記憶も記録もありません…全てを消された放浪者（わたし）は、わけもわからずスローライフしてます❗️

14話

**第十四話: 森の隠れ家**

エルムウッド村が平和な日常を取り戻してからしばらく経ち、ライラたちはようやく落ち着いたスローライフを楽しむことができるようになった。村の人々も日常の生活に戻り、収穫祭の準備を進めていた。

ある日、ライラは村の広場でリリアとお茶を楽しんでいた。「やっと少し落ち着いて過ごせるわね、リリア」とライラが微笑みながら言った。

「そうね、ライラ。最近は忙しかったから、こうしてゆっくりできるのが嬉しいわ」とリリアが答えた。

そのとき、エリオットがやってきた。「ライラ、リリア、今日は森の中にある隠れ家を見に行かないかい？ずっと気になっていたんだ。あそこなら静かに過ごせるし、自然を満喫できると思うんだ」

ライラとリリアは興味を持ち、アーロンとレオンも誘って森の中へ向かうことにした。彼らはゆっくりと森を歩きながら、鳥のさえずりや風の音を楽しんだ。

「ここがその隠れ家かしら？」リリアが言った。

エリオットは頷きながら、古びた木の扉を開けた。中に入ると、そこには温かみのある小さな部屋が広がっていた。木製の家具や暖炉があり、窓からは美しい景色が広がっていた。

「この場所、すごく落ち着くわね」ライラが感嘆の声を上げた。

「そうだね。この隠れ家は昔、村の守護者が休息を取るために使っていた場所らしい。私たちもここでしばらく過ごして、リフレッシュしよう」とエリオットが説明した。

彼らはそれぞれ好きな場所に腰を下ろし、リラックスした時間を過ごし始めた。ライラは窓辺に座って風景を眺め、リリアは本を読み、アーロンとレオンは囲碁を楽しんでいた。エリオットは暖炉の火を起こし、みんなに温かい飲み物を振る舞った。

「この場所、本当に素敵ね。まるで別世界に来たみたい」とライラが言った。

「確かに。こうしてのんびりと過ごすのも悪くないな」とアーロンが笑顔で答えた。

彼らはその日の午後をゆっくりと過ごし、自然の美しさや静けさを満喫した。夕方になると、エリオットが提案した。「ここでキャンプをして、一晩過ごすのもいいんじゃないか？」

ライラたちはその提案に賛同し、キャンプの準備を始めた。彼らは焚き火を囲んで夕食を取り、星空を眺めながら話に花を咲かせた。

「これからもこうして時々、隠れ家に来てリフレッシュするのもいいかもしれないわね」とリリアが言った。

「そうだね。日常の忙しさから離れて、自然と共に過ごす時間も大切だと思う」とエリオットが同意した。

夜が更けるにつれて、彼らはそれぞれの寝袋に入り、静かな森の中で眠りについた。焚き火の暖かさと、遠くから聞こえる夜の動物たちの声が心地よい眠りを誘った。

翌朝、彼らは爽やかな気分で目を覚ました。朝の陽射しが隠れ家を照らし、鳥たちのさえずりが響いていた。ライラは深呼吸をして、新しい一日の始まりを感じた。

「みんな、朝食を準備するわよ」とライラが言い、リリアと共に朝食の準備を始めた。彼らは簡単な朝食を取りながら、これからの日々について話し合った。

「また村に戻って、収穫祭の準備を手伝おうか？」アーロンが提案した。

「そうね。村のみんなもきっと喜ぶわ」とリリアが答えた。

彼らは隠れ家を後にし、再び村へと戻った。心も体もリフレッシュした彼らは、収穫祭の準備に全力を注ぎ、村の人々と共に楽しいひとときを過ごすことを楽しみにしていた。

こうしてライラたちは、エルムウッド村でのスローライフを大切にしながら、新たな冒険と発見に備えていった。彼らの絆はますます深まり、村での生活がますます豊かになっていくのだった。