記憶も記録もありません…全てを消された放浪者(わたし)は、わけもわからずスローライフしてます❗️

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10話

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**第十話: 古代の予言**

黒い影を退けたライラと仲間たちは、再び平和な日々を取り戻した。しかし、ライラの心には一抹の不安が残っていた。彼女は影の出現が単なる偶然ではないことを感じ取っていた。

「エリオット、この影の正体を突き止めるためにもっと情報が必要だわ」

ライラの言葉にエリオットも同意し、彼らは村の図書館で古代の書物を探し始めた。アーロンとリリアも協力し、村の歴史や予言に関する文献を集めた。

「この本だ」エリオットが古びた書物を見つけた。「『エルムウッドの予言』と書かれている。これが手がかりになるかもしれない」

彼らは慎重にその本を開き、予言の内容を読み進めた。そこには、エルムウッド村にまつわるいくつかの重大な出来事が予言されていた。

「この予言によると、黒い影の出現は村に大きな危機が訪れる前兆とされている」エリオットがページを指しながら説明した。「そして、その影が現れた後には、強力な守護者が立ち上がり、村を守ると書かれている」

ライラはその言葉に胸を突かれる思いだった。「強力な守護者…それって私たちのことなのかしら?」

エリオットは静かに頷いた。「君たちが影を退けたことで、予言の一部は成就したと言える。しかし、まだ完全ではないようだ。この予言には続きがある」

彼らはさらにページをめくり、予言の全容を探った。その中には、村を守るための試練が記されていた。

「次の試練…それは『霧の試練』と呼ばれている」エリオットが読み上げた。「霧が村を覆い、その中で隠された真実と向き合うことになる。そして、その試練を乗り越えた者が村を守るための真の力を手に入れる」

ライラは決意を新たにした。「私たちがこの試練に立ち向かわなければならないのね」

アーロンとリリアもその言葉に同意し、次なる試練に向けて準備を始めた。彼らは村の周囲を調査し、霧が再び現れる兆候を探った。

数日後、再び村を覆うように霧が立ち込め始めた。ライラたちは予言の通り、この霧が次の試練の始まりであることを確信した。

「準備は整ったわね」ライラが仲間たちを見渡しながら言った。「霧の中に入って、試練を乗り越えましょう」

エリオット、アーロン、リリアはそれぞれの役割を確認し、霧の中へと足を踏み入れた。霧は視界を遮り、彼らの進むべき道を迷わせるように立ち込めていた。

「ここからは互いの力を信じて進むしかないわ」ライラが言いながら、一歩一歩慎重に進んだ。

彼らが霧の中を進むと、次第に奇妙な光景が現れ始めた。古代の遺跡や、過去の戦いの痕跡が霧の中に浮かび上がってきた。

「この遺跡…かつてこの地で何かがあったようだ」エリオットが周囲を見渡しながら言った。

ライラはその言葉に同意しながら、自分の記憶をたどった。「この場所…私も何かを感じるわ。私たちの前に何かが隠されている」

彼らは遺跡の中心へと進み、そこに巨大な石碑を見つけた。石碑には古代の文字が刻まれており、その周囲には魔法の力が漂っていた。

「この石碑が霧の中心かもしれない」エリオットが石碑に手を触れながら言った。「ここに試練の答えがあるはずだ」

ライラは石碑に近づき、その力を感じ取った。「私たちの力を使って、この石碑の秘密を解き明かしましょう」

彼らは石碑の前に立ち、それぞれの魔法の力を集中させた。石碑は次第に輝き始め、周囲の霧が揺らめいた。

「この石碑には…古代の守護者の力が封じられているようだ」エリオットが石碑の文字を読み解きながら言った。

ライラはその言葉に力を得て、魔法の力をさらに解放した。「私たちがこの力を解放することで、村を守るための真の力を手に入れることができるわ」

石碑は輝きを増し、やがて霧が完全に消え去った。彼らの前には、巨大な古代の守護者が姿を現した。

「この守護者が村を守るための力を持っているのね」ライラが感嘆の声を上げた。

守護者は静かに彼らを見つめ、その存在感を放っていた。エリオットが守護者に向かって声をかけた。「我々はエルムウッド村を守る者です。あなたの力を貸してください」

守護者はゆっくりと頷き、その力を彼らに分け与えた。ライラたちはその瞬間、強力な魔法の力を感じ取り、自分たちが村を守るための真の力を手に入れたことを確信した。

「これで、私たちは村を守るための準備が整ったわ」ライラが微笑みながら言った。

彼らは村に戻り、村人たちに守護者の力を得たことを報告した。村人たちは歓喜し、ライラたちの勇気と努力を称えた。

「これからも私たちは力を合わせて、村を守り続けます」ライラの言葉に、村人たちは大きな拍手を送った。

エルムウッド村の平和は、ライラたちの手によって再び守られることが約束された。彼女たちの物語はまだ続く。新たな試練と冒険が彼女たちを待ち受けているのだ。
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