怪淫談(カイダン) ~オカルティックエロ短編集~

やなぎ怜

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ヤクライ(5)

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【六日目】

 宅配便のお兄さんと。自宅マンションの玄関で。

 家族から留守を預かっていたので、その日、自宅マンションの部屋にはわたしひとりだけしかいなかった。

 わたしはもぞもぞと、ひとり自室で自慰行為に耽っていた。

 たしかに他人よりもちょっと性欲が強いのかな? なんて思うことはあったけれども、ここのところのわたしはおかしい気がする。

 クリクリ♡ と片手で勃起乳首をこねまわし、もう片方の手でクリトリスをいじる。

 はあはあ♡ と荒い呼気を吐きながら、おまんこを愛液で濡らして自慰行為に夢中になっていたところで、インターホンが鳴った。

「ヤクライさ~ん」

 ――あれ? この名前、絶対に前にも聞いたことがある!

 そんな確信を抱いたものの、自慰行為を邪魔された気まずさとひとかけらの恥ずかしさから、わたしはさっとベッドから身を起こす。

 ドアスコープを覗けば、玄関扉の外には宅配会社の制服を着た二〇代前半くらいのお兄さんが立っていた。

 ――あれ? なんでエントランスにいないんだろう?

 わたしはそんな疑問を抱いたものの、お兄さんを見ているうちに「役目」を思い出した。

 ああ、このお兄さんはわたしとセックスするためにきたんだ。そのことを思い出して、わたしはかすかな、ほんのかすかな違和感を抱きながらも扉の錠を開けた。

「ヤクライさ~ん」

 妙に間延びした声でお兄さんがわたしを呼ぶ。

 ――わたしはヤクライじゃないんだけれど……。絶対に違うんだけど……。

 そう思いながらも、わたしはお兄さんとセックスをするために、部屋着にしている中学時代のジャージの下を脱いだ。下着姿になってすぐに、パンツも下ろして脚から引き抜いた。

「ヤクライさん、言ってごらん」

 急にお兄さんの声が変わったような気がした。正確には、言い方が変わったのだろうが、声そのものが先ほどまでのお兄さんとは違って聞こえたような気がした。

 けれどもわたしは違和感を抱えながらも、フローリングに腰を下ろして脚を大きく開く。先ほどまで自慰行為に耽っていたから、わたしのおまんこは愛液まみれで、おちんちんを迎える準備がじゅうぶんにできていた。

 股間がすーすーとするのを感じながら、わたしはおまんこをお兄さんに見せつけるようにして、言う。

「はい♡ えっと……お兄さんの勃起おちんちんをわたしに入れてください♡ それでずぽずぽ♡ ってわたしのおまんこ穴でおちんちんをしごいてください♡♡♡ それから……おまんこの奥にたーっぷり精液をびゅー♡ ってしてください♡♡♡」

 わたしは胸を高鳴らせながら懇願のセリフを言い切った。

 セックスをするという「目的」のためとはいえ、見ず知らずの初対面のお兄さんにおまんこを見せながら、勃起おちんちんを要求する状況に妙に興奮してしまう。

 先ほどの自慰行為があとを引いていることもあったが、先のセリフを言っただけで、おまんこの奥からドロリ♡ と愛液が流れ出てくるのがわかった。

 お兄さんはズボンの前をくつろげると、既に勃起して天を向いているおちんちんを取り出した。

「きゃ♡」

 そのままお兄さんはわたしに覆いかぶさって押し倒し、のしかかる。両脚はいっぱいに広げられたままお兄さんの手で固定されてしまった。

 そして遠慮会釈のない挿入。

 ――にゅぷ♡ ずぷぷぷぷ~~~~~~~♡♡♡ ズンッ♡♡♡

「――ん゛ほぉっ♡♡♡♡♡♡」

 お兄さんの亀頭がするりとわたしのおまんこに潜り込んだかと思えば、子宮口まで一度に貫かれてしまった。わたしは喉をそらせて、半開きの口からおおよそ理性ある人間が発したとは思えないような声を出してしまった。

 ――ずちゅ♡ ぬぷぷ♡ ズンッ♡

 ――どちゅっ♡ ずぷぷ♡ ズンッ♡

 お兄さんは情け容赦のないピストン運動でわたしを追い詰めて行く。

「んお゛っ♡ ぉんっ♡ おほ♡ おにいひゃんっ♡ そんな動きされたらぁ♡ わらひのおまんここわれちゃうよぉ♡♡♡ んぁ♡ おぅっ♡ おほぉっ♡ はーっ♡ はーっ♡ イぐっ♡ さっきまでオナニーしてたから簡単にイっひゃうぅぅ♡♡♡ イぐっ♡ イぐぅ♡ 初対面のおにーさんの勃起おちんちんで♡♡♡ おまんこめちゃくちゃに突かれてイぐうううううぅぅっ――~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡♡」

 ゆるゆるのスポーツブラの内側で乳首をしっかりと勃起させて、クリトリスも痛いほどに硬くして。

 けれどもそれらに触れられず、お兄さんの勃起おちんちんでおまんこの中を擦られるという行為だけでわたしは絶頂を迎えた。

 にわかに激しく、乱暴になるお兄さんの腰の動きに、「んほっ♡」とか「お゛ぉん♡」とか、ケダモノみたいな声を発しながらゆさゆさと揺さぶられるだけになったわたしの視界は、やがて白く靄がかって――ホワイトアウトした。




【七日目】

 親戚の××おじさんと。自宅マンションの自分の部屋で。

「ヤクライちゃん」

 ――はい? このひとわたしのことヤクライって呼んだ? わたしはヤクライなんて名前にはかすりもしないんだけど……。

 ――あれ? 前にも絶対に呼ばれたことある! ……けど、それっていつだったっけ……?

 休みだからと惰眠をむさぼっていたわたしの部屋に、××おじさんはいた。寝起きの頭で上手く思考が回らない中、それでも××おじさんとセックスをしなければならないという「目的」だけは思い出せた。

 これくらいの歳の頃の男のひとを、自室には入れたくないというのが正直な女子高生心というやつだった。

 けれどもわたしは××おじさんとセックスをしなければならないので、仕方がない。

「ヤクライちゃん、言ってごらん」

 ――まただ。ヤクライ。その名前を聞くと、なんだか違和感がすごくて……。

 思考回路が覚醒しきっていないパジャマ姿のままで、わたしは言う。

「はい……♡ ××おじさん……♡ わたしのおまんこをたくさん使ってください♡ 勃起おちんちんを入れて、ずぽずぽ♡ っていっぱいおまんこでしごいて、奥でびゅー♡ って精液をいーっぱい出してください……♡♡♡」

 ××おじさんはベッドに横たわったままのわたしに馬乗りになって、パジャマの前を開けたり、ズボンを下着ごと脱がせたりしてくる。

 やがて××おじさんはわたしの大きなおっぱいを揉みながら、性急な手つきでおまんこの入り口を触ったり、クリトリスをクリクリ♡ と指の先でいじり始めた。

「んぅ♡ あん♡ あぅ……♡」

 寝ぼけた状態とはいえど、乳首やクリトリス、おまんこをいじられれば他人よりも性欲が強いっぽいわたしは、簡単にその気になってしまう。

「んぁあ♡ おじさん♡ もういいから♡ そんなにいじりすぎたらイっちゃう♡ あ♡ ぅう♡ おじさん♡ おじさんのおちんちん見せて♡ おじさんのおちんちんでイきたいの……♡」

 わたしが甘え媚びた声を出せば、おじさんはズボンの前から赤黒い勃起おちんちんを取り出して見せてくれる。

 わたしはごくり、と生唾を飲み込んだ。あの勃起おちんちんでおまんこを突かれまくるのはきっと気持ちがいいだろう。

 子宮口まで簡単に届きそうな長さ、おまんこいっぱいに頬張れそうな極太の竿。そしてつるりとした赤黒い亀頭。

 そのどれもが極上に見えて、わたしは胸を高鳴らせた。

 そして――

「――んお゛っ♡ おほっ♡ んぅ♡ らめえ♡ そんなはげしくしたらぁ♡ わらひのおまんこおかしくなりゅっ♡ あっ♡ あっ♡ あ~~~♡♡♡ クリちゃんつぶさないれ♡ クリちゃんやめ♡ やめひぇ♡ イぐっ♡ イってるっ♡ さっきからずっとイってりゅのぉ♡ はーっ♡ はぅ♡ イってるからぁ♡ 潮吹きもしちゃってるからぁ♡ んぁあっ♡ おぅ♡ おっ♡ おっ♡ おぅう♡ イぐぅ♡ イぐっ♡ おじさんの勃起おちんちんで子宮突かれてイぐうううううぅぅぅぅ――~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡♡」

 わたしはベッドの上で××おじさんの勃起おちんちんで責め立てられ、潮吹きをしてシーツを汚しながら何度も何度も絶頂を極めた。

「あと一日」

 視界が白く靄がかり、完全にホワイトアウトするその直前、声が聞こえた。

 女の声だった。
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