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限界なんです!*

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 小田原の言葉を信じるのであれば、それがこんなにも大きくなっているのは、自分のせいでもあるわけで。そんなことを考えてしまうと、歩夢の視線は小田原のペニスから逸らすことができなくなり、無意識にごくりと生唾を飲み込んでいた。もちろん彼のそんな様子に気付かない小田原ではなく……。

「歩夢くん、やーらしー♡ そんなえっちな目で見ないでよぉ」
「っ、うるさ……っ、ぅあ!」

 揶揄うように軽口を叩いては、くくく……と愉しげに喉を鳴らす。びくりと身体を揺らして歩夢が正気を取り戻したところで、小田原は濡れた下着を隠すために固く閉ざしていた細い脚を、無理やり割り開いた。

「ちょ、こ、の恰好……っ恥ずかしい……!」
「ん~……」

 小田原の手で大きく開脚させられたしなやかな脚は、閉じようとしてもぴくりとも動かない。歩夢は顔を真っ赤にさせながら、両手を伸ばして局部を覆い隠すが、小田原の熱い視線はジッと色が濃くなったそこに注がれたままだった。

(へ、変態っ変態、変態~~~~っ)

 本当であれば声を大にして罵りたかったが、そんなことをしたらどんな仕返しが返ってくるか分かったものではない。なんとか心の中で叫ぶに留めた自分を、歩夢は褒めてあげたいと思っていた。

「んじゃ、初心者の歩夢くんに合わせて、今日はこのまま。な?」
「ひゃ……っ!」

 小田原は左右に開いていた歩夢の脚を今度はまとめて掴み上げると、そのまま太腿と太腿の狭間に自身のペニスを差し込んだ。柔肌に感じる、熱く、固い、肉の感触。パンッ、パンッと音を立てながら、力強い動きで腰を前後に動かされる度、既に一度精を吐き出している下着からは、ぐちゅ、ぶちゅ、といやらしい音が響き、一層歩夢の羞恥心を煽った。

「小田原さっ、これ……っ、やだ……! 止まって……っ」
「は、……はぁ、っ、無理だっつの……!」
「っぁ、ばかっ、ばかぁ……っ」

 いくらなんでも、恥ずかしすぎる! と、歩夢が涙目になりながら小田原を見れば、ぎらぎらとした男の視線と絡み合う。ばちっと音がしたのではないかと思うほどの衝撃に、歩夢の背筋には得も言われぬ快感が走った。
 先ほどまでのどこか冷静な小田原とは違う、本能むき出しの男の顔に、歩夢の胸は高鳴りっぱなしだった。

(どうしよう、どうしよう……っ!)

 気持ちよくて苦しくて。この熱をどうやって発散したらいいのか分からない歩夢は、とにかく目の前の男に縋るしかなかった。

「あっ、あっ♡ 小田原さん……っ、ンッ!」
「は……っ、なん、だよ……っ?」
「ちゅう、してっ♡ ちゅーしたい♡」

 キスは気持ちがいいと知っているから。よく分からない、この大きな快感に溺れるのは怖い。だから、と願った内容は、小田原を燃え上がらせるには充分すぎるものだった。

「っ、ゔ……くっ、そ……!」
「ひぁんっ♡」

 伸ばした腕を引っ張り上げられ起き上がった身体は、小田原と向き合う形ですっぽりとその腕の中に収まった。

「んぁっ、おだわらさ……」
「おら、舌だせ……っ!」
「ぁ……っ♡ ん、ぅ……♡」

 性急な様子で口付けを交わす。噛み付くようなキスとともに、下着越しに熱い昂りを擦り合わされて歩夢はもう限界だ。そして小田原もまた、怯えるように自分へ縋り付きながらも、必死に舌を絡めてくる歩夢に煽られて仕方なかった。

「ん、ん、ん……っ! あっ、ん゙ ……っ♡」
「う、……はぁ、……ん……っ」
「……っあ、あっ♡ や、んンッ、~~~~~~っ♡♡」
「く……っふ、う……!」

 ほぼ同時に精を放った二人だったが、歩夢は初めて他人の手で射精させられ、放心状態になっている。肩で息をしながらくたりと小田原の胸元に凭れかかった。

「はぁっ、はぁ……ふぅ……っ♡ んっ、ん……♡」

 二人分の精液を染み込ませ、より染みの色を濃くした下着を見ながら、クラクラとする自分を落ち着かせるように小田原は長く息を吐き出す。

「練習、どうだった。ちゃんと覚えたか」
「ん……。わ、かんない。けど、わかったと……思う……」
「ふ。なんだよそれ」

 要領を得ない歩夢の答えに、思わず小田原の頬が緩む。どうやら二度も無理やりに昂められた身体が限界を迎え、一気に眠気が襲っているらしい。普段の聞き取りやすい声色とは違い、口調も舌ったらずになっていた。

「風呂……は、無理か。濡れタオル持ってきてやるよ」
「……ぅ、ん……」
「……寝ててもいいぞ。疲れただろ」
「ん…………」

 後頭部を優しく撫でる手は心地よくて、無意識に頬を寄せる肩口にすり寄っていた。甘えるようなその仕草に小田原が息を飲んでも、半分夢の世界にいる歩夢が気付くことはない。

「……。おやすみ、歩夢」

 鉛のように重い瞼を開けることなく、低く響くその声に返事をしたつもりだったが、実際のところ本当に声が出ていたのかは分からない。
 歩夢は揺蕩うようなまどろみに包まれて、そのまま深い眠りについた。



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