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5月
秘密の撮影会!おしまい ※浅黄
しおりを挟む「あれ。優さんはいないんすね」
「そう、今トイレに行ったんだけど、すれ違わなかった?」
「会わなかったすね~。一本道のはずだけど、迷ってたりして」
「ありえるなぁ。ちょっと抜けてるからさぁ、優ちゃん」
しゃあしゃあと、嘘で作り上げた話でスタッフの男性と話をする浅黄。時折、悪戯に中に入れた指を動かしてくるのが本当に許せない。その度、上げそうになる嬌声を呑み込んで、身体をびくびくと震わせ耐える。
「そういえば、壱成さんがそんなとこで着替えての珍しいっすね。いつも気にせずその辺で着替えてるくせに」
「……っ!」
「……あはは。優ちゃんがさ~上半身裸の撮影だったこと知らなくて。着替えの時くらいちゃんと隠してって、怒られちゃったんだよねぇ」
「え~~、なんすかそれ! ヤキモチってやつですか? 萌えるわ~~」
「だろ~♡」
架空の話で盛り上がる二人。
そんなのいいから、さっさと退いてくれ! ……と、思ったその時。今まで身体を起こしていた浅黄が、俺の背中に覆いかぶさるようにして、倒れこんできた。
耳元へと寄せられる顔。後孔の中指はそのままに、もう片方の手は、震える俺の陰茎へと添えられた。
「……ぁっ♡」
「声、頑張って抑えてね?」
カーテンの向こうで、ごそごそと何かを探しているような音がする。それに紛れるように、僅かに小さな水音を立てながら、浅黄が俺の陰茎を擦りたてていく。
ぬちゅ…、ぐちゅ、ぐちゅ
「いや~、あんな可愛い彼女がいて羨ましいっすわ。しかもなんかエロいし」
「エロいだろ? 手ぇ出すなよ」
ぐちゅ、ちゅ、ぬちゅん…
「ふっ……♡ ふぅーー、ふぅーーっ」
今まさに手を出しているのはお前だろう、そう思ったところで言えるわけもなく。俺は大きな声を出してしまわないように、ただひたすらに快感をやり過ごす。漏れ出る呼吸音が聞こえてしまわないだろうか。俺の陰茎が立てる音が、思わず腰を捻った時に響く、浅黄の肉棒の湿った音が、彼に聞こえていないだろうか。
そうやって考えれば考えるほど、背徳的な快楽が俺の頭を支配していく。
ぬこっ、ぬこっ、ぬこっ
(も、もう……だめ、がまんできない……!)
もう限界だ、と思った瞬間。浅黄が後孔に挿れ込んだ指を動かし、与えられる快感でぷっくりと腫れ上がった前立腺をコリッと擦りたてた。
「~~~~~~~ッ♡♡♡」
「……ぅっ」
「ったく、壱成さんの彼女に手出せる訳ないじゃないですかw俺には無理っすよ」
「……っはぁ、そうしてくれると、助かるな」
「当たり前っす。あ、あと20分くらいで華恋ちゃん終わると思うんで、それまでに戻ってきてくださいね~」
「ん、りょーかい」
―――バタン…
「……ぁ♡ はぅ……ぅ…」
扉が閉まる音がして、ようやく控え室の中が俺と浅黄の二人きりになる。
射精してしまった脱力感で、力抜けてその場でへたり込んでしまう。その足の間は、自分が出した精液と、吐精の瞬間に力を入れてしまった俺の太ももに挟まれて、浅黄がたっぷり出した精液とでべたべたになっていた。握り締めていたスカートには、口から零れた唾液やら、座り込んだ先に垂れ落ちていた精液やらが付着して、あんなに頑張って押さえたのに意味をなさなかったようだ。
「衣装、汚れちゃったね。大丈夫、俺が買い取るから安心してよ♡」
放心状態の俺は、浅黄の言葉にそっかー、それならいっかぁ、としか思わなかった。そんな俺のこめかみに軽いキスを落とすと、浅黄は控え室に常備してあったウェットティッシュで互いの身体に付いた色々なモノを拭き取って、しっかりと私服に着替えさせてくれたのだった。
その後、スタジオに戻った俺たちは、浅黄の撮影が終わるのを待って帰ることになるのだが、その時「彼女が気に入っちゃったみたいだから」と俺の着ていた衣装を買い取ると言い出した浅黄を、ほとんどのスタッフは好意的に受け取ってくれていた。
もちろん、俺が本当は男だと知っているryoさんと華恋ちゃんだけは、ニヤニヤしたり、呆れたり。浅黄の後ろで小さくなった俺が、そんな二人になんとも言えない視線を向けられることになるのは、言うまでもないだろう……――
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