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7月
いつもの練習が始まります ※赤塚
しおりを挟む俺は赤塚に手を引かれ、ベッドへと向かう。こいつ童貞のくせに、こういう手際は良いというか。イケメン独自の嗅覚がなせる業なのか、とにかく全てがスマートなんだよな。悔しいことに……。
「まずはいつも通りの方が良いですよね」
「う、ん……そうだね……」
そもそも赤塚はEDだからな。勃起をさせないことには練習も進まないし、そのためには同じように始めるのが一番だろう。やると言ったからには避けては通れない道だと分かっていても、どうしても逃げたくなっちゃうのは仕方がないよな。
「じゃあ先輩、はい♡」
「ううう……」
先にベッドへ腰かけた赤塚は、俺に向かって手を拡げて満面の笑みを浮かべている。
(これ恥ずかしいから嫌なのに……)
俺はそのまま拡げられた腕の中に収まるように、赤塚の膝に跨り首へと手を回す。赤塚が静かに瞼を閉じたところで、ため息がばれないように大きく深呼吸をしてから……そっと唇を重ねた。
今では赤塚の方が上手なキスをするはずなのに。いや、むしろ最初からそうだったのに……それでも赤塚は「先輩が教えてください」と言って聞かない。毎回いつの間にか主導権は奪われてしまうけど、こうして自分から始めることは憂鬱な瞬間でもあり、自分が赤塚に「教える」存在なのだと実感出来て、優越感のようなものを感じられる一瞬でもあった。
(うううう……それでも、複雑……っ)
そんなことを考えながら、中途半端に舌を絡ませていたら、赤塚の手が俺の身体を滑る。いつの間にか脱がされた服は肩から落ち、隠すものの無い胸を悪戯に擽られた。そのちょっとした刺激でも、あっという間に昂められた素直な身体は、小さく震えることしかできない。
「んっ♡ ……ふ、ぅん……っ♡」
「……はぁ、気持ちよくなってきました……?」
「ぅ、ん……♡ 赤塚くんは……?」
俺は正直、もうイっちゃいそうです。
先輩の威厳って何? って感じの弱々ボディでごめんな。俺の身体が敏感すぎるのか、赤塚のテクニックが素人離れしてるのか、どちらが原因なのか分からないけど、きっとどちらも正解なんだと思う。
「んー、俺はまだもう少し……先輩はもっと気持ち良くなって……」
本当だったら俺も赤塚のことを勃たせるために、手で抜いたり何だりしてやれればいいんだけど……そのためには赤塚にもっと手加減してもらわないとダメで。以前もっと俺に主導権を渡せってことを、オブラートに包んでお願いしたところ、それはまた今度お願いします、なんて流されちゃったんだよな。
赤塚は言葉の通り、俺を気持ちよくすることに専念することにしたのか、手加減など忘れたかのように全力で愛撫を与えてくる。指で弄られて尖った乳首を吸われ、だらだらと先走りを溢れさせるちんちんは大きな手のひらに包まれて、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てながら上下に抜かれる。
「やぁっ♡ も、いつも、僕ばっか……っ♡」
「先輩が気持ちいいと、俺も気持ちよくなれるんです」
「嘘……っ、あ、あっ♡ やだっイっちゃう……っ♡ イク……ッ」
胸元に寄せられている赤塚の頭を抱きかかえながら、俺は身体を小さくして襲いくる射精感を堪えようとする。だって後輩より先にイくなんて格好悪いだろう? なけなしのプライドで、必死に我慢しているというのに、そういう時に限って赤塚はいつも意地悪なのだ。
ギリギリのところで均衡を保っているところを、ぢゅうっ、と音が聞こえるくらいに強く乳首を吸うことで全てを台無しにしてしまう。
「ひぁっ?! や、あぁあぁぁっ♡」
びくんっと一際大きく跳ねた後、我慢の限界を迎えた俺はびゅるるっと激しく吐精した。
ううっ、俺の……! 先輩としての威厳がぁぁぁ!!!
「ひどっ……せっかく、がまん、してたのにぃ……っ」
「はぁ、かわい……♡」
おいっ、会話になってねーよ!
めちゃくちゃ気持ちよかったけど、今日も先にイかされた悔しさに涙が出てくる。ひんひんと情けない声を出しながら赤塚を睨む俺。お前のEDを治すための練習なのに、毎回毎回俺ばっかりイったって意味ないだろっ。
「先輩は我慢しなくていいんです。ほら、嘘じゃないですよね?」
そう言って腕を取られると、ズボン越しに赤塚のちんちんへ触れされされる。
ぎ、ぎゃーーーー!! おまっ、何てことしてくれるんだよぉぉ?!?! 手のひらに触れるそれは、熱くて硬くてでっかくて……一瞬触れた後すぐに離してしまう。うう、なんで俺が他人の勃起ちんちんに触らなきゃいけないんだよ。さっきから涙で目は潤みっぱなしだし、滲んで赤塚の顔はよく見えないけど、とにかく勃起したなら終わりが見えてきた。
「……ほんとだ、よかったぁ………」
ホッとしたあまり、情けない声を出してしまう。出来ることならいつもみたいに、このまま抜き合いっこで終わりたいんだけど……。
「っ、じゃあ今日は、お尻の準備もしましょうね」
「あっ、ひぁっ……!」
うん、そんな上手くはいかないですよねぇーー(泣)
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