怪淫談(カイダン) ~オカルティックエロ短編集~

やなぎ怜

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セフ霊(4)

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 そのように小夜子と推定幽霊との情事は続き、蜜月とも言える時間を過ごしてきた。

 幽霊は部屋にいるあいだはところ構わず小夜子を犯した。相手のほうが力が強く、抵抗らしい抵抗を許されないというのもありはしたものの、概ね小夜子もその強引な情交を楽しんでいた。どうやら、幽霊との濃厚な情事を受けて、小夜子の中に隠されていたMっ気までもが掘り起こされたようだ。

 相変わらず、相手の姿は見えない。意思疎通もほとんどできない。この頃になると小夜子は相手のことは幽霊だと思うようになっていた。幽霊は、先述の通りしゃべったり、意思表示をしたりしないので、なにを考えているのか小夜子にはさっぱりわかりはしない。

 しかし小夜子にとってはむしろそれでよかった。空想の中で都合のいい像を結び、気持ちのいいセックスに溺れる。間違いなく体の相性は最高で、幽霊との情事の日々は元カレとのそれとは比べ物にもならない。

 姿も見えなければ考えていることもわからないのだから、余計な心配をしなくて済むのはよかった。もしもこれで相手が生身の人間であれば、小夜子はあれこれと気を回したり、心配事を重ねたりしてしまっていたかもしれない。けれども幽霊が相手であれば、あれこれと気を使う必要は感じられない。

 盛大に膣内射精されても生理が止まるなんてことはなかったし、愛撫はねちっこいものの丁寧だ。ときおり強引さが見え隠れはするものの、小夜子を痛めつけるといったことはない。唯一の欠点は、小夜子のベッドシーツや服が汚れても、それの処理を手伝ってくれることがない――というか、できないのかもしれない――ことだろうか。

 しかしそれでもヤることをヤったらはいおしまい、という部分を、手軽でいいと小夜子はポジティブに捉えていた。幽霊によって淫蕩な性質を開花させられた小夜子はもう、その手練手管を知らない前の状態には戻れないところまで来ていた。だから幽霊がいつでも相手をしてくれるのはうれしかったし、小夜子も十二分に楽しんでいた。


 たとえば、朝。寝ぼけまなこを洗顔でしゃっきりさせたあと、小さなキッチンに置かれた、これまた小さな一人用冷蔵庫を開ける。そのときに身をかがめれば、ブラジャーをつけていない小夜子の豊満な乳房がわずかに揺れて、下着しかさえぎるものがない尻を突き出す姿勢になる。

 ――つつつーっ♡

「あっ♡」

 それを見計らっていたかのように、幽霊の指が下着越しに小夜子の割れ目をなぞった。指は割れ目の谷間に合わせて軽く上下に往復したあと、今度は布越しに小夜子の敏感なクリトリスを撫で始める。

 ――スリスリ……♡ クリクリ……♡

「んっ♡ んんぅ……♡」

 クリトリスの先端を指の腹で撫で上げていたかと思えば、急にいじわるになって強く指でつまみ、しこしこ♡ と上下にしごき始める。小夜子は臀部を痙攣させるように震わせて、自然と脚を開いてしまう。冷蔵庫を閉じて扉に手を突く。もっと上に尻を突き上げて、幽霊がクリトリスをいじりやすい姿勢を取る。

 するとそれに応えるように、幽霊は小夜子の柔らかく大きな乳房も弄び始めた。ぐにぐに♡ とその肉感と肉厚さを楽しむかのように、指を乳房に沈ませる。その少々強引な動きだけで、小夜子の乳首は期待に勃起して、薄いTシャツの布地を押し上げた。

 幽霊は、そこですぐに飛びつくときもあれば、焦らしに焦らして小夜子を翻弄するときもある。今日は後者だった。粟立った乳輪をなぞるように指を優しく、もどかしく動かしてくる。指先でちょいちょい、と勃起乳首を擦り上げる。と、思えば急にカリカリカリ♡ と乳首の中心を爪で引っかく猛攻を仕掛けてくるのだから、小夜子はいいようにされっ放しだった。

「あっ♡ ふうっ♡ んんんっ♡」

 今日は大学の講義がある。朝から喘いで声を枯らしてしまっては困るので、小夜子はこのときは嬌声をこらえた。けれども幽霊にはそんなことはお構いなしらしく、大人の男の手でも収まり切らない小夜子の大きな乳房をわしっと掴んだかと思うと、クロッチに愛液をいっぱい吸い込んだ下着をずり下ろす。

 ――じゅぷぷぷぷぷっ♡

 ――どちゅんっ♡♡♡

 クリトリスと乳首だけでじゅうぶんに濡れそぼった小夜子のおまんこへ、極太ペニスの容赦のないひと突き。小夜子はその衝撃と快楽を殺すように背中をくの字に反らせた。

「んお゛っ♡ おほっ♡」

 流石の小夜子も準備万端のおまんこに極太ペニスの一撃を加えられては、下品な喘ぎ声を漏らしてしまう。

 ――ぎゅ~~~~~~♡

「――あぅ♡ らめえ♡ そんな強く乳首引っ張ったら伸びちゃうぅ♡♡♡」

 そして乳首を責め立てられながら、極太ペニスでおまんこを同時に攻略されてしまう。

 ――じゅぷっ♡ じゅぽっ♡ じゅぷぷぷぷっ♡ じゅぽっ♡

 ――パンッ♡ パンッ♡ パンッ♡ パンッ♡

 幽霊の激しく巧みなピストン運動に翻弄されながら、小夜子は喘ぎ声を懸命に押し殺す。「んほっ♡ おほっ♡」と少々間抜けな音を漏らしながら、根元まで出し入れされる極太ペニスを必死に締め上げてしまう。

 小夜子のおまんこは幽霊のペニスの虜だった。ひとたび挿入されてしまえば、逃がさない、離したくないとばかりに吸いついて、媚びるようにペニスを締め上げる。そして膣襞からたっぷりと愛液を分泌し、子種を吐き出させようと甘くしゃぶりつくのである。その動きは小夜子自身にはどうしようもできなかったし、どうにかするつもりもなかった。

 ここのところの情事で小夜子のおまんこはすっかり幽霊のペニスの形を覚えてしまっていた。それを自覚したとき、小夜子は思わず膣奥から愛液を垂れさせてしまった。小夜子の淫蕩さは、そこまで極まっていたのである。

 ――びゅるっ♡ びゅっ♡ びゅるるるる~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡♡

 そして、お決まりの膣内射精なかだし。幽霊が膣内射精をしなかったのは、初めて出会ったあの夜だけだった。再度の情交以後は、小夜子に手を出せば幽霊は必ずそのおまんこの中で果てるのである。びくびくとペニスを震わせながら、小夜子の子宮口に向かって白濁液をほとばしらせる。それは必ずで、例外はない。

 そして人間とは思えない長い長い射精を終えると、ふっと幽霊の気配は消える。これも例外はない。

 残された小夜子は幽霊に翻弄された余韻を引きずりながら、ようやく、大学へ行くための支度を始めるのであった。


 たとえば、風呂の湯船の中で。急に見えないが質量のある存在が湯船の中に現れたかと思うと、正面から小夜子の無防備な乳房やおまんこを弄び始める。

 幽霊が現れないのはトイレで用を足しているときくらいだ。トイレという場は無防備に性器を晒すわけだが、さすがに配慮してくれているのか、あるいはそういった趣味はないのか、そういう場面で幽霊が現れたことはなかった。

 閑話休題。

 ――にゅぷぷっ♡ ずぽずぽずぽっ♡

「あ、あんっ♡ あ♡ あ♡ お湯が入ってきて……熱い♡」

 水気には事欠かない湯船の中。幽霊は小夜子のおまんこの割れ目を何度かなぞったあと、太い指を入れてくる。もちろん小夜子がその快楽に勝てるはずもなく、風呂場のタイルに嬌声を反響させながら、容易く絶頂を迎えてしまった。

 小夜子はバスタブいっぱいに脚を開いて、幽霊がペニスを挿入しやすい体勢を取った。

 ――にゅるるるる~~~~~~っ♡♡♡

 ――パシャンッ、パシャンッ、パシャンッ!

 すぐさま質量のある大きく太いものが、小夜子の膣内を押し拡げながら入ってくる。そして湯船が激しく躍り、バスタブの外へ風呂湯をときおりこぼしていた。

「あぐぅっ♡ おっ♡ おぅっ♡ おほっ♡」

 風呂場に響き渡る小夜子の淫らな喘ぎ声は、タイルに反響して彼女の耳にもハッキリと飛び込んでくる。普通の部屋でするのとはまた違った雰囲気に呑まれ、小夜子は乱れに乱れた。幸いにも小夜子がのぼせる前に幽霊は例の如く膣内射精をして消えたので、彼女はどうにか風呂場で失神することは避けられたものの、その晩は早々に寝入ってしまったのであった。
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