乙ゲーヒロインの隣人って、普通はお助けキャラなんじゃないの?

つむぎみか

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5月

秘密の撮影会!しゅうりょう

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 カメラの死角になっているところで、浅黄がスカートのスリットから手を差し入れてくる。

「ひぁ……っ!」
「しー。静かに……あれ、優ちゃん? もしかしてパンツも着替えたの?」
「やっ、これは……ryoさんが、無理やり……」

 さわさわと感触を確かめるように、忍び込んできた大きな手が、俺の大事なところを包んでいる小さな布を撫でていく。

「無理やり? ちょっとそれは聞き捨てならないなぁ~」
「あっ…!」
「こら。そんな顔しちゃだめだよ~もっといじめたくなっちゃうじゃん」

 そんな顔とは、一体どんな顔なんだろうか。
 赤くなっているのは確実だが、鏡がないのでどんな顔をしているのか分からない。その顔を止めるにはどうしたらいいのかも分からないが、他に頼れるような人がいないので、仕方なく元凶である目の前の男に、助けを求めるような視線を向けてしまうのだった。
 視線が絡み合うと、なんとなく浅黄の瞳の色が変わったような気がする。気のせいかな?と覗き込んでいると、ふいに頭の後ろを掌で引き寄せられ、浅黄の肩へと顔を埋める姿勢になる。

「んー、エロすぎて困るから、ちょっと顔伏せよっか。ほっぺた赤いの落ち着くかなぁ」
「だ…誰のせいで……!」

 怪しく動き回る手を捕まえて抓りあげながら言うと、俺のせいかもね、と浅黄が楽しそうに笑った。
 そこからは少しずつ緊張も解れてきて、けっこう自然体で被写体となることが出来たんじゃないかと思う。もしかしてあのセクハラも、俺がリラックス出来るようにっていう浅黄の気遣いだったりするのかな?そうだったとしても、お礼は言わないけどな。
 さらにいくつかポーズを変えた後、さすがにちょっと疲れてきたなぁと思ってきた頃に、カメラマンさんからのオッケーが出る。

「お疲れ様、凄いよかったよ~! あとは壱成と華恋のソロ撮影だから、優ちゃんは私服に着替えておいで。終わったらあっちに座って見学しててもいいからさ」
「はい。ありがとうございました」

 大役を無事終えたことにホッと息を吐くと、さっさと女装姿から着替える為に控え室へと移動することにした。解放感に浸りながら歩いていると、なんでか浅黄も付いてくる。

「あれ、浅黄くん撮影は……?」
「衣装替え。一緒に控え室戻ろっか~」
「うん」

 歩きながら肩に腕を回してくる浅黄。これもカップル設定のための演出なのか?周りの目もあり、あからさまに嫌がることもできなくて、そのまま控え室へと戻ることにする。
 部屋の中に入ると、当たり前だけどスタッフの人は誰もおらず、やっと肩の力を抜くことが出来た。

「疲れたぁ……」
「優ちゃん、ありがとうね。最高の写真が撮れたと思うよ」
「ふふ、それなら頑張った甲斐があったかも」

 着替えをする為に、フィッティング用のカーテンの向こうへと足を運ぶ。最後の最後に男だとバレたら全てが水の泡になってしまう。ちゃんと隠れて着替えないとな。
 しかし、まだ浅黄がついてくる。いつまでも俺の後ろを歩く、その姿を訝しがって声を掛けてしまった。

「浅黄くん? 僕、着替えるから……」
「うん。その前に、撮影の時はよく見れなかったから、女の子の優ちゃん、堪能させてほしいなぁって思って♡」

 そう言いながら、後ろ手にカーテンを閉める浅黄。その顔を見て、嫌な汗が背中を伝う。





 ―――……あれ?
 もしかして、俺ってばまたルート入っちゃってる?





「わっ! ちょっと、浅黄くん!」
「ずっと気になってたんだけどさぁ、この胸どうなってんの? まじで本物みたい」

 後ろから抱きしめるようにして俺を捕まえた浅黄は動けないように腰に片腕を回すと、背中側についている洋服のボタンを器用に外していく。

「あ……っ!」

 肩からするりと袖が落とされて、上半身が露わになる。

「へぇ~~~、こんな風になってるんだ」
「は、恥ずかしいよ~、やめて……」

 男同士とはいえ、自分が今、通常とは違う格好をしている自覚があるので、まじまじと眺められると恥ずかしくなってくる。浅黄はわずかな膨らみを見せる俺の胸元を弄って、詰め込まれていたシリコンパットを取り出した。シリコンパットが無くなると、ブラジャーのカップで平らな胸との間にぽっかりと隙間が出来てしまい、乳首が丸見えになる。

「優ちゃん、おっぱい小さくて可愛いね」
「~~~~~っ!」

 どんな羞恥プレイなんだよ!
 そりゃ小さいだろうさ。男なんだからな!

 言葉攻めか?言葉攻めなのか?と、浅黄の意図を窺うように鏡に映るその顔を睨みつけた。

「女の子の服を着て、抱きしめられて、おっぱい見せて。本当に俺の彼女になったみたいだね? 優ちゃん」
「なにを……」
「みたい、じゃなくて、今日一日は俺の彼女なんだっけ。そしたら、ちょっとくらい悪戯したって怒られないよね?」

「え、ひぁん……っ!」

 流れるようにフロントホックを外されると、隠すものがなくなった乳首に浅黄が触れた。




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