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あんまり怖い体験をしたことない俺の一番身近で起こった怖いというか、ぞっとした話なんだけど、書き出してみたらなんかあんまり怖くない気がする。でももったいない精神で投下。
だいぶ前の話。某動画配信サイトに入り浸っていて、あるときゲームを中心に配信しているひとつのチャンネルにたどり着いた。
先に書いておくとY○uTubeじゃないよ。主流配信者がそっちに流れ込む前に隆盛を誇っていたほうのサイト。だから、だいぶ前の話。
そのチャンネルや配信者さんには特筆すべき異常な点とかはない。というかまだ現役で活動されているし、俺も普通にコメント欄(Y○uTubeで言うところのチャット欄)に出入りしているので詳しくは書かない。
上の書き方でどこのサイトかわかったひとならわかると思うけど、そのサイトは生配信のアーカイブって永遠には残らないんだよね。いや、設定によっては残るのかな? 俺はいち視聴者だからわからんが、少なくともそのチャンネルのアーカイブは期間が過ぎると見られなくなる設定だった。
だから、探しても俺が見た配信はもう見れない。
だからこれから書くことが本当に起こったことだと証明する手立てはないし、俺自身年数が経って結構記憶があいまいになっているとは先に書いておく。
なにがきっかけだったかな。たぶんホラーゲームの実況プレイ配信のときだったと思う。
その配信に初見さんが来ることは稀で、俺も含めた常連のうちコメント打つのは10人~20人くらいって感じだった。見てるだけ、って視聴者はもっといたけど大体15人前後で回してたような配信。ただそのサイトは基本的にコメントする側は匿名、同接数は出ないタイプだから、たしかなことは言えないけど、あくまでいち視聴者の体感としてまあこれくらいかなと。
話を戻す。たぶんホラーゲームの実況プレイ配信だったんだけど、ゲームを進めるためのアイテムがなかなか見つからずグダり始めた。展開が動かないから、コメント欄も書き込みが少なくなった。
その配信者さんはコメントを丁寧に拾っていくタイプだったから、話題に困ったのかな。唐突に「みんなは心霊体験ってしたことある?」みたいなことを言い出した。
もちろん、冗談めかした声。その配信者さん自身は心霊体験と言い切れるような体験はしたことがないと言っていた。
にわかにコメント欄も動き出したけど、普通に「ない」というコメントが多かったような記憶がある。まあそうだよなーと俺も思いつつ、「ないですねw」って感じのコメントを打って送信した。
俺が送信したコメントのすぐ下に表示されたから覚えてるんだけど、「俺あるわw」って。
草生やしてたし、切羽詰まってるとか真剣な感じはなかった。まあ配信自体そういう空気じゃなかったから、マジトーンのコメント送ったら空気読めてないやつになるし、だから草生やしてたのか、そのときはまだ余裕があったのかはよくわからない。
配信者さんはもちろんそのコメントを拾って「えーじゃあ話してよw 今ぐだってるからさw」とか振ってた。そういうことは俺が知る限りでは初めてのことだったけど、その配信は先に書いた通りの過疎配信だし、その配信者さんのノリを熟知してるような常連ばかりがコメントしているような状態だったから、別に俺は嫌だとかは感じなかった。
「俺あるわw」って書き込んだ視聴者さんも、「じゃー話すわw」ってコメントを打って、もちろん実際はテキストなんだけどコメント欄で心霊体験を語り始めた。他の視聴者さんもホラーゲーム実況見てるくらいだし「wktk」とかコメントしたりしてね、歓迎ムードだった。
その視聴者さんはけっこうタイピングが早くて、コメント欄にそこそこ長文のコメントが連投された。配信者さんがゲーム内で探索しつつそのコメントを読み上げてたんだけど、当然こっちが目で追うほうが速かったな。
内容は、その当時ですらレアになりつつあった電話ボックスの近くに現れる幽霊の話だった。
夜とか昼とか関係なく、そこを通りかかると高確率で見かける。最初は近所のちょっと精神に問題のあるひとなのかなって思ってたけど、あるとき幽霊なんじゃないかと思い始めてからは、そこを通るのを避けていた。
だけど今日は帰りが遅くなって、この配信の開始時間に間に合いそうにないから、その電話ボックス近くを通るショートカットルートを選んだ。
でもその日に限っては電話ボックスの近くにだれもいなかった。
やっぱり、あれは生きた人間だったのか?
そう思いつつ帰宅してこの配信を見ている……。
他の視聴者さんの「こわw」「普通に生きた人間では?」「生きてても怖くね?w」みたいな感想コメントが流れ始めた。
配信者さんはやっぱり冗談めかした声だったけど、場をもたせてくれたお礼の意味もあったのか、リップサービス的に怖がってる風な感想は口にしてた。
まあ、たぶんその配信を見ていた中でその「心霊体験」を本気で怖がってたやつなんていないんじゃないかな。少なくとも、コメント欄はそういう空気だった。実際、その話もびっくりするくらい怖い話ってわけじゃなかったし。語り口も軽かったし。
「でもさw」って、恐らく先ほど「心霊体験」を書き込んだ視聴者さんが話を続けた。
「俺についてきちゃったみたいwwwwww 今家の中にいるwwwww やべえwwwwwwwww」
って。めちゃくちゃ草生やしてたんだけど、俺はちょっとぞっとした。
でも草生やしまくりのコメントだし、コメント欄もそういうまともに受け取るというか……真面目な空気じゃなかったから、他の視聴者さんのコメントも「マジ?w」とか「やばwwww」「記念写真撮ろうぜ!w」みたいなコメントばかりだった。
配信者さんも「えー? 無事ですか?w」みたいな。ハナから嘘だと決めつけてるわけじゃないけど、急に「今さっき話した怪談の幽霊が家の中にいる!」とか言われてもだいたいの人間は信じないように、疑強めの半信半疑、みたいなそんな感じだった。
俺は怖がりだったから正直に言えばちょっと腕に鳥肌が立ったよ。でも、完全に信じたわけじゃなかった。
それに画面の向こう側にいる相手が困っていたとしても、なにか直接的にしてあげられることなんてないわけだし……。その対峙しているものが幽霊ならなおさらなにもできない。不審者とかだったら警察に通報するとかやりようもあるけど。
戸惑い気味の配信者さんと、騒ぐだけの他の視聴者さん。
唐突に「あ」という、草も生えていない一文字のコメントが流れた。
そのすぐ下に同じく草が生えていないコメントが表示された。
「みつかたt」
そのサイトは先述の通り匿名でコメントできるんだけど、当然配信者の側からは荒らしコメントなどをBANできる都合上、どのコメントとどのコメントが同一ユーザーから送信されたものかをチェックすることはできる。
「みつかたt」のコメント以降、怖い話を披露してくれたユーザーからのコメントが途絶えたと、配信者さんは戸惑った、困惑した半笑いの顔で言っていた。
今でもその配信者さんは活動していて、たまに俺含む常連とそのときの話が出て「あれはなんだったんだろうね」みたいなやり取りをすることがある。
ただの手の込んだ演出だと思ってはいる。思っているというか、そう思いたい、が正しいかもしれないけど。
今もって真相はわからないけど、これが俺が体験した中で一番ぞっとした話。
だいぶ前の話。某動画配信サイトに入り浸っていて、あるときゲームを中心に配信しているひとつのチャンネルにたどり着いた。
先に書いておくとY○uTubeじゃないよ。主流配信者がそっちに流れ込む前に隆盛を誇っていたほうのサイト。だから、だいぶ前の話。
そのチャンネルや配信者さんには特筆すべき異常な点とかはない。というかまだ現役で活動されているし、俺も普通にコメント欄(Y○uTubeで言うところのチャット欄)に出入りしているので詳しくは書かない。
上の書き方でどこのサイトかわかったひとならわかると思うけど、そのサイトは生配信のアーカイブって永遠には残らないんだよね。いや、設定によっては残るのかな? 俺はいち視聴者だからわからんが、少なくともそのチャンネルのアーカイブは期間が過ぎると見られなくなる設定だった。
だから、探しても俺が見た配信はもう見れない。
だからこれから書くことが本当に起こったことだと証明する手立てはないし、俺自身年数が経って結構記憶があいまいになっているとは先に書いておく。
なにがきっかけだったかな。たぶんホラーゲームの実況プレイ配信のときだったと思う。
その配信に初見さんが来ることは稀で、俺も含めた常連のうちコメント打つのは10人~20人くらいって感じだった。見てるだけ、って視聴者はもっといたけど大体15人前後で回してたような配信。ただそのサイトは基本的にコメントする側は匿名、同接数は出ないタイプだから、たしかなことは言えないけど、あくまでいち視聴者の体感としてまあこれくらいかなと。
話を戻す。たぶんホラーゲームの実況プレイ配信だったんだけど、ゲームを進めるためのアイテムがなかなか見つからずグダり始めた。展開が動かないから、コメント欄も書き込みが少なくなった。
その配信者さんはコメントを丁寧に拾っていくタイプだったから、話題に困ったのかな。唐突に「みんなは心霊体験ってしたことある?」みたいなことを言い出した。
もちろん、冗談めかした声。その配信者さん自身は心霊体験と言い切れるような体験はしたことがないと言っていた。
にわかにコメント欄も動き出したけど、普通に「ない」というコメントが多かったような記憶がある。まあそうだよなーと俺も思いつつ、「ないですねw」って感じのコメントを打って送信した。
俺が送信したコメントのすぐ下に表示されたから覚えてるんだけど、「俺あるわw」って。
草生やしてたし、切羽詰まってるとか真剣な感じはなかった。まあ配信自体そういう空気じゃなかったから、マジトーンのコメント送ったら空気読めてないやつになるし、だから草生やしてたのか、そのときはまだ余裕があったのかはよくわからない。
配信者さんはもちろんそのコメントを拾って「えーじゃあ話してよw 今ぐだってるからさw」とか振ってた。そういうことは俺が知る限りでは初めてのことだったけど、その配信は先に書いた通りの過疎配信だし、その配信者さんのノリを熟知してるような常連ばかりがコメントしているような状態だったから、別に俺は嫌だとかは感じなかった。
「俺あるわw」って書き込んだ視聴者さんも、「じゃー話すわw」ってコメントを打って、もちろん実際はテキストなんだけどコメント欄で心霊体験を語り始めた。他の視聴者さんもホラーゲーム実況見てるくらいだし「wktk」とかコメントしたりしてね、歓迎ムードだった。
その視聴者さんはけっこうタイピングが早くて、コメント欄にそこそこ長文のコメントが連投された。配信者さんがゲーム内で探索しつつそのコメントを読み上げてたんだけど、当然こっちが目で追うほうが速かったな。
内容は、その当時ですらレアになりつつあった電話ボックスの近くに現れる幽霊の話だった。
夜とか昼とか関係なく、そこを通りかかると高確率で見かける。最初は近所のちょっと精神に問題のあるひとなのかなって思ってたけど、あるとき幽霊なんじゃないかと思い始めてからは、そこを通るのを避けていた。
だけど今日は帰りが遅くなって、この配信の開始時間に間に合いそうにないから、その電話ボックス近くを通るショートカットルートを選んだ。
でもその日に限っては電話ボックスの近くにだれもいなかった。
やっぱり、あれは生きた人間だったのか?
そう思いつつ帰宅してこの配信を見ている……。
他の視聴者さんの「こわw」「普通に生きた人間では?」「生きてても怖くね?w」みたいな感想コメントが流れ始めた。
配信者さんはやっぱり冗談めかした声だったけど、場をもたせてくれたお礼の意味もあったのか、リップサービス的に怖がってる風な感想は口にしてた。
まあ、たぶんその配信を見ていた中でその「心霊体験」を本気で怖がってたやつなんていないんじゃないかな。少なくとも、コメント欄はそういう空気だった。実際、その話もびっくりするくらい怖い話ってわけじゃなかったし。語り口も軽かったし。
「でもさw」って、恐らく先ほど「心霊体験」を書き込んだ視聴者さんが話を続けた。
「俺についてきちゃったみたいwwwwww 今家の中にいるwwwww やべえwwwwwwwww」
って。めちゃくちゃ草生やしてたんだけど、俺はちょっとぞっとした。
でも草生やしまくりのコメントだし、コメント欄もそういうまともに受け取るというか……真面目な空気じゃなかったから、他の視聴者さんのコメントも「マジ?w」とか「やばwwww」「記念写真撮ろうぜ!w」みたいなコメントばかりだった。
配信者さんも「えー? 無事ですか?w」みたいな。ハナから嘘だと決めつけてるわけじゃないけど、急に「今さっき話した怪談の幽霊が家の中にいる!」とか言われてもだいたいの人間は信じないように、疑強めの半信半疑、みたいなそんな感じだった。
俺は怖がりだったから正直に言えばちょっと腕に鳥肌が立ったよ。でも、完全に信じたわけじゃなかった。
それに画面の向こう側にいる相手が困っていたとしても、なにか直接的にしてあげられることなんてないわけだし……。その対峙しているものが幽霊ならなおさらなにもできない。不審者とかだったら警察に通報するとかやりようもあるけど。
戸惑い気味の配信者さんと、騒ぐだけの他の視聴者さん。
唐突に「あ」という、草も生えていない一文字のコメントが流れた。
そのすぐ下に同じく草が生えていないコメントが表示された。
「みつかたt」
そのサイトは先述の通り匿名でコメントできるんだけど、当然配信者の側からは荒らしコメントなどをBANできる都合上、どのコメントとどのコメントが同一ユーザーから送信されたものかをチェックすることはできる。
「みつかたt」のコメント以降、怖い話を披露してくれたユーザーからのコメントが途絶えたと、配信者さんは戸惑った、困惑した半笑いの顔で言っていた。
今でもその配信者さんは活動していて、たまに俺含む常連とそのときの話が出て「あれはなんだったんだろうね」みたいなやり取りをすることがある。
ただの手の込んだ演出だと思ってはいる。思っているというか、そう思いたい、が正しいかもしれないけど。
今もって真相はわからないけど、これが俺が体験した中で一番ぞっとした話。
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