声優(おしごと)の時間です! 〜意地悪マネージャーと秘密のレッスン?!〜

つむぎみか

文字の大きさ
上 下
51 / 55

恋人になっても意地悪です!*

しおりを挟む


「あっ、待って。待って……!」

 それまで甘いキスにうっとりとしていた歩夢だったが、乳首に触れられた瞬間慌てたような声を出して必死にかぶりを振った。

「今度はなんだよ」
「そこ、触らないで……っ」
「なんで」

「な、なんでって……」

 それはもちろん気持ちがいいからである。気持ちがよすぎて我慢することができないのだ。
 歩夢の反応からも、悪い意味ではないと分かっている小田原は終始強気である。答えを聞くまでもないと、歩夢の制止など聞かなかったことにして乳首への愛撫を再開した。

「気持ちいいならいいだろ? ほら、ここ大好きだろうが」
「あっ! や、ぁんっ♡ やだっ、駄目だってばぁ……っ♡」
「ほら、歩夢。口寄こせ」
「あ、む……っ♡ んんっ、ん、ぅ……♡」

 ぐちゅ、くちゅん、と耳をふさぎたくなるような音を立てながら、再び差し込まれた舌に絡み取られ、抵抗むなしくクリクリと悪戯に乳首をくすぐられてしまえば、歩夢の身体からはすぐに力が抜けてしまう。
 押さえつける必要もなくなった両手は、今や縋るように小田原のワイシャツを掴んでいた。そのおかげで自由になったもう一方の手を、とろとろに蕩けている歩夢の下半身へと移動させる。

「ンッ! んんっ、ん~~~~っ♡」

 歩夢は直接的な刺激に大きく身体を跳ねさせるが、深く差し込まれた舌が邪魔ではっきりと叫ぶことすらできない。

「んっ、ん、ン……ッ♡ っ! んんんんん”ぅっ♡♡」

 一番敏感な先っぽを遠慮もなく親指で抉られ、歩夢は一切我慢することも出来ず下着の中に射精した。

「今日もたっぷり出したな?」

 どうやら初めての練習の時から、小田原はこうして歩夢に服を着たまま射精をさせることが好きらしい。どんなに嫌だと言っても止める気配はなく、今日もとてもいい笑顔を浮かべながら、はぁはぁと胸を荒い呼吸で胸を喘がせる歩夢の下肢へを手を伸ばし、わざとぐちゅりと濡れた音を立てる。

「…………へんたい……」

 真っ赤な顔をして呟いた歩夢の精一杯の悪口は、そのまま小田原の口の中へと消えていった。

 歩夢を一度イかせたことで、ようやく小田原の激しさは一旦落ち着いたようで、嵐のような激しさから今は優しく穏やかな愛撫が続いている。しかしその手は止まることはなく、着実に少しずつ歩夢の官能を高めていった。

(や、やっぱり、今日は……お尻に挿れるんだよね……?)

 甘いキスを繰り返しながら、歩夢はちらりとスラックスを窮屈そうに押し上げている小田原のものに視線を送る。大きく主張をしているそれが本当に自分の尻の中に入るのだろうかと不安でならなかったが、これまで散々指や道具を使って快感を覚えこまされてきた後孔だ。あんなすごいものが挿れられたら、一体どれだけ気持ちがいいのだろうと、少しだけ期待してしまう気持ちもあった。
 歩夢は小田原にバレないようにごくりと唾を飲み込んで、極力平静なふりをして声を出す。

「……ふ、服……」
「ん?」
「服、俺も脱がせた方がいいよね……?」

 初めて練習をした時に小田原が「相手の服を脱がせるのもマナー」と言われたことを、歩夢はしっかりと覚えていた。自分を疑うこともなく、そうなんでしょうと小首を傾げる歩夢に、小田原は口角を上げると優しく髪を撫でた。

「それはまた今度な」
「え? でも……」
「今日はそれよりも先に、お前を可愛がりたい」

 そう言って身体を足元の方にずらし、下半身の方へと顔を埋めようとする小田原に歩夢は何をしようとしているのかに気付き、大きな声を出す。

「っ、待、って……! やめてっ」

 両手で開かされた足の間にある大事なものを手のひらで隠し、必死にそれは嫌だと訴える歩夢に小田原は訝しげに眉を顰める。

「なんでだよ。お前、これ好きだろ?」

 まだ回数を重ねてはいなかったが、以前フェラをした時も全身を赤く染めて気持ちよさそうに喘いでいたはずだ。なにかまた知らず知らずのうちに嫌な思いでもさせていたのだろうかと心配になっていた時、歩夢が消え入りそうな小さな声で爆弾を落とした。

「……それ、き……気持ちよすぎて、怖い、から……だめ……っ」
「うっ、ぐ……」

 頬を赤く染めながら、恥ずかしそうにそんなことを言われ、止まれる男が果たしているだろうか。

「……お前、それ逆効果だろ……」



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

神獣の花嫁

綾里 ハスミ
BL
 親に酷い扱いを受けて育った主人公と、角が欠けていたゆえに不吉と言われて育った神獣の二人が出会って恋をする話。 <角欠けの神獣×幸薄い主人公>

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

次男は愛される

那野ユーリ
BL
ゴージャス美形の長男×自称平凡な次男 佐奈が小学三年の時に父親の再婚で出来た二人の兄弟。美しすぎる兄弟に挟まれながらも、佐奈は家族に愛され育つ。そんな佐奈が禁断の恋に悩む。 素敵すぎる表紙は〝fum☆様〟から頂きました♡ 無断転載は厳禁です。 【タイトル横の※印は性描写が入ります。18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。】 12月末にこちらの作品は非公開といたします。ご了承くださいませ。 近況ボードをご覧下さい。

【完結】催眠なんてかかるはずないと思っていた時が俺にもありました!

隅枝 輝羽
BL
大学の同期生が催眠音声とやらを作っているのを知った。なにそれって思うじゃん。でも、試し聞きしてもこんなもんかーって感じ。催眠なんてそう簡単にかかるわけないよな。って、なんだよこれー!! ムーンさんでも投稿してます。

合鍵

茉莉花 香乃
BL
高校から好きだった太一に告白されて恋人になった。鍵も渡されたけれど、僕は見てしまった。太一の部屋から出て行く女の人を…… 他サイトにも公開しています

【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】

紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。 相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。 超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。 失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。 彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。 ※番外編を公開しました(10/21) 生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。 ※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。 ※4月18日、完結しました。ありがとうございました。

目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。 彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。 ……あ。 音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。 しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。 やばい、どうしよう。

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

処理中です...