7 / 12
7. ゆうくん
しおりを挟む
彼の靴を脱がせるのは、僕の役目だ。
「父さん、ありがとぉ」という、その笑顔のためなら僕はなんだってする。
「ゆうくん、どうしたのかな。しょんぼりさんだ」
ところが今日は少し違った。父さん…ありがと。そんな弱々しい声を出すのだ。
よしよしと彼の頬を撫で、目に、鼻に、口にと唇を落としてゆく。今日の天使はどこか浮かない様子だった。
「父さん…怒ってないの?」
恐る恐る、といった具合でこちらをうかがう彼に、僕はにこりとほほえみ返す。
「父さんが?どうして」
「だって…他の人には内緒だよって父さんに言われたことを、しゃべっちゃいそうになったから…」
ごめんなさい、と彼はしょぼくれてしまう。それが捨てられた子犬に見え、僕は拾い上げるようにして抱きしめた。何を言うのかと思えば…だ。
「でも、言わなかったじゃないか。偉いね。父さんはとっても嬉しいよ…ゆうくんは良い子だ」
「本当?」
「うん、本当だよ。だからね…その内緒のことを今からしよう。ねぇ、いいだろう?」
期待の眼差しで彼を見つめる。すると彼は、「ぁぅ…っ…ま、またするの?おれ、恥ずかしいよぅ…」と顔を真っ赤にして目を伏せた。僕の身体の芯は、すでに熱を噴き上げていた。
「父さんはね、恥ずかしがっているゆうくんが大好きなんだ」
「…本当?」
「もちろん。でもね、甘えん坊なゆうくんも大好き」
「どっちがいいの」
どっちもだよ。じゃあ、父さんと仲良ししようか。
ひょいと担いでお姫様抱っこ。ベッドを目指し、のっしのっしと彼を運んで行く。気分はさながら王子様だ。
「姫、生まれたての姿にしてあげまちゅからね」
生まれたてのお姫様は、ベッドの上でもじもじしながら三角座り。おむすびケースに入れてよしよししたい。
それで、海苔を巻いてかぶりつこうとしたら、「た、食べないでぇ~」って泣かれたい。たっ、食べないよっ。
…はっ。
そうやって僕がニヨニヨしていたら、クスクス笑う彼と目が合った。ど、どうしたんだろう。
「父さん…あはは、変な顔」
「えっ」
そんなに…?ちょっと、ショック。気分だけは王子様のつもりだったんだけど。
「ぷっ、裸の王様だよぅ」
「こら」
けらけら笑って、すっかり気分は台無しに。僕のお腹をつついては、「あんぱんみたいだね」などと軽口を叩くから、うがぁっと僕は襲いかかった。あははっ、父さん重いよぉ……
ゆうくん…楽しそうだな。まぁ、たまにはこういうのも…いいか。
・
・
・
『違うよぉ 由貴くん、これは親子のコミュニケーションさ…そんなお口の利き方、しちゃいけませんよぉ』
彼はこう言った。お父さんになって欲しい、と。僕は少し考えて、彼がそう望むなら… と父のように愛そうとした。
でも、酷い言葉を浴びせられてしまったんだ。
『い゛う゛ッァッ ひっ ンンッ イ゛ッ゛ぃいッ!!』
ただひたすら、愛のムチを打ち続けた。彼に僕の気持ちを思い知らせないと…そう思ったからだ。
逃れようとする彼を組み敷き、力いっぱいに突き上げる。お尻を何度も引っ叩いて、これでもかと奥に注ぎ込むと、蛙が潰れたような声が下から聞こえてきた。いつものように優しくゆっくりと、大切に大切に抱くことはしなかった。
『ふんッ!ンンッ、ふッ、んんぎィッ ゆうくんっ 悪い子!おちっ、おちんちんっ、ぱぱのおちんちんの刑ぃぃッッ!!』
どれだけ時間が経ったのか。揺れているのは僕だけだ、彼は動かなくなっていた。だらんと伸びた彼の肢体が、ようやく僕の目に映り込む。
形の良い、綺麗なお尻は真っ赤に腫れ上がり、荒々しい手跡がまだ残っていた。少し切れてしまったのか、肛門のあたりが血で滲んでいる。
こ、これは…‥酷い。一体、なんてことを。
僕は泣きながら彼の手当てをした。なんてことを、なんてことをっ、なんてことをッ!
自分でも信じられない。どうかしていた。愛する彼に、こんなむごい仕打ち…僕は畜生だったんだ。
彼が目を覚ますまでには、随分と長い時間が経っていたように思う。うめき声を上げたその子に、僕はすがりついた。
だけど、彼がぼんやり口にした言葉に息を呑んでしまう。『おじさん、誰…?』と。
あんまり驚いて、その虚ろな眼を覗き込む。『と、父さんだよ』なぜだかそう答えてしまい、彼もまた目を丸くする。
次第にその顔はくしゃくしゃに歪んでゆき、うわぁぁぁと僕の耳をつんざいた。
『今までどこ行ってたんだよ!ばかっ、ばかっ、ばかばかばか!』
それはただ、待ちわびる子の姿だった。
父さぁんん 会いたかったよぉぉ…うぅっ、あァッ、あぁっ!あぁあぁぅうっうっ……僕の腕の中で、彼は泣くに泣いた。全てをぶちまけた。
長年に渡る彼の悲痛な叫びは、僕に昔のことを思い出させたようだ。涙が頬を伝ってゆく。
彼は……僕だ。この子は、僕が守る。
まずは綺麗にしてあげないと。家へ連れ帰ってくるなり、彼をお風呂へと放り込んだ。
けれど、さっそく困ってしまう。くすぐったいのか身をくねらせるのだ。生唾を飲み込み、彼のお尻へ視線を這わせる。それは可哀想なほどに腫れ上がっていた。
早々に終わらせ、頭からスウェットを着せてやることにした。こんなことがあろうと用意していた真新しいものだ。
彼は着心地の良いものが好きらしい。その華やかな顔立ちがよく映え、実に似合っている。
髪を乾かし、ご飯を食べさせ、歯を磨いてやる。よく眠れるようにと子守唄を歌っていたら、泣き出してしまった。
あわてて抱きしめると、彼はまた笑顔になる。ちょっとばかし…音痴だっただろうか。
僕はつきっきりでお世話をした。ただ、ただ幸せだった。信じられない…夢にまでみた、彼との生活。
そうして傷ついたお尻が癒えると、彼にのしかかった。彼は恥ずかしがったが、『親子はこうして仲良くなるんだよ』と言ったら、おそるおそる 可愛いところを見せてくれた。幼い彼は僕を魅了し、骨の髄まで虜にした。
けれど時々、怯えたような顔を向けてくる。父さん、怒ってないの?…と。
僕は心からの懺悔を誓い、彼を抱きしめた。早く治してあげないと。それから今度は、ちゃんと伝えるんだ。
僕と結婚して下さい……と。
「父さん、ありがとぉ」という、その笑顔のためなら僕はなんだってする。
「ゆうくん、どうしたのかな。しょんぼりさんだ」
ところが今日は少し違った。父さん…ありがと。そんな弱々しい声を出すのだ。
よしよしと彼の頬を撫で、目に、鼻に、口にと唇を落としてゆく。今日の天使はどこか浮かない様子だった。
「父さん…怒ってないの?」
恐る恐る、といった具合でこちらをうかがう彼に、僕はにこりとほほえみ返す。
「父さんが?どうして」
「だって…他の人には内緒だよって父さんに言われたことを、しゃべっちゃいそうになったから…」
ごめんなさい、と彼はしょぼくれてしまう。それが捨てられた子犬に見え、僕は拾い上げるようにして抱きしめた。何を言うのかと思えば…だ。
「でも、言わなかったじゃないか。偉いね。父さんはとっても嬉しいよ…ゆうくんは良い子だ」
「本当?」
「うん、本当だよ。だからね…その内緒のことを今からしよう。ねぇ、いいだろう?」
期待の眼差しで彼を見つめる。すると彼は、「ぁぅ…っ…ま、またするの?おれ、恥ずかしいよぅ…」と顔を真っ赤にして目を伏せた。僕の身体の芯は、すでに熱を噴き上げていた。
「父さんはね、恥ずかしがっているゆうくんが大好きなんだ」
「…本当?」
「もちろん。でもね、甘えん坊なゆうくんも大好き」
「どっちがいいの」
どっちもだよ。じゃあ、父さんと仲良ししようか。
ひょいと担いでお姫様抱っこ。ベッドを目指し、のっしのっしと彼を運んで行く。気分はさながら王子様だ。
「姫、生まれたての姿にしてあげまちゅからね」
生まれたてのお姫様は、ベッドの上でもじもじしながら三角座り。おむすびケースに入れてよしよししたい。
それで、海苔を巻いてかぶりつこうとしたら、「た、食べないでぇ~」って泣かれたい。たっ、食べないよっ。
…はっ。
そうやって僕がニヨニヨしていたら、クスクス笑う彼と目が合った。ど、どうしたんだろう。
「父さん…あはは、変な顔」
「えっ」
そんなに…?ちょっと、ショック。気分だけは王子様のつもりだったんだけど。
「ぷっ、裸の王様だよぅ」
「こら」
けらけら笑って、すっかり気分は台無しに。僕のお腹をつついては、「あんぱんみたいだね」などと軽口を叩くから、うがぁっと僕は襲いかかった。あははっ、父さん重いよぉ……
ゆうくん…楽しそうだな。まぁ、たまにはこういうのも…いいか。
・
・
・
『違うよぉ 由貴くん、これは親子のコミュニケーションさ…そんなお口の利き方、しちゃいけませんよぉ』
彼はこう言った。お父さんになって欲しい、と。僕は少し考えて、彼がそう望むなら… と父のように愛そうとした。
でも、酷い言葉を浴びせられてしまったんだ。
『い゛う゛ッァッ ひっ ンンッ イ゛ッ゛ぃいッ!!』
ただひたすら、愛のムチを打ち続けた。彼に僕の気持ちを思い知らせないと…そう思ったからだ。
逃れようとする彼を組み敷き、力いっぱいに突き上げる。お尻を何度も引っ叩いて、これでもかと奥に注ぎ込むと、蛙が潰れたような声が下から聞こえてきた。いつものように優しくゆっくりと、大切に大切に抱くことはしなかった。
『ふんッ!ンンッ、ふッ、んんぎィッ ゆうくんっ 悪い子!おちっ、おちんちんっ、ぱぱのおちんちんの刑ぃぃッッ!!』
どれだけ時間が経ったのか。揺れているのは僕だけだ、彼は動かなくなっていた。だらんと伸びた彼の肢体が、ようやく僕の目に映り込む。
形の良い、綺麗なお尻は真っ赤に腫れ上がり、荒々しい手跡がまだ残っていた。少し切れてしまったのか、肛門のあたりが血で滲んでいる。
こ、これは…‥酷い。一体、なんてことを。
僕は泣きながら彼の手当てをした。なんてことを、なんてことをっ、なんてことをッ!
自分でも信じられない。どうかしていた。愛する彼に、こんなむごい仕打ち…僕は畜生だったんだ。
彼が目を覚ますまでには、随分と長い時間が経っていたように思う。うめき声を上げたその子に、僕はすがりついた。
だけど、彼がぼんやり口にした言葉に息を呑んでしまう。『おじさん、誰…?』と。
あんまり驚いて、その虚ろな眼を覗き込む。『と、父さんだよ』なぜだかそう答えてしまい、彼もまた目を丸くする。
次第にその顔はくしゃくしゃに歪んでゆき、うわぁぁぁと僕の耳をつんざいた。
『今までどこ行ってたんだよ!ばかっ、ばかっ、ばかばかばか!』
それはただ、待ちわびる子の姿だった。
父さぁんん 会いたかったよぉぉ…うぅっ、あァッ、あぁっ!あぁあぁぅうっうっ……僕の腕の中で、彼は泣くに泣いた。全てをぶちまけた。
長年に渡る彼の悲痛な叫びは、僕に昔のことを思い出させたようだ。涙が頬を伝ってゆく。
彼は……僕だ。この子は、僕が守る。
まずは綺麗にしてあげないと。家へ連れ帰ってくるなり、彼をお風呂へと放り込んだ。
けれど、さっそく困ってしまう。くすぐったいのか身をくねらせるのだ。生唾を飲み込み、彼のお尻へ視線を這わせる。それは可哀想なほどに腫れ上がっていた。
早々に終わらせ、頭からスウェットを着せてやることにした。こんなことがあろうと用意していた真新しいものだ。
彼は着心地の良いものが好きらしい。その華やかな顔立ちがよく映え、実に似合っている。
髪を乾かし、ご飯を食べさせ、歯を磨いてやる。よく眠れるようにと子守唄を歌っていたら、泣き出してしまった。
あわてて抱きしめると、彼はまた笑顔になる。ちょっとばかし…音痴だっただろうか。
僕はつきっきりでお世話をした。ただ、ただ幸せだった。信じられない…夢にまでみた、彼との生活。
そうして傷ついたお尻が癒えると、彼にのしかかった。彼は恥ずかしがったが、『親子はこうして仲良くなるんだよ』と言ったら、おそるおそる 可愛いところを見せてくれた。幼い彼は僕を魅了し、骨の髄まで虜にした。
けれど時々、怯えたような顔を向けてくる。父さん、怒ってないの?…と。
僕は心からの懺悔を誓い、彼を抱きしめた。早く治してあげないと。それから今度は、ちゃんと伝えるんだ。
僕と結婚して下さい……と。
1
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
羽衣伝説 ー おじさま達に病愛されて ー
ななな
BL
麗しい少年が、おじさま達から変態的かつ病的に愛されるお話。全12話。
仙人の弟子であるボムギュは、お師匠様のことを深くお慕いしておりました。ところがある夜を境に、二人の関係は歪なものとなってしまいます。
逃げるように俗界へと降りたボムギュでしたが、村の子供達に読み書きを教えているという男に心を奪われてしまい…。
陥落 ー おじさま達に病愛されて ー
ななな
BL
眉目秀麗、才ある青年が二人のおじさま達から変態的かつ病的に愛されるお話。全九話。
国一番の璃伴士(将棋士)であるリンユゥは、義父に温かい愛情を注がれ、平凡ながらも幸せな日々を過ごしていた。
そんなある日、一人の紳士とリンユゥは対局することになり…。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
Original drug
佐治尚実
BL
ある薬を愛しい恋人の翔祐に服用させた医薬品会社に勤める一条は、この日を数年間も待ち望んでいた。
翔祐(しょうすけ) 一条との家に軟禁されている 平凡 一条の恋人 敬語
一条(いちじょう) 医薬品会社の執行役員
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
兄のやり方には思うところがある!
野犬 猫兄
BL
完結しました。お読みくださりありがとうございます!
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
第10回BL小説大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、そしてお読みくださった皆様、どうもありがとうございました!m(__)m
■■■
特訓と称して理不尽な行いをする兄に翻弄されながらも兄と向き合い仲良くなっていく話。
無関心ロボからの執着溺愛兄×無自覚人たらしな弟
コメディーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる