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7月
甘え上手 ※赤塚
しおりを挟む――ぐちゅ、ぬちゅっ、ぬち、ぐちゅっ……
赤塚は僅かに角度を変えながら、浅く、深く抜き差しを繰り返す。少しでも俺が反応をすれば、的確にそこを刺激して何度も何度も擦り上げてくる。
「っ、あ! あっ、ひ♡ んっ♡ だめっ、とまって……っ♡」
「なんで? 気持ちよくないですか?」
気持ちいいからマズいんだよ! この世界のイケメンはみんなテクニシャンなのか?
なんで男同士でやってんのにこんな気持ちよくなっちゃうんだよ。こんなの知ってしまって、俺が普通のセックスで満足できない身体になってしまったらどうしてくれるっ。俺は絶対に! 可愛い彼女と! セックスをするんだ!!
「やぁ♡ あ、あぅっ、あ……♡」
逃げようと身を捩れば捩るほど、もっと深く突き上げげられてぐりぐりと抉られる。その度力が抜けてしまう身体は、ちょっとした刺激で軽い絶頂を繰り返す。甘い痺れで満たされると、それだけで頭がぼうっとしてきて……――
「先輩、教えてください。これは練習なんですから」
「んんっ♡ はぁっ、あぁんっ♡」
そっか、れんしゅう。これは練習なんだもんな?
赤塚がEDじゃなくなるように、女の子とちゃんとできるように、先輩の俺がしっかりしなくっちゃ。本番で失敗しないように、先輩としていろいろおしえてあげないと……。
「ほら、いつもみたいに。ここ気持ちいい……?」
「っ、ぁ、……きもち、ぃ……っ♡」
参考にさせてください、と初めての練習から赤塚は俺の気持ちが良いところを執拗に聞いてくる。恥ずかしくて毎回嫌だと言ってしまうけれど、「先輩のおかげで少しずつ分かってきた気がします」と喜ぶ赤塚を見るたびに、まぁいっか? と思ってしまう程度には、俺は可愛い後輩に甘かった。
「そこ、気持ちいぃ……っ♡」
「っ、はぁ……そっか、先輩はここが気持ちいんですね……」
「ひぁっ♡ んっ♡ ……っ、あ、あっ、あ……っ♡」
くすりと笑う赤塚は、その場所を覚えるように何度も何度も腰を穿つ。そうされると俺は言葉を発することなどできなくなって、ただ必死にこくこくと首を縦に振るだけだ。
「はぁ……っ、かわい……――」
「やぁっ♡ また……っ♡」
ぎゅうっと抱き付いてきた赤塚は、俺の後孔にちんちんを突っ込んだまま、はぁっと熱いため息を吐く。お、重……っていうか、なんででっかくしてんだよ! それ以上大きくなるとかどういう原理!? イケメン巨根、ふざけんな!
叫び出したいほどの文句は、そのまま音になることなく、うっとりと目を細める赤塚の唇に吸い込まれていった。
――……死ぬ…………。
あれから何度ヤったのか。赤塚が満足するまで練習に付き合うはめになった俺は、出るもんも無くなり最終的には意識を飛ばした。そうして次に目を覚ました時には、いたずらを怒られた犬みたいにしょぼくれた赤塚が目の前で座っている。
「先輩大丈夫ですか? すみません……俺、嬉しくて調子に乗っちゃって……」
「だ、大丈夫だよ。少し休んだら、元気になると思うから……」
練習とはいえ激しすぎたアレコレに、正直今はボロボロだ。散々好き勝手されたケツの孔はじんじんと違和感を訴えてくるし、吸われ過ぎた乳首は尖ったまんまだけど。女神のギフト効果でなんとかなるだろう。
「俺との練習、嫌になってませんか? また一緒にしてくれますか?」
「それは……」
「先輩しか頼れる人がいなくて、もし見捨てられたら俺……」
こういう練習は最後にしたいなぁと言おうと思ったところで、赤塚が泣きそうな声を出す。ああもうしょうがないなぁ! 手がかかる子ほど可愛いというか、こんなにも俺を慕ってくれる後輩を、どうして俺が見捨てることが出来ようか。
「何言ってるの! 僕が赤塚くんを見捨てるわけないでしょっ。先輩なんだから!」
「先輩ぃ~~~~♡」
仕方がない。俺も男……ここまできたら死なば諸共だ。正直俺だけ恥ずかしい思いをしているような気がしないでもないが、赤塚の自信が付くまでとことん付き合ってやろうじゃないか。
「先輩っ大好きです!!」
喜びのあまり抱き付いてくる後輩の、後輩らしからぬでかい背中を撫でながら、俺はため息を飲み込む。まったく……可愛い後輩を持つと、いろいろ苦労が絶えないものなんだな。
「あっそうだ、先輩」
「ん? なぁに?」
「今度一人でしてるとこ、俺に見せてくださいねっ♡」
うん……。可愛い……よな……?
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