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45・ほらほら、泣かないで、おねいさんに任せなさい。
しおりを挟む気を取り直して調理再開です。
咲ちゃんが下味をつけて魚貝類を乗せた隙間に、切り出した野菜を埋め込む様に彩りよく入れていきます。
チャンチャン焼き風には、味噌、味醂、酒、砂糖、すりおろし大蒜の合わせ調味料を掛けて・アクアパッツァには、大蒜の欠片5つと赤唐辛子を5本程、香草を入れて煮切った白ワインにオリーブオイルをたっぷりと掛け回します。
「な、なあ、日向、いいのか、本当にいいのか、こんな旨い物食べて?」
「ハル、日本語が変」
「だって見ただけ旨いだろ、コレ」
確かになかなか豪華です。
ヒラメにイサキにイワシ、ホタテにハマグリにアサリにムール貝、イカにタコ、アカザ海老と、具沢山になりました。
「まあ、美味い、不味いは食べた時にね」
後は蓋をしてオーブンの中へ。
お肉は鴨のモモ肉に下味をつけて、豚の背脂からとった自家製ラードで、低温でじっくりと加熱する事によって、肉は柔らかく、旨味を逃さず、ラードのコクと風味が加わった逸品です。
これもそのままオーブンの中へ。
う~ん、良い香りが漂ってきました。
気づけばオーブンの前に全員集合です。
「う~ん、う~ん?」
「どうしたの、マリ?」
マリが身体を左右に折り曲げハテナマークを作っていたので、咲ちゃんが尋ねました。
「咲! マリには、わからないですね?」
マリの瞳が潤んでいます!
「どうしたのマリ!? 何が分からないの?」
「さ~き~!」
マリが咲ちゃんに抱き付いて、顔をうずめてイヤイヤと愚図り始めました。
「ねぇ、マリ、大丈夫? 本当にどうしたの?」
咲ちゃんだけではなく、みんな如何した事かとオロオロし始めます。
「あ~、みんな平気よ」
えぇ、このオーブンから漂う香りを嗅いだ後に、マリの考える事などお見通しです。
「マリ、お味噌の香りにはご飯、オリーブオイルとラードの香りにはパンよ」
マリはソロソロと咲ちゃん身体にうずめた顔を私に向けて、尚も不審げに尋ねてきます。
「りょうほう?」
「もちろん!」
「ひーなーたー!」
マリが飛び跳ねて抱き付いてきて、悪い気分ではないと思ったのも束の間、肩を掴まれます。
「日向! マリを甘やかしてはいけませんわ。オリーブオイルとラードの香りに醤油をひとたらしすれば、ご飯だけで十分ですわ」
うん、リコはご飯党だからね……すかさず、もう片方の肩をハルに掴まれます。
「日向、アクアパッツァに醤油など論外だ。私はパンで頂くぞ」
「へえ~、煮汁にパスタ絡めて食べたら美味しいだろうと思って用意しておいたのだけど、2人とも要らないのね」
咲ちゃん、まさかの緊急参戦でした。
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