「聞いた聞いた？？ お前なんて産まれてこなければ良かった！と言われ続けた無能な非行少年！？ 実は、神の末裔の生まれ変わりだったんだって！？」

18話

 第18話：炎の試練

風の遺物を手に入れた蓮たちは、次なる目的地へと向かう準備を進めていた。次に目指すのは「炎の遺物」が眠ると言われる灼熱の砂漠地帯。そこには、古代から続く火の精霊の試練が待ち受けているという。

「次は砂漠か…暑そうだな。」翼がため息をつきながら地図を見ていると、彩が笑顔で答えた。「でも、風の精霊ゼフィールの力があれば、なんとかなるんじゃない？」

「その通りだ。」エリスも自信を持って答えた。「ゼフィールの風があれば、暑さも少しは和らげられるわ。準備を整えて出発しましょう。」

村の人々に見送られ、蓮たちは次なる冒険へと旅立った。道中、彼らは広大な草原や険しい山を越え、ついに灼熱の砂漠地帯へと足を踏み入れた。砂漠の暑さは予想以上で、日中は息が詰まるほどの熱気が襲ってくる。

「これが…砂漠の力か。」亮が汗を拭いながらつぶやいた。

「ここでは水分補給が何よりも重要だわ。みんな、気をつけて。」エリスが注意を促しながら、水筒を配った。

夜になると、砂漠の気温は急激に下がり、寒さが襲ってくる。彼らは焚き火を囲み、砂漠の星空を見上げながら一息ついていた。その夜、老人が静かに語り始めた。

「昔、火の精霊との契約を結ぶために、多くの者がこの砂漠を訪れた。しかし、その試練を乗り越えた者はごくわずかだったという。」

「火の精霊…一体どんな試練が待っているんだろう。」彩が不安げに言うと、老人は微笑んで答えた。「どんな試練であれ、私たちは共に力を合わせて乗り越える。そう信じている。」

翌日、彼らは砂漠の奥深くへと進んで行った。太陽が頂点に達した頃、目の前に巨大な岩山が現れた。その頂上には、古代の遺跡がそびえ立っていた。

「ここだ…炎の遺物が眠る場所。」エリスが確信を持って言った。

彼らは遺跡の中へと足を踏み入れた。内部は暗く、熱気が立ち込めている。突如、遺跡の中心に巨大な火柱が立ち上った。その中から現れたのは、火の精霊イフリートだった。

「我が名はイフリート。炎の守護者だ。何のためにここに来たのか？」

「私たちは炎の遺物を手に入れ、闇の支配者と戦うために来た。精霊イフリート、どうか力を貸してほしい。」蓮が力強く訴えた。

「その決意が本物かどうか、試練を通じて証明してもらう。」イフリートが語ると、周囲の炎が渦を巻き、彼らを試練の場へと誘った。

試練の場は燃え盛る溶岩の川や、熱風が吹き荒れる灼熱の地だった。彼らは火に立ち向かいながら、互いの力を合わせて進んでいった。エリスの知識が彼らを導き、精霊たちの力が彼らを守った。

最後にたどり着いたのは、一つの大きな炎の結界だった。そこに遺物が輝いていた。「これが炎の遺物…」彩が感動しながら手を伸ばした。

「見事だ、君たちは炎の試練を乗り越えた。遺物を受け取るがよい。」イフリートが認め、遺物を彼らに授けた。

「ありがとうございます、イフリート。」蓮たちは深く感謝の意を示し、その遺物を大切に持ち帰ることを決意した。

こうして、蓮たちは二つ目の遺物を手に入れ、新たな力を得た。次なる遺物を求め、彼らの冒険は続く。闇の勢力との戦いはまだ終わらないが、彼らの絆はますます強固なものとなり、新たな試練に立ち向かう準備が整ったのだった。