漫画の中の女神と恋をした。

突如世界が繋がった2人

　高校に行く必要もない無い土日の昼間に、自分の部屋でのんびりとくつろぐ俺は、昨日本屋で大人買いしてきた漫画を開いた。

　「100日後に無くなる世界で」

　どんな内容かすらも分からないままに読み進めた。

　「意外と異世界系の漫画なんだな…」なんて一人言をつぶやきながら、1枚1枚ページをめくっていくと、心臓を押しつぶされるほどの美貌を持った少女がページ全体に描かれていた。

　この少女がこの漫画の主人公なのだろう。肩にギリギリ触れるような黒髪。少しくしゃっとした目元。不思議なオーラと笑顔を醸し出す少女を、俺は数十秒見つめていた。

　「こんな子が現実にもいればな…」

　一瞬自分の発言に気持ち悪さすら感じたものの、何の前ぶりもなく少女の頭を撫でるように擦った。そして、タイミングを合わせるかのように強烈な音と共に部屋中が煙だらけになった。

　「え。…いったいなにが。」
　喉から息を吐き出すようにしていた咳はぐっと抑え込まれ、俺は自分の目の前に起きた事件に意識が奪われた。

　こんなことありえるのだろうか。

　現実か夢かも分からなくなるほどに、混乱に陥っているだろう。
　なぜ、さっきまで絵の中にいた君が…

　「え、え！？わたしに何が起きたのですか？」
　きっと俺と同じように驚いた表情をしているのだろう。困惑した振る舞いで大きな声をあげる少女が視線の先に立っている。

　漫画の中にいたその少女が…