記憶も記録もありません…全てを消された放浪者(わたし)は、わけもわからずスローライフしてます❗️

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4話

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**第四話: 森の秘密**

エルムウッド村での生活は、ライラにとって心温まる日々となっていた。村の人々との交流が増え、彼女の心には少しずつ安らぎが戻ってきた。しかし、彼女の心の中には依然として記憶の喪失という大きな空白が残っていた。

ある日、ライラは村の外れにある森の存在を耳にした。その森は「エルムウッドの森」と呼ばれ、村の人々にとっては特別な場所だった。エリオットに森のことを尋ねると、彼は少し驚いた表情を浮かべたが、すぐに柔らかな笑顔を見せた。

「エルムウッドの森は、この村の人々にとって大切な場所なんだ。昔から伝説や物語が語り継がれているよ。でも、森の奥にはあまり行かない方がいい。迷いやすく、危険も多いからね」

その言葉に、ライラの冒険心が刺激された。彼女は自分の記憶を取り戻すための手がかりが、もしかしたらその森にあるのではないかと感じた。

翌朝、ライラは少し早く起きて、森へと向かうことにした。リリアとアーロンにそのことを話すと、二人とも心配そうな表情を浮かべたが、彼女の決意を尊重して見送ってくれた。

「気をつけてね、ライラ。森の奥には行かないようにしてね」

リリアの言葉にうなずき、ライラは背負った小さなリュックを確かめた。水筒と少しの食料、そしてエリオットから借りた地図が入っている。

エルムウッドの森に足を踏み入れると、すぐに空気がひんやりと冷たく感じられた。木々は高くそびえ、日差しが葉の間から漏れて美しい光のカーテンを作り出していた。鳥のさえずりや風の音が心地よく、ライラは自然の中でのんびりとした気持ちになった。

しばらく歩いていると、小さな川が流れているのを見つけた。ライラは川のほとりに座り、水を手ですくって飲んだ。冷たくて美味しい水に、心も体もリフレッシュされた。

「ここは本当に美しい場所ね」

ライラはそうつぶやきながら、再び歩き始めた。森の奥へ進むほど、木々はますます密集し、道は険しくなっていった。しかし、彼女の心には強い決意があった。

しばらく進むと、古びた石碑が見えてきた。その石碑には、古代の文字が刻まれていた。ライラはその文字を見つめながら、何かを思い出しそうな気がした。

「これは一体…」

ライラは石碑の周りを調べ始めた。すると、石碑の裏側に小さな入口があるのを見つけた。その入口は、まるで誰かが隠したかのように見えた。ライラは好奇心に駆られ、入口の中へと入っていった。

中は薄暗く、ひんやりとした空気が漂っていた。足元に注意しながら進むと、やがて小さな洞窟にたどり着いた。その洞窟の奥には、古い書物や地図が並べられていた。

「これは…」

ライラはその中の一冊を手に取り、ページをめくった。そこには、エルムウッド村の歴史や伝説が記されていた。彼女は夢中になってその本を読み進めていった。

「昔、この村には偉大な魔法使いが住んでいた。その魔法使いは、村を守るために大きな戦いを繰り広げたと言われている。しかし、その戦いの中で多くの記憶と記録が失われた…」

ライラの心は強く動揺した。自分の記憶が失われた理由が、この村の歴史に関係しているのかもしれない。彼女はその本を大切に抱え、洞窟を出た。

外に出ると、もう日が傾き始めていた。ライラは急いで村へ戻ろうとしたが、森の中で迷ってしまった。道がわからなくなり、不安が広がっていく。

「どうしよう…」

その時、遠くから誰かの声が聞こえてきた。「ライラ、こっちだ!」

声の方向を見ると、アーロンが手を振っているのが見えた。ライラは安心してその方向へ向かった。

「アーロン、どうしてここに?」

アーロンは少し照れくさそうに笑った。「君が森の奥へ行くと言った時、何かあったら心配だからと思って、後を追ってきたんだ。迷ったみたいだね」

ライラは感謝の気持ちを込めて、アーロンに微笑んだ。「ありがとう、アーロン。おかげで助かったわ」

二人は一緒に村へと戻りながら、ライラが洞窟で見つけた本の話をした。アーロンもその話に興味を持ち、二人でその本を読み解いていくことにした。

村に戻ると、リリアやエリオットが心配そうに迎えてくれた。ライラは洞窟で見つけた本を見せながら、今日の出来事を話した。エリオットはその本を見て、驚きと感慨深さが入り混じった表情を浮かべた。

「これは貴重な資料だ。君が見つけたことで、村の歴史や伝説について新たな発見ができるかもしれない」

ライラはその言葉に勇気づけられ、自分の記憶を取り戻すための新たな手がかりが見つかったことに感謝した。彼女はこれからもエルムウッド村での生活を大切にしながら、自分の過去を探る旅を続けていく決意を新たにした。

その夜、ライラは村の家で本を広げ、アーロンと一緒にページをめくった。二人は本の中に書かれた物語や伝説を読み進めながら、自分たちの知らなかった村の歴史に驚きと興奮を感じていた。

「この村にはまだまだ知らないことがたくさんあるんだね」

アーロンの言葉に、ライラは深くうなずいた。「そうね。でも、私たちが少しずつそれを解き明かしていけるといいわ」

二人は夜遅くまで本を読み続け、やがて疲れ果てて眠りについた。翌朝、ライラはエリオットに本の内容を詳しく話すことにした。エリオットはその話を聞いて深く考え込み、やがてライラに言った。

「この本には、君の記憶を取り戻すための手がかりがたくさんあるかもしれない。これからも村の人々と協力して、この本を解き明かしていこう」

ライラはその言葉に励まされ、これからもエルムウッド村での生活を大切にしながら、自分の過去を探る旅を続けていく決意を新たにした。村の人々との絆を深め、少しずつ自分を取り戻していく中で、彼女は自分の中にある強さと希望を見つけていくのだった。

その日から、ライラとアーロン、そしてエリオットを中心に、村の人々も本の解読に協力することになった。彼らは毎日少しずつ本を読み解き、新たな発見を共有し合った。

ある日、ライラは本の中に隠された秘密のページを見つけた。そのページには、古代の魔法や儀式について
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