47 / 162
4月
(閑話休題)女神たちの内緒話1
しおりを挟む――とある昼下がり。
街角のファストフード店にて、三者三様の愛らしさ、美しさ、華やかさを持つ少女たちが集まっていた。
「はぁ……こんなに幸せなことがあってもいいのでしょうかぁ?」
「いやーほんと。乙成優太、恐れ入ったわ」
「素晴らしい程の萌の投下率ね……」
「何より、それ本気で言ってんの? ってくらい、単純思考っていうか変な方に振り切れてるというか」
「優くんは元来女性が好きですからねぇ。同じ男性から好意を持たれるかも、という考えが壊滅的に欠如しているんです~」
「更には残念なくらい主語が足りない……」
「はぁ~、それ故の勘違い&すれ違いってわけね。よく出来てるわ」
「そして楽観的でもあるので、深く物を考えることがないんでしょうねぇ~心のままに動いているといいますか……」
「何気に酷いこと言ってないか……?」
少女たちは会話を楽しみながら、各々目の前にあるドリンクやフードに手を伸ばし、お腹を満たしていく。
「そこが優くんの愛すべきポイントなんですよぉ。ちなみに優くんは、私が心の声を聞くことが出来るということをすっかり忘れているようなんですよね~」
「ああ、確かにいつも『ミユにバレたら困る』『こっそりやらないと』みたいな事考えてるもんな」
「心が読めなくても表情で丸分かりよ……」
「あはは! それもそうだな~」
「ミユは『女の子と付き合うんだぁ』と意気込みながら、結果として攻略対象を振り回している優くんに、ポテンシャルしか感じないんですよねぇ」
「「同感」」
「ほんっとぉに、なんて逸材を見つけてしまったんでしょうかー」
「それは本気で素晴らしいと思うよ。初めて佐々木優太を見た時は、なんでこいつ? って思ったけど」
「……そうね。ミユの目を疑ったわ……」
「うふふ♡ 今は感謝してますでしょぉ?」
「てかアイさぁ、可愛い受好きだからってちょっとあざとく設定し過ぎじゃない?」
「口調を初期設定に寄せてるだけで、他は特に弄ってない。さっきも言ったけど、優太の主語が壊滅的に足りてないだけ……」
「そ、そっかー。あいつアホっぽいもんな。仕方ないか」
「ふふ~アイはNLに持ってくために、ミユでフラグ立ててるもんねぇ?」
「それは否定しない……小白木にはどちらも頑張って欲しいと思っている……」
「そういうサキだってぇ、ハーレム物が好きだからって、好感度操作したりしていないですよね~?」
「そんなんする訳ないじゃん! 楽しくない!」
「では異常なくらいの好感度上昇度合いも、天然の産物なんですね~。ヒロインと違ってパラメーターを上げることに、そこまで注力しなくとも良いからでしょうかぁ」
「まぁ、ゲームでも時期によって得られる情報が増えることが多いし、より関係性を深める必要はあるんだろうけどな」
「一番怪しいのはミユ……攻略対象達がすぐにBL的思考に進みすぎる……」
「あらぁ、私だって設定変えたのは固定概念の部分だけですよ~? 男を可愛いと思っても良いんだっていう、リミッターを無くしただけですぅ。法律とかまで変えちゃうと、禁断の恋感が減っちゃうのでしてませんが~」
くすくすと笑いながら盛り上がりを見せる彼女たちのガールズトークは、次々と話題を事欠かないようだ。
「それにしても、アルバイトも全パラ向上する喫茶店を選ぶところが流石だよなー」
「それが無意識なのが逆に怖い……」
「し・か・もぉ♡ ついにキスまでいきましたね~♡」
「いやー控えめに言っても最高」
「しかも羞恥に震えながらの自慰……死ぬかと思った……」
「このままだと思った以上に早く次に進むかもな」
「設定、何かいじる……?」
「ん~そうですねぇ。行動に関しては放っておいても勝手に進むでしょうから、進んだ時に優ちゃんが痛い思いをしなくて済むようにだけしましょうか~」
「お! そりゃいいな。あたし、ここいじりたかったんだよなー」
「私はここ……」
「なるほどぉ、それならこれなんてどうですか~?」
少女たちの会話はまだまだ尽きない……――
3
お気に入りに追加
1,347
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。
丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。
イケメン青年×オッサン。
リクエストをくださった棗様に捧げます!
【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。
楽しいリクエストをありがとうございました!
※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる