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かわいそうな王子様をただひたすらに甘やかしていたらなんか勝手に立ち直って本人や周囲から感謝されまくっている今の状況
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ちゅうちゅう、と一生懸命乳を含み、吸いつくユーグ王子を見下ろす。ユーグ王子は赤ん坊ではなく、立派な成人の男性である。そんな大のオトナがちゅうちゅう、と一生懸命アストリの乳を吸っている。アストリは出産したばかりの経産婦というわけではない。なので、その乳頭から母乳などは出ないのだが、ユーグ王子はそれでも懸命に乳を吸っている。
そんなユーグ王子の頭をアストリは撫でてやる。パサパサで艶のない黒髪に指を通して、地肌をナデナデと指の腹を往復させる。緑の目はどこか虚ろで、ただ一心にアストリだけを求めているように見えたし、目元の隈はヒドイ。顔半分を覆う引きつれは、知らない人間が見ればギョッとするだろう。
けれどもアストリからすればそんなことはどうでもよかった。アストリの片乳を吸いながら、もう片方の乳を手で揉みしだくユーグ王子の股間は、いつものように膨らんでいた。それを見るアストリの顔は、他人からすれば慈愛に満ちあふれて見えるだろう。
アストリはそっとユーグ王子のズボンの前部をくつろげさせて、下穿きから立派な雄槍を解放する。成人男性の平均身長を超えるじゅうぶんな上背に見合った長く太い雄槍であった。既にねっとりとした先走りがあふれて、赤黒い亀頭がてらてらとランタンの光に照らされて輝いている。
「苦しそう……」生娘が見れば卒倒しそうな、グロテスクに張りつめた雄槍を、アストリは躊躇もなく握り込む。指の腹を使ってはじめは優しく撫でて、今度は人差し指と親指で円を作りカリ首を重点的に責めて行く。あふれ出る先走りを指に絡め、巧みに残った指先で肉筒と裏筋を刺激する。
ユーグ王子は苦しそうな快楽の呻きを上げて、びくびくと腰を跳ねさせる。それでもアストリの乳から口は離さなかった。
やがてユーグ王子が大きく呻き声を上げると同時に、雄槍がびくりびくりと痙攣するようにして白濁を吐き出した。それは勢いよくユーグ王子の引き締まった腹と、アストリの色白い乳房に落ちる。もちろんアストリの指にもべっとりとほとばしった白濁が付着する。
「殿下……おっぱいはいったんやめにしましょう?」アストリはユーグ王子の真っ赤になった頬を撫でながら、そう言って乳房を引き離す。ユーグ王子の緑の瞳が名残惜しそうに揺れる。まるで幼子のようだが、アストリの手の中にある立派な雄槍は、一度の射精ではまだ硬度を保ったままだった。
アストリは寝そべるユーグ王子に馬乗りになって、握り込んだ雄槍の穂先をそっと濡れた秘裂へと導く。そしてそっと慎重に、腰を下ろした。ユーグ王子の瞳は快楽に揺れ、その喉からはまた呻き声が漏れる。
アストリ・マルランは顔のいい男が大好きだ。三度の飯よりも好きだ。なんと言ったって好きだ。その性根がどうであろうと構わない。顔がよければそれでいい――。イケメン至上主義者なのである。
一事が万事その調子のアストリは、まだ見ぬイケメンを追い求めて男社会の宮廷に入り込み、魔術界の才媛として名を馳せるにいたった。周囲の覚えもめでたく、宮廷魔術師の次の筆頭候補にして初の女性筆頭宮廷魔術師になるのではと噂されている。
アストリにとってイケメンは生きるための糧。どこぞの王妃様よろしくイケメンを侍らせてみたいという欲求は――なくはないが、遠くから見ているだけでよいというのがアストリの出した結論だった。性根の曲がったイケメンも、顔だけを見ているだけならば害はない。
イケメンは観賞用。……そう割り切ってはいるものの、アストリの普段はストイックな心にだってときおり欲が顔を出すことがある。つまり、イケメンをゲットしてみたい――いや、もっと言えば一夜の相手をしてもらって、この結果的に後生大事に取っておいた形となった処女を捧げたい……。一夜だけで構わないから、だれか相手にしてくれないものか。花盛りの娘時代が過ぎようとしているアストリは、そんなことを悶々と考えていた。
戦争が始まるとなおさらだ。このいつ前線へ送られ、死ぬともわからぬ物騒な時代へ突き進んだとなると、余計に未練は残したくないと思うようになった。「ああ、でも私の相手になってくれるイケメンに心当たりがない――」。戦争の情勢がどうのこうのという物騒な話題が飛び交う宮廷で、アストリはただ自分の――処女の――ことばかり考えていた。
「せめて、この処女をイケメンに捧げてから出征したい」――そんな邪念を抱いていたせいなのかはわからないが、アストリに王命がくだる。大雑把に言えば、出征する第二王子・ユーグの護衛を務めたまえというようなことであった。
もちろん「イヤです」などと返せるはずがない。かと言って渋々受けたわけでもない。なぜならユーグ王子はイケメンだったからだ。毒の後遺症で顔に引きつれが残ってしまったのは残念だが、それでもアストリの脳みそはユーグ王子をイケメンと判定した。なのでアストリは神妙な顔を作って王命を受けた。
ユーグ王子が実母である王妃に毒を盛られたのは宮廷では有名な話だった。毒を盛った理由は噂ばかりで確実な話をアストリは知らない。曰く、ユーグ王子の弟の王位継承権を少しでも上げるために毒を盛ったとか、単純にユーグ王子が嫌いだから亡き者にしようとしただとか……。イケメンにしか興味のないアストリには毒を盛った理由なんてものは割とどうでもよかった。
重要なのはユーグ王子の麗しい顔に引きつれが残ってしまったことだ。ああ、イケメンの損失……。しかしユーグ王子のイケメンぶりはアストリの目からすれば健在であった。ユーグ王子の元からのイケメン度の高さにアストリは感謝した。
アストリは遠くから見ているだけだったのでどうでもよかったが、ユーグ王子のその後の狂乱ぶりもまた、宮廷では有名であった。冷遇されても慕っていた実母に殺されかけたことで、壊れてしまったのだと噂されていた。しかし特にユーグ王子と接点を持たないアストリにはどうでもいい話だった。
ユーグ王子の奇行の噂も耳に入ったが、どういうものだったのか具体例は思い出せない。とにかく使用人が次々に配置転換を求めたり辞めてしまったりと大変だということだけは覚えている。
だからそういった情報を総合して、「ユーグ王子を戦争へと送り出すのは厄介払いなのかな」と不敬なことをその神妙な顔の下で考えるアストリであった。同僚にも暗に「ユーグ王子の奇行に巻き込まれて死ぬなよ」というようなことを言われたのだから、考えていることはみな同じのようであった。
奇行が目立つ王子はイメージを大切にする王室にとっては好ましくないし、実父である陛下も持て余しているのだろう。戦争へ送り出して、なんやかんやで死んでもらった方がいいと判断されたのだとすれば……アストリはユーグ王子にちょっとだけ同情した。本当に、ほんのちょっとだけだが。
他方、アストリはまったく自分が死ぬつもりはなかった。魔術の腕には自信があったし、地方の小競り合いではあったが、前線に出た経験もある。なにより――まだ処女をイケメンに捧げていない。イケメンと一夜を共にするまでは、なにかまかり間違って戦争で死ぬなんてことはできない。
最悪、――貴重なイケメンだが――ユーグ王子は見捨てることも視野に入れよう。大丈夫、表向きは責められても、本心から非難する人間はいないだろう。そんな最低すぎることを考えつつ、アストリはユーグ王子と共に出征した。
ユーグ王子はたしかに狂気に陥っていた。魔術で片っ端から敵兵を屠るのだ。魔力の貯蔵量が尋常じゃない。魔力量に優れていると評されるアストリを軽々と飛び越えるくらいの、ものすごい魔力の持ち主。そんなユーグ王子が前線へ突撃しては大暴れすることを繰り返す姿は、死地を求めているようにも映る。
ユーグ王子にどれだけ理性が残っているのかはわからないが、少なくとも突然暴れ出したり、遁走するというような奇行は見せなかった。代わりとでも言うように、彼はむっつりと黙っていて、他人の言葉を聞いているんだかいないんだかがまったくわからなかった。
引きつれの残ってなお美しい顔には、濃い隈があり、うつろな瞳はどこか病的な雰囲気がある。いや、実際にユーグ王子は病んでいるのだろう。遁走はしないが、ふらふらと基地や塹壕を徘徊する姿を追うのがアストリの役目だった。
周囲は明らかにユーグ王子を持て余している。重要な戦力には違いないが、意思の疎通ができているんだかいないんだか、わからない状況に加え、王族とあってはどう扱っていいものか悩ましい。
そんな中にあって、アストリはユーグ王子のお目付け役を引き受けて、彼の顔を存分に楽しんでいた。楽しんでいたが、そのうちにユーグ王子に対して同情心、みたいなものも芽生えてきた。その心境の変化にはアストリ自身もおどろいた。が、あまり深くは考えなかった。だって、ユーグ王子はイケメンで、アストリはイケメンが好きだから。だからまあ、そういうこともあるかな、と考えたのだ。
そういうわけでアストリはたびたびユーグ王子に話しかけた。すごくしょうもない話題だ。「今日の食事はマズかったですね」とか「この辺りは観光地だったんですよ。もうなにも残ってないですけど」とか、本当にどうでもいい話題ばかりを振った。
しかしユーグ王子は案の定というか、当たり前というか、アストリに返事などしない。どこを見ているんだかわからない目をまっすぐ宙に向けて、ふらふらと基地をさ迷い歩く。その姿はさながら恐ろしい亡霊のようであった――実際に兵たちはそう噂していた――が、アストリはイケメンであることしか気にしていなかったので、特に感想はなかった。
そしてアストリはあるとき禁断の思いつきをする。
「今のユーグ王子となら弾みでセックスできるのではないか」――人として最低すぎる発想であった。加えて「もし妊娠したらイケメンが生まれるかもしれない。それは見てみたい」と重ねて最悪すぎる思いつきをした。
そんな思いつきをしたアストリの行動は素早かった。自分は最高の発想――実際には最低であることは先に述べた通りだ――をしたと思っていた。逡巡や躊躇は一切なかった。処女のまま明日死ぬかもしれない状況なのだ。手段は選んでいられない。「私はイケメンとセックスして処女を捧げるんだ!」……その野望のままにアストリはユーグ王子の幕舎を訪れた。
結果から言うと、アストリの野望はひとつ成就した。ユーグ王子が「その気」になるまで少々大変であったが、火がつけばあとはまったく性経験のないアストリでもどうにかなったくらい、あっという間であった。「狂乱していても生殖行為はできるんだな」と妙なところで感心しつつ、まるでこちらを気遣う様子のないユーグ王子と一晩を共にした。
はっきり言って、当初思い描いていたようなロマンチックな一夜ではなかった。本能と本能がぶつかり合うような、乱雑な性行為だった。けれどもまあ、「イケメンに処女を捧げる」という目標は達せられたのだ。「やったぜ」と心の中でガッツポーズを取る。それがアストリの本音であった。
アストリとしては一回こっきりのつもりだった。一回こっきりで理想の妊娠をするなどとは考えていなかったし、そもそも今は戦中だ。イケメンの子供を見てみたい欲はあるが、よくよく考えなくても今妊娠したらちょっと困るなと思い直したのである。
けれどもユーグ王子はそうは考えなかったようだ。次の日、幕舎へと戻って行くユーグ王子を見届けて、帰ろうと踵を返したアストリを、彼は後ろから抱きすくめるようにして幕舎に引きずり込んだ。そしてその後は以下略。
相変わらず乱雑で性急な、独り善がりのセックスといったところだが、別にアストリは傷つきはしなかった。一晩だけと思っていたイケメンと、二度もセックスできるなんてラッキーくらいのことは思っていた。アストリはイケメン至上主義者なのだ。どこか変なのだ。
加えて、なんだか必死で腰を振っているユーグ王子を見ていると、可哀想だなと思った。母親に毒を盛られて、父親には厄介払いと取られてもおかしくないような処遇を受けて。ユーグ王子が心を許せる人間はいるのだろうか。そんな珍しく血の通った考えをアストリは抱いた。
けれども慰め方なんてアストリにはわからない。そもそもユーグ王子が慰めを必要としているのかすらわからない。ユーグ王子はなにも言わないからだ。
なのでアストリは勝手にすることにした。イヤだったら口で言え、意思表示をしろ、ということである。
アストリは試しにユーグ王子に乳を含ませてみた。最中によく触っているアストリの柔らかく大きなふたつの丸。もちろんお乳なんてものは出ないが、ユーグ王子は押しつけられた豊満な乳をおずおずと吸いだす。女日照りの兵たちが自分の無駄に大きな胸――アストリにとって自分の乳房の大きさなどどうでもいいことだ――をよく見ていることを知っていたアストリは、ユーグ王子にもそれが通じたことでなんだか感心してしまった。
そしてどうもユーグ王子はアストリの乳が気にいったようであった。含ませてやると固くなった乳頭をちゅうちゅうと一生懸命に吸う。「やっぱり母性に飢えているのかな?」などとアストリは短絡的に考えてみる。真実はユーグ王子にしかわからないが、彼はやっぱりなにも言わない。
それでも乳を吸っているうちに寝落ちしてしまったところを見ると、自分の行いは彼にとって慰めになっているのかも、という謎の自信をつけた。
毎晩そういうことを繰り返していたので、周囲の兵たちには当然のようにユーグ王子とアストリが肉体関係にあるということは周知の事実になっていた。さしものアストリも「これはよくないかもしれない」と思ったが、実際のところ直接文句を言われたりはなく、陰口を叩かれたりもしていないようだった。
むしろアストリはユーグ王子の生贄と見られていた。狂乱のユーグ王子に無理矢理体を暴かれているとでも思われているらしかった。アストリはまったく、そんな気はないどころか、終始ノリノリで積極的に奉仕しているのだが。しかしそんな閨の事情までは伝わっていないらしかった。
結局、アストリは気にしないことにした。こんなのは戦中だけだと割り切った。
そう、ユーグ王子をひたすら赤ちゃんを相手にするみたいに甘やかして、到底赤ん坊とはできないような夜を過ごすことも。全部全部、戦争が終わったらなくなるんだろう。アストリは冷静にそう未来を分析していた。
だからそれまでの栄華と割り切って、アストリはユーグ王子と存分にアレコレした。書物でしか知らなかったことを、これ幸いと実践してみたりした。唯一困ったのはたまにユーグ王子のナニがアストリの中で暴発することくらいか。しかしそれも戦勝が見えてきたことであまり気にしなくなった。
結局、終戦までその関係は続いた。
王都へと凱旋する前夜はアストリの中にも名残惜しさがあって、燃えに燃えた。もう二度とこんなイイ思いはできないだろう――。そう考えると例によってアストリの中で暴発されても許せた。ユーグ王子の目は申し訳なさそうな色を帯びていたけれど。
そう、ユーグ王子は戦争も末期になると少しずつ意思の疎通ができるようになってきていた。相手の話に頷いたり、それどころかその口で命令を飛ばすことだってできるまでに回復していた。……アストリの前では、相変わらず無口なままだったが。それでも瞳から感情をうかがえるようになったことは、大きな進歩と言えた。
それをなぜか周囲の人間はアストリのお陰ともてはやす。
「いや、ユーグ王子が時間をかけて頑張って自力で立ち直ったんですよ」と――アストリからすると――当たり前のことを言っても、周囲は「マルラン女史はなんて謙虚な方なんだ」と言い出す始末。そういう誤解――とアストリは思っている――が蔓延していることについて多少頭を悩ませたが、戦争が終われば関係もなくなるだろうと放置することにした。
けれどもコトはどんどん大きくなって行く。ユーグ王子の従者だの侍従長だの女中頭だの侍女だのといった人間たちはもちろん、あろうことか国王陛下にまで内々に呼び出されて感謝される始末。
しかしアストリからすると解せない。アストリはただ「イケメンとセックスするの楽しい」くらいにしか思っていなかったからだ。別にユーグ王子の心を癒してやろうなどという大いなる野望は抱いていなかった。いや、たしかにユーグ王子が可哀想だとは思っていたが、戦争も末期になればただひたすらセックスを楽しんでいたにすぎない。
それなのに――。
「アストリ、そなたは私の女神だ」
「アストリ、責任はきちんと取る」
「アストリ、結婚指輪はどんなデザインがいいだろうか」
それなのに、元の心優しく聡明な青年へと戻ったユーグ王子は、なぜそんなことをのたまうのか――。
なぜ国王陛下はうれしそうに式の日取りを聞いてくるのか――。
なぜ野心に満ちたご令嬢方は私を捕まえて「貴女にはかなわないわ」「貴女を尊敬するわ」とかわざわざ言ってくるのか――。
なぜ「イケメンとのセックスサイコー」としか思っていなかったのに、その身を賭して王子を更生させたと美談になっているのか――。
――今の状況が、私にはわからない……。
ついでに言うと終戦日に妊娠が判明するという狙ったような展開も、解せぬ。
アストリは嬉しそうにお腹を撫でてくるユーグ王子の顔を見て現実逃避を決め込もうとしたが、もちろんそんなことがいつまでも続けられるハズもないのであった。
そんなユーグ王子の頭をアストリは撫でてやる。パサパサで艶のない黒髪に指を通して、地肌をナデナデと指の腹を往復させる。緑の目はどこか虚ろで、ただ一心にアストリだけを求めているように見えたし、目元の隈はヒドイ。顔半分を覆う引きつれは、知らない人間が見ればギョッとするだろう。
けれどもアストリからすればそんなことはどうでもよかった。アストリの片乳を吸いながら、もう片方の乳を手で揉みしだくユーグ王子の股間は、いつものように膨らんでいた。それを見るアストリの顔は、他人からすれば慈愛に満ちあふれて見えるだろう。
アストリはそっとユーグ王子のズボンの前部をくつろげさせて、下穿きから立派な雄槍を解放する。成人男性の平均身長を超えるじゅうぶんな上背に見合った長く太い雄槍であった。既にねっとりとした先走りがあふれて、赤黒い亀頭がてらてらとランタンの光に照らされて輝いている。
「苦しそう……」生娘が見れば卒倒しそうな、グロテスクに張りつめた雄槍を、アストリは躊躇もなく握り込む。指の腹を使ってはじめは優しく撫でて、今度は人差し指と親指で円を作りカリ首を重点的に責めて行く。あふれ出る先走りを指に絡め、巧みに残った指先で肉筒と裏筋を刺激する。
ユーグ王子は苦しそうな快楽の呻きを上げて、びくびくと腰を跳ねさせる。それでもアストリの乳から口は離さなかった。
やがてユーグ王子が大きく呻き声を上げると同時に、雄槍がびくりびくりと痙攣するようにして白濁を吐き出した。それは勢いよくユーグ王子の引き締まった腹と、アストリの色白い乳房に落ちる。もちろんアストリの指にもべっとりとほとばしった白濁が付着する。
「殿下……おっぱいはいったんやめにしましょう?」アストリはユーグ王子の真っ赤になった頬を撫でながら、そう言って乳房を引き離す。ユーグ王子の緑の瞳が名残惜しそうに揺れる。まるで幼子のようだが、アストリの手の中にある立派な雄槍は、一度の射精ではまだ硬度を保ったままだった。
アストリは寝そべるユーグ王子に馬乗りになって、握り込んだ雄槍の穂先をそっと濡れた秘裂へと導く。そしてそっと慎重に、腰を下ろした。ユーグ王子の瞳は快楽に揺れ、その喉からはまた呻き声が漏れる。
アストリ・マルランは顔のいい男が大好きだ。三度の飯よりも好きだ。なんと言ったって好きだ。その性根がどうであろうと構わない。顔がよければそれでいい――。イケメン至上主義者なのである。
一事が万事その調子のアストリは、まだ見ぬイケメンを追い求めて男社会の宮廷に入り込み、魔術界の才媛として名を馳せるにいたった。周囲の覚えもめでたく、宮廷魔術師の次の筆頭候補にして初の女性筆頭宮廷魔術師になるのではと噂されている。
アストリにとってイケメンは生きるための糧。どこぞの王妃様よろしくイケメンを侍らせてみたいという欲求は――なくはないが、遠くから見ているだけでよいというのがアストリの出した結論だった。性根の曲がったイケメンも、顔だけを見ているだけならば害はない。
イケメンは観賞用。……そう割り切ってはいるものの、アストリの普段はストイックな心にだってときおり欲が顔を出すことがある。つまり、イケメンをゲットしてみたい――いや、もっと言えば一夜の相手をしてもらって、この結果的に後生大事に取っておいた形となった処女を捧げたい……。一夜だけで構わないから、だれか相手にしてくれないものか。花盛りの娘時代が過ぎようとしているアストリは、そんなことを悶々と考えていた。
戦争が始まるとなおさらだ。このいつ前線へ送られ、死ぬともわからぬ物騒な時代へ突き進んだとなると、余計に未練は残したくないと思うようになった。「ああ、でも私の相手になってくれるイケメンに心当たりがない――」。戦争の情勢がどうのこうのという物騒な話題が飛び交う宮廷で、アストリはただ自分の――処女の――ことばかり考えていた。
「せめて、この処女をイケメンに捧げてから出征したい」――そんな邪念を抱いていたせいなのかはわからないが、アストリに王命がくだる。大雑把に言えば、出征する第二王子・ユーグの護衛を務めたまえというようなことであった。
もちろん「イヤです」などと返せるはずがない。かと言って渋々受けたわけでもない。なぜならユーグ王子はイケメンだったからだ。毒の後遺症で顔に引きつれが残ってしまったのは残念だが、それでもアストリの脳みそはユーグ王子をイケメンと判定した。なのでアストリは神妙な顔を作って王命を受けた。
ユーグ王子が実母である王妃に毒を盛られたのは宮廷では有名な話だった。毒を盛った理由は噂ばかりで確実な話をアストリは知らない。曰く、ユーグ王子の弟の王位継承権を少しでも上げるために毒を盛ったとか、単純にユーグ王子が嫌いだから亡き者にしようとしただとか……。イケメンにしか興味のないアストリには毒を盛った理由なんてものは割とどうでもよかった。
重要なのはユーグ王子の麗しい顔に引きつれが残ってしまったことだ。ああ、イケメンの損失……。しかしユーグ王子のイケメンぶりはアストリの目からすれば健在であった。ユーグ王子の元からのイケメン度の高さにアストリは感謝した。
アストリは遠くから見ているだけだったのでどうでもよかったが、ユーグ王子のその後の狂乱ぶりもまた、宮廷では有名であった。冷遇されても慕っていた実母に殺されかけたことで、壊れてしまったのだと噂されていた。しかし特にユーグ王子と接点を持たないアストリにはどうでもいい話だった。
ユーグ王子の奇行の噂も耳に入ったが、どういうものだったのか具体例は思い出せない。とにかく使用人が次々に配置転換を求めたり辞めてしまったりと大変だということだけは覚えている。
だからそういった情報を総合して、「ユーグ王子を戦争へと送り出すのは厄介払いなのかな」と不敬なことをその神妙な顔の下で考えるアストリであった。同僚にも暗に「ユーグ王子の奇行に巻き込まれて死ぬなよ」というようなことを言われたのだから、考えていることはみな同じのようであった。
奇行が目立つ王子はイメージを大切にする王室にとっては好ましくないし、実父である陛下も持て余しているのだろう。戦争へ送り出して、なんやかんやで死んでもらった方がいいと判断されたのだとすれば……アストリはユーグ王子にちょっとだけ同情した。本当に、ほんのちょっとだけだが。
他方、アストリはまったく自分が死ぬつもりはなかった。魔術の腕には自信があったし、地方の小競り合いではあったが、前線に出た経験もある。なにより――まだ処女をイケメンに捧げていない。イケメンと一夜を共にするまでは、なにかまかり間違って戦争で死ぬなんてことはできない。
最悪、――貴重なイケメンだが――ユーグ王子は見捨てることも視野に入れよう。大丈夫、表向きは責められても、本心から非難する人間はいないだろう。そんな最低すぎることを考えつつ、アストリはユーグ王子と共に出征した。
ユーグ王子はたしかに狂気に陥っていた。魔術で片っ端から敵兵を屠るのだ。魔力の貯蔵量が尋常じゃない。魔力量に優れていると評されるアストリを軽々と飛び越えるくらいの、ものすごい魔力の持ち主。そんなユーグ王子が前線へ突撃しては大暴れすることを繰り返す姿は、死地を求めているようにも映る。
ユーグ王子にどれだけ理性が残っているのかはわからないが、少なくとも突然暴れ出したり、遁走するというような奇行は見せなかった。代わりとでも言うように、彼はむっつりと黙っていて、他人の言葉を聞いているんだかいないんだかがまったくわからなかった。
引きつれの残ってなお美しい顔には、濃い隈があり、うつろな瞳はどこか病的な雰囲気がある。いや、実際にユーグ王子は病んでいるのだろう。遁走はしないが、ふらふらと基地や塹壕を徘徊する姿を追うのがアストリの役目だった。
周囲は明らかにユーグ王子を持て余している。重要な戦力には違いないが、意思の疎通ができているんだかいないんだか、わからない状況に加え、王族とあってはどう扱っていいものか悩ましい。
そんな中にあって、アストリはユーグ王子のお目付け役を引き受けて、彼の顔を存分に楽しんでいた。楽しんでいたが、そのうちにユーグ王子に対して同情心、みたいなものも芽生えてきた。その心境の変化にはアストリ自身もおどろいた。が、あまり深くは考えなかった。だって、ユーグ王子はイケメンで、アストリはイケメンが好きだから。だからまあ、そういうこともあるかな、と考えたのだ。
そういうわけでアストリはたびたびユーグ王子に話しかけた。すごくしょうもない話題だ。「今日の食事はマズかったですね」とか「この辺りは観光地だったんですよ。もうなにも残ってないですけど」とか、本当にどうでもいい話題ばかりを振った。
しかしユーグ王子は案の定というか、当たり前というか、アストリに返事などしない。どこを見ているんだかわからない目をまっすぐ宙に向けて、ふらふらと基地をさ迷い歩く。その姿はさながら恐ろしい亡霊のようであった――実際に兵たちはそう噂していた――が、アストリはイケメンであることしか気にしていなかったので、特に感想はなかった。
そしてアストリはあるとき禁断の思いつきをする。
「今のユーグ王子となら弾みでセックスできるのではないか」――人として最低すぎる発想であった。加えて「もし妊娠したらイケメンが生まれるかもしれない。それは見てみたい」と重ねて最悪すぎる思いつきをした。
そんな思いつきをしたアストリの行動は素早かった。自分は最高の発想――実際には最低であることは先に述べた通りだ――をしたと思っていた。逡巡や躊躇は一切なかった。処女のまま明日死ぬかもしれない状況なのだ。手段は選んでいられない。「私はイケメンとセックスして処女を捧げるんだ!」……その野望のままにアストリはユーグ王子の幕舎を訪れた。
結果から言うと、アストリの野望はひとつ成就した。ユーグ王子が「その気」になるまで少々大変であったが、火がつけばあとはまったく性経験のないアストリでもどうにかなったくらい、あっという間であった。「狂乱していても生殖行為はできるんだな」と妙なところで感心しつつ、まるでこちらを気遣う様子のないユーグ王子と一晩を共にした。
はっきり言って、当初思い描いていたようなロマンチックな一夜ではなかった。本能と本能がぶつかり合うような、乱雑な性行為だった。けれどもまあ、「イケメンに処女を捧げる」という目標は達せられたのだ。「やったぜ」と心の中でガッツポーズを取る。それがアストリの本音であった。
アストリとしては一回こっきりのつもりだった。一回こっきりで理想の妊娠をするなどとは考えていなかったし、そもそも今は戦中だ。イケメンの子供を見てみたい欲はあるが、よくよく考えなくても今妊娠したらちょっと困るなと思い直したのである。
けれどもユーグ王子はそうは考えなかったようだ。次の日、幕舎へと戻って行くユーグ王子を見届けて、帰ろうと踵を返したアストリを、彼は後ろから抱きすくめるようにして幕舎に引きずり込んだ。そしてその後は以下略。
相変わらず乱雑で性急な、独り善がりのセックスといったところだが、別にアストリは傷つきはしなかった。一晩だけと思っていたイケメンと、二度もセックスできるなんてラッキーくらいのことは思っていた。アストリはイケメン至上主義者なのだ。どこか変なのだ。
加えて、なんだか必死で腰を振っているユーグ王子を見ていると、可哀想だなと思った。母親に毒を盛られて、父親には厄介払いと取られてもおかしくないような処遇を受けて。ユーグ王子が心を許せる人間はいるのだろうか。そんな珍しく血の通った考えをアストリは抱いた。
けれども慰め方なんてアストリにはわからない。そもそもユーグ王子が慰めを必要としているのかすらわからない。ユーグ王子はなにも言わないからだ。
なのでアストリは勝手にすることにした。イヤだったら口で言え、意思表示をしろ、ということである。
アストリは試しにユーグ王子に乳を含ませてみた。最中によく触っているアストリの柔らかく大きなふたつの丸。もちろんお乳なんてものは出ないが、ユーグ王子は押しつけられた豊満な乳をおずおずと吸いだす。女日照りの兵たちが自分の無駄に大きな胸――アストリにとって自分の乳房の大きさなどどうでもいいことだ――をよく見ていることを知っていたアストリは、ユーグ王子にもそれが通じたことでなんだか感心してしまった。
そしてどうもユーグ王子はアストリの乳が気にいったようであった。含ませてやると固くなった乳頭をちゅうちゅうと一生懸命に吸う。「やっぱり母性に飢えているのかな?」などとアストリは短絡的に考えてみる。真実はユーグ王子にしかわからないが、彼はやっぱりなにも言わない。
それでも乳を吸っているうちに寝落ちしてしまったところを見ると、自分の行いは彼にとって慰めになっているのかも、という謎の自信をつけた。
毎晩そういうことを繰り返していたので、周囲の兵たちには当然のようにユーグ王子とアストリが肉体関係にあるということは周知の事実になっていた。さしものアストリも「これはよくないかもしれない」と思ったが、実際のところ直接文句を言われたりはなく、陰口を叩かれたりもしていないようだった。
むしろアストリはユーグ王子の生贄と見られていた。狂乱のユーグ王子に無理矢理体を暴かれているとでも思われているらしかった。アストリはまったく、そんな気はないどころか、終始ノリノリで積極的に奉仕しているのだが。しかしそんな閨の事情までは伝わっていないらしかった。
結局、アストリは気にしないことにした。こんなのは戦中だけだと割り切った。
そう、ユーグ王子をひたすら赤ちゃんを相手にするみたいに甘やかして、到底赤ん坊とはできないような夜を過ごすことも。全部全部、戦争が終わったらなくなるんだろう。アストリは冷静にそう未来を分析していた。
だからそれまでの栄華と割り切って、アストリはユーグ王子と存分にアレコレした。書物でしか知らなかったことを、これ幸いと実践してみたりした。唯一困ったのはたまにユーグ王子のナニがアストリの中で暴発することくらいか。しかしそれも戦勝が見えてきたことであまり気にしなくなった。
結局、終戦までその関係は続いた。
王都へと凱旋する前夜はアストリの中にも名残惜しさがあって、燃えに燃えた。もう二度とこんなイイ思いはできないだろう――。そう考えると例によってアストリの中で暴発されても許せた。ユーグ王子の目は申し訳なさそうな色を帯びていたけれど。
そう、ユーグ王子は戦争も末期になると少しずつ意思の疎通ができるようになってきていた。相手の話に頷いたり、それどころかその口で命令を飛ばすことだってできるまでに回復していた。……アストリの前では、相変わらず無口なままだったが。それでも瞳から感情をうかがえるようになったことは、大きな進歩と言えた。
それをなぜか周囲の人間はアストリのお陰ともてはやす。
「いや、ユーグ王子が時間をかけて頑張って自力で立ち直ったんですよ」と――アストリからすると――当たり前のことを言っても、周囲は「マルラン女史はなんて謙虚な方なんだ」と言い出す始末。そういう誤解――とアストリは思っている――が蔓延していることについて多少頭を悩ませたが、戦争が終われば関係もなくなるだろうと放置することにした。
けれどもコトはどんどん大きくなって行く。ユーグ王子の従者だの侍従長だの女中頭だの侍女だのといった人間たちはもちろん、あろうことか国王陛下にまで内々に呼び出されて感謝される始末。
しかしアストリからすると解せない。アストリはただ「イケメンとセックスするの楽しい」くらいにしか思っていなかったからだ。別にユーグ王子の心を癒してやろうなどという大いなる野望は抱いていなかった。いや、たしかにユーグ王子が可哀想だとは思っていたが、戦争も末期になればただひたすらセックスを楽しんでいたにすぎない。
それなのに――。
「アストリ、そなたは私の女神だ」
「アストリ、責任はきちんと取る」
「アストリ、結婚指輪はどんなデザインがいいだろうか」
それなのに、元の心優しく聡明な青年へと戻ったユーグ王子は、なぜそんなことをのたまうのか――。
なぜ国王陛下はうれしそうに式の日取りを聞いてくるのか――。
なぜ野心に満ちたご令嬢方は私を捕まえて「貴女にはかなわないわ」「貴女を尊敬するわ」とかわざわざ言ってくるのか――。
なぜ「イケメンとのセックスサイコー」としか思っていなかったのに、その身を賭して王子を更生させたと美談になっているのか――。
――今の状況が、私にはわからない……。
ついでに言うと終戦日に妊娠が判明するという狙ったような展開も、解せぬ。
アストリは嬉しそうにお腹を撫でてくるユーグ王子の顔を見て現実逃避を決め込もうとしたが、もちろんそんなことがいつまでも続けられるハズもないのであった。
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