乙ゲーヒロインの隣人って、普通はお助けキャラなんじゃないの?

つむぎみか

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6月

お願いだから最後まで聞いてっ(泣)※黒瀬

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 経験値の差があるんだからちょっとは手加減してくれてもいいじゃないかっ。

「あっ♡ は、ぁ、あっ♡ んんっ♡」

 ゆっくり挿入される黒瀬のちんこ。二度目とはいえ、俺の尻穴には大きすぎるそれが進むたび、無理やり暴かれる圧迫感の他に、ぞわぞわとした何かが背筋を駆け上る。

「ひ、ぅっ、ん、ん……っん♡♡」

 はじめは多少遠慮がちだった動きも、徐々に速さを増していく。ぱんっ、ぱんっ、と腰を打つ音が部屋の中に響き、そうなった頃にはもう、声を我慢する余力なんて俺の中には残っていなかった。

「んあっ♡ だめっ、また……っ♡ あっ、ああっ♡」
「ふっ……また、イキそうか……? っ、はぁ……っ」
「あぁんっ! ダメ……っ、あ♡ ~~~~~~~ッ♡♡]
「っ、う……――っ!」



「やべぇ……搾り取られるところだった……」

 いやいや。「搾り取られるところだった」じゃないんだよ。なんで耐えてんの?
 もういいじゃん! 十分やったじゃん!泣
 そろそろ、さっさと射精して終わってくれよ!!

 俺は終わりの見えない快感に絶望した。もう出すモノも無くなってしまったのか、おれのちんこはくたりと力を無くしている。無理やり絶頂させられ続けた身体は既に体力の限界だし、なんなら喘ぎすぎて喉も痛い。
 うう、なんで俺がこんな目に……。とにかく黒瀬の動きが止まったのをいいことに、なんとかその身体を押しのけようと、必死に手を伸ばす。

「ん? どうした?」
「っあ♡」

 差し伸べた手をどう勘違いしたのか、意図に反して握りしめられる。離れるはずが一層深くなった結合部に、そうじゃねぇよと突っ込む声を出すことは叶わなかった。

「ああ……動いてほしかった?」
「えっ⁉ やぁっ♡ ち、ちが……っ♡」

 だから違うっての!
 自分のいい様にばかり考える黒瀬に半ば呆れながらも、とにかく今はもう限界であることを伝えなければと、息も絶え絶えに言葉を紡ぐ。

「だめ、おわり……も、おしまいぃ……っ♡」
「もう少し。もう少しだけ、な?」
「あぁっ♡ あ! やぁあんっ♡♡」

 え、なに。黒瀬ってば鬼なの?

「はぁっ、ふ……♡ ん……♡」
(もう、くるし……ぼぅっとする……)

 終ってくれと懇願した俺の言葉は完全に無視され、行為は止まるどころかラストスパートとばかりに激しくなる。息をするのでさえ苦しいというのに、そんな状態の俺にキスをしてくる黒瀬は、間違いなく鬼なんだと思う。
 舌を絡め合い、呼吸さえも奪われるようなキス。その間にも、ぐりぐりと最奥を抉ることは忘れない。もう本当にやばい。あっちもこっちも気持ちよくて、完全にキャパオーバーです!

「ぁ、は……っ♡ はぁっ、ん♡」
「乙成、好きだ……」

 思わず零れた、というような黒瀬の言葉。今まで俺はなんでこんなことになっているのか、全く理由が分からなかったけど、その言葉でようやく合点がいった。

 あーそっかぁ。黒瀬は乙成くん俺のことが好きなのか。

 うんうん分かるよ。乙成くん、めっちゃ可愛いもんな。男だって分かっていても、惑わされちゃう気持ちめっちゃ分かる。だけどそれとこれとは違うじゃん? 相手の気持ち無視してちんこ突っ込むのは犯罪だからねぇ!?

「お前は……? お前の気持ちも聞かせてほしい……――」

 よくぞ聞いてくれました。むしろ確認するのが遅いくらいだけどな。

 もちろん黒瀬のことは好きだぞ。なんて言ったって、初めてできた大切な友達なんだから。しかし何度も言うが、俺の恋愛対象は女の子なのである。黒瀬が好きだというのだって、ようは男と男の友情なのであって、こうしてセックスするのとは話が違う。そのことはちゃんと言っておかないと、今後もこんなことが続いたら俺の身と心が持たない。
 なんとか黒瀬を傷つけることなく、こちらにはそんな気はないのだということを伝えなければ……。

「ぼ、僕も……好きだよ……――」

 だけど、それは友としてで、僕は女の子が好きなんだ。と続けようとした言葉は、身体の中でぐうっと膨らむちんこのおかげで飲み込まれてしまった。

「ひぅ……っ♡」
「乙成……っ!」

 感極まった様子の黒瀬は、その後の言葉など一切聞く耳を持たず、強く激しく俺の後孔を穿つ。

 違う、違うっ! ちがーーーーう!

 お願いだから最後まで言わせて!? そこで切ったら、もうそれは愛の告白になっちゃうじゃん!? 勘違いです~って言えなくなっちゃうじゃん!?!?

「あっ! あ、ぁっ♡ あぁああっ♡♡」

 ようやく黒瀬が満足した頃には、既に俺の意識は遥か彼方に飛んでいて。次に目が覚めた時には、嬉しそうに相好を崩す黒瀬がべたべたに甘やかしてくるものだから「さっきの告白は勘違いです」なんて言える雰囲気ではなくなっていた。
 ああ、神様。正直に話すこともできない、意気地なしの俺を許してください……。



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