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恋人になっても意地悪です!*
しおりを挟む「あっ、待って。待って……!」
それまで甘いキスにうっとりとしていた歩夢だったが、乳首に触れられた瞬間慌てたような声を出して必死にかぶりを振った。
「今度はなんだよ」
「そこ、触らないで……っ」
「なんで」
「な、なんでって……」
それはもちろん気持ちがいいからである。気持ちがよすぎて我慢することができないのだ。
歩夢の反応からも、悪い意味ではないと分かっている小田原は終始強気である。答えを聞くまでもないと、歩夢の制止など聞かなかったことにして乳首への愛撫を再開した。
「気持ちいいならいいだろ? ほら、ここ大好きだろうが」
「あっ! や、ぁんっ♡ やだっ、駄目だってばぁ……っ♡」
「ほら、歩夢。口寄こせ」
「あ、む……っ♡ んんっ、ん、ぅ……♡」
ぐちゅ、くちゅん、と耳をふさぎたくなるような音を立てながら、再び差し込まれた舌に絡み取られ、抵抗むなしくクリクリと悪戯に乳首をくすぐられてしまえば、歩夢の身体からはすぐに力が抜けてしまう。
押さえつける必要もなくなった両手は、今や縋るように小田原のワイシャツを掴んでいた。そのおかげで自由になったもう一方の手を、とろとろに蕩けている歩夢の下半身へと移動させる。
「ンッ! んんっ、ん~~~~っ♡」
歩夢は直接的な刺激に大きく身体を跳ねさせるが、深く差し込まれた舌が邪魔ではっきりと叫ぶことすらできない。
「んっ、ん、ン……ッ♡ っ! んんんんん”ぅっ♡♡」
一番敏感な先っぽを遠慮もなく親指で抉られ、歩夢は一切我慢することも出来ず下着の中に射精した。
「今日もたっぷり出したな?」
どうやら初めての練習の時から、小田原はこうして歩夢に服を着たまま射精をさせることが好きらしい。どんなに嫌だと言っても止める気配はなく、今日もとてもいい笑顔を浮かべながら、はぁはぁと胸を荒い呼吸で胸を喘がせる歩夢の下肢へを手を伸ばし、わざとぐちゅりと濡れた音を立てる。
「…………へんたい……」
真っ赤な顔をして呟いた歩夢の精一杯の悪口は、そのまま小田原の口の中へと消えていった。
歩夢を一度イかせたことで、ようやく小田原の激しさは一旦落ち着いたようで、嵐のような激しさから今は優しく穏やかな愛撫が続いている。しかしその手は止まることはなく、着実に少しずつ歩夢の官能を高めていった。
(や、やっぱり、今日は……お尻に挿れるんだよね……?)
甘いキスを繰り返しながら、歩夢はちらりとスラックスを窮屈そうに押し上げている小田原のものに視線を送る。大きく主張をしているそれが本当に自分の尻の中に入るのだろうかと不安でならなかったが、これまで散々指や道具を使って快感を覚えこまされてきた後孔だ。あんなすごいものが挿れられたら、一体どれだけ気持ちがいいのだろうと、少しだけ期待してしまう気持ちもあった。
歩夢は小田原にバレないようにごくりと唾を飲み込んで、極力平静なふりをして声を出す。
「……ふ、服……」
「ん?」
「服、俺も脱がせた方がいいよね……?」
初めて練習をした時に小田原が「相手の服を脱がせるのもマナー」と言われたことを、歩夢はしっかりと覚えていた。自分を疑うこともなく、そうなんでしょうと小首を傾げる歩夢に、小田原は口角を上げると優しく髪を撫でた。
「それはまた今度な」
「え? でも……」
「今日はそれよりも先に、お前を可愛がりたい」
そう言って身体を足元の方にずらし、下半身の方へと顔を埋めようとする小田原に歩夢は何をしようとしているのかに気付き、大きな声を出す。
「っ、待、って……! やめてっ」
両手で開かされた足の間にある大事なものを手のひらで隠し、必死にそれは嫌だと訴える歩夢に小田原は訝しげに眉を顰める。
「なんでだよ。お前、これ好きだろ?」
まだ回数を重ねてはいなかったが、以前フェラをした時も全身を赤く染めて気持ちよさそうに喘いでいたはずだ。なにかまた知らず知らずのうちに嫌な思いでもさせていたのだろうかと心配になっていた時、歩夢が消え入りそうな小さな声で爆弾を落とした。
「……それ、き……気持ちよすぎて、怖い、から……だめ……っ」
「うっ、ぐ……」
頬を赤く染めながら、恥ずかしそうにそんなことを言われ、止まれる男が果たしているだろうか。
「……お前、それ逆効果だろ……」
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