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本編後ストーリー

伯爵夫人2

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「トーマ、ほんの少しだけよ。陛下と王妃様にご挨拶したいの。」
「ルーナがそう言うなら…」

王妃様のパーティーで何か起こるはずないし、大丈夫よね。

「それで、目的は何ですか?ルーナの出欠に拘る理由を聞かせてください。」
「医師名簿・連盟に名を連ねる者を、会場に集めるつもりです。人体実験をしている医師がいる…と、情報を掴みましたので。」
「人体実験…?」

トーマが顔をしかめてるのは、半信半疑だからよね。医者は人を治療する側の人間だもの。けど…

「トーマ、嘘じゃないわ。クリムが『医師に子供を売った』と私に言ったの。」

人体実験…
拷問と同じ、もしくはそれより酷い扱いをしてるかもしれない。

「犯人の目星がついているなら、捕まえて問い質せばいい。お得意でしょう。そこにルーナは必要ない。」
「そうはいきません。相手は宮廷医ですもの。」

それを聞いて、トーマが頭をかかえた。

「ラッセンに宮廷医を捕らえる権限を持つ者などいません。」
「ええ、2人は出席してくださるだけで構いません。」
「『侯爵夫人の足を治せる医師を探す』と触れて、医師を集めるのが目的ですか…。」
「話が早くて助かります。」

私の名前を出すだけなら、問題なさそうよね。

「トーマ、子供が殺されるのは嫌だし、これくらい手伝いましょう。」
「簡単に返事をすべきじゃない。人体実験だなんて、捕まればどうなるか…。ルーナを危険に晒したくない。」
「……そうね。」

何かあったと時、私は自力で逃げられないんだから、よく考えないとね。

「母さん、ちゃんと説明しないと駄目だよ。宮廷医は出資者の1人で、犯人はその妹なんだから。」
「それは本当か、フレッド。」
「はい。それに、組織化してます。そのリーダーが宮廷医グレゴリオの妹のジェマ。医師の資格を剥奪された女です。」

それだけ解っていたら、私は必要ない気がするのだけど…。

「ミザリー様、潜りで医療行為をしてるなら、その罪で捕まえればいいでしょう。予定通り、パーティーは私1人で出席します。」
「そう、解りました。では、明日、瓶詰めにされた子供の標本をこの邸に届けましょう。」

標本…

「四肢を切り落とされ、目をくりぬかれ、皮を剥がれたそれらを見ても、同じ返事が出来」
バンッ
ミザリー様が話してる途中だったけど、私は机をおもいっきり叩いていた。

「絶対に許さない…。同じ目にあわせてやるわ…」
「さすがルーナちゃんね。」



結局こうなるのか…
と、項垂れるトーマだった。
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