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7月
悪夢のような一日。よくない所感 ※緑川
しおりを挟むこの先輩がそんな優しさ見せるわけがないんだ。媚薬ってなんだよそれ。これまでの人生で、十八禁もののフィクションでしかお目にかかったことないんですけどぉぉ!!!
「安心なんて、できませんよ……っ! 酷いです……っ」
「あ、そうだ。念のためこれを付けておきましょうか」
え。無視ですか? 俺の非難もまるで意に介していない先輩は、小さなパッケージに包まれたものを取り出した。
そ……その手に持っているものは……! 俺が過去に見栄を張って箱買いしたものの、一つも日の目を見ることがなかったコンドームさんではないでしょうか……!
っていうかこの世界にもコンドームってあったんだ。すでにやることをやってしまっているというのに、それを今まで一度も見たことがなかった事実に愕然とする。当たり前のように中出しを受け入れてしまっていたけど……いや、受け入れてはいないな! 女神のギフトのおかげで腹を壊すこともないとはいえ、そういった気遣いを見せたこともないこれまでの男どもに、多少の怒りが湧いてくる。
(……そう思うと、緑川先輩って意外とまともなの……?)
野外プレイを強要してくるような変態ど鬼畜先輩だと思っていたけど、意外と常識的な思考も持っているのだろうか。
「さすがに保健室のベッドを汚してしまったら言い訳が出来ませんから」
そう言って器用に俺のちんこにコンドームを装着した先輩。
あーーーーーー、ね。うん、そうだね、俺も付けた方がいいよね。
で、あんたは?
「ん? ああ、私は乙成さんのナカに失礼するので大丈夫です」
無言の訴えが通じたのか、俺と目が合った先輩はぱちりと一度瞬きをすると、ふっと吐息で笑ってそう主張した。
いや!!! だから全然大丈夫じゃねぇんだって!!!!
文句の一つでも言ってやりたいのに、身体の奥から湧き上がる劣情のようなもので頭がぼんやりしてきてしまう。何回呼吸も苦しくなってきた気がするし、なんていうか……その……あらぬところがうずうずしてくるんだ。これが媚薬の効果なのか……!?!?
「気持ち良くなってきたんじゃないですか? 腰が揺れてますよ」
「やっ、やだぁ……っ♡」
「ふふ。そんなこと言って、ほら。自分から擦り付けてる」
「ひぅうっ♡♡」
ど、どどどどうしよう……! 先輩が指摘する通り、ふと気づけば俺は自ら腰をベッドから浮かして、先輩の手のひらに擦り付けるように前後に揺すっていた。そんな自分の行動が恥ずかしくて仕方ないのに、こんなんじゃ足りない。全然足りない。
半勃ち状態のちんこをめちゃくちゃに扱きあげてすっきりしたい。
全身くまなく愛撫されてどろどろに蕩けてしまいたい。
切なく疼くケツに、あの熱くて硬くてぶっといのを突っ込んで、ゴリゴリ擦ってもらいたい。
そんなノンケストレートにあるまじき欲望が俺の頭を支配する。
「あっ、あ、ん……っ♡ はぁっ♡」
先輩が緩やかに手首を動かすと、俺の漏らしたモノでぬるつくゴムの中がくちゅんと鳴った。物足りないと訴える俺の尻穴がきゅうぅっとすぼまる。
「せ、先輩……っ♡」
「ん?」
熱に浮かされたような、そんな気分で俺の口から出た声は、思った以上に頼りないものだった。先輩は笑顔を崩さないまま、ひくひくと何かを求める俺の後孔に再び指を挿入した。
「うぅっ……んぁっ、ン♡」
「甘えた声を出して。みんなそうやって籠絡したんですか?」
「ちが……っ♡ あっ! あ、ぁんっ♡」
二本の指がバラバラと俺の体内で動き回る。その指を気持ち悪いと思うどころか、むしろもっと酷くしてほしいって思ってしまうなんて……自分の思考が信じられない。まるで自分が自分で無くなってしまったような。そんなわけも分からない感覚に全身が支配される。
もぉぉぉぉっ!! これ、どうしたら治るんだよぉぉ!?!?
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