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ミリセントは、先日覚えたわずかな引っかかりについて考え込んでいた。
思えば、それまでミリセント自身はダニエルと情熱的な関係になる必要性を感じてはこなかった。互いに敬意を払い、人格を尊重し合えるのであれば、夫婦を結び付けるために恋愛感情は必ずしも必須ではないと考えていたからだ。
それは今でもなんら間違いはないとミリセントは断言できる。夫婦にとって必要なのは信頼関係で、ミリセントとダニエルのあいだにはそれがある。それは、今でも言い切れる。
けれどもミリセントは考えたことがなかった自分に気づいた。学園を卒業し、正式に婚姻を果たしたあとに、ダニエルとの今の信頼関係から恋愛感情が生じるのかどうか――はたまた発展するのかどうか。
ミリセントは、これまでずっとそうなる必要はないと思っていたから、ダニエルとの交流の中でその可能性について頭の端にすらのぼらせたことがなかった己に気づいたのだ。
ミリセントは考える。果たして、自分はダニエルと「恋愛」をしてみたいのだろうか。
ダニエルは、今さら言い直すまでもなく「恋愛」がしたいと断言した状態だ。けれどもその相談をしてきたときの口ぶりでは、「恋愛」がしたいのであって、「ミリセントと」恋愛がしたいというわけではなさそうだった。
ダニエルが今、ミリセントと「恋愛」をしようと試行錯誤しているのは、ミリセントが許婚だという前提条件がすでにあったからだ。生真面目なダニエルが、浮気などという選択肢を取らない――というか取れない――だろうことは、付き合いの長いミリセントにはわかりきっている。
ただ、ダニエルは「仕方なく」ミリセントと「恋愛」をしようとしているのかというと、違う……気がした。
ミリセントの中に、にわかに迷いが生じる。「それはミリセントの願望であって、ダニエル当人にとっては違うのかもしれない」……。
仮に――仮にその想定が事実だったとして。ミリセントの心はそのときどう思うのだろう?
「やっぱりね」と言うのか。「悲しい」とか「悔しい」と言うのか。はたまた「怒り」を覚えるのだろうか。
ミリセントは急に自分のことも、ダニエルのこともわからなくなっていくようだった。足元が砂みたいに端から崩れて行って、深い深い水底へ落ちて行くような。
たしかにわかっているのは、ダニエルは優しいので、ミリセントを悪意をもって傷つけたりはしないということだけだった。
「もしかして嫉妬とかしてる?」
軽薄な調子の、若い男性の声がミリセントにかけられる。ミリセントが振り返ると、フィンレイが軽い調子で片手を挙げた。
フィンレイはダニエルの父方の従兄弟だ。しかしダニエルの母親が亡くなった当時、ダニエルの父親が後添えを迎えることを拒絶した一件でフィンレイの父親――ダニエルからすると伯父である――はなにがしかがあって憤慨し、没交渉となっていたと聞いている。
しかし学園に入ってから、同じ歳の従兄弟同士であるダニエルとフィンレイの交流は復活したらしい。
フィンレイはダニエルとは血の繋がりがあるから、なるほど顔つきなどはいくらか共通点がある。しかし性格面はあまり――というか、だいぶ似つかなかった。
歳上の女性とばかり浮名を流すフィンレイは、彼の父親の悩みの種であるという。幸い、不倫や浮気に興味はない様子で、お相手は歳上の未婚女性や未亡人であったが、フィンレイの父親としては同年代かそれより下の女性と付き合って欲しいらしい。フィンレイはまったく意に介する様子はないが。
先年も未婚の女性教師と噂が立ったばかりで、ダニエルがなんとも言えない顔をしていたことをミリセントはよく覚えている。
ミリセントはフィンレイに特に思うところはない。あちらこちら、女性のあいだをふらふらしているのは少々いかがなものかと思いはするものの、不倫や浮気に勤しんでいるわけでもない。彼は「恋愛」未満のロマンスを女性たちにいっとき提供して、見返りを貰っているだけ――とは言っても、やはり外聞は悪いのだが。
ミリセントがわざわざご忠告なんぞしなくても、フィンレイのほうがよほど引き際をわきまえている。だから、これまでに彼に関する目立ったトラブルは聞いたことがなかった。
「嫉妬? してないけど」
先ほどまでミリセントの視線の先には、女子生徒と話し込んでいるダニエルがいた。女子生徒の素性は知っている。学内にある園芸サークルの先輩で、ミリセントは名前だって知っていた。
「嫉妬というより、ただ考えていただけ」
「なにを?」
「わたしとダンって『夫婦』にはなるけれど、『恋人』にはなれるのかなって」
こういうときに下手な隠しごとをすると余計な邪推を呼ぶ。だからミリセントは先手を打って、ありのままの気持ちをフィンレイに開示した。別に恥ずかしくはなかったし、特段後ろめたいこともない。だから、ミリセントはその気持ちを口にした。
フィンレイは一瞬、呆気に取られたようにわずかに口の端を引きつらせた。しかしすぐに元の軽薄な笑みを貼り付けて、ミリセントに微笑む。
「君が望むならなれるさ」
「それは……『ありがとう』って言えばいいの?」
「信じてないでしょ。あーあ、嫉妬のひとつもしてもらえれば、ダンも報われるだろうに」
「意味がわからないんだけど」
「そういうところがね、不憫になる」
「嫉妬なんてしないわよ。ダンは浮気なんてしないし」
ミリセントが「わけがわからない」という顔をすれば、フィンレイは今度は意図的に口の端を上げた。
「信頼してるんだね」
「当然でしょ」
ミリセントはフィンレイに思うところはないものの、こういう、ちょっとひとを食ったような態度は少し苦手に思っていた。
いちいち、彼の言葉の真意を考えるのは、正直に言って疲れる。本心から言っていたとしても、彼の口から出ると途端に軽薄さが伴うからだ。
その点、ダニエルはミリセントに対してくだらない嘘はつかない。ミリセントからすると、ダニエルは安心できる相手だった。
「やあ、今お話ししている最中かな」
今度は、そのダニエルから声がかかって、ミリセントはそちらを振り返った。どうやら、園芸サークルの先輩と話すことは話したらしい。いつの間にやら彼女の姿はもう中庭のどこにもなかった。
「別に、俺が一方的に話してただけ」
「それほど一方的って感じでもなかったけれど?」
「それでいいじゃん」
――やはり、フィンレイの言葉は難しい。ミリセントはそう思った。
フィンレイはすれ違いざまにダニエルの肩を軽く叩き、「お前って信頼されてるのな」と言ったあと「じゃあ」と告げて去って行った。
思えば、それまでミリセント自身はダニエルと情熱的な関係になる必要性を感じてはこなかった。互いに敬意を払い、人格を尊重し合えるのであれば、夫婦を結び付けるために恋愛感情は必ずしも必須ではないと考えていたからだ。
それは今でもなんら間違いはないとミリセントは断言できる。夫婦にとって必要なのは信頼関係で、ミリセントとダニエルのあいだにはそれがある。それは、今でも言い切れる。
けれどもミリセントは考えたことがなかった自分に気づいた。学園を卒業し、正式に婚姻を果たしたあとに、ダニエルとの今の信頼関係から恋愛感情が生じるのかどうか――はたまた発展するのかどうか。
ミリセントは、これまでずっとそうなる必要はないと思っていたから、ダニエルとの交流の中でその可能性について頭の端にすらのぼらせたことがなかった己に気づいたのだ。
ミリセントは考える。果たして、自分はダニエルと「恋愛」をしてみたいのだろうか。
ダニエルは、今さら言い直すまでもなく「恋愛」がしたいと断言した状態だ。けれどもその相談をしてきたときの口ぶりでは、「恋愛」がしたいのであって、「ミリセントと」恋愛がしたいというわけではなさそうだった。
ダニエルが今、ミリセントと「恋愛」をしようと試行錯誤しているのは、ミリセントが許婚だという前提条件がすでにあったからだ。生真面目なダニエルが、浮気などという選択肢を取らない――というか取れない――だろうことは、付き合いの長いミリセントにはわかりきっている。
ただ、ダニエルは「仕方なく」ミリセントと「恋愛」をしようとしているのかというと、違う……気がした。
ミリセントの中に、にわかに迷いが生じる。「それはミリセントの願望であって、ダニエル当人にとっては違うのかもしれない」……。
仮に――仮にその想定が事実だったとして。ミリセントの心はそのときどう思うのだろう?
「やっぱりね」と言うのか。「悲しい」とか「悔しい」と言うのか。はたまた「怒り」を覚えるのだろうか。
ミリセントは急に自分のことも、ダニエルのこともわからなくなっていくようだった。足元が砂みたいに端から崩れて行って、深い深い水底へ落ちて行くような。
たしかにわかっているのは、ダニエルは優しいので、ミリセントを悪意をもって傷つけたりはしないということだけだった。
「もしかして嫉妬とかしてる?」
軽薄な調子の、若い男性の声がミリセントにかけられる。ミリセントが振り返ると、フィンレイが軽い調子で片手を挙げた。
フィンレイはダニエルの父方の従兄弟だ。しかしダニエルの母親が亡くなった当時、ダニエルの父親が後添えを迎えることを拒絶した一件でフィンレイの父親――ダニエルからすると伯父である――はなにがしかがあって憤慨し、没交渉となっていたと聞いている。
しかし学園に入ってから、同じ歳の従兄弟同士であるダニエルとフィンレイの交流は復活したらしい。
フィンレイはダニエルとは血の繋がりがあるから、なるほど顔つきなどはいくらか共通点がある。しかし性格面はあまり――というか、だいぶ似つかなかった。
歳上の女性とばかり浮名を流すフィンレイは、彼の父親の悩みの種であるという。幸い、不倫や浮気に興味はない様子で、お相手は歳上の未婚女性や未亡人であったが、フィンレイの父親としては同年代かそれより下の女性と付き合って欲しいらしい。フィンレイはまったく意に介する様子はないが。
先年も未婚の女性教師と噂が立ったばかりで、ダニエルがなんとも言えない顔をしていたことをミリセントはよく覚えている。
ミリセントはフィンレイに特に思うところはない。あちらこちら、女性のあいだをふらふらしているのは少々いかがなものかと思いはするものの、不倫や浮気に勤しんでいるわけでもない。彼は「恋愛」未満のロマンスを女性たちにいっとき提供して、見返りを貰っているだけ――とは言っても、やはり外聞は悪いのだが。
ミリセントがわざわざご忠告なんぞしなくても、フィンレイのほうがよほど引き際をわきまえている。だから、これまでに彼に関する目立ったトラブルは聞いたことがなかった。
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先ほどまでミリセントの視線の先には、女子生徒と話し込んでいるダニエルがいた。女子生徒の素性は知っている。学内にある園芸サークルの先輩で、ミリセントは名前だって知っていた。
「嫉妬というより、ただ考えていただけ」
「なにを?」
「わたしとダンって『夫婦』にはなるけれど、『恋人』にはなれるのかなって」
こういうときに下手な隠しごとをすると余計な邪推を呼ぶ。だからミリセントは先手を打って、ありのままの気持ちをフィンレイに開示した。別に恥ずかしくはなかったし、特段後ろめたいこともない。だから、ミリセントはその気持ちを口にした。
フィンレイは一瞬、呆気に取られたようにわずかに口の端を引きつらせた。しかしすぐに元の軽薄な笑みを貼り付けて、ミリセントに微笑む。
「君が望むならなれるさ」
「それは……『ありがとう』って言えばいいの?」
「信じてないでしょ。あーあ、嫉妬のひとつもしてもらえれば、ダンも報われるだろうに」
「意味がわからないんだけど」
「そういうところがね、不憫になる」
「嫉妬なんてしないわよ。ダンは浮気なんてしないし」
ミリセントが「わけがわからない」という顔をすれば、フィンレイは今度は意図的に口の端を上げた。
「信頼してるんだね」
「当然でしょ」
ミリセントはフィンレイに思うところはないものの、こういう、ちょっとひとを食ったような態度は少し苦手に思っていた。
いちいち、彼の言葉の真意を考えるのは、正直に言って疲れる。本心から言っていたとしても、彼の口から出ると途端に軽薄さが伴うからだ。
その点、ダニエルはミリセントに対してくだらない嘘はつかない。ミリセントからすると、ダニエルは安心できる相手だった。
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「別に、俺が一方的に話してただけ」
「それほど一方的って感じでもなかったけれど?」
「それでいいじゃん」
――やはり、フィンレイの言葉は難しい。ミリセントはそう思った。
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