乙ゲーヒロインの隣人って、普通はお助けキャラなんじゃないの?

つむぎみか

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7月

悪夢のような一日。あふれる情感 ※緑川

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 悪魔の囁きは続く。

「ほら、言って……?」 

 ひくっ、と喉が戦慄いて。俺は先輩に教えられた淫らな言葉を紡ぎだす。

「せんぱぃっ♡ ぼ、ぼく……僕のおしりに、おち、んちん……いれて欲しい、です……っ♡」
「ふふ……なんで?」

 えっ、なんで?!
 そんな質問されるなんて聞いてないんですけど?!?!

 なんでちんこが欲しいのかなんて、そんな……そんなの……――

「それ、は…………」
「乙成さんは、どうして私のおちんちんをお尻に挿れたいんですか?」

(この鬼……っ、悪魔……!!)

 認めたくない。認めたくないけど、その答えを俺は持っていた。
 でも、別にこれは俺の意思なわけじゃない。変な薬さえ飲まなければ、こんなえっちな気分にもならなかったし、ちんこが欲しいなんて思うこともなかった。だからこれは、先輩の薬が見せた悪い夢。……そう思って、俺は欲望のままに言葉を吐いた。

「……き……気持ちいい、から……です……っ♡」
「なるほど、乙成さんはお尻におちんちんを挿れるのが気持ちいいんですか」
「っ、はい……ッ、だから……♡」

 だから早く。早く挿れて……っ♡
 素直に口にしたことで我慢の出来なくなった俺は、はしたなくも両足を広げる。そんな俺の姿を見て、先輩は満足そうに口角を上げた。これでようやく、この燻るような感覚から解放される。そう思って甘いため息を溢した俺は、先輩から告げられた言葉に愕然とする。

「じゃあ自分で挿れて下さい」
「えぇっ?!」

 自分でって、え、何それっ!? どういうことですか!?
 さんざん「お願い♡」をさせてきたくせに、ついには自らその凶器みたいなちんこを受け入れろと!? そんなご無体な……!!!!!

「むっ、無理ですっ!!」
「出来ます、出来ます。上になった方がやりやすいですかね、ほら」
「えっ、え……!? ひぁっ♡」

 言うが早いか先輩は俺の身体を軽々と引き上げると、腰を支えて自分の身体を跨がせるような体勢に持ち込む。こ、こいつ、ザ文系って顔しているくせに意外と腕力あるじゃねぇか……! 変なところに感心しているうちに、あれよあれよという間にぐずぐずに解れた俺の尻穴に先輩のちんこが添えられた。

「さぁ、入り口にあてて……」
「あっ♡ だめっ……♡」

 そこ入り口じゃねぇから!! 出口だから!!!

「ゆっくり……上手、上手……」
「アッ! ひっ、ぅ♡」

 くぷ、くちゅ……っ
 僅かな水音を立てて、先端がぐぷり、と俺の中に入ってくる。

 あ、無理。
 これもう無理だわ。

(もう、力が入らない……っ♡)

 満たされるような感覚に支配されて、僅かながらに自力で踏ん張っていた足からカクンッと力が抜ける。

「ん、んんんんぅ~~……っ♡♡」
「……っは……ッ、……!」

 ――ずちゅんっ♡
 自重じじゅうによって勢いづいた身体は、一気に最奥まで先輩のモノを飲み込んだ。ちかちかと目の前が点滅して、強すぎる快感に耐えるように身体を丸める。苦しさからかぎゅうぎゅうに先輩のちんこを食い締める中は、その形を確かめるように蠢き続けて、いつまでも狂いそうになる程の快感が止まらない。

「はぁっ♡ はっ、はひゅ……っ♡♡」

 不本意ながらも先輩の胸に倒れ込むように頬を寄せる事になってしまった俺は、詰めていた呼吸を少しずつ整えようと必死だった。

 ほんと……も、無理……死ぬ……!!!
 これ以上ヤられたら、俺まじで男とのセックスで腹上死しちゃう……!!!

「……ふふ。上手にイけましたね♡ 私も引きずられてしまいました」
「んっ、ぁ……♡ あぅ……♡」

 どくどくと跳ねるように注ぎ込まれる感覚で、またしても自分が男に中出しをされてしまったのだということを知る。今までにないような絶頂感に支配されているというのに、俺のちんこからはなにも出ていない。
 これってもしかして、中イキってやつでは……???

「コンドームの必要は……なかったようですね」
「っ、んぅ……♡」

 耳元に囁かれる揶揄いの言葉にすらびくんと大きく身体を震わせて、体内にじわっと広がる温かなぬくもりに満たされていく。中に出された精液が中和剤の効果を発揮しているということなんだろうか。

「おや、疲れてしまいましたか? 少し物足りないですが、仕方ない……」

 ようやく落ち着いてきた呼吸とともに、強烈な睡魔に襲われた。
 とんでもない薬を使いやがってと一言文句を言ってやろうと思っていたのに、それも叶わず重くなっていく瞼に抗うことも出来ずに、先輩の胸に預けた身体から力を抜いていく。

「身体は私が綺麗にしておきますから。安心して眠ってください」

(もう……だめ……――)

 ようやく終わった。そう思って安堵した瞬間、俺の視界は真っ黒に塗り潰されるのだった。



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