ドラゴンとなった侍は恩返しをするそうです

第一章 恩人

ジスの怒り

「断る」
「あぁ?」
「聞こえなかったのか?断ると言っているんだ」
「んだとコラァ!!☆☆ランクのこのダンに無星ノースターのお前が逆らうってのか!!」

この品のない男はダンと言うらしい
一応☆☆ランクで私よりも先輩となるのだがゼシカ嬢の方が優秀であることは間違いない

「逆らおうって言うのならてめぇをボッコボコにして報酬を頂くぜ、あとおめぇの連れの嬢ちゃんも俺らの性奴隷として可愛がってやるよ」

ゼシカ嬢は★ランク、奴らにはかなわないのは明白であるが



不快だ



私の恩人ゼシカ嬢を性奴隷だと?


不快だ、実に不快だ


「不快だ」
「あ?」

その瞬間ジスは目に見えない速さでダンの目の前に移動し奴の胸ぐらを掴み持ち上げた
この光景を見ているものは不思議に思うだろう
身長はジスは186センチそれに対しダンは190センチを超える
体格もジスはスラっとしていて健康的なのに対しダンは服がはち切れんばかりの筋肉がついている

だが持ち上げているのはジスだ

「なっ!?っこ、こいつ、はなしやがれ!!」

ダンはそう言い足をじたばたさせジスを蹴ったりするがビクともしない

取り巻きの男二人も異様な光景を前にポカンとしている

「私の恩人を性奴隷だと?貴様ら、覚悟は出来ているんだろうな?」

ジスは怒っていた、恩人を侮辱されたのだ
しかも性奴隷にしてやると、これでジスが怒らないはずがない


ジスの怒気はとんでもなかったギルド、いや街全体が震えるほどのものだった

周りにいた者達はビビって漏らし恐怖していた。
受付係のミリ達も支えがないと立っていられない状態だった

「ジスさん…」

ジスの怒気は上位ランクであるはずのゼシカでさえも足が竦すくむほどのものだった

「ゼシカ嬢」
「ひゃ、ひゃい!」

急に話しかけられビクッとなるゼシカ嬢にジスは

「こいつらはどうすればいい。本来なら殴ってやりたいところだが侮辱されたのはゼシカ嬢だ、だからこいつらをどうするかゼシカ嬢決めてくれ」

そう聞かれゼシカはジスに掴まれたダンを見ると漏らしながら気絶していた。
誰よりも近くであの怒気を受けたのだ無理はない

「ジ、ジス、その人…気絶してるから、あとは何もしなくていいよ」
「わかった」

そう言いダンを床に下ろすとジスは残りの2人に

「次はないぞ」

そう言い睨み付けると

「す、すいませんっしたー!!!」

とダンを連れて街へと消えていった


ジスは怒りを静めると

「皆、すまなかった。私の勝手な行動を許して欲しい」

ジスはギルドの中にいたものへと謝罪をする

「ジス…」

その様子を心配そうに見ているゼシカ嬢
すると

「あんた、名前は?」

話しかけてきたのは

厳いかつい髭の生えたおっちゃんだった

「ジス・フィーナスだ。ジスと呼んでくれればいい」
「わかった、私はビリー・マーキスだ。ビリーでいい。あんたに言いたいことがあるんだが…」

ジスに近づいていくビリー
そしてビリーの手がジスへ伸びていき

「よぉやったな！お前さんが謝る必要はないから安心せぇ!」

と、肩を組まれながら言ってきた
どうやらダンは最近冒険者になったそうな
戦いの才能はあるが先程の通り度々問題を起こすためギルドも困っていたとか

「わしらも腹が立っていたが戦いに関しては有能やから今までは許していたんだが…今回あんたにお灸を据えられてちと反省しただろうな!」

ん?許す?

「失礼ですが、ビリーさんは何をされているので?」
「ワシはここの






ギルドマスターやで」