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セフ霊(1)
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小夜子はどこにでもいる女子大生のひとりである。他人より秀でたところや、変わったところを生まれてから自覚したことがない。平均より大きな胸を持つこと以外は普通の女の子。自他ともにそう思っていた。……あの夜がくるまでは。
――カリカリ……♡ カリカリ……♡
その夜、小夜子は下半身の違和感にゆるゆると目を覚ました。ベッドの上ではしたなく開いた股の中心――クリトリスを下着の布越しに爪で引っかかれていることに気づいたのは、たっぷり数分をかけてからだ。
――カリカリ……♡ カリカリ……♡
はじめはなにをされているのか理解できなかった。しかしじっくりとクリトリスを責められているうちに、寝起きでぼんやりとした小夜子の頭にも、体が感じている快楽が到達する。
――カリカリ……♡ カリカリ……♡
「――あっ♡ ああん……♡」
自然と淫らな声が漏れ出て、気がつけば膣の入り口からじんわりと愛液があふれ出ていた。
敏感な神経が集まったクリトリスをカリカリと爪で引っかかれ続けている。――姿の見えない、だれかに。
ベッドの上を見回しても、どこにも小夜子のクリトリスを弄ぶ変質者の姿は見当たらない。そのことに気づいた小夜子はゾッとしたが、しかしその恐怖も姿の見えない何者かからの、巧みな愛撫によって瞬く間に快楽へと塗り替えられてしまった。
「んんんっ♡ あっ♡ あぅ……♡」
カリカリ♡ カリカリ♡ とひたすらクリトリスを布越しに爪で引っかかれ続ける。下着越しというのがまたもどかしくもあり、しかし直接触れるのとはまた違った良さがあり、小夜子はクリトリスで得た快楽に身悶えた。びくりびくりと震えるたびに、小夜子の胸の上で、豊かな柔らかい乳房がふるふると揺れる。
「あ♡ はあ♡ はぅ♡ ああっ♡ だめえ♡ だめっ♡」
かろうじて残っていた理性で抵抗を試みる。しかしそれは口だけに終わった。小夜子の細い腰と豊かな臀部はベッドから浮き上がり、与えられる快楽を貪欲に追い求めるかのようにゆらゆらと前後に揺れていた。
そしてそれをわかっているのかいないのか、正体不明の存在は小夜子のクリトリスを責め続ける。熱く、硬くなった小夜子のクリトリスの先端――最も敏感な箇所を、ひたすら爪の先で引っかき続ける。そのお陰で、小夜子の下着のクロッチはびしょびしょに濡れ、もはや穿いている意味をなしていなかった。
小夜子は、過去に彼氏がいたこともあるし、処女ではない。けれどもつい数ヶ月前まで高校生だった彼女が付き合ったことがあるのは同級生だ。その、今思えばつたない性行為に不満を抱いたことはなかった。愛し合う「熱」があったころは、体を重ねられるだけで満足だったからだ。
けれども「熱」が冷めたあとは、どうしても物足りなさを感じる性行為からは遠のいた。そして高校卒業によって関係は自然消滅。排卵日前後などのどうしてもムラムラしてしまう時期だけは自慰行為に励んでいたが、それは「楽しむ」というより「処理」に近かった。
「自分は性に関しては淡白なんだ」――小夜子はそう思っていた。この夜を、迎えるまでは。
――カリカリ……♡ カリカリ……♡
見えない指が、その爪の先が、小夜子のクリトリスを責め立てる。小夜子はその快楽を追い求めて、無意識のうちに腰から臀部にかけてを浮かし、がくがくと前後に動かしていた。敏感なクリトリスを嬲られて、小夜子の開いた股の内側が、ぶるぶると震える。
こんな快楽は感じたことがなかった。今までしたどんなセックスよりも、オナニーよりも気持ち良かった。
「んお♡ おお♡ おぅ♡ おほぉ♡」
小夜子の開いた口からは自然と下品な喘ぎが漏れ出る。それは小夜子のありのままの嬌声。彼氏がいた頃は下品だとか変だとか思われるのがイヤで、押し殺していた本当の喘ぎ声。そんな声を今、小夜子は上げて、快楽を貪っている。
そして小夜子の下着から染み出た愛液が、ベッドシーツまでもを汚し始めたころ、見えないだれかの動きが止まる。生理的な涙を浮かべた小夜子は、束の間の静けさに身をゆだね、荒い呼気を吐きながら未だ解放されないもどかしい熱に悩ましく眉根を寄せる。しかしそれは、しょせん束の間の静けさに過ぎなかった。
「――?! んんおおおおおおぉっ~~~~~~~~~~~~???!!!♡♡♡♡♡♡」
――じゅるるるるるるっ♡♡♡
小夜子の股座から淫らな水音が響き渡った。熱く、ざらついて、ぬめぬめとしたもの――肉厚の舌が、小夜子のクリトリスを舐め上げたあと、突如として吸いついてきたのだ。
小夜子は容易く絶頂を迎えた。内股をびくびくと震わせ、足先をぎゅっと丸めて、快楽に耐えようとする。大きな乳房の先端、乳首が硬く勃起して寝間着の薄い布をかすかに押し上げる。
しかしそれは今までに経験したどんな絶頂よりも強烈で、それは深く深く長く続き――気がつけば小夜子は尿道から透明な汁をほとばしらせていた。初めての潮吹きだった。
――ぷしゃっ♡ ぷしゅっ♡
しばらく小刻みに潮を吹いたあと、小夜子は脱力し、茫然と天井を眺めていることしかできなかった。そして正体不明の存在はいつの間にか消えていたらしく、その後の夜は、小夜子のクリトリスに再度触れるものはいなかった。
「あれはなんだったんだろう」――翌朝、小夜子は汚れてしまったベッドシーツを洗濯機に入れながら考えた。しかし考えても答えは出ない。淫らな夢と言ってしまえばそこまでであったが、たしかにあの夜、あの瞬間、何者かが小夜子のクリトリスを愛撫してくれていた――。
そう考えるとあのときの強烈な快楽まで蘇ってくるようで、小夜子は思わず恥丘に指を這わせる。
「……幽霊?」
「そんな馬鹿な。ひたすらクリ責めしてくる幽霊ってなによ」――小夜子はそう思って考えを打ち消す。そうしてしまえば、また疑問は振り出しに戻って、考えれば考えるほど、その夜の出来事を鮮明に思い出してしまう。
そして――心のどこかで小夜子はあの正体不明の存在を待ち望むようになっていた。また、潮を吹くまでクリトリスを弄り倒されたい。そしてその「また」があるのなら、今度は元カレしか侵入を果たしたことがない小夜子の奥まで押し入ってきて欲しい――。
そんな小夜子の、マゾヒスティックな願いは――およそ一週間後に叶えられた。
――カリカリ……♡ カリカリ……♡
その夜、小夜子は下半身の違和感にゆるゆると目を覚ました。ベッドの上ではしたなく開いた股の中心――クリトリスを下着の布越しに爪で引っかかれていることに気づいたのは、たっぷり数分をかけてからだ。
――カリカリ……♡ カリカリ……♡
はじめはなにをされているのか理解できなかった。しかしじっくりとクリトリスを責められているうちに、寝起きでぼんやりとした小夜子の頭にも、体が感じている快楽が到達する。
――カリカリ……♡ カリカリ……♡
「――あっ♡ ああん……♡」
自然と淫らな声が漏れ出て、気がつけば膣の入り口からじんわりと愛液があふれ出ていた。
敏感な神経が集まったクリトリスをカリカリと爪で引っかかれ続けている。――姿の見えない、だれかに。
ベッドの上を見回しても、どこにも小夜子のクリトリスを弄ぶ変質者の姿は見当たらない。そのことに気づいた小夜子はゾッとしたが、しかしその恐怖も姿の見えない何者かからの、巧みな愛撫によって瞬く間に快楽へと塗り替えられてしまった。
「んんんっ♡ あっ♡ あぅ……♡」
カリカリ♡ カリカリ♡ とひたすらクリトリスを布越しに爪で引っかかれ続ける。下着越しというのがまたもどかしくもあり、しかし直接触れるのとはまた違った良さがあり、小夜子はクリトリスで得た快楽に身悶えた。びくりびくりと震えるたびに、小夜子の胸の上で、豊かな柔らかい乳房がふるふると揺れる。
「あ♡ はあ♡ はぅ♡ ああっ♡ だめえ♡ だめっ♡」
かろうじて残っていた理性で抵抗を試みる。しかしそれは口だけに終わった。小夜子の細い腰と豊かな臀部はベッドから浮き上がり、与えられる快楽を貪欲に追い求めるかのようにゆらゆらと前後に揺れていた。
そしてそれをわかっているのかいないのか、正体不明の存在は小夜子のクリトリスを責め続ける。熱く、硬くなった小夜子のクリトリスの先端――最も敏感な箇所を、ひたすら爪の先で引っかき続ける。そのお陰で、小夜子の下着のクロッチはびしょびしょに濡れ、もはや穿いている意味をなしていなかった。
小夜子は、過去に彼氏がいたこともあるし、処女ではない。けれどもつい数ヶ月前まで高校生だった彼女が付き合ったことがあるのは同級生だ。その、今思えばつたない性行為に不満を抱いたことはなかった。愛し合う「熱」があったころは、体を重ねられるだけで満足だったからだ。
けれども「熱」が冷めたあとは、どうしても物足りなさを感じる性行為からは遠のいた。そして高校卒業によって関係は自然消滅。排卵日前後などのどうしてもムラムラしてしまう時期だけは自慰行為に励んでいたが、それは「楽しむ」というより「処理」に近かった。
「自分は性に関しては淡白なんだ」――小夜子はそう思っていた。この夜を、迎えるまでは。
――カリカリ……♡ カリカリ……♡
見えない指が、その爪の先が、小夜子のクリトリスを責め立てる。小夜子はその快楽を追い求めて、無意識のうちに腰から臀部にかけてを浮かし、がくがくと前後に動かしていた。敏感なクリトリスを嬲られて、小夜子の開いた股の内側が、ぶるぶると震える。
こんな快楽は感じたことがなかった。今までしたどんなセックスよりも、オナニーよりも気持ち良かった。
「んお♡ おお♡ おぅ♡ おほぉ♡」
小夜子の開いた口からは自然と下品な喘ぎが漏れ出る。それは小夜子のありのままの嬌声。彼氏がいた頃は下品だとか変だとか思われるのがイヤで、押し殺していた本当の喘ぎ声。そんな声を今、小夜子は上げて、快楽を貪っている。
そして小夜子の下着から染み出た愛液が、ベッドシーツまでもを汚し始めたころ、見えないだれかの動きが止まる。生理的な涙を浮かべた小夜子は、束の間の静けさに身をゆだね、荒い呼気を吐きながら未だ解放されないもどかしい熱に悩ましく眉根を寄せる。しかしそれは、しょせん束の間の静けさに過ぎなかった。
「――?! んんおおおおおおぉっ~~~~~~~~~~~~???!!!♡♡♡♡♡♡」
――じゅるるるるるるっ♡♡♡
小夜子の股座から淫らな水音が響き渡った。熱く、ざらついて、ぬめぬめとしたもの――肉厚の舌が、小夜子のクリトリスを舐め上げたあと、突如として吸いついてきたのだ。
小夜子は容易く絶頂を迎えた。内股をびくびくと震わせ、足先をぎゅっと丸めて、快楽に耐えようとする。大きな乳房の先端、乳首が硬く勃起して寝間着の薄い布をかすかに押し上げる。
しかしそれは今までに経験したどんな絶頂よりも強烈で、それは深く深く長く続き――気がつけば小夜子は尿道から透明な汁をほとばしらせていた。初めての潮吹きだった。
――ぷしゃっ♡ ぷしゅっ♡
しばらく小刻みに潮を吹いたあと、小夜子は脱力し、茫然と天井を眺めていることしかできなかった。そして正体不明の存在はいつの間にか消えていたらしく、その後の夜は、小夜子のクリトリスに再度触れるものはいなかった。
「あれはなんだったんだろう」――翌朝、小夜子は汚れてしまったベッドシーツを洗濯機に入れながら考えた。しかし考えても答えは出ない。淫らな夢と言ってしまえばそこまでであったが、たしかにあの夜、あの瞬間、何者かが小夜子のクリトリスを愛撫してくれていた――。
そう考えるとあのときの強烈な快楽まで蘇ってくるようで、小夜子は思わず恥丘に指を這わせる。
「……幽霊?」
「そんな馬鹿な。ひたすらクリ責めしてくる幽霊ってなによ」――小夜子はそう思って考えを打ち消す。そうしてしまえば、また疑問は振り出しに戻って、考えれば考えるほど、その夜の出来事を鮮明に思い出してしまう。
そして――心のどこかで小夜子はあの正体不明の存在を待ち望むようになっていた。また、潮を吹くまでクリトリスを弄り倒されたい。そしてその「また」があるのなら、今度は元カレしか侵入を果たしたことがない小夜子の奥まで押し入ってきて欲しい――。
そんな小夜子の、マゾヒスティックな願いは――およそ一週間後に叶えられた。
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