乙ゲーヒロインの隣人って、普通はお助けキャラなんじゃないの?

つむぎみか

文字の大きさ
上 下
101 / 162
6月

魔王出現のあとに… ※緑川

しおりを挟む


「こちらも既に開発済みですか?」
「っあ……! そ、そこは駄目……っ!」

 俺が漏らした白濁で濡れた指を、無防備な後孔へと這わされる。きゅ、と閉じた入り口をツンツンと突くようにされて、俺は怯えた目をしながら首を横に振った。いや、入り口じゃない出口です!!

「ふぅん。まだ固いですが、此処を何に使うか、正しく理解できているみたいですね」
「……っ」

 そんな俺の反応を見て酷薄に笑った先輩に、サァっと血の気が引く。

「今日は準備も足りないですし、残念ですが……」

 しかし、そう言って後孔に触れていた指を離してくれたのを感じ、俺がほっと息を吐いたその瞬間。

「指だけで我慢して下さいね」
「ひぁうっ⁈ や、だめぇぇぇっ♡」

 ずぷぷぷ…!っと、細くて長い指が奥まで挿入されてしまった。すっかり油断していた俺の身体は緩み切っていて、もっと大きいモノを咥えたことのある後孔は、わずかな潤いだけで上手に先輩の指を食んでいた。

「ほら、声が大きい。こんなにズッポリ私の指を咥えてしまったお尻を、誰かに見てもらいたいんですか?」
「ぁっ♡ あっ、あぁんっ♡ い、いや……いやぁ……っ♡♡」

 ぐちゅっ、ずっ、ちゅっ! ずちゅん!

 まるでセックスそのものの動きで抽送される指に翻弄されて、既に解放されていた俺の腕は目の前に立つ元凶、先輩に縋り付くことしか出来なかった。

「おねがっ、やめ、♡ ぁんっ! もぉ、やめてぇ……っ♡ こえ、がまんっ、できないっ♡♡」
「んー、そうですね……それでは『先輩お口塞いで♡』ってお願いしてみましょうか」
「せ、せんぱぃっ♡ ぁっ、おくち…おくち、ふさいでぇ……っ♡♡」
「はい。素直でとても可愛いですよ♡」

 もう何も考えられなかった俺は、ただ先輩に言われた言葉を繰り返し、終わりを求めた。
 まるで言うことをきいた犬猫を褒めるような気軽さで先輩はそう言うと、喘ぎ声を撒き散らす俺の口を喉奥まで犯し、塞いだ。


「~~~~~~~っ♡♡」


 俺は貪るような口づけに唇を塞がれ、先輩の指を後孔で食い締めながら、いつの間にか被せられていたタオルの中に盛大に精液を吐き出した。

「ふぅ……上手にイけましたね。とてもいやらしくて可愛かったです」
「はぁ……っ♡ は、はふ……っん……♡♡」
「落ち着くまで生徒会室で休みましょうか。ここから近いですし、体育祭中に来る役員はいないはずなので」

 誰が来るかもわからない、学校の敷地内。それも屋外で、こんな真っ昼間から他人の手で昂められ、射精してしまった……。
 信じられない現実にぐらぐらと視界の揺れていた俺は、いつの間にか俺の衣服を整え、導くように校内へと歩みを進める先輩の腕を、払い除けることが出来なかった。










 ほんっと、あの人信じられん!!
 あの後、休憩と称して向かった生徒会室。緑川先輩が少しだけ仕事を片付けてくるから、と出て行った隙を見計らって、俺は部屋を飛び出した。

 誰が嫌がる相手のちんこを、無理矢理抜いてくるような奴の言うことを大人しく聞くかっての!

 無理矢理高められた身体は、正直もうくたくただったが、委員会の仕事をすっぽかしてしまったことが心残りで、今更だが集合場所へと向かってみた。

(もう、誰もいないよね……?)

 既に三十分は経過をしているし、まもなく昼休憩も終わりの時間だ。後から体育教師には謝りに行こう、と思って溜息を漏らした俺だったが、用具室の前に見慣れた背格好の男が立っているのが見えた。

「あれ、青島くん……?」
「乙成」

 じっとその場で立ち尽くす青島に、恐る恐る声をかけると、ぱっとこちらを向いた後、あからさまに安堵の表情を見せたので首を傾げる。一体どうしたのだろう。

「集合時間になっても来なかったから、何かあったのかと思った」
「あっ、そうだよね、ごめんね……! ちょっと、具合が良くなくて……」

 そりゃそうだ!
 ペアの相手が無断で来なかったんだ。そりゃ心配もするし、しわ寄せが全部青島に行くはずだ。俺だったらきっと怒ってる。

「風邪か? だからずっとジャージを着てたのか」
「う、うん。実はそうなんだ」

 ううう……。本当なら怒鳴られたっておかしくないような状況なのに、それでも真っ先に俺の心配をしてくれる青島の優しさに心が痛い。
 まさか「ど変態の先輩に無理矢理イカされまくってました♡」なんて言えねぇよ……。

「無理しないで、休めばよかったのに」
「でも、せっかく頑張って準備した体育祭だったから……」

 それは本当。前の世界でも基本引き篭もりの俺だけど、こういうイベントは好きだったんだよな。可愛い女の子となにかラブハプニングあるかもしれないじゃん?
 まぁ小中高と十二年通ってて、一回もなかったけどな。

「青島くんはなんでここに? もしかして、また僕のせいで仕事増えちゃった……?」

 だからみんながグラウンドに戻っても、一人ここに残っていたのだろうかと、俺は少し心配になって聞いてみた。

「いや、もう終わってるから大丈夫だ。なんとなく、乙成は遅れてでも来るかなって思って……待ってた」

 えっ、なに?
 青島って神様なの???



しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

弟の可愛さに気づくまで

Sara
BL
弟に夜這いされて戸惑いながらも何だかんだ受け入れていくお兄ちゃん❤︎が描きたくて…

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

パパの雄っぱいが大好き過ぎて23歳息子は未だに乳離れできません!父だけに!

ミクリ21
BL
乳と父をかけてます。

美しき父親の誘惑に、今宵も息子は抗えない

すいかちゃん
BL
大学生の数馬には、人には言えない秘密があった。それは、実の父親から身体の関係を強いられている事だ。次第に心まで父親に取り込まれそうになった数馬は、彼女を作り父親との関係にピリオドを打とうとする。だが、父の誘惑は止まる事はなかった。 実の親子による禁断の関係です。

冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。

丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。 イケメン青年×オッサン。 リクエストをくださった棗様に捧げます! 【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。 楽しいリクエストをありがとうございました! ※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

処理中です...