「聞いた聞いた？？ お前なんて産まれてこなければ良かった！と言われ続けた無能な非行少年！？ 実は、神の末裔の生まれ変わりだったんだって！？」

19話

### 第19話：水の領域

炎の遺物を手に入れた蓮たちは、次なる遺物の在り処へ向かうことに決めた。次の目的地は「水の遺物」が眠ると言われる広大な湖の領域。そこには、古代から続く水の精霊の試練が待ち受けているという。

「次は湖か…水の精霊ってどんな存在なんだろう。」彩が興味深そうに地図を見ながら言った。

「水の精霊は、その力で生命を守り、癒す力を持っているとされているわ。」エリスが説明した。「でも、その力を手に入れるためには厳しい試練が待ち受けているはず。」

村の人々に再び見送られ、蓮たちは湖の領域へと旅立った。道中、彼らは豊かな森や澄んだ川を越え、ついに巨大な湖へとたどり着いた。その湖は透明な水をたたえ、広大な領域を占めていた。

「ここが…水の領域か。」亮が感嘆の声を上げた。

「湖の中央にある島が、遺物の在り処だと伝えられているわ。」エリスが湖を指さした。

彼らはボートに乗り、湖の中央に向かって漕ぎ出した。途中、湖の水は次第に深くなり、その透明度も一層高まっていった。湖面には太陽の光が反射し、美しい光景が広がっていた。

ついに彼らは湖の中央にある島にたどり着いた。そこには古代の神殿がそびえ立ち、その内部から神秘的な光が漏れていた。

「ここだ…水の遺物が眠る場所。」エリスが確信を持って言った。

神殿の中に足を踏み入れると、涼やかな風が彼らを迎えた。神殿の奥には巨大な水の柱が立ち上り、その中から現れたのは、水の精霊ウンディーネだった。

「我が名はウンディーネ。水の守護者だ。何のためにここに来たのか？」

「私たちは水の遺物を手に入れ、闇の支配者と戦うために来た。精霊ウンディーネ、どうか力を貸してほしい。」蓮が真摯に訴えた。

「その決意が本物かどうか、試練を通じて証明してもらう。」ウンディーネが語ると、周囲の水が渦を巻き、彼らを試練の場へと誘った。

試練の場は深い水中の洞窟や、激しい水流が行く手を阻む場所だった。彼らは水に立ち向かいながら、互いの力を合わせて進んでいった。エリスの知識が彼らを導き、精霊たちの力が彼らを守った。

最後にたどり着いたのは、一つの大きな水の結界だった。そこに遺物が輝いていた。「これが水の遺物…」彩が感動しながら手を伸ばした。

「見事だ、君たちは水の試練を乗り越えた。遺物を受け取るがよい。」ウンディーネが認め、遺物を彼らに授けた。

「ありがとうございます、ウンディーネ。」蓮たちは深く感謝の意を示し、その遺物を大切に持ち帰ることを決意した。

こうして、蓮たちは三つ目の遺物を手に入れ、新たな力を得た。次なる遺物を求め、彼らの冒険は続く。闇の勢力との戦いはまだ終わらないが、彼らの絆はますます強固なものとなり、新たな試練に立ち向かう準備が整ったのだった。