使ったシャーベットを口にしたレウがほんの少し上がった口角を隠そうとしたので、自分の分を彼の前に置くとすかさずウェイトレスが新しいのを持ってくる。
「よければお召し上がりください」
感謝を口にしてシャーベットを掬うと「エディー、これアルコールがきいてるから気を付けてね」とギールから注意が跳んでくる。
それにレウが訝し気に見ていると、ギールは涼し気な顔で「エディーはお酒苦手だよ。どこかの誰かさんは知らないでたくさん呑ませたみたいだけど」と言ってシャンパンが入ったグラスを手に取った。これから任務なので酒を嗜んでいるのはギールだけだ。用意された物を誰も手にしないよりは、酔えない自分ならと引き受けてくれたのだ。
「……え?」
落とされた呟きに、エディスはギールを窘める。別に飲めないわけではないのだから。まだ飲める量が分からないだけだ。
けれど、レウは申し訳なさそうに眉を寄せる。その顔はどうして言わなかったのだと物語っており、エディスは気まずくなり小さなグラスを見下ろした。
「僕はちゃんと聞いたよ。エディーにお酒の味を教えたのは僕の親友だからね」
「ティーンス大佐と食事に行った日か」
聞いておくべきだったなと苦み走った顔をするレウに、エディスは意を決して顔を上げる。
「……悪いと思うなら、食べるの手伝ってくれよな」
一口だけ手をつけてから、もう一匙掬って腰を上げる。ほらと促すと、ほんの少し躊躇ってから開かれた口の中にスプーンを差し入れた。
つるりと形のいい唇から抜け出たスプーンでもう一度薄黄色のゼリーを掬う。あ、と今度は自分から口を開けたレウを見ながら、普段とは逆だななどと思いつつも食べさせる。
「普段は俺がアンタに食べさせてるのにな」
笑ったレウにエディスはほっと息を吐きながら「お前もそう思った?」と笑う。完食したグラスを引取りに来たウェイトレスに「折角勧めてくれたのに一口だけで悪いな」と眉を下げると、彼女はふんわりと柔らかく笑うだけに留めてくれる。
肉をあまり好まないエディスにはフィッシュパイ、子羊のロティが運ばれてきた。一人だけメニューをアレンジしてくれたことに礼を述べると、ウェイトレスはエディスに顔を寄せて耳打ちしてくる。
「次はシェフ渾身の品ですので、お楽しみに」
「肉料理の次って……」
「アンタの好物だ」とレウに言われ、エディスは野菜かと頬を緩ませた。
「エドワード様から、野菜が好きだとお聞きしております」
どこまでも優しい義弟の気遣いが嬉しく、な地に立候補した彼のことを想う。
「心配か?」
「そりゃあ……でも、大丈夫だ。彼女は強いから」
「能力者って女性だったんですか」
だとしたらと考えるロイを見て、ギールが口元だけで笑う。北の作戦を考えていたエディスに、通信機で必ず味方になってくれると教えてくれたのはこの男だ。実際、提案を一も二もなく引き受けてもらえた。
「エディス様、作戦のことは全部食ってからな」
難しい話をされると折角の美味い飯が喉を通らなくなるとレウに苦り切った顔をされ、すでに頭がそればかりになってきていたエディスは分かったよと魚を飲みこむ。
つやつやとしたゼリーの海に、サーモンが泳いでいる。テーブルの上に置かれた皿を見て、左から「まるで花畑みたいだね」なんて声が聞こえた。
夏キャベツにくるまれたオクラとヤングコーンの断面が花のように見える。すうっとナイフを滑らせて切り分けた一欠けらを口に運んだエディスは、その瑞々しさに息を吐いた。
「……今日一番の品だな」
くすりと笑われ、ウェイトレスが「シェフが喜びます」と首を動かす。
「ところで、アンタの雇い主は誰なんだ」
淡々と訊ねると、彼女はまたもや微笑む。すぐに背中を向けたがその感情のぎこちなさ、体内に不順に流れる魔力に違和感が生じる。
エディスが立ち上がろうとしたのを声を掛けることで押さえ込み、ギールが立ち上がった。
「おい……?」
彼は足音を絨毯に染みこませ、ウェイトレスの背後まで行くとその頭を手で挟みこむ。エディスが声を掛ける隙もなく手を捻ったギールを見て、ロイが悲鳴を上げて腰を上げた。椅子を倒して駆け寄ろうとする彼の手をエディスが掴む。
「王子、離し」
「人間じゃない」
硬い声色で一言だけ告げ、首を振るとロイは呆然とギールの方に顔を向ける。こちらに振り返ったギールの手にあったのは、女性の首だ。だが、その首から垂れているのは血ではなく金属で出来たコードだ。
「へえ……っ!? え、どういう」
動揺するロイが体を引いてテーブルに腰をぶつける。レウも血相を変えて立ち上がるが、こちらは声も出ない様子だった。
冷静に見つめるエディスの前で、女性の体と頭部はそれぞれ丸まり、平坦になり、やがて二つの封筒へと姿を変える。頭部だった封筒を開け、中の手紙を読んだギールはそれをエディスの方へと向けた。
「ようこそボステルクへ。修理代は王子にツケておこうだってさ」
エディスは立ち上がり、こっちはなんだろうねと言いながら手紙を拾うギールから封筒を奪う。表面を見て「俺宛てだ」と言って胸元に入れ込む。
「ギール、やっぱりお前は魔物なんだな」
「人の心が分からないから?」
それでも僕は僕だと笑う男にくれてやる言葉などなく、エディスはテーブルの傍で愕然としている部下の方へと向き直り「作戦を伝える」と告げた。
フォークとナイフを手に持ったロイが目を閉じて幸せにじんわりと浸る。
「ほんとに美味いな……」
息を漏らし、感慨深く呟くレウと視線を合わせて頷く。
アミューズやマリネなどは「冷蔵庫積んでんのか」「なんで他の列車でもやらないんだ」「最近は庶民向けの列車でもあるよ。今の軍部ってそんなに予算削減されてるんだね」といった話がされた。
だが、澄んだコンソメのスープを一口飲んだエディスが笑顔になり、「美味しい」と言うと給仕していたウェイトレスの足取りが軽やかになった。
一体なにが起こっているのかと首を捻っていると、パンとサフランやシナモン、胡椒なんかの香辛料と煮込まれた牡蠣が出てきたので思わず彼女の顔を見るとにこりと微笑まれた。
普段神殿で粗食ばかり出されているロイが「こんな豪華な食事、初めてだ」と涙を流しかねない様子で言ったので意識が削がれる。
「……これ、コース料理じゃないのか」
「やっぱりそうだよな」
格式や食事マナーに気を払わなければいけない状況だが、ウェイトレスの視線から考えるになんとか全員及第点以上は取れているのだろう。
レモンウイスキーを使ったシャーベットを口にしたレウがほんの少し上がった口角を隠そうとしたので、自分の分を彼の前に置くとすかさずウェイトレスが新しいのを持ってくる。
「よければお召し上がりください」
感謝を口にしてシャーベットを掬うと「エディー、これアルコールがきいてるから気を付けてね」とギールから注意が跳んでくる。
それにレウが訝し気に見ていると、ギールは涼し気な顔で「エディーはお酒苦手だよ。どこかの誰かさんは知らないでたくさん呑ませたみたいだけど」と言ってシャンパンが入ったグラスを手に取った。これから任務なので酒を嗜んでいるのはギールだけだ。用意された物を誰も手にしないよりは、酔えない自分ならと引き受けてくれたのだ。
「……え?」
落とされた呟きに、エディスはギールを窘める。別に飲めないわけではないのだから。まだ飲める量が分からないだけだ。
けれど、レウは申し訳なさそうに眉を寄せる。その顔はどうして言わなかったのだと物語っており、エディスは気まずくなり小さなグラスを見下ろした。
「僕はちゃんと聞いたよ。エディーにお酒の味を教えたのは僕の親友だからね」
「ティーンス大佐と食事に行った日か」
聞いておくべきだったなと苦み走った顔をするレウに、エディスは意を決して顔を上げる。
「……悪いと思うなら、食べるの手伝ってくれよな」
一口だけ手をつけてから、もう一匙掬って腰を上げる。ほらと促すと、ほんの少し躊躇ってから開かれた口の中にスプーンを差し入れた。
つるりと形のいい唇から抜け出たスプーンでもう一度薄黄色のゼリーを掬う。あ、と今度は自分から口を開けたレウを見ながら、普段とは逆だななどと思いつつも食べさせる。
「普段は俺がアンタに食べさせてるのにな」
笑ったレウにエディスはほっと息を吐きながら「お前もそう思った?」と笑う。完食したグラスを引取りに来たウェイトレスに「折角勧めてくれたのに一口だけで悪いな」と眉を下げると、彼女はふんわりと柔らかく笑うだけに留めてくれる。
肉をあまり好まないエディスにはフィッシュパイ、子羊のロティが運ばれてきた。一人だけメニューをアレンジしてくれたことに礼を述べると、ウェイトレスはエディスに顔を寄せて耳打ちしてくる。
「次はシェフ渾身の品ですので、お楽しみに」
「肉料理の次って……」
「アンタの好物だ」とレウに言われ、エディスは野菜かと頬を緩ませた。
「エドワード様から、野菜が好きだとお聞きしております」
どこまでも優しい義弟の気遣いが嬉しく、な地に立候補した彼のことを想う。
「心配か?」
「そりゃあ……でも、大丈夫だ。彼女は強いから」
「能力者って女性だったんですか」
だとしたらと考えるロイを見て、ギールが口元だけで笑う。北の作戦を考えていたエディスに、通信機で必ず味方になってくれると教えてくれたのはこの男だ。実際、提案を一も二もなく引き受けてもらえた。
「エディス様、作戦のことは全部食ってからな」
難しい話をされると折角の美味い飯が喉を通らなくなるとレウに苦り切った顔をされ、すでに頭がそればかりになってきていたエディスは分かったよと魚を飲みこむ。
つやつやとしたゼリーの海に、サーモンが泳いでいる。テーブルの上に置かれた皿を見て、左から「まるで花畑みたいだね」なんて声が聞こえた。
夏キャベツにくるまれたオクラとヤングコーンの断面が花のように見える。すうっとナイフを滑らせて切り分けた一欠けらを口に運んだエディスは、その瑞々しさに息を吐いた。
「……今日一番の品だな」
くすりと笑われ、ウェイトレスが「シェフが喜びます」と首を動かす。
「ところで、アンタの雇い主は誰なんだ」
淡々と訊ねると、彼女はまたもや微笑む。すぐに背中を向けたがその感情のぎこちなさ、体内に不順に流れる魔力に違和感が生じる。
エディスが立ち上がろうとしたのを声を掛けることで押さえ込み、ギールが立ち上がった。
「おい……?」
彼は足音を絨毯に染みこませ、ウェイトレスの背後まで行くとその頭を手で挟みこむ。エディスが声を掛ける隙もなく手を捻ったギールを見て、ロイが悲鳴を上げて腰を上げた。椅子を倒して駆け寄ろうとする彼の手をエディスが掴む。
「王子、離し」
「人間じゃない」
硬い声色で一言だけ告げ、首を振るとロイは呆然とギールの方に顔を向ける。こちらに振り返ったギールの手にあったのは、女性の首だ。だが、その首から垂れているのは血ではなく金属で出来たコードだ。
「へえ……っ!? え、どういう」
動揺するロイが体を引いてテーブルに腰をぶつける。レウも血相を変えて立ち上がるが、こちらは声も出ない様子だった。
冷静に見つめるエディスの前で、女性の体と頭部はそれぞれ丸まり、平坦になり、やがて二つの封筒へと姿を変える。頭部だった封筒を開け、中の手紙を読んだギールはそれをエディスの方へと向けた。
「ようこそボステルクへ。修理代は王子にツケておこうだってさ」
エディスは立ち上がり、こっちはなんだろうねと言いながら手紙を拾うギールから封筒を奪う。表面を見て「俺宛てだ」と言って胸元に入れ込む。
「ギール、やっぱりお前は魔物なんだな」
「人の心が分からないから?」
それでも僕は僕だと笑う男にくれてやる言葉などなく、エディスはテーブルの傍で愕然としている部下の方へと向き直り「作戦を伝える」と告げた。
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