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エピローグ
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間宮邸には、男を集めた部屋がある。
間宮はそこを「繁殖室」と呼んでいた。
周期的に訪れる繁殖期にあわせて間宮はその部屋を「使う」。
その日の気分にあわせて、今までに蒐集した男を選び、好きなように性行為に耽った。
間宮にとって性交は生きていくために必須の行為であると同時に、数少ない娯楽でもあった。
なので間宮はときには知性を奪われた男たちに簡単な命令を下して楽しんだ。
あえて乱暴に自身を犯させることもあったし、複数人での性交も楽しんだ。
間宮は、自分がどこからやって来たのか知らない。
どこからやって来て、いつからこの地にいるのかも知らない。
しかし自分が「繁殖しなければならない」ということだけは知っていた。
「いつか」に備えて同族を殖やす――そのためには、好きなときに精子を提供してくれる人間が必要だった。
だから間宮はこつこつと男たちを集めた。
男たちには寿命がある。なので、その蒐集には終わりがない。
「役立たず」になった男は廃棄される。しかし無駄にはしない。間宮の眷属の餌になるのだ。
間宮には人ならざる力が備わっていた。
すなわち生殖行為を滞りなく行うための力である。
間宮が性交している場面を見た男は、例外なく間宮を犯す妄想に囚われる。
間宮を襲い、犯し、射精する。
もちろん、ほとんどの人間には道徳心があり、倫理観が備わっている。
けれどもいつか間宮を犯したいという欲求は、妄想は、それらを必ず凌駕する。例外はない。
そうして間宮と粘膜で接触した人間は、絶えず間宮を犯したいという欲求に囚われる。
間宮を犯した時点で、彼らの運命は決まったようなものだ。
間宮はただ獲物が網にかかるのを待って、その欲求を膨らませるだけ膨らませるだけでいい。
間宮はそういうことを繰り返して生きてきた。
そしてこれからも――。
――ある休日の昼下がり、間宮は新たに貯蔵庫のストックに加えた一宏と生殖行為に耽っていた。
一宏にはもはや間宮の中で射精する以外の意思は存在していない。
獣のような声を上げてひたすら間宮の穴を犯し、そこで射精を迎えるだけだ。
間宮は、そんな生殖行為を庭に面した窓から食い入るように見つめる、幼い一対の視線に気づいた。
おおかた、ボールが庭に飛び込んだのでこっそりと取りに入ったのだろう。
間宮は、新たな獲物の登場にひとり舌なめずりをした。
間宮を犯す一宏。
一宏に犯され、喘ぐ間宮。
そしてそれを見つめる瞳――。
あの広い「繁殖室」に新たなストックが加わる日は、近そうだ。
間宮はそこを「繁殖室」と呼んでいた。
周期的に訪れる繁殖期にあわせて間宮はその部屋を「使う」。
その日の気分にあわせて、今までに蒐集した男を選び、好きなように性行為に耽った。
間宮にとって性交は生きていくために必須の行為であると同時に、数少ない娯楽でもあった。
なので間宮はときには知性を奪われた男たちに簡単な命令を下して楽しんだ。
あえて乱暴に自身を犯させることもあったし、複数人での性交も楽しんだ。
間宮は、自分がどこからやって来たのか知らない。
どこからやって来て、いつからこの地にいるのかも知らない。
しかし自分が「繁殖しなければならない」ということだけは知っていた。
「いつか」に備えて同族を殖やす――そのためには、好きなときに精子を提供してくれる人間が必要だった。
だから間宮はこつこつと男たちを集めた。
男たちには寿命がある。なので、その蒐集には終わりがない。
「役立たず」になった男は廃棄される。しかし無駄にはしない。間宮の眷属の餌になるのだ。
間宮には人ならざる力が備わっていた。
すなわち生殖行為を滞りなく行うための力である。
間宮が性交している場面を見た男は、例外なく間宮を犯す妄想に囚われる。
間宮を襲い、犯し、射精する。
もちろん、ほとんどの人間には道徳心があり、倫理観が備わっている。
けれどもいつか間宮を犯したいという欲求は、妄想は、それらを必ず凌駕する。例外はない。
そうして間宮と粘膜で接触した人間は、絶えず間宮を犯したいという欲求に囚われる。
間宮を犯した時点で、彼らの運命は決まったようなものだ。
間宮はただ獲物が網にかかるのを待って、その欲求を膨らませるだけ膨らませるだけでいい。
間宮はそういうことを繰り返して生きてきた。
そしてこれからも――。
――ある休日の昼下がり、間宮は新たに貯蔵庫のストックに加えた一宏と生殖行為に耽っていた。
一宏にはもはや間宮の中で射精する以外の意思は存在していない。
獣のような声を上げてひたすら間宮の穴を犯し、そこで射精を迎えるだけだ。
間宮は、そんな生殖行為を庭に面した窓から食い入るように見つめる、幼い一対の視線に気づいた。
おおかた、ボールが庭に飛び込んだのでこっそりと取りに入ったのだろう。
間宮は、新たな獲物の登場にひとり舌なめずりをした。
間宮を犯す一宏。
一宏に犯され、喘ぐ間宮。
そしてそれを見つめる瞳――。
あの広い「繁殖室」に新たなストックが加わる日は、近そうだ。
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