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 吾輩は生きているのであろうか、目を覚ましたら目の前には一人のお爺さんが居るのである。
 こんな時でも吾輩はお爺さんに挨拶を忘れないのである。
 にゃうん
 そう挨拶するとお爺さんが話しだす。
 神「ふむ、お前さんは自分が死んだ事を理解出来ていない様じゃな、まぁお前さんは猫じゃから死後の世界なぞ知らんだろうからな」
 このお爺さんは吾輩を見縊っているのであろうか、吾輩は死後の世界という言葉は聞いた事がある。
 相棒が見ていたあにめという物で誰かが言っていたのである。
 それにしてもてれびという物は不思議である。
 なんせ光を発し、中には人が居るというのに吾輩は入れなかったのだ。
 しかもりもこんという物のボタンを押せばてれびに入っている景色等が一瞬にして変わるのだ。
 そう考えていると、お爺さんが喋りだす。
 神「こらこら、思考が散らかり過ぎじゃ、まぁ死後の世界を知っているのなら話は早い、私は神で君を他の世界に送ってやる」
 ふむ、話はなんとなく理解できたが、吾輩を他の世界に送る理由は何だろうか?
 そもそもこの神と言う老人は吾輩の言葉というか心を理解している気がする。
 そう考えていると、またもや神なる者が注意する。
 神「こらこら、また思考が散らかっているぞ」
 これはすまぬ神なる者よ、吾輩は反省の意味を込め鳴いた。
 にゃーん
 神「よいよい、それより君を他の世界に送る理由だが、君は死ぬ前、一人の少年を救った」
 ふむ、多分それは吾輩が体当たりした少年の事だろう。
 神「周りの人間はその状況に硬直していたのに対し、人間よりも遥かに小さな君は硬直していた人間達より、遥かに大きな勇気を見せてくれた」
 ふむふむ
 神「しかし、すぐに転生させる事が可能な世界は少ないからだ」
 そういう事であったか、吾輩納得、しかしその世界にはマタタビやちゅーる等は有るだろうか?アレが無ければ吾輩は大変である。
 神「ちゅーるは無いがそれより美味しい物がある、安全かどうかも特典を付けるから大丈夫だよ」
 特典……もしかして沢山のちゅーるやマタタビであろうか、それならば嬉しくて小踊りする事は間違い無しである。
 神「ちゃんとマタタビ等も付けるがメインは能力だ」
 能力……どんなものであろうか、具体的な事を言ってほしいのである。
 神「ふむ、具体的に言うなら…様々な種族と会話出来るようにしたり、強くなったり、頭が良くなったりとかじゃな」
 それはなんとも豪華である。
 様々な種族と話すなんてのは吾輩の夢でもあったのだ。
 吾輩は感激したのである。
 神「良いのじゃよ、では早速送ってもよいかの?」
 神なる者がそう聞いてきたので吾輩は了承の意味を込め鳴いた。
 にゃん
 そして吾輩は神なる者が指示する通りに台上に乗り、感謝を込め鳴いてから少しすると、吾輩は意識を失くした。
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