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気持ちいいはずないです!*
しおりを挟む「っぁ、ん……ちゅくっ…っふぅ……♡」
口の中に入り込んできたぬるぬるとしたものが、奥で縮こまっていた歩夢の柔らかい舌に絡みつく。首を振って逃れようとしても、顎をがっちりと押さえられ満足に動かすことも出来なかった。
「んっ、おだわらさ……っ、やめ……ンぁッ♡」
制止の言葉を紡ごうと口を開けば、待ってましたとばかりにより深く舌を差し込まれ、ぞろりと上顎を舐られる。舌先で擽るようにされれば、吐息に甘さが混じってしまうのも仕方がないだろう。
奥手な歩夢から無理やり官能を引きずり出すかのように、じゅるっと大きく舌を吸い込んだ小田原に歩夢の膝から力が抜けてしまう。
――カクンッ
頽れそうになる歩夢の身体を抱き込み、自分に向けられた、快感で蕩けた表情を見て小田原が笑った。
「おいおい、まだキスしただけだろ? どんだけ免疫ないんだ、お前」
「……うる、さいっ! い、いきなり何するんだよっ、変態……っ」
「変態だぁ? キスくらいで何言ってやがる。ほんと初心だなぁ」
ふるふると小刻みに震えているのは怒りからか、それとも快楽のせいか。
小田原は目の前の華奢な上半身を包む、シャツの生地を押し上げるようにしてツンっと尖った乳首を目敏く見つけ、硬い指先でぐりぃっ、と押し潰した。
「ふぅん……?」
「っ、ひゃぅ……っ♡」
突然のことに思わず声をあげてしまうのは仕方ないとしても、歩夢は自分の口から飛び出したくせに、今まで出したことのないような甘えた響きを聞いて、顔面に血液を巡らせる。
こんな声が出るなんて知らなかった。
自分でも聞いたことのないような淫らな声は、歩夢自身の官能を刺激し、どんどんとその未成熟な肉体を煽っていく。
器用な指先で、ぴんっ、ぴんっ! と尖った乳首を弾くようにされれば、くすぐったいような、むず痒いような、なんとも言えない感覚が広がっていく。歩夢の薄い肩はその度にビクビクと跳ねては小田原の目を楽しませた。
「な、なんで、そんなところ、触るの?」
「ん? なんでって、気持ちいい声出させる為だけど」
困惑したような、それでいて微かに期待を孕んでいるような目で、歩夢は小田原を見つめる。その濡れた目を黒々とした瞳が見返して、きゅうっ、と弧を描いた。
「そんなとこ……触っても、気持ちよくなんて……っぁ、♡」
気持ちよくなんて、なるはずないのに。
薄い布越しの感触が酷くもどかしく感じるほどに、今の歩夢の乳首は敏感に育っていた。もっともっと、とねだるように疼く乳首を持て余しながら、歩夢は身体中に滞る奔流をどうにかしたくて、無意識にくねくねと肢体を揺らめかせた。
「いい声が出るようになってきたじゃねぇか。ほら、もっと出るだろ」
「やぁっ♡ あ、嘘っ、だめ、だめ……っ! そこ擦っちゃやだぁ……っ♡」
これまで一切触ろうとしなかった歩夢のペニスに、小田原の大きな手のひらが重なる。散々貪られた口腔内と、いじめ抜かれた乳首による快感で、歩夢の下肢は既に誤魔化しようのないほどに張り詰めていた。
押し付けられた手のひらと擦れて、下着の中でぐちゅっ、と濡れた音がする。
「あぁ……! やめて……っ」
だめ。やめて。と、否定の言葉を叫んでも、歩夢の身体は気持ちいいことに貪欲だった。添えられた手のひらへ、まるで自分から押し付けるように振られている歩夢の腰を見て、小田原は幼い子どもを褒める時と同じくらい優しい声色で歩夢に語りかける。
「ふっ、その調子な」
「あンっ! も、いい……っ、わかったからっ♡ 大丈夫だから、もぉ離してぇ……っ!」
これ以上されては、もう我慢できない。
――そう思って、歩夢はギュッときつく目を瞑った。
「……そうか」
「っ、あ!」
下着も脱がないままに粗相をしてしまうかもしれない未来を、半ば受け入れ始めた時。それまで縦横無尽に歩夢の身体を弄っていた大きな手が、パッと離される。
あと少しで極めるというところで放り出された歩夢は、思わず物欲しげな声を漏らしてしまった。押さえつけられていた手まで離されると、自力で立つことも叶わず、そのままずりずりと壁に沿ってへたり込んでしまった歩夢は、涙の浮かんだ瞳を目の前の男に向けた。
「それでは内野さん、私は先に戻って監督に声をかけてきますので。それ、片付けたら戻って来てくださいね」
それと言って指差されたのは、限界まで膨らんでしまったペニス。
「な、なな、……っ」
(なんなんだよ、あいつーーーっ!!!)
ひらひらと手を振って部屋を後にする男の背中を、潤みきった瞳を三角にしながら睨み付ける。
歩夢は言いようもない怒りで全身を震わせ、脳内に声にならない叫びを響き渡らせていた。
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