乙ゲーヒロインの隣人って、普通はお助けキャラなんじゃないの?

つむぎみか

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4月

(閑話休題)女神たちの内緒話1

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 ――とある昼下がり。

 街角のファストフード店にて、三者三様の愛らしさ、美しさ、華やかさを持つ少女たちが集まっていた。


「はぁ……こんなに幸せなことがあってもいいのでしょうかぁ?」
「いやーほんと。乙成優太、恐れ入ったわ」
「素晴らしい程の萌の投下率ね……」


「何より、それ本気で言ってんの? ってくらい、単純思考っていうか変な方に振り切れてるというか」
「優くんは元来女性が好きですからねぇ。同じ男性から好意を持たれるかも、という考えが壊滅的に欠如しているんです~」
「更には残念なくらい主語が足りない……」
「はぁ~、それ故の勘違い&すれ違いってわけね。よく出来てるわ」

「そして楽観的でもあるので、深く物を考えることがないんでしょうねぇ~心のままに動いているといいますか……」
「何気に酷いこと言ってないか……?」

 少女たちは会話を楽しみながら、各々目の前にあるドリンクやフードに手を伸ばし、お腹を満たしていく。

「そこが優くんの愛すべきポイントなんですよぉ。ちなみに優くんは、私が心の声を聞くことが出来るということをすっかり忘れているようなんですよね~」

「ああ、確かにいつも『ミユにバレたら困る』『こっそりやらないと』みたいな事考えてるもんな」
「心が読めなくても表情で丸分かりよ……」
「あはは! それもそうだな~」

「ミユは『女の子と付き合うんだぁ』と意気込みながら、結果として攻略対象を振り回している優くんに、ポテンシャルしか感じないんですよねぇ」

「「同感」」

「ほんっとぉに、なんて逸材を見つけてしまったんでしょうかー」
「それは本気で素晴らしいと思うよ。初めて佐々木優太を見た時は、なんでこいつ? って思ったけど」
「……そうね。ミユの目を疑ったわ……」

「うふふ♡ 今は感謝してますでしょぉ?」


「てかアイさぁ、可愛い受好きだからってちょっとあざとく設定し過ぎじゃない?」
「口調を初期設定に寄せてるだけで、他は特に弄ってない。さっきも言ったけど、優太の主語が壊滅的に足りてないだけ……」
「そ、そっかー。あいつアホっぽいもんな。仕方ないか」
「ふふ~アイはNLに持ってくために、ミユでフラグ立ててるもんねぇ?」
「それは否定しない……小白木にはどちらも頑張って欲しいと思っている……」

「そういうサキだってぇ、ハーレム物が好きだからって、好感度操作したりしていないですよね~?」
「そんなんする訳ないじゃん! 楽しくない!」
「では異常なくらいの好感度上昇度合いも、天然の産物なんですね~。ヒロインと違ってパラメーターを上げることに、そこまで注力しなくとも良いからでしょうかぁ」
「まぁ、ゲームでも時期によって得られる情報が増えることが多いし、より関係性を深める必要はあるんだろうけどな」

「一番怪しいのはミユ……攻略対象達がすぐにBL的思考に進みすぎる……」
「あらぁ、私だって設定変えたのは固定概念の部分だけですよ~? 男を可愛いと思っても良いんだっていう、リミッターを無くしただけですぅ。法律とかまで変えちゃうと、禁断の恋感が減っちゃうのでしてませんが~」

 くすくすと笑いながら盛り上がりを見せる彼女たちのガールズトークは、次々と話題を事欠かないようだ。

「それにしても、アルバイトも全パラ向上する喫茶店を選ぶところが流石だよなー」
「それが無意識なのが逆に怖い……」

「し・か・もぉ♡ ついにキスまでいきましたね~♡」

「いやー控えめに言っても最高」
「しかも羞恥に震えながらの自慰……死ぬかと思った……」

「このままだと思った以上に早く次に進むかもな」
「設定、何かいじる……?」
「ん~そうですねぇ。行動に関しては放っておいても勝手に進むでしょうから、進んだ時に優ちゃんが痛い思いをしなくて済むようにだけしましょうか~」
「お! そりゃいいな。あたし、ここいじりたかったんだよなー」
「私はここ……」
「なるほどぉ、それならこれなんてどうですか~?」



 少女たちの会話はまだまだ尽きない……――



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