16 / 18
15話
しおりを挟む「あー、気持ちいい……♡ 拓海、すごい上手だよ」
本当に気持ちの良さそうな声を出しながら、手放しで褒めてくる祥に拓海は気分が良くなってくる。褒められたからというわけではないが、自らより深く咥え込むように頭を動かして、祥が溢す悦楽の交じった吐息に耳を澄ませた。
(これが、いつも俺の中に挿入ってるんだよな……)
自分の口の中で力強く脈打つ陰茎。咥え始めた時から既に大きいと感じていたのに、拓海がしゃぶるほどにさらに力を漲らせていくのだ。いつもコレが己の後孔に挿入っているということが、にわかには信じがたかった。
(口に入れるだけで、こんなに大きくて苦しいのに。俺はいつも……これで……)
ゆるゆると口を蠢かしながら、拓海は確かめるように下肢へと手を伸ばしていく。
わずかに芯を持ちはじめているペニスをそろりと撫で、口に咥えているモノがいつも拡げている、更にその奥へと指先で触れた。
(……ぁっ……!)
その瞬間、それを、待ち望んでいたかのように、キュンと引き締まる後孔に驚いて、慌てて手を離す拓海。次なる刺激を求めて疼くような尻を、もぞもぞとさせている姿を見て、祥が悪辣に笑った。
「……拓海も気持ちよくなってきちゃった? 俺のを舐めながら自分で弄るなんて、えっちだね♡」
「んン"……っ♡」
祥は一層膨れ上がった陰茎を、今度は遠慮なく拓海の喉奥へと突き入れてきた。その苦しさに堪らず口を離して咽せると、拓海は涙目で祥を睨み上げる。
「っげほ、ごほ…ッごほ……お前……!」
「ねぇ拓海。一緒に気持ちいいコト、したくない?」
喉奥まで犯されて苦しそうにしてはいても、拓海の下肢では膨らんだペニスがズボンの前を突き上げている。それを足先で弄ぶようにした祥は、次なる快楽へ拓海を誘うように、甘い言葉を吐いていく。
「俺ばっかり気持ちよくなっちゃって、なんだか悪いし。拓海にも気持ちよくなって欲しいなぁ」
「んぁっ♡ あしっ、やめろよ……っ」
ぐりぐりとまるで踏みつけるように足裏でペニスを揉まれ、拓海の総身が震えた。もちろん優しい力ではあるが、まるで痛ぶるような愛撫なのにそれに感じてしまう程、慣らされている自分の身体が恨めしい。
祥は動けなくなった拓海の身体を持ち上げて膝立ちにさせると、そのままするりとズボンを引き摺り下ろした。もちろんパンツも一緒に。ぷるんと揺れながらまびろ出た自分のペニスから目を背けていると、拓海はあっという間に身体を反転させられ、祥の顔へと尻を突き出す形で手足を付けさせられる。いわゆるシックスナインの姿勢だ。
「はい、可愛いお尻はこっちね」
「や、こんな格好……っ」
全部見えてしまう、と恥ずかしがれば、祥は愉しそうに尻たぶを拡げながら、その奥をねっとりとした視線で犯してくる。
「うん。ぜーんぶ、丸見えだよー。ひくひくしてるお尻の孔も、美味しそうなちんちんも」
「っ、変態やろぉ……!」
「その変態野郎に触られて、えっちなお汁垂らしてるのは拓海だけどね~」
「あンッ!」
ひくつく後孔に音を立ててキスを落とされる。
その淡い刺激に驚いて、がくんっと腕の力が抜けて崩れおちると、拓海の目の前にあったのは先ほど自分が育てた祥の陰茎だった。
「拓海もさっきの続きね。出来るならそのまま飲んでも良いけど、まぁ無理かな」
そうやって侮るような台詞を吐かれると、反骨心がむくむくと目覚めてしまう。拓海は意地になったように、再び目の前にそびえ立つ男根を咥え込んだ。
その様子に口の端を引き上げた祥は、拓海の動きに合わせてひくひくと収歛する後孔へと舌を伸ばしていく。たっぷりと唾液を塗すようにソコを舐めると、大きく身体を揺らした拓海が思わず振り返る。
「そ、なとこ……っ舐めるなよ!」
「えー? ひくひくして気持ちよさそうなのに」
「きっ、汚いだろ!」
風呂も入ってないのに!と頑なに拒否をする拓海に、祥は仕方なくそのまま舐め続けることは諦めた。かわりにその下でぷらぷらと揺れて誘う、濡れた果実を思い切り可愛がることにする。
「はいはい。じゃあ、こっちならいいよね」
「ひぁんっ♡」
ぱくりと突然ペニスを咥えられ、ぬるぬるの舌で舐めしゃぶられる拓海。一際大きな声を出した後、その身体からは徐々に力が抜けていく。
「あっ、あ、あ……」
すべてを口に含み口の中で嬲るようにしたり、ぺろぺろと先端だけを擽ってみたり、祥は気の向くまま存分に拓海のペニスを可愛がった。快楽に揺れるその尻に指を這わせ、先ほどの唾液で濡れた後孔へ指をつぽつぽと含ませながら。
「んんっ♡ あっ……!」
べろりの裏筋を舌全体で舐め上げるようにすると、拓海は堪らないといった嬌声を上げて、目の前の陰茎へと縋り付く。性器を舐めしゃぶられながら、疼く後孔を少しずつ拡げられていく。そうなってしまうと拓海は下肢から全身へと広がっていく快感に、啼き喘ぐことしか出来なくなる。ただ目の前の陰茎を握りしめるのみで、一向に動きそうにない拓海に、祥は小さな声で囁いた。
「拓海、限界かな? もうほとんど俺しか動いてないけど」
0
お気に入りに追加
221
あなたにおすすめの小説
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
俺をハーレムに組み込むな!!!!〜モテモテハーレムの勇者様が平凡ゴリラの俺に惚れているとか冗談だろ?〜
嶋紀之/サークル「黒薔薇。」
BL
無自覚モテモテ勇者×平凡地味顔ゴリラ系男子の、コメディー要素強めなラブコメBLのつもり。
勇者ユウリと共に旅する仲間の一人である青年、アレクには悩みがあった。それは自分を除くパーティーメンバーが勇者にベタ惚れかつ、鈍感な勇者がさっぱりそれに気づいていないことだ。イケメン勇者が女の子にチヤホヤされているさまは、相手がイケメンすぎて嫉妬の対象でこそないものの、モテない男子にとっては目に毒なのである。
しかしある日、アレクはユウリに二人きりで呼び出され、告白されてしまい……!?
たまには健全な全年齢向けBLを書いてみたくてできた話です。一応、付き合い出す前の両片思いカップルコメディー仕立て……のつもり。他の仲間たちが勇者に言い寄る描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる